2019年09月19日

袋小路へ突き進んで結局なにがやりたいの?

1面トップ「韓国からの訪日客半減 対韓輸出 食品は4割減」中見出し「訪日客全体も前年割れ」「訪韓客伸び鈍化」があり、いろんな方面への影響が出ており、こりゃ大変なことになりそうだ、という気がする。韓国からの訪問客が半分になり、日本を訪れる外国人の数も前年同月より減っている。一方、日本からの訪韓客は8月の前年同月比5%増。8月までの累計でも前年同時期比22%増だが、8月の伸び幅は鈍化したという。財務省による8月の貿易統計は「韓国向け食料品輸出額が前年同月比40・6%源の26億円となった。世界全体への食料品の輸出量も3・5%減ったが、それを大きく上回る」「輸出の全体額も、8月は前年同月比9・4%減の4226億円」「『フッ化水素』を含む無機化合物の(略)韓国向けの輸出額も8月に68・7%の16億6600万円」「メーカー2社の(略)税関担当者は『8月に入り、輸出管理の影響が本格的に出ている』と指摘」(本文引用)。韓国でももちろんかなりシビアーな影響が出ているだろう。それでも、韓国には自力で跳ね返そうとする余地がある。輸出規制された品目を自国で賄う技術開発に乗り出しているし、数年を経て実現する可能性は高い。文政権はたしかに剣が峰に差し掛かっているが、゙国氏をめぐる疑惑も保守野党による撹乱のなか危うい均衡を保ちつつ、市民の分厚い支持が保たれている。保守の巻き返しに検察が手を貸している可能性が高いけれど、韓国民は過去の経験からその意味をよく知っている。゙国氏をめぐる疑惑がそんな流れの中で生じていることも含めて、より良い方向へ解決されていくはず。そして、このままでは日本の方が振り上げたコブシの下ろし方がわからず、メンツのみで騒ぎ続け、過去の戦争のようにボロボロになるまで勝利を信じて突き進む、世界でもレアな存在になりかねない。そうならないためのやり方は、普通に考えればすぐ見つかるはず。意外に、訪韓客の伸びが「割れ」でなく「鈍化」であることのなかに、解決の目が潜んでいるのかもしれない、とふと思ったわけで。
4面に奇妙な記事がある。「汚染土の県外搬出『実際にできるのか』 前規制委員長の田中氏発言」。氏は汚染土について「『自分たちのところが嫌なものを、他の県に持って行く。実際にそんなことができるのか』と述べた」「大熊、双葉両町の中間貯蔵施設から30年以内に県外で最終処分するという政府方針を説明した上で、『(略)自ら解決、克服していかないといけない』と強調。委員長を退任後、自身が県内で取り組んでいる汚染度の再生利用の必要性を訴えた。汚染度は2015年、中間貯蔵施設への試験搬入が始まった。21年度までに1400万立方メートル(東京ドーム11個分)を搬入する計画で、法律上、45年3月にはすべての汚染土を県外に持ち出すことになっている」「小泉進次郎・環境相が(略)『「30年」、この約束を守れるように全力を尽くします』と話している」(本文引用)。それしかできなくなる状況へゆっくりとコトを進めていき、行き詰まった瞬間に「自分たちのところが嫌なものを、他の県に持って行く。実際にそんなことができるのか」などと言い出す。それはどうかなあ、と思いつつ、少なくとも田中氏は、その是非は別にして退任後も責任を持とうと汚染土の再生利用を県内で取り組んでいる。汚染された大地があり、人の復帰が不動の前提となり、汚染土をそのまま置きっぱなしにできないとなると、彼の中に残った良心のかけらがうずくのか。彼の思考はやむにやまれぬ気持ちで袋小路に陥りながら、大転換をできずに煩悶を続けているようにみえる。その一方で、小泉進次郎新環境相の発言は意味不明だ。「『30年』、この約束を守れるように全力を尽くします」と言われても、「よく言ってくれた」と応えられるはずがない。いまの政治家に「30年」後の責任をまともに考える人物がいるかどうか。具体的方法を示さず、目標に至る方向性も示さず、「全力を尽くします」と言われても、「本気か?」としか思えない。顔つきだけじゃなく本気の獅子奮迅がないと、道はひらけないコトを知ってやって欲しいわけで。考えても考えても、いまの政治は袋小路へ突っ込んでいくとしか思えないんだけどな。ねえ、田中先生?!
posted by ガンコジージ at 12:12| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月18日

行間を読みにくい記事が多くなってきた

3面に「コメ輸入 無関税枠見送り要求 車関連 米側の関税削減は限定的 日米貿易交渉」がある。「交渉は8月下旬に大枠合意しており、9月下旬の日米首脳会談で正式に妥結する見通しだ。米国では貿易協定を締結する場合、事前に通商問題に関する権限を持つ議会に通知しなければならず、トランプ氏は16日、このルールに沿って米議会に報告した」(本文引用)とある。記事だけでは細かいことは全然わからない。「米通商専門家によると」とか「なるという」「見通し」「低く抑える方針」「米国と調整中」「理解を示しているという」などの文言が並び、その主語が日米のどちらかよくわからず、わかっても内容が曖昧。ときに「ほぼ合意した」内容が出てくるが「交渉を進めている」が文章の結論だったりして、どこまで合意しているのかわからない。ラストのシメは「日本にとっては、トランプ氏が何度もちらつかせてきた日本車への追加関税の回避も目標だった。協定や共同声明で米国の将来にわたる追加関税見送りが明記されなければ、日本側が一方的に譲歩した内容となりかねない。自動車分野での成果と農業分野での譲歩のバランスがとれなかった場合にも交渉の結果責任が問われることになる」(本文引用)ということで、記事はトランプ氏が米議会に通知した米側の事情と、なかなか出てこない日本側の情報を探りながらまとめた内容で書かれており、確定的な内容はまだよくわからない。添付イラストでどれだけ理解が進むやら、それもおぼつかない。夏バテでブログ主の読解力が低下しているのかもしれないが。
4面「韓国、輸出優遇から日本除外」では、「韓国政府は18日、輸出手続きを簡略化できる優遇国のリストから日本を正式に外す」「変更の理由について『国際的な輸出管理体制の基本原則に反して制度を運用する国とは協調が難しい』と説明しており、日本の対韓輸出規制への報復措置とみられる」(本文引用)。この件については、他の情報も合わせて読み取ることが必要で、いまは事実を上げておくのみ。記事の横に「IAEA総会 汚染水で日韓応酬 韓国『恐怖を増大』 日本『受け入れられない』」がある。「韓国政府は16日、東京電力福島第一原発で発生する放射性物質を含んだ汚染水の処理方法について、国際原子力機関(IAEA(略))の総会で懸念を表明した。日本はこれに反論し、国際機関を舞台に、日韓が応酬した」「引原(略)大使が」「事故後の対応は評価されていると強調。汚染水の扱いは現在検討中だとし、『韓国代表の発言は海洋放水を前提としており、受け入れられない』と述べた」「菅(略)長官は(略)『事実関係や科学的根拠にもとづかず、いわれのない風評被害を及ぼしかねないもので極めて遺憾だ』と述べた」(本文引用)。日本側の反論は「海洋放出は既定事実ではない」という「事実関係」と、「科学的根拠にもとづかず」という「どういう科学的根拠か不明の根拠」による反論が主体。他に「国際社会に透明性を持って丁寧に説明してきている」「議論の共有を含め、取り組みを継続していく」(本文引用)とあるが、これはアベ流ご発言で信頼性はない。
両記事のすぐ下に、「『建設的な対話』必要性を強調 米国務長官」の短い1行記事がある。茂木外相がポンペオ米国務長官と約20分間電話協議したとあり、ポンペオ氏は茂木氏に「日韓両国の『建設的な対話』を強調した」(本文引用)。茂木氏はポンペオ氏に対し「『安全保障に関わる情報共有が円滑に行われなくなることは重大な問題だ』との認識を示し、ポンペオ氏が『完全に同意する』と応じた」(本文引用)とある。これは茂木氏の口から語られた内容で、会話の結果がこうなるように語りかけただけで、外相就任のご挨拶会話。ポンペオ氏の本音は聞こえない。貿易交渉同様、時が経って全く違う会話だったことがオモテに出るかもしれない。個人的にはどうも米がまともに取り扱いかねている様子が垣間見えて仕方ない。ともあれ、このように記事の行間が読みにくくなっているのを憂慮する。これしか情報源のない庶民が記事の奥にある事実をできるだけ正確に読み取る力を持つことが特に大切ないま、読み取る力を持たなかったら、国家による情報操作で右往左往するしかなくなる。要緊張!
posted by ガンコジージ at 11:08| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月17日

なにもやらないと支持率が上がる政権

1面の記事の並び方がシュール。トップは「気候危機 暑さに強いコメ・果物広がる」。その左隣に小さめの字で「千葉 7・3万戸停電続く」その下に「内閣支持率上昇48% 本社世論調査」がある。「気候危機」は確かに重要だが、文字の大きさ、記事の分量の多さで、「千葉」と「支持率」の合計より多いのが気になる。そしてさらに、台風上陸から1週間過ぎた千葉で、国の対策本部も設置されず延々と続く、ほぼ棄民といえる苦難の日々。その直下の記事で、支持率上昇という不可解。その不可解さの根っこが、「支持率」の記事でちょこっと垣間見える。記事ラストの「カジノを含む統合型リゾート(IR)を自分が住む地域に誘致することには71%が『反対』で、『賛成』は20%だった」(本文引用)というオソマツ。厄災が目の前に来ないと危機感を持たないのが庶民の現実感覚か。その流れは、「アベ政権のもとで憲法を改正することには『賛成』が33%で、『反対』の44%を下回った」(本文引用)でさらに本質をあらわにする。課題が目に見えるほど具体的でなければ、身近でも関心が薄くなる。「改憲」は抽象的かつ非現実と感じているかのようだ。たとえば徴兵制が実施されても、自分のところに徴兵年齢に達している子や孫がいなければ非現実。隣の家が対象になってようやく、声を潜めて噂話に興じる程度。自分が悪いくじを引いたら大いに嘆き、死なない確率も大きいし、なんて思いながら諦めて従容と死地に赴くか。台風が過ぎて少しずつ明るみに出る千葉の惨状も遠いどこかの話。「自分に来なくてよかった」程度の感想にしかならないんだろう。ちなみに未だ災害対策本部を立ち上げないこの国のリーダーは、3面「首相動向」によれば、14日から16日までずっと「自宅ですごす」。午後には結婚式に出席やら、成蹊大アーチェリークラブでご挨拶やら、拉致問題の国民大集会に出席やらで、ほとんど静養の日々を過ごす。22面に17行の小記事で「拉致被害者家族ら集会」があるが、どんなあいさつをしたのかさえはっきりしない。
一方、23面はある種、皮肉めいた記事の並びになっている。紙面右に「傷ついた家 大雨追い討ち 40年住み 修復めざしたが… 床壊れ『どうしようもない』」「屋根のシート張り 転落35件 死亡も」があり、その左隣にほぼ同量で「東電旧経営陣強制起訴 19日判決 『津波15・7メートル予測』対応に過失は 原発事故による被害 刑事責任は」がある。1面「千葉7・3万戸停電続く」の記事を思い出せば、東電の対応のもたつきが被災後の復旧の遅れにつながっていることをしっかり連想できる。照明がつかず、冷蔵庫も冷房も機能せず、水道まで途絶えているところもある。情報の出入りもなく、食料の確保さえ危うい状況で、吹き飛んだ屋根に追い打ちをかける雨が降る。ブルーシートも役に立たず、雨漏りで室内はぐしゃぐしゃになっていく。で、首相はといえば、災害対策本部を立ち上げず、被災現地を気遣う様子もなく、悠々と自宅でくつろぐ土・日・月。昨年の「赤坂自民亭」を思い出す。あれは配慮が足りないなんてものではなく、知っていて「平気だ、とりあえず楽しんじゃお」という感覚だったのではないか。だからこそ、野党による災害対策臨時国会の開催要求に応えず、そんなの関係なしに怒涛の悪法ラッシュをやったんじゃないのか。そのあげく政府統計資料のデタラメさを暴露され、ついに追及に耐えきれず、予算委から徹底的に逃げ回るしかなくなってしまったのではないか。
なにもやらなければ支持率が上がる政権。ということはもしかしたら、憲法審査会を強行し、「改憲」まっしぐらになったとたん、またぞろ魔の支持率急降下に慄くことになるのかも。しかし今度は消費税増税のようにむりにやりきってしまうわけにはいかない。国民投票まで突き進むほど支持率が落ち込む恐怖に遭遇してしまったとき、アベシは精神的重圧を、頑張ってはねのけることができるだろうか。そのときの彼の胸中は、まさに「狂」の文字一色で染められているのではないか。それが怖いといえばいえる現状。最悪の文字がちらつくものの、延命したいなら、改憲を含めて何もやらないで早急に消えるのが彼自身にとっても最良と言っておきたい。
posted by ガンコジージ at 09:52| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月16日

何も知らせないことが最良の策となる末期

これほど政権の動向に関する記事の少ない日々が、かつてあったか。今年1月末から国会が開催されていたのにほとんど記事にならなかった。昨年12月までの大論争議会が嘘みたいに静かだった。いや、静かに感じられただけで、国会は開催されていた。国会は丁々発止の議論があってこそ国会であって、やってるのかやってないのか判らないような、つまり国民に向かって開かれていない国会なんぞ国会じゃないと思うのだがとにかく酷かった。政府の国会関係資料で国会会期の一覧を見ると、第197回の臨時会が昨年10月24日から12月10日まで。第198回の常会が今年1月28日から6月26日まで。第199回の臨時会が8月1日から8月5日まで。このうち197回と198回の最初の頃までが、トンデモ法案がどんどん採決されていき、かつさまざまな問題が噴出し、ついに政府・政権が国民に隠れて悲鳴をあげたか、議論の場である予算委員会を完全ネグレクトして公開の場から逃亡してしまって今に至る時期。第199回の臨時会はたったの5日しか開かれていない。議論すべき重要課題はもちろん基本スルーされた。政権は完全に議論から逃げ、その一方で改憲論議は、以下の記事によれば、「この選挙では憲法改正も大きな争点となりました。街頭演説のたび、議論を前に進める政党を選ぶのか、それとも議論すら拒否する政党を選ぶのか。今回の参院選はそれを問う選挙だと私は繰り返してきた。少なくとも議論は行うべきである、これが国民の審判であります」(本文引用)ということになる。記事は「開票日の午後までは『3分の2』の手応えを感じていた」と書き、選挙結果が出た後のコメントは「3分の2が維持された。改憲への了解が得られた」とでも言うつもりでいたようだ。「求心力低下を避けるには、強気で突き進むしかない」とも書かれており、続く大阪G20で各国首脳にガン無視されるお粗末を暴露、日米貿易交渉は大幅譲歩を余儀なくされ、対露交渉頓挫、対北では6カ国協議から外され、ヤキがまわって対韓経済制裁の真似事をして墓穴を掘る展開。やることなすこと空回りで、強気の発言もどこまで神通力が残っているやら。
☆「安倍首相が改憲論議の詭弁を披露したワケ 『3分の2割れ』は想定外だった」プレジデントオンライン7月24日
https://president.jp/articles/-/29435
本日1面に「千葉停電なお12万戸 台風1週間復旧さらに遅れも」があり、3面「千葉県・国の初動に遅れ 台風15号 職員派遣や被害把握」では、9日に襲った台風への対応が、1週間経ってもまだモタモタ。新経産相は「政府全体として、やることは全て可及的速やかにやってきている」(3面引用)と言うが、「16年の熊本地震や昨年7月の西日本大豪雨には、政府は防災担当相を本部長とする非常災害対策本部を設置したが、今回は設置していない。内閣府によると、明確な設置基準はないという」(本文引用)。たしか「赤坂自民亭」が開催されたのは西日本豪雨の被害が拡大中の昨年7月5日。「野党による被災地復旧に向けた補正予算編成の臨時国会召集要求を延々ネグり続け、やっと10月末の開催に至る」(18年9月25日当ブログ「臨時国会ようやく開催か・・・」乞う参照)。しかもそのときの議論の焦点は災害対策ではなく「外国人就労拡大」だった。先に紹介した当ブログ記事によると、17年の野党による臨時国会開催要求もネグレクト。「『安倍晋三政権は野党の要求に三カ月以上も応じず、昨年九月になって、やっと召集したかと思えば、首相の所信表明演説もせず、衆院を冒頭で解散してしまった』(略)臨時国会逃げ回りは、アベ政権のお好みの手法」(同上当ブログより引用)となったとある。7月16日当ブログ「明治回帰の歴史修正主義」でも書いたが、政権のピークは16年。翌年の森友疑惑以降、長い長い凋落傾向が始まったと見るべきだろう。何もやらないで逃げ回り、威勢のいいことだけ言いまくる。それだけが、いま彼にできる最良のことになっている。あわれなことに。
☆「臨時国会、10月下旬召集で調整 外国人就労拡大が焦点」日本経済新聞9月21日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35578940Q8A920C1PP8000/
posted by ガンコジージ at 10:27| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月15日

彼我の現実を思い、市民意識の違いを想う

3面「日曜に想う」の「忍び寄る『危うい言葉』の支配」が意味深。記事は米国内で連続した銃乱射事件で計31人が死んだことについて、トランプ氏が人種差別と白人至上主義を非難し、「この国に憎悪の居場所はない」(本文引用)とのべたことをとりあげる。米紙ニューヨーク・タイムズは朝刊の早版で、トランプ氏が人種差別について結束を促したと報じたが、ネットに流れたその見出しに対する反発がものすごかった。「大統領の発言の文脈からも、差別と排斥を煽ってきた日頃の言動からも、こんな見出しはあり得ない」(本文引用)というわけで、NYタイムズはすぐに見出しを差し替えた遅版を出して釈明した。紙は数日後、「言葉」についての記事を掲載。右派メディアやコメンテーターのネガティブ発言が容疑者に影響した可能性を検証。「日曜に想う」の記者はここで言葉の恐ろしさに触れた一冊の本を思い出す。ナチス時代をドイツ国内で生き抜いたユダヤ人言語学者クレンペラーが「全体主義に染め抜かれた時代を、こう述べている。『ナチズムはひとつひとつの言葉、言い回し、文形を通じて大衆の血と肉の中に自然に入り込んでしまっているのである』。そうした言葉は本人に成り代わって思考し、精神のあり方まで方向付けてしまうと、彼は言う」(本文引用)。そして記者は書く。「共生よりも、いやなら出て行け。日本でも『市民的抵抗』(例えば辺野古の基地反対運動など)に対して、国家権力になり代わったように叩く言動は後を絶たない。いわゆる『嫌韓』も国民意識によって立ちのぼる見下しの感情だろう」「『歴史は繰り返さないが、韻を踏む』と格言にいう。同じことは起こらなくても、時代に応じた貌で忌まわしいものごとが立ち現れてくる恐れは、いつでもありうる。危うい言葉の群れに時代を支配されたくはない」(本文引用)。含蓄に富む記事だが、その新聞が元徴用工問題に端を発する出来事にフィルター付きの記事を配信する。韓国法相゙国(チョグク)氏をめぐる疑惑を、こちら側で顕在化している同種疑惑より以上に書き募る。゙氏の疑惑の背景を深掘りする記事は、不思議なことに、いまのところ国内報道では見当たらない。似たような疑惑で、一方は11時間質問無制限で記者会見に臨むが、もう一方は「手紙やメモは、文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件の証拠として東京地検が保管」(本文引用)とあるもののその後の進展はどうなったかわからない。3番目の記事に「これ、あっせん利得になっちゃいますよ、代議士」(本文引用)と政策秘書にたしなめられているとあるのに。
☆「文氏側近が11時間会見 質問無制限、不正疑惑は否定」朝日新聞9月3日
https://www.asahi.com/articles/ASM932T4PM93UHBI006.html?iref=pc_rellink
☆「東京医大入試、国会議員が『依頼』 上位を超え補欠合格」朝日新聞18年12月29日
https://www.asahi.com/articles/ASLDY6GBDLDYUTIL01P.html
☆「疑惑政務官・上野宏史氏の『前代未聞』法務省への口利き発覚の直前に美人秘書カラオケバトル優勝」東スポWeb8月23日
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1521630/
こちら側の低劣なスキャンダルと対比しながら9月10日付の以下の記事を読めば、文政権が目指す方向はなんなのか、いくぶんか明らかになる。「韓国では検察などの捜査機関が、独裁政権などによって反対派の弾圧に使われてきた歴史がある。文氏がかつて側近として仕えた進歩系の盧武鉉(略)・元大統領は検察の捜査を受けて自殺している」(本文引用)。韓国民主化闘争の過程で浮き彫りになってきたことのひとつが、ここに控えめに記されている。また、「『1987、ある闘いの真実』」、「殺人の追憶」、「母なる証明」その他の映画で、韓国現代史の闇を支配する者たちの存在が提示されている。文政権はいま、それと闘っているのである。
☆「韓国法相に側近、任命強行 文大統領 疑惑渦中、野党反発」朝日新聞9月10日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14171237.html?rm=150
posted by ガンコジージ at 10:47| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月14日

ひたすら自らを生き延びさせる道を!

21面の週刊誌広告に「世代間憎悪が止まらない『#老害』で怒りが拡散 東京・池袋の80代男性運転の暴走事故に憎悪の声/成長しない世界に生きる若者たち『リア充のまま死んでいく高齢世代が許せない』/世代の分断線は『大人』と『老人』の間」とある。若者の保守化が言われるこの頃、この見出しは本音だろうな、と思う。「改憲」や「戦争」反対と叫ぶ人たちは、どうも高齢層で厚いようだ。現在の自分の立場を憂慮することなく意見を言える人びと、つまり余裕がある人びとが声を上げているように見える。みんながみんなそうではないのだが、捨て身でやっているように見えない。プチブル的アプローチを感じ、若者の腹の底に溜まる閉塞感が反発する。それはありうると感じる。なぜなら、若かりし頃のブログ主の心情もそうだったからだ。「民主」とか「平和」とかの言葉が好きではなかった。それを軽々しく口にできる人々の安易さを嫌悪した。もしかしたら戦争に駆り出され、死に直面することになるかもしれない身にとって、「戦争反対」を叫ぶことは、戦場における死を意味すると感じられたからだ。「戦争嫌だ」「死にたくない」という気持ちはたっぷりあるが、拒否したままで戦場に立つことはよりいっそう「死」に近くなる可能性を感じさせた。恐怖の剣が峰に立って絶対に持ちこたえる自信がなかったブログ主には、生きるためには困難を極める強い意志が必要に思えた。そんな強さを持たないで唱えているかに見える「戦争反対」は、空虚そのものにしか思えなかった。「『#老害』で怒りが拡散」「『リア中のまま死んでいく高齢世代が許せない』」などの表題を見て、現代の若者たちに充満する不満のありように、若かった自分との接点を感じた。
しかし、一つ例を挙げておきたい。友人の父親は全評(日本労働組合全国評議会)の活動家で、獄につながれたこともあった。そのため徴兵が遅れ、最初の徴兵で送られたのが米軍総攻撃直前の沖縄となり、彼は決意した。「オレは戦争しない。銃をぶっ放さない」。そして「投降運動」を組織する。戦場で生き抜くために狂気の鬼と化す兵士たちを少しずつ説得し、集団自決に追い込まれる住民たちに「死ぬな」と話しかける。激戦の中で成果はゼロではなかった。彼の言葉で命を永らえた者たちがいた。そして彼も生き抜いた。どちらに転ぶかわからないギリギリ剣が峰を、信じることに賭けて生きた。戦後はそれほど安穏とした暮らしではなかったものの、諸般の事情により小さなアパートに住みながら、初志を全うして生涯を終えた。そこで思う。「『リア充のまま死んでいく高齢世代」なんて、たしかに腹がたつだろうが、どうでもいいじゃないか。そんな奴は放っといて、貧しくとも苦しくとも、自分の信念に基づく「リア充」を生き抜こうじゃないか。自分を安全圏に置いて「平和」を叫ぶ、綺麗なおべべを着て食べるに困らず、安穏と眠れる年寄りたちだって、「血を流す覚悟を持つべきです」なんちゃって自分は安全圏で旗を振る政治屋どもよりずっとマシかもしれない。それでも腹がたつのなら、彼らとは別のところで主張すればいい。違う言葉、違うやり方で、「死んでたまるか」「オレは戦争しない」「銃をぶっ放さない」とうそぶいてやればいい。でなけりゃ、そのときまでなんのために生きてたんだか、わからないまま死んじまうじゃないか。いちばん損をする生き方をしない、それだけでも生きた甲斐があるだろ?
15面の出版物広告に「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」がある。「戦場ではない、地獄だ 『これは絶滅戦争なのだ』。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連の血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。想像を絶する惨禍。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す」(本文引用)。第1次大戦で傷ついたドイツは、精神の重たい暗闇を抱えて、第2次大戦に突入した。独ソ戦は最悪だった。極寒に放置された兵士の死体は、ぬかるみをゆく車輪の下に放り込まれ踏み潰されていった。おそらくそれよりさらに凄惨な状況があっただろう。大岡昇平の「野火」はまた別の凄惨を描く。「リア充」プチブルに反感を持つより先に、他人をも自分をも傷つけず、過酷な時代に半歩でも距離を置いて、ひたすら自らを生き延びさせる道を探ろうじゃないか。
posted by ガンコジージ at 10:18| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月13日

『安定と挑戦』、『引き際』と『焦燥』

1面の「天声人語」がおもしろい。「おととい改造があった新内閣のうたい文句は『安定と挑戦』だそうだ。どっしり構えてことに挑む。何ごともそうありたいものだが、ニュースを追っていたら別の言葉が頭に浮かんできた。『引き際』と『焦燥』である」「改造後の会見で首相は憲法改正を『必ずや成し遂げていく』と語った。心中を察するに『焦燥』が募っているのではないか」「拉致問題も北方領土も進展がない。このままでは、ただ長いだけの政権になってしまう」(本文引用)という。昨日のブログで「政権は抱えきれない矛盾を山積みさせ、万策尽きて本人も逃げたくなるような状況に確実に近づいている。院政逃げ込み空元気内閣」と書いたばかり。ほぼ同意見なのにニンマリ。「天声人語」のすぐ上に「停電なお30万戸 千葉」、17面の週刊誌広告には「首都圏クラッシュ 『フォトルポ』台風15号の猛威の前で、日本社会はあまりにも弱すぎた 最大瞬間風速60m、93万戸が停電、成田空港で1万人が足止め」とある。憲法に「緊急事態条項」を加えたいご様子なのに、いま目の前にある「緊急事態」にはとんと関心がない。そりゃそうだ。「首都圏クラッシュ」といっても、彼が求める「緊急事態」とまるで違うから、「そんなのやる気ないもんね」っていうところだろう。いまや本音を隠そうともしない。予算委員会を徹底的に逃げ回ったときから、彼の政権は崩壊への道を一直線。参院選でわずかだが3分の2に届かなかったこともショックだったんだろう。大阪G20では各国首脳から総シカトを食らったのも哀れだった。6者協議から外され、北朝鮮から無視され、拉致問題はぜんぜん解決のめどが立たない。北方領土交渉は進まず、元徴用工問題で対韓輸出規制の禁じ手を使って拳を振り上げたものの、韓国のWTO提訴でヒョコッと手を引っ込めるあわてよう。それ以前に原発輸出が総崩れになって中西経団連会長に泣きつかれたけれど打つ手なし。中西氏も年初の元気は何処へやら。いまや影も見えないテイタラク。消費税増税もやるのかやらないのかわからないようなズルズル感いっぱいで、けっきょく「やらなきゃ格好がつかない」からやっちまう。というより、もうどうでもいいから放り出してるんじゃないか。そんなこんなで「院政逃げ込み」しようといっても、ほんとにできるのかな。自民党総裁の任期はあと2年もある。続けられるのかな。五輪で大失敗したらおしまいじゃないのかい。それよりも、国民投票でずっこけたら「改憲」は大幅に後退する。改憲勢力はヘタに突っ込んでいくよりも、もっと確実な道を模索するんじゃないのかな。エトセトラ、いろんなことが頭に浮かんでくる。いいかげん「ボクちゃん内閣」は潰れるべきだ。しかし、いくら腐っても潰すものがいなければ、潰れないのがこういうヤカラの常。まさかの一発勝負に賭け、国民を引き連れて国家崩壊へひた走ることもないことじゃない。剣呑剣呑!
1面にはさらに「欧州中銀、量的緩和再開へ 米中貿易摩擦が影響」がある。欧州中銀は昨日、昨年12月に終えた量的緩和政策の再開を決めた。マイナス金利政策(ECBにお金を預けるほど手数料を取られる)を拡大することも決めたという。3面「『出口』模索から一転 量的緩和再開 日米に波及も」があり、米中貿易摩擦や英のEU離脱問題などが影響して、圏内の景気減速感が強まったためとある。異次元緩和をやり尽くして打つ手が限られている日銀に、対応する方法は残っているか。また、昨日すこし書いた米のボルトン大統領補佐官更迭は、我が家購読紙では、思いつきに任せたトランプ流外交の加速を危惧しているが、さてどうだろう。ボルトンはガチガチのタカ派。彼の言う「リビア」方式とは、妥協させ、体制保証せず、民衆蜂起とみせて崩壊させる方式のこと。ベネズエラでも「国際的な支持がなくともマドゥロを打倒する」などと公言し、とにかく戦争に頭から突っ込んでいく人物。これと手を切ったことが、トランプ流にどう影響するか。さらに安倍政権にどう影響するか、残り時間が少なくなってきたが、良い方向へ進むことを!
☆「トランプ氏『北朝鮮政策で大きな過ち』ボルトン氏批判」日本経済新聞9月12日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49711090S9A910C1000000/?n_cid=NMAIL007
posted by ガンコジージ at 09:22| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月12日

山のように積み上がる矛盾で瓦解寸前

1面トップに「改憲『必ず成し遂げる』 社会保障『大胆に構想』 首相会見 第4次改造内閣発足」がある。台風15号が関東圏を襲ったのは9日午前。報道からは正確なところが伝わってこないが、千葉県の被害は甚大らしい。その対策はお任せで「改憲『必ず成し遂げる』」と言う。「憲法改正原案の策定に向かって、衆参両院の第1党である自民党は今後、(国会の)憲法審査会において、強いリーダーシップを発揮していくべき」というが、強行採決だなんだと無理押しを繰り返してきた実績があるから、どんな「強いリーダーシップ」を発揮するやら。「韓国の元徴用工訴訟を念頭に『韓国側から日韓請求権協定への一方的な違反行為など国家間の信頼を損なう行為が相次いでいる』と指摘。政府としては韓国側に国際法に基づいて適切な対応を求めているとし、『その方針は一貫したもので、新しい体制でもみじんも変わるものではない』と強調」「社会保障改革では『全世代型社会保障検討会議』を新たに設け(略)70歳までの就労機会の確保や年金受給開始年齢の選択肢の拡大などの改革を進める」(以上「」内本文引用)などなど、消費増税で確保したお金はどこへ消えていくのやら。
1面トップで首相が大見得を切るその横には「韓国、日本をWTOに提訴 輸出規制強化は『差別的』」の記事がある。日本政府による対韓輸出規制強化は元徴用工訴訟の大法院判決に対する報復であるのは明らかだが、政府は別個の問題と言い募り、13面「韓国企業 広がる輸出不安」中見出し「WTOに日本を提訴」「日本『協定違反せず』強調」では、WTO協定との整合性を主張。大人の対応、寛容な対応、などとどこへ向かって言うのか、ごまかすのに懸命だ。しかし「元徴用工問題への対抗措置ではない、と表向きは否定する。だが、7月1日に対韓輸出規制の強化の方針を発表した際には、韓国側が元徴用工問題で満足のいく解決策を示さなかったことを理由の一つに挙げた。韓国がWTO提訴への姿勢を示すと(略)『日本側の主張は不利な証拠として採用されかねない』との懸念の声があがった。その後、日本政府の説明から、元徴用工問題への積極的な言及が減り、『輸出管理の問題』との説明が増えた」(13面本文引用)。挙げた拳を半分引っ込めたというべきか。「一貫」「みじんも」などと格好をつけても、内心ではビクビクものなわけで、みっともないことおびただしい。
関連で示唆的なのは、14面「経済気象台」の「相互依存の兵器化」という記事。「経済のグローバル化に伴う金融、情報、物理的な財の流れ、相互依存の深化・ネットワーク化が兵器化の前提となる。その相互依存構造に力の偏りがあること(非対称ネットワーク)が兵器化を可能にする」「非対称ネットワークの第一は、金融のようなネットワーク構造の結節点をある国が握る場合。第二は、重要な技術や商品、ボトルネックを握る場合」(本文引用)とあり、まさに対韓輸出規制強化がこれにあたる。ただし、兵器化の措置に対抗するため、自国製品の開発などに注力して相手が次第に自立していくのは当然の流れ。それゆえ安易にこれを行使すると、攻撃する側に不利になる可能性が出てくる。米のように強大な総合力を持った国にこそ有効な方法であり、「ここに、中国が対抗措置を躊躇する理由がある」(本文引用)。いま韓国は日本の措置に対して全力で克服する構えを見せている。WTOへの提訴が最終結果に至るまでには数年かかるとみられているが、その数年で、韓国は日本が握る非対称ネットワークの外に出て自立する可能性は否定できない。そうなると、日本の独占的地位は崩れ、落日の真っ只中にあるこの国の産業は、原発輸出総崩れで大痛手を被っている大手輸出産業を筆頭に、いま以上に手酷い打撃を被ることになる。3面の「ボルトン補佐官を更迭 トランプ氏と溝深まる 北朝鮮交渉安易な妥協懸念」には、別の側面から日本に大きな影響を与える出来事が報じられている。大風15号への対応そっちのけで「改憲、改憲」など叫んでいても足元はグズグズ。4面「安定のためのガス抜き内閣」には「『安倍院政』への布石」(本文引用)の文言がある。政権は抱えきれない矛盾を山積みさせ、万策尽きて本人も逃げたくなるような状況に確実に近づいている。院政逃げ込み空元気内閣・・・!
posted by ガンコジージ at 10:21| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月11日

反省なく泥縄・高飛車を押し通す魑魅魍魎

26面「『高校の昼食時、政権の話をした』ツイートに・・・柴山文科相『適切な行為でしょうか?』」の記事。高校生と教師が来年度から始まる大学入学共通テストの英語民間試験についてツイッターでちょこっとやりとりした。教師は安倍政権に投票しないように呼びかけ、高校生は「前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑」(本文引用)と応じたという。「柴山氏は8日、高3生の投稿を引用し、『こうした行為は適切でしょうか?』とツイート。高3生は『友達とご飯を食べながらこの政権はあそこはダメ、この党はここがダメと話し合うことは高校生はダメなんですか?』などと尋ねたが、柴山氏は回答しなかった」(本文引用)が、反論が相次いだためか「学生が旬の時事問題を取り上げて議論することになんの異論もない。しかし未成年者の党派色を伴う選挙運動は法律上禁止されている」(本文引用)と書き込んだ。禁止とは何事ぞ。ここまで高飛車に言い募る人物が今の政権のど真ん中にいるということは、これを放置し続けたら次に何が起こるか、おおいに憂慮せざるを得ない。最初は高3生の投稿を問題視し、反論されてだんまりを決め込み、あちこちから反論されたら矛先を教師に向けて、その流れで高3生を巻き込んでいく戦術に転換しているようだ。気分はすでに権力亡者。「下々の者は黙っとれ」式の態度が丸見えだ。これすなわち彼個人の資質はもちろん、それ以前に、リーダーの体質がモロに閣僚全体に浸透していることを意味する。彼の思想的質と、「何を言い散らしても平気」といった風潮の蔓延で、規律も何もなくなっているとしか言いようがない。
同面には「原発汚染水『海に放出しかない』 原田環境相、会見で『意見』 地元『軽率すぎる』」もある。原田氏は環境相兼原子力防災担当相だそうで、その立場の人が、記者会見で「思い切って、(海に)放出して、希釈する他にあまり選択肢がない」(本文引用)などと発言したという。この問題についていつも思うのは、大元の計画の狂いが今の事態を作り出していることへの言及がない、ということだ。まず、1日1000トンに上る地下水の存在は、福島第一原発の建設時から問題になっていた。それを回避する試みなしに約30メートルの絶壁を切り下げ、豊富な地下水の上に原発は建設された。事故が起こったとき、民主党政権は原発建屋周囲に鉄の矢板を打ち込み、流入地下水をシャットダウンすることを考えたが、一私企業に公費をつぎ込む名目がないとして退けられ、同時に東電は近づく株主総会で第一原発の廃炉が確実になれば経営責任が持ち上がるため、巨額の資金をつぎ込めないとして拒否。立ち往生したまま時間が過ぎて、安倍政権発足後、以前から浮上していた凍土壁なら研究名目で補助金がつけられるということで実施に移された。14年6月のことだ。名目も何も、緊急時なんだからなんとかしなけりゃならない、という感覚が官僚にはなかった。東電は株主への配慮と称して経営陣への直接の責任が問われるのを恐れ、解決を先延ばしして現在の事態を作った。凍土壁は建設後もなかなか全体を凍結させられず、最も漏水が激しい箇所には氷やドライアイスを投げ込んだりして完全凍結を目指したが、いっこうに目的を達することができなかった。去年3月の時点で、以下の記事でも「効果は限定的」(本文引用)とされ、降水量が少ない冬場の比較でようやくかなりの抑制が効いているものの、雨季の汚染水急増は止められない状況だった。もともとケーブルや配管を通すトンネルには凍結管が入っていないので、地下水を完全阻止するのは不可能。現在はどうなっているのか。経過をたどってわかるのは、鉄板と粘土で固めた遮水壁がベターだったこと。それを念頭に「汚染水海洋放出」を考えれば、「放出しかない」などとほざくやつらの言い分に、いささかの理もないことは明白だ。トリチウム以前に政権の危険性が語られないと、解決の道はとうてい見出せない。
☆「福島第1原発の凍土遮水壁 費用に見合う対策なのか」毎日新聞18年3月3日
https://mainichi.jp/articles/20180303/ddm/005/070/041000c
posted by ガンコジージ at 11:26| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月09日

価値観逆転して支離滅裂を自覚できない人

休刊日は恒例の漏れ落ち記事を記録保管する日。まずは以下の記事。経済記事はややこしい書き方が多いので読みにくいし、要約しにくい。メールでよくある「これ読め」式の紹介では、紹介してくれた人の理解度が見えない。紹介したことをどう評価し、だからこの部分は支持し、支持できないのはこの部分くらいまで書かないと本当の紹介にならない。というわけで本文を少し引用。「なぜ2013〜2015年の実質賃金が世界金融危機時に迫るほどの落ち込みを見せ、2014〜2016年の個人消費を戦後最長の水準まで減少させたのかというと、同じ期間に名目賃金がまったく増えていなかった一方で、ドル円相場で大幅な円安が進行したことで輸入品の価格が大幅に上昇してしまったから」「円安インフレにより食料品やエネルギーなど生活に欠かせないモノほど値上がりが顕著になったので、多くの世帯で家計を預かる主婦層はそれらのモノの値上がりには敏感に反応せざるを得ず、実質賃金の下落を肌でひしひしと感じながら、いっそう節約志向を強めることになった」(本文引用)。というわけでアベノミクスは国民の目を名目賃金に向けさせごまかしている、との指摘に納得した。
☆「アベノミクス以降の実質賃金は、リーマン・ショック期並みに落ちていたという事実」YAHOO!JAPANニュース2月1日
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakaharakeisuke/20190201-00113252/?fbclid=IwAR2jchsBcDo6QOonFA5zkBKhuxM7gCr0PxMnWr2EKLfQmLCaIFay-QrPT2E
「いま景気はどうにかもっている。だが」「デフレ脱却」を掲げたアベノミクスが想定するプロセスは効いていない」「アベノミクスのもとの『好況』は、円安誘導や赤字財政のファイナンス、日銀の株買いに支えられた『見せかけの景気』」「アベノミクスがあと3年続くと、どうなるか」「異次元緩和にとって金利上昇がアキレス腱」「すでに米国が利上げに転じている中で海外から金利上昇圧力がかかってきて、限界が露呈し」「金利の上昇は財政金融を麻痺させ、ひいては日本経済を著しい混乱に陥れ」「銀行は超低金利が長く続くなかで収益を悪化、経営体力を弱め」「海外の金利上昇圧力を受けて、日本国債離れが進んでいる」(本文引用)と指摘するのが下の記事。失われた年月はすでに20年。それが50年になるかもしれない。現在、アベノミでなんとか持ちこたえている輸出産業は青息吐息。原発輸出が総崩れして、行くもならず、引くもならず。再エネ分野での技術開発は原発執着で世界に出遅れ。ガラパゴス化を強める。いずれ「先端産業で敗北した日本の産業の悲惨な状況が一気に露呈し」「安倍政権は限界まで金融緩和を続けていくだけで、日本の未来のことは何も考えていない」(本文引用)。お先真っ暗である。
☆「アベノミクスがあと3年続けば日本の産業衰退が一気に露呈する」DIAMONDonline18年9月18日
https://diamond.jp/articles/-/179874
そんな中、今や世間は嫌韓まっしぐら。国内の不安は内部で分断対立させるか、国外へ向けさせるのが最良。臨時国会の開催要求をまたもスルーし、成果なんぞまるでない外交、ゴルフなどで暇つぶしする一方、嫌韓をあおり、かつひそやかに「来年の介護保険法の改定での『要介護者切り捨て』」(本文引用)の準備を着々と進める。一定収入以上の高齢者に3割負担を決めたのは昨年8月。その範囲をさらに拡大するという。消費増税前すでに物価が上がっている現状、まだふんだくるつもりなのだ。
☆「嫌韓一色の裏で安倍政権が“要介護者切り捨て”介護保険改悪を進行中! 自己負担を増やし要介護1・2の保険給付外し」リテラ9月7日
https://lite-ra.com/2019/09/post-4951.html
恐ろしいほどの国家・国民破壊行為というべきか。そんな状況をものともせず、いっこうに怯まず権力に刃向かう人がいる。考え方に違いはあれど見上げた心意気だと思う。
☆「法廷で改めて証言「100万円を『安倍晋三からです』と…』」日刊ゲンダイ8月31日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261088
posted by ガンコジージ at 10:29| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月07日

どんどん寒い国になっていく

1面に「技能実習 日立に改善命令 入管庁など 必須業務、2割だけ」がある。「日立がかい?」と思わず目を剥いた。あの経団連会長が君臨する国内電気最大手企業。そんな名門で「フィリピン人43人の実習に違反があり、平均すると、国の基準で必須とされた業務時間の2割ほどしかさせていなかった」「入管庁は日立の違反内容について、『実習計画で必須業務とされた配電盤や制御盤の組立ではなく、別の作業をさせていた』と概要だけ発表し、『詳しい内容は差し控える』と具体的な事業時期を明らかにしなかった」(本文引用)とあるが、法務省関係者がしっかり語る。技能実習の中身は配電盤や制御盤の組立だが、実際は、「新幹線の車両に洗面台や椅子、窓、配管などを取り付ける作業」「同庁は日立本社側の指示はなかったとみている」「この問題は昨年8月、朝日新聞の調査報道で発覚し、同庁などが昨年夏から調べていた」(本文引用)。実習生は不満を持ち管理団体「協同組合フレンドニッポン」に訴えたが、なにもしてくれなかったと証言する。発覚から改善命令まで1年以上もかかる。日立は「すでに改善しておりますが、改めて今回の行政処分を真摯に受け止め、法令順守を徹底して参ります」「必須業務についての認識と確認が不足していたが、意図的な愚生はなかったとしている」(本文引用)という。大々的に報道され、国会でも問題になり、参院選が近くなって「予算委大規模ネグレクト100日超」まで引き起こし、解決したのかしてないのかわからないような結末の、これは静かな幕引きの最後を飾る不祥事か。
2面に関連で「技能学べず『実習』骨抜き 重労働ばかり 国検査後解雇も」中見出し「経団連会長企業 欠いた危機感」があり、「視/点」でも「特定技能にも参入 問われる管理団体」があり、「日本を代表する大企業の姿勢が問われている」(本文引用)。引用すると長くなるので割愛するが、「日本を代表する大企業」がなんとも恥ずかしい所業。経団連会長が君臨する企業だから、なおのこと恥ずかしい。会長は朝日の報道に対して、記者会見で「違法性はないと信じている」「朝日新聞がマニアックに追いかけている話」(本文引用)といった発言を重ねたとある。経団連には「企業行動憲章」という立派な建前があるようで、「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」との原則が盛り込まれているとか。日本国憲法を空洞化する政権とほぼ一心同体だから、「人権」なんてきっと邪魔モノなんだろうね。「経団連は外国人労働者の受け入れ拡大を安倍政権に求めてきた。政権は財界の意向も踏まえ、昨年12月に改正入管法を成立」(本文引用)させた。「新聞がマニアックに追いかけて」いなかったらどうなったやら。国が実地検査に入ったのは昨年7月。朝日報道は8月。その後の「マニアック」発言は軽く考えていた証拠。「経団連が昨年10月にまとめた外国人材に関する提言は、技能実習制度での法令遵守を徹底するよう説いている。その会長企業に改善命令がだされたのは皮肉」(「視/点」引用)。管理団体は企業が違法に実習生を働かせていないかチェックする責任があるという。実習生が実態を訴えても取り合わない管理団体とは、いったいなにを目的に設立されたものやら首をかしげるばかり。改正入管法成立後、管理団体は「『特定技能』の在留資格を持つ外国人労働者を支援する登録支援機関として活動する動きを見せている」(本文引用)という。実習生が不利益を被らないように監視する役目が逆転し、自分が利益を得るために実習生を企業に売り込む、つまり人入れ業みたいなものに堕す団体が横行するとしたら、それは制度の問題。国の責任は日を追って大きくなる。
「予算委100日超大規模ネグレクト」が招いた不祥事山盛りの現状。こんなことをしていたら、そんなに遠くない将来、第2の徴用工問題として、国際的な批判にさらされるだろうな。そのときダレが責任を取るのやら。「私は総理大臣ですから、うそをつくわけがないということを申し添えておきます」と断言したあの人の責任は当然問われるだろう。企業の責任は下請け問題と同様「その件は管理団体に確認してください」などと言い訳して逃げるのかな。寒い国だなあ。
posted by ガンコジージ at 09:53| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

電力改革はあちらの掌中でコロコロと

3面に「電力 集中から分散へ ブラックアウト対策進む 北海道地震1年」中見出し「再エネを『地産地消』」がある。北海道胆振東部地震から1年。1面に「北海道 なお1032人避難生活 地震1年 被災3町、人口減に拍車」があり、28面には「『帰りたい でも家がない』北海道地震1年」中見出し「仮設は買い物不便 グループホームに」「人口減ペース 地震前の2倍」と、いちおう被災者たちの状況を伝える記事群になっているが、今の政治のありようが頭にこびりついているせいか、なんとなく復興のスピード感を強調する記事に思えてならない。東京五輪まであと数ヶ月の範囲になってきて、投入される費用は「安上がり」とアピールしてきた当初の数倍に膨れ上がり、どう見ても安上がりの範疇を超えている。「アンダーコントロール」で大見得切って招致した手前、国家の体裁を考えると「ごめんなさい、開催やめます」というわけにはいかないのか、日本各地に広がる原発事故や地震や豪雨災害の傷を覆い隠し、まるで無いもののように振舞うために巨費を投入する。これは空虚の極みというしかない。北海道地震に話を戻すと、記事の主眼は3面の「ブラックアウト」であることが知れる。「道内ほぼ全域の295万戸が停電したブラックアウト」「一つの発電所に電力供給を過度に頼る『集中電源』の問題があらわに」「北海道電は2月に、新設した石狩湾新港火力発電所の運転を始め、改善を図りつつある。3月には北本連係線の容量が地震時の1・5倍」「社長は『リスクは極少化できている』と話す」(本文引用)。なるほど、苫東厚真火力発電所が止まってブラックアウトが起こった。それゆえもう一つ造ってリスクを分散化したというわけか。ここで気がつくのは、泊原発が停止していたことがどう影響したか。泊原発の近くで地震が発生したらどうなったか。泊原発と苫東厚真火力の両方に影響する範囲の地震であったらどうなるかなどなど。経産省は、広域災害が起これば複数の発電所の停止や送電設備の故障が懸念され「リスクはゼロとはいえない」(本文引用)としている。最大のリスクとして南海トラフ巨大地震を想定しているのが感じられるが、各地域間を結ぶ連係線を増強するために「工事費の一部を全国に利用者の負担する制度」(本文引用)をつくるとある。
ここから中見出しの「再エネ電力を『地産地消』」に記事は移行する。先の泊原発と苫東厚真火力に新設された石狩湾新港火力を加えてリスクを分散化するという大型発電施設の分散構想から離れて、小規模の分散システムを構築する構想が対置される。これのネックはいくつもある。記事で主要に書かれているのは、独立した送電線を確保することの難しさ。「送電線整備は1キロあたり数千万円〜数億円」「点在する民家に新たな送電線を張り巡らせるのは現実的ではない」「大手電力の送電網の一部を独立して使えるようにし、再生エネで周辺地域の電気をまかなう実証実験」「バイオマス発電(略)災害時に避難所となる公共施設などに電気を送る」(本文引用)などなど、風力や太陽光などの電源も加えた構想が描かれている。この考え方に不足しているのは、20年度に実施されるはずの発送電分離がこれにどんな影響を与えるかということ。発送電分離によって、全国に張り巡らされた送電網はどのような組織によって管理運営されるのか。このままでは発電と送電は完全分離されず、せいぜい大手電力の子会社になる以上の改革にはならない。託送料金に原発の廃炉や事故の賠償費用を算入するとか、新電力が電力網を利用して託送供給する場合のペナルティをインバランス清算して徴収するなどが提案ないし行われている現状(ややこしくて頭がこんがらがる)。「地産地消」が一筋縄でいかないことは明らかで、複雑な法が乱立し、個人では追いきれないような難しい施策が進んでいることを憂慮する。興味深い情報に、中国が低価格な蓄電池を市場に供給する話がある。成否・可否を含めて注目。
☆「中国蓄電池、BYDが日本参入 CATLは半値で 」日本経済新聞9月2日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49281160R00C19A9MM8000/?n_cid=NMAIL007
posted by ガンコジージ at 11:45| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月05日

緊張感が薄れる中で何が進んでいるか

3面に「福島原発事故調査再開へ 規制委、線量低下で」の記事。規制委は東電原発事故の調査を再開すると発表。線量が下がって現場に近づきやすくなり、新事実を集められると判断した模様。21年に事故から10年となるため、来年中に報告書をまとめる。2号機はベントが失敗して格納容器から大量の放射性物質が漏れたとされ、ベント失敗の原因を探る。1号機の非常用復水器は、運転員が機能を理解していたか否かが問われる。放射性物質が漏れた経路や炉心冷却機器の動作など基本的調査のみならず「事故前に東電などが取り組んでいた過酷事故対策が『本当にまじめに考えて設置されたかどうか』(更田豊志委員長)についても踏み込む」(本文引用)。東電原発事故裁判は東京地裁で9月19日に判決が出る。裁判の結果が出てから規制委の事故調査の結論が出る。どんな結論が出るにせよ、裁判は地裁で終わるはずがない。「元副社長・武藤栄(68)、元副社長・武黒(たけくろ)一郎(72)、元会長・勝俣恒久(78)の3被告」(以下記事より引用)の責任追及のバックグラウンド資料となるかどうか、規制委は本気でやってほしい。
☆「東電原発事故裁判、9月19日判決 旧経営陣は無罪主張」朝日新聞3月21日
https://www.asahi.com/articles/ASM3D4J0KM3DUTIL011.html
倒壊が危惧されていた1・2号機原子炉建屋脇の排気筒(高さ120メートル)の解体作業が始まったのは8月1日。切断用ノコギリが故障したり、配線が抜けたり、作業員が熱中症にかかったりで難航し、半周を切断したまま作業が中断していた。8月30日に再開して残り半分を切断する予定だったが、9割切断して装置の遠隔操作が不能になるトラブル発生。「午後六時すぎから作業が再開されたが、筒の残った部分に大きな重さがかかるなどの原因で、回転のこぎりがほとんど切り進めない状況が続いた。筒本体は七割以上輪切りにすると、強風や地震による強い揺れに耐えられない可能性が高まり、切断装置を外しての作業中断はできない」(8月31日記事本文引用)というほとんど綱渡り状態。そして9月3日の記事では、「東京電力は9月1日、福島第一原発1、2号機原子炉建屋そばに立つ排気筒(高さ120メートル、直径3.2メートル)の解体作業を続け、筒頂部から本体2.3メートル分を輪切りにして大型クレーンで地上に下ろした。1日で終わるはずだった最初の輪切り作業に1カ月を要した。この間、機器の不具合が頻発。来年3月までに上半分の解体を目指すが、作業工程の見直しは避けられない」(本文引用)という恐ろしく困難な作業に直面している。人間が近づいたらたちまち死に至る高放射線量にまみれたエントツで、錆びついて倒壊が危惧されていたので急いで解体に着手した。だが、1日のつもりが1カ月に伸びる難作業。事故もなく来年3月までに上半分を解体できるかどうか。どれだけ難しい作業かは、記事を読んでしっかり理解してほしい。正直、読んでいるだけで緊張してくる。作業している人たちは、精神的肉体的に、すさまじい圧力にさらされているのだと思う。
☆「福島排気筒、解体再開 トラブル続き難航」東京新聞8月31日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019083102000143.html
☆「1、2号機排気筒やっと切断、『1日』が『1ヵ月』 福島第一原発」東京新聞9月3日
https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/1139
そんななか、4面に「汚染水の説明初公表 政府 各国向け 韓国を意識」がある。奇妙な書き方の記事で、表題には「汚染水」とあるが、文中では「高濃度の放射性物質を含む汚染水を浄化した『処理水』」(本文引用)と書かれている。「汚染水」ではなく「処理水」という、政府の強いこだわりを感じる。「2011年以降103回目」というのも、「ちゃんとやってますよ!」感がいっそう強い。回りくどい表現を透かして読むと、「報道陣への事後の内容説明を始めて実施」(本文引用)というテイタラク。「外務省によると、海洋放出についての抗議は出なかった」(本文引用)と理解に苦しむご発言!
posted by ガンコジージ at 12:09| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月04日

憲法の空洞化でナンチャッテ改憲という方法

12面「社説」に「開かれぬ国会 政権は論戦に応じよ」がある。通常国会が終わってから2ヶ月が過ぎ、政府・与党は夏休みで遊び呆けている。内閣改造・党役員人事は来週。首相の国連総会出席で9月開会は見送り。閉会中審査には応じず。7月参院選後に開いた臨時国会は人事案件だけで審議はなかった。「このままでは論戦の空白は3ヶ月以上に及ぶ」(本文引用)と記事は書くが、先の通常国会中の予算委員会開催完全ネグレクト100日超を加算していない。そのあいだに日韓関係はエスカレートし、アメリカも持て余す状況となる。日米貿易交渉はなにが「大枠合意」したのかまるで不明。このままだと9月下旬に協定の署名が行われた後、開けてびっくり玉手箱になるしかない。モリカケ問題未解明。刑事訴追の恐れがなくなった佐川君が説明を拒む理由はなくなったのだから、国会に呼んで議論せにゃならぬ。消費増税は議論なしで強行か。年金問題は昨日の紙面で官邸主導の社会保障改革に関する会議の新設で、国会の議論なしに突っ切るつもりか。記事はそのほか、厚生労働政務官の口利き疑惑とか「戦争」発言を繰り返す奇怪な議員をどうすべきか、重要案件続出で放ったらかしの状況を指摘する。「国会での説明責任を軽視し、論戦に後ろ向きなのは、安倍政権の一貫した姿勢といえる」「それでいて首相が、憲法改正の議論については、野党に強く協力を求めるというのは、ご都合主義というほかあるまい」(本文引用)と突っ込む。いやいや「ご都合主義」なんて生易しいものじゃないだろう。これは「緊急事態条項」の先取りではないか。去年末の臨時国会開催まで、延々と先延ばしした経験をすぐさま次の国会運営に応用する。憲法なんて弄らないでも中身を空っぽにできると気づいてしまう。これまでならそんな迂回作戦に気づいても、決して実行にまでは至らなかったものを、あえてやってしまう政権に、本来なら庶民は危険を感じないといけないはず。「憲法を守れ」では憲法を守れない。建前のタガを外せば「憲法を空洞化」できる。中身を丸ごと大日本帝国憲法に戻せる。そんな思惑の転換が起こっていないか。首相が執着する「改憲」さえ、すでに空洞化していないか。状況をよく読むことが、いま必要になっているような気がする。
消費増税のほかあらゆるところで、庶民からふんだくる試みが発動されてきた。身近なものでは改正水道法、森林経営管理法や国有林法の一部改正、耕作放棄地への重課税。そして自動車走行税などという奇妙な発想まで登場。3面には「原発賠償金上乗せ『違法だ』 送電線使用料 新電力事業者、提訴へ」がある。「東京電力福島第一原発事故の賠償費用について、送電線の使用料(託送料金)に上乗せして徴収する(略)。政府は当初、原発事故の賠償費用を全国の電気利用者から電気代を通じて集める仕組みを作った。だが、賠償費用が5・4兆円から7・9兆円に膨らんだため、2016年末に託送料金に上乗せして徴収する追加策を決めた。新電力に対しても計2400億円の負担を割り振った」(本文引用)。提訴した新電力事業者は「原発事故に由来する費用を、意図しないのに支払わされるのはとても問題だ。(これを許すことは)結局、原発を温存することにもなる」(本文引用)と指摘。国策を許した責任が庶民にあるとしたら、「もうこれ以上、国策をのさばらせない」という前提があればこそ、その責任を背負うこともありうる。原発事故を含む原子力の後始末には、簡単に「反対」だけではまとめきれない、国民的議論を前提とした、熟考を要する課題が山のように積み上がるからだ。放射性廃棄物処理・処分の問題も、「この地には反対」という主張では「この地」が対象から外れたら沙汰やみになるという地域エゴにつながりかねない。しかし、それでも新電力事業者の主張はいま、この時点で正当性を持つ。これら庶民の生活を真綿で包みながら実施される諸施策の奥になにがみえるだろう。富国強兵で無理な軍事力を持ち、庶民の不満を強い警察力で圧殺してきた歴史への回帰がいよいよ鮮明になってきたように思う。それも現行憲法の空洞化という、邪道ともいえる姑息なやり方でも可能になりつつあることに気付きたい。
posted by ガンコジージ at 11:21| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月03日

平均値・中央値・クラスター分析その他

18面週刊誌広告「年金『積立金がゼロ』『支給額42%減』に! 厚生労働省の試算で描かれた老後危機シナリオ」に注目。同様の指摘で以下のような記事がある。「(GPIF)の最高投資責任者・水野CIOが、米国カリフォルニア州の職員退職年金基金(略)の理事会の席上で語った内容が物議」「GPIFが2018年10−12月期におけるいわゆる分散投資において、すべての資産市場において損失を出し、しかも為替差損の損失さえも被弾するという、GPIF史上過去にも例を見ない大失敗をおかしたことを公表。市場は騒然」(本文引用)という。昨年10〜12月は、株価が大暴落し経団連も真っ青になったとき。原発輸出がオール頓挫した影響も重なり、呆然自失の中西経団連会長は政府に泣きついた。記事は、GPIFを「必ず下値で相場を支えるという特別な存在」「膠着相場で海外勢が誰も買いに来ないという状況においては、自ら相場を買い支えることで株価を持ちあげるという、典型的なクジラ状態に陥っている」「安倍政権における年金の原資はまさにこのどんぶり勘定の域」「国民に対する重大な背信行為」「大暴落などがあれば、今回ばかりはGPIFの原資がとうとう完全に枯渇するという、ダムの湖の底を垣間見ることのできるような状況」「日銀とGPIFをはじめとするPKO軍団の妙で異常な買い支えのおかげで、お盆を過ぎても日本の株式市場は閑古鳥が鳴き、取引ボリュームは日々激減中」(本文引用)と、ここまで読んだら背筋が寒くなること必定。
☆「年金支給は完全終了へ。史上空前の運用大失敗で2000万不足どころの騒ぎじゃない=今市太郎」MONEYVOIC8月25日
https://www.mag2.com/p/money/749654?fbclid=IwAR38OlMMGUJ0OFI3uMpSntwl3tH-UyRDh9XFCKdLKjpWbcCir3Ew9JbhJg4
本日1面トップに「年金・介護・医療 負担増を議論 社会保障改革 政府が会議新設へ 『団塊の世代』が後期高齢者に」の文字。本日は年金・介護・医療が紙面の全体を占めるかと思ったほどで、とにかく政権は、官邸主導の社会保障改革に関する会議の新設を検討しているらしい。どうして負担増を庶民に押し付けるか必死に模索中の様子。官邸主導がミソで、これまで積み重ねてきた社会保障政策の大失敗を、後期高齢者群に丸ごと責任転嫁して押さえ込もうとする意図ありありとなってきた。3面の「社会保障 負担増に課題 厚労省、官邸主導に懸念も」には「検討項目には、サービス利用者に負担増を求めるメニューが並ぶ」「最近は、幼児教育・保育の無償化や診療報酬の妊婦加算の凍結、働き方改革など、社会保障政策で首相官邸主導の色合いが濃くなっている」(本文引用)とある。アベノミクスのキモは、企業や株主に有利な経済政策を進めて経済が好転したら、トリクルダウンで庶民にも金が回り、国内消費が高まって景気も良くなる、との目論見だったはず。それが企業や株主がもうけを懐に溜め込んで放さないから、お金の循環が滞り、日銀の異次元緩和も物価目標2%に届かない現状。変則的な優遇処置を外して政策的にお金を庶民に回せばこんな矛盾は解消されるはずなのに、いったん決めたことを「間違ってました」で引っ込められない倒錯脳ゆえに、矛盾の上に矛盾を積み重ねて今に至る。「老後2000万円問題」は、その矛盾を表面化するはずだったが、「予算委100日超逃亡路線」で逃げ切られ、いまになって残り火が細い煙を上げ始めたというべきか。
13面の「『平均値』を疑え 政府の家計調査 世帯貯蓄の平均に実は2/3が届かず」は「平均値」と「中央値」の比較で問題点を指摘する。ブログ主が地域のお仲間にこれについて問題提起したことがあるが、残念ながら反応は鈍かった。「最大値」と「最小値」しか示されていないデータを簡単に信じ込む市民運動には先を見通す視点は育たない。にも関わらず、そんなデータで自己主張する人々は「中央値」の意味は「むずかしい」の一語で片付けられるしかない。強大な権力は、そんな貧弱な市民運動に狙いをつけて騙しの仕掛けを施し、いつのまにか権力のお先棒を担ぐ先兵に転化させてしまう。権力が複雑な術策で攻めてくることの意味を、身をもって知る必要がある。そういえば金子勝氏の「再配分と新産業の育成」論、かなり納得。れいわのMMT政策の弱点を補完しているかも。
posted by ガンコジージ at 12:10| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月02日

さりげなくさし挟む煽りの意図

4面の「第2次大戦開始80年 ポーランドで式典 ロシア招かれず 歴史認識にも溝」が、いろいろと興味深い。第2次大戦は1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻で始まった。今年の記念式典にロシアは招かれなかった。国際情勢の複雑さをことさら匂わせようとする紙面のあり方が奇妙に思えた。ドイツは大統領が出席。「我々は我が国が犯した罪を忘れず伝えていく」「ナショナリズムの高まりを、人々への憎悪を二度と繰り返してはならない」(本文引用)と語ったことが強調さる一方で、欧州で広がる「自国第一主義」が自国の被害を強調する動きを見せ、「ドイツが過去の協定などで『解決済み』とする損害の賠償を求める動きも、ポーランドやギリシャなどにある」(本文引用)と、さりげなく付け加える。そして、よくみると、ロシアのクリミア半島併合や第2次世界大戦への関わり方について溝が深まっていることに、記事の半分が割かれているのに気づく。「解決済み」問題を含めると、記事は80周年式典を背景として、いま日韓や米中で発生している諸問題へ結びつける意図が浮かび上がってくる。「解決済み」はドイツもそう主張するだろう。しかし、国家間の懸案は解決済みでも個人請求権はあるという認識についてはどうか。式典で独大統領が国家としての決意をきっちりと述べていることは、我が国の対応との根本的な違いとして確認できる。そのあたり確証はないので詳しくは触れにくいが、ブログ主的にはこの記事で詳細に触れない報道の姿勢の曖昧さが、誤解への誘導を狙っているような気がしてならない。
4面には月刊誌広告があり、いろいろ興味深い表題が踊っている。「『平和ボケ』の日本外交 ■安保環境『急変』でも動かぬ安倍政権 安倍が唱える『積極的平和主義』とは何なのか? 北朝鮮のミサイル連射に沈黙し、ホルムズ海峡『有志連合』にも逡巡。日韓対立は北東アジアの不安定化を招くのみだ。米国の『失望』は日本も含んでいる」では、最後の一言「米国の『失望』は日本も含んでいる」が鋭い。昨日までの新聞記事では、米の「失望」はひとえに韓国に集中しているように感じられたが、そんなはずはない。両方への「失望」でなければ、バランスが悪過ぎてまさに米の足腰が定まっていないように受け止められるだけの記事になり、ここにも暗黙の誘導があったと感じた次第。もう一つ大きな表題は、「嫌韓『依存症』の安倍政権 ■外交成果『ゼロ』の焦りゆえ 米中ロは無論のこと、北朝鮮にも強く出られない中、唯一『文在寅叩き』だけが支持者を喜ばす持ち芸に。それが外交・安全保障上の下策だと言う自覚がない。超長期政権にしては威風なき相貌が物悲しい」というもの。「平和ボケ」の表題と並べて見えてくるものがある。よくいう「対米従属」という語句の座りの悪さが、ここに露呈していると言えないか。「米国の『失望』」を招くような行為は「対米従属」の姿勢からは考えられない。ありうるのは、表面の「対米従属」に内面の「従属のフリ」があってはじめて、彼らの自意識は慰められるという構図だ。そんな綱渡りみたいな身過ぎ世過ぎができたのは歴代の自民党政権の巧妙なやり口があったればこそ。保守の先人たちが「悪政」の責任を自分たちから逸らすのに「対米従属」を利用してきた真意を知らずに、右も左も「対米従属」を批判し、「自主独立」をいっしょに主張すると、何が起こるか。右が台頭してきたとき、「対米従属」「自主独立」はすぐに、右のスローガンとして乗っ取られてしまうだろう。その危険を見逃す動きは厳として慎むべきではないか。安保環境の「急変」下で、威風なき長期政権の相貌が巧妙な動きを失いウロウロしている。「面従腹背」でほくそ笑んでいた時代が懐かしいようなモタモタぶりが、世界を呆れさせている。以下のような記事もある。辺野古は、実質的には米の堅い要請ではなく、ひたすら日本の底意の反映であると知る。
☆「グアム移転、24年可能に 米軍、沖縄知事に説明」共同通信8月30日
https://this.kiji.is/540013924214834273?c=39546741839462401&fbclid=IwAR3n4n8ZplKekJICdEdQ5O6TRokjUhyyaNgfak-awNcvOYscwOkV2TJJhQU
posted by ガンコジージ at 10:36| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月01日

簡単に先祖返りできる理由はなにか

1面トップ「消費増税まで1カ月 大丈夫? ポイント還元参加進まず 対応レジ品薄に」があり、関連2面「消費増税 混乱、消費者にも」中見出し「店内で飲食10% 持ち帰り8%」「キャッシュレス決済進まぬ準備 店舗によっては使えず」「『駆け込み購入』目立たず」がある。5年半ぶりの引き上げとなった消費税。どうなるのかねえ。政府は軽減税率の柱として9カ月限定でキャッシュレス決済へのポイント還元を実施する。決済の5%が補助金でポイント還元されるが、ネット通販ではまだ4分の1ほど参加申請しているだけ。それもあるが、決済端末やレジ機器の生産が追いつかず、納期が遅れているという。「外食や小売りは複雑な軽減税率やポイント還元制度への対応に追われ、スタート時に消費者が混乱する恐れも出てきた。前回の消費増税の時に見られた『駆け込み購入』の動きは今のところめだっていないようだ」(2面引用)。前回の増税時は14年度のGDP0・4%減になったというが、今回は影響はあるものの前回に比べて小さいと予測。増税前にあった、住宅や自動車で大がかりな「駆け込み購入」の動きが今回は鈍いとか。来年6月で終わるポイント還元が第2の壁になる可能性も囁かれる一方、消費者態度指数は11カ月連続で悪化中というから、身構えるのが前回より早くなったのかもしれない。もしかしたら「駆け込み」ではなく、とっくに自衛中ということか。上げ幅が前回より少ない2%だし、5年半前より景気悪化の印象が強いから、消費増税以前にマインドが冷えているのか。茹でガエルの習い性が事前に周到に準備して増税ショックを感覚的に緩和するのか。抵抗しない限り税負担は庶民の上に、重たくのしかかる。これで景気が好転すると政府は思っているのだろうか。そんなわけない。これから先、何回も小刻みにあげる予定だから、やはり茹でガエルの習性をアテにしているのだと思う。適当なところで終わってくれるなんて、そんな生易しいことはないんだと覚悟しておいたほうがいい。気がついたら、金持ちと貧乏人の格差が、目も当てられないほど大きくなっている時代を、文句を言う相手が見つからないまま、我々は生きているのだろうな。悲しいことに。
思えば今日の「折々のことば」も高見順特集だ。「この頃。すべてが配給。会話も配給。 高見順 『敗戦日記』、昭和20年6月の記述から。敗戦の色が濃くなっても言論の厳しい統制は続き、8月に入って作家は、『肉体だけでなく精神もまたその日暮らしになっている』と記す。そして新聞には『知りたいと思うことは何も出ていない』と。しばらく前から作家の目はむしろ投書欄に向いていた。浮ついた言葉はやめてくれといった悲鳴や粗末な食事の工夫などが載っていたから」(全文引用)。税金をこれ以上とったら国民が干上がってしまうところまで世の中が進んでしまい、またも配給制度の復活か。食べるもの着るものみんな配給になり、いつしか会話も配給になっていく近未来。「敗戦の色が濃くなっても言論の厳しい統制は続き」とあるけれど、「敗戦の色が濃く」なったからこそ言論の統制はとめどなく増幅していったのだろう。それだからこそ、庶民の細々とした本音が投書欄に現れたのではないか。まさに「細々と」息も絶え絶えに記録されていったのだろう。昨日の続きでいうと、「従順、卑屈」の苦痛から脱出して適正な着地点を見つけるのではなく、より弱いものに向かって「残虐になる」性癖を長い封建制度の中で植え付けられ、明治以降になってもその性だけは強固に維持され続けて究極の「敗北」に至る。しかし、この国民性を編み出したものたちは形を変えて生き残り、与えられた民主主義の底に、この性癖を復活の種として残し続けたのではないか。「子羊のごとく従順、卑屈」でありながら、弱いものには簡単に「残虐になる」特性を持ったまま、戦後の70年を生きてきた自分たちがいる。ブログ主もまた、その忌むべき精神風土から逃れていると自信を持って言えるかどうか。私たちが生きるこの国は、恥も外聞もなく、先祖返りと見紛う歴史の逆行に邁進する。已んぬる哉!
posted by ガンコジージ at 10:55| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月31日

権力と個人と責任逃れの奇妙な関係

1面「折々のことば」より「『なんて意気地のない奴だ。怒るべき時に怒らない』『なんて意気地のない奴だ。怒る時にすぐ怒ってしまう』高見順 「敗戦日記」は、作者が昭和20年元旦から年末まで書き継いだ日記。6月30日の記述にはこんな言葉が挟まる。戦時の厳しい監視下、言論は『去勢』され、多くの国民も感情を煽られ自制不能になったという。そして戦後の10月5日改めて記す。『権力を持つと日本人は残虐になるのだ。権力を持たせられないと、子羊のごとく従順、卑屈』と。」(全文引用)この言葉は12面の「声」欄へ続く。「『非国民』と叫んだ人はどこへ」の投稿が心に響く。巷間で他人を「非国民」と呼んで貶めた者たちは多い。彼ら彼女らは敗戦の後、どこへ隠れてしまったのだろう。ひそひそ話さえできない息苦しさを、他人を「非国民」と呼ぶことで、自分だけ抜け出ようとした浅はかさの末路。軍隊における惨めで重苦しい体験を面白おかしく語る父が、一度だけ覗かせた本音があった。あるとき、血相を変えて家に戻ってきた父が吐き捨てるように呻くように絞り出した。「あいつが生きてた。おれたちを散々殴り倒し虐めてくれたやつに、街で出会ってしまった。あんな奴が生きてて、なんにもなかったみたいな顔で歩いてる」。父の切迫した表情をうまく書き表せない。新兵は人格を極限まですりつぶされ、生きた武器として鬼畜になることを強いられ死を必然とされる。父の戦後は歪められた自分を回復させることから始まった。いろんな元兵士が身近にいた。軍人恩給をがっぽり受け取るために、痛くも痒くもない左足を引きずって歩く奴がいた。他人に見られないところで「あー、めんどくせえ」と言いながら、ぴんしゃんと歩いていた。城址に残る楠木正成の銅像の台座に、「飛来米飛行士殉難の碑」を建てる運動を始めた奴がいた。ツテを使って内地勤務で通し、新兵たちを厳しく訓練した伍長殿もいた。信じられないのは、1500人ほどの町民のうち、軍隊経験者はたったの2名だったこと。どうしてそうなるのか、次の戦争が始まる前に、できれば彼らに書き残しておいて欲しかった。戦争が始まっても行かないで済み、背後で「非国民」と他人を呼んで美味しい思いをする方法の指南書を、懺悔の言葉とともにつくっておいてほしかった。しかし彼らの多くは、口をつぐんで居直り、民主主義の世の中をのうのうと生きてしまった。それがこの国の「美しさ」の根っこなのだ!
4面に「自民『憲法ポスト』焦点 首相側近続投か 打開へ交代か」の記事。首相は「足踏み状態に陥っている国会の憲法議論の打開に強い意欲を示す。10月4日に召集する予定の臨時国会を占う人選ともなりそう」(本文引用)とあるが、細かい中身はどうでもいい。自分が予算委員会を100日以上ネグレクトして逃げ回ったくせに、憲法論議に応じない野党を「責任放棄」などと批判する支離滅裂。「3分の2」を割り込んでも「少なくとも議論すべきだとの国民の審判は下った」(本文引用)と自分に言い聞かせる奇妙な短絡思考。改憲へあと一歩と迫った時期は今ではなく16年の解散総選挙だった。それが翌年のモリカケ疑惑勃発ですべり、その後も様々な疑惑とともになだらかな斜面を滑るごとく現在に至ったのが真実ではないか。改憲論議は賞味期限を過ぎており、政権の信頼度は支持率の異様な高さと裏腹に末期に近く、経済はめちゃくちゃ、国家の衰退だけがいよいよ鮮明になりつつあるなかで、崩壊する国家をポストアベとして背負う人材が払底していることから、明日を見通せない自民党政治の末路が露呈しているのではないか。首相は掛け声をかけるが、自身で采配を振り最終責任を背負う気はない。取り巻きたちにもなく、党内に後を継いで責任を全うしようとするものもいない。残るは苦肉の策が奏功して「あれま、うまくいっちゃった改憲」を狙うくらいしかないんじゃないか。国会を開いて憲法審をごり押しするには、予算委を逃げ回れない。次の疑惑やスキャンダルが出番を待っている状況を無理押しして、「瓢箪から駒」を目指すか。「誰も責任をおっ被らない」日本的美風で突破するか。できなけりゃ引退して院政を布くか。むしろそのほうが気楽かもしれない、などと考えているかもね。
posted by ガンコジージ at 11:17| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月30日

やっぱり100円割れはアリですか

10面「円ドルの先をこう見通す」の結論は「長期的には1ドル百円割れも」で、「円相場は世界の通貨の中で最も読みづらいと言われます。様々な為替決定要因が入り交じり、堂々巡りをしているようにも感じます」「今回は長期、中期、短期での為替変動要因を分析し、今後の円ドルのレートを予測してみました。今秋までは、ほぼ107円±2円の動きですが、長期的には100円を突破する円高、と私は見ています」(本文引用)とし、1)長期トレンド 2)中期トレンド 3)短期トレンドごとの見通しを示す。経済に疎いブログ主ゆえ、要約しても文が長くなりそうなので、各項目のキモを引用するにとどめる。<長期>では「モノの価値が上がらない日本では、通貨の価値が高くなるので長期的に円高ドル安へ向かう」「米は基本的にドル安容認の姿勢で、トランプ大統領も円を為替監視リストに入れて円安ドル高を警戒し」「日本は今も世界最大の債権国で(略)長期で円高に向かいやすい」。<中期>では「今の日本は通貨安になりやすいのですが、日銀はすでに多くの手段を使って量的緩和を進め(略)さらなる円安誘導はかなり難しい」「経常収支は高水準の黒字を維持し円高基調の流れです」。<短期>では「世界の貿易額は年間で20兆ドルですが、為替出来高は1日で5〜6兆ドル」「短期投資家が為替相場を撹乱する瞬間もありますが、長期トレンドを動かす力はありません」(以上「」内は本文引用)とあり、円高への流れはいま「1ドル100円割れ」へ一直線、ということか?
大企業が内部留保に励んでおり、賃金に反映されないままの現状がある。それゆえ、この国はすでに後戻りできないところまで来ているのかも。税制を企業に有利にしても、政治の失敗で輸出産業など目も当てられない惨状にある。100円割れが現実になったとき、どんな結果が待ち受けているやら。共産党の志位氏が「大企業優遇をやめて、賃金にまわせ」的質問をしたとき、首相は「それはありえない」的答弁で蹴飛ばしていたと記憶するが、「ありえない」は、彼にしたら「もうありえない水準に来ている」という意味かもしれない。だとしたらいっそう恐ろしい。MMT理論がいま巷を席巻しているが、この理論で現状を乗り切るとしたらどんな方法があるか、ブログ主の身辺でも雪崩を打つようにMMT傾斜の傾向が見えるが、ちゃんと理解しているのかどうか、またぞろ講演会を連発してわかったような気になって浮かれ騒ぎ、勢いが衰えたら波が引くようにとっとこ別の動きへ移動していくのか。そんなケツカル人間にはなりたくない。ゆえにMMTとはなんぞやについて、自力で納得いくまでゆっくりでもいい勉強を続けるしかないと、覚悟を決めつつあるところなのだ。けっこう難しくて、門外漢の身には過酷な気もしているのだが、必要なことだからやるしかない。
3面に「協定破棄『失望』繰り返す米 国防次官補『韓国は再検討を』」と「フッ化水素輸出 韓国向け8割減 規制強化」がある。表題は一方的に韓国向けの発信と読めるが、じっと文面を見つめると、なにやらニュアンスに微妙な揺れを感じる。米の反応は「(米日韓)が情報共有する方法はあるが、二国間の非常に強力な協定(GSOMIA)ほど効果的ではない」「韓国は再検討し、協定を更新するよう求める」「日韓の歴史的論争や憎悪、政治的な相違を、軍事および安全保障上の協力に影響させるべきではない」「(米国が)調停者になるには日韓双方が我々の調停を望むことが必要」「日韓両国は時折、米国を巻き込もうとするが、大抵は相手がなぜ間違っているかを説明してもらいたがっている」(本文引用)。米が憂慮する一方、日本政府は「大きな影響はない」「日米でやっているから問題ない」などと発言。しかし、仏のG7では日米首脳会談で話題にならなかった。そして「フッ化水素輸出」が激減し、韓国は自力で解決する道を選ぶ。さらに、小見出し「事態打開の糸口ほのめかす日本」では、国内向けに強い口調を維持しつつ、政府は妥協をほのめかす。庶民は無闇にいきり立ったりせず、冷静な視線を維持するべきとき!
posted by ガンコジージ at 11:08| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月29日

先の見えない荒野をのたうちまわる修羅

3面に「原発共同事業化で合意 東電・中部電・日立・東芝 先細り懸念」の記事。表題の4社は28日、共同事業化を「検討」する基本合意書を締結したと発表。まだ「検討」することにしたというに過ぎないが、11年の原発事故の影響はいよいよ鮮明になりつつある。それどころか、電力会社や大手製造会社の経営に容赦ない打撃を加え続けている。4社は原発事業の先細りを懸念し、原発の建設、運営、保守、廃炉などを対象に共同事業化で人材や技術を保ち、原発推進の体制を維持する構えという。しかし現状ではBWR型原子炉は事故後1基も稼働しておらず、原発輸出事業も完全頓挫の状況下、焦るのも無理はない。たしか経団連の中西会長が経産相に泣きついたのは昨年の中頃だったか。経産省が原発事業の苦境を打開するために定期的会合をして状況打開を図ってきたのは、昨年夏以降とある。東電がまず目論んでいるのは東通原発1・2号機建設で、1号機は11年1月に着工したものの工事中断。今はほぼ更地のままの状態という。また、東電は福島原発事故で県内10基の原発の廃炉作業を進める一方で、柏崎刈羽6・7号機の再稼働に向けて1〜5号機の少なくとも1基以上で廃炉を進めなければいけない状況に至っている。そのため、東通原発の建設は急務になる。柏崎刈羽6・7号機再稼働後の5年以内に1基以上廃炉の背景には東通原発の建設がどこまで進んでいるかの、彼らなりの計算が潜んでいるということか。当ブログ27日と本日の記事は、こんなふうな関係にあることが唐突に見えてくる。あと、「これが本格的に動き出すのはいつ頃の腹づもりか」というあたりが当然ながら気になってくる。中西経団連会長がお国に泣きつき、とりあえずこんな結果が浮上してきた。しかしこの案はまだ砂上の楼閣で、彼ら流にいくつもの関門を抜ける策を試みないとうまく動きだせない。原発事故がそれほど重い出来事だったのであり、賢明な政治が行われていたら、もう一つの道「脱原発」への模索も当然のように追及されているはずだったろうが、「賢明」とは程遠い政治によって、無駄な努力が延々と続けられている。そして庶民は、行き先の見えない混沌をあきらめて受け入れるしかないか。いや、ほんとうにそうなるか。理屈ではなく感性の作用で腹の底に溜まっていくマグマによって、じきに本気の熱が表面化する時が来る。希望的観測がそんなことを思わせるが・・・その一方では、市民運動の側にはっきりした経験の蓄積が必要だ。今、我々はどこまで進み、これからどこへ向かおうとしているか。徹底した自己検証が必要な気がする。
こんな現場の混乱は、原発界隈のみならず、さらに基本的な分野で音もなく進む。7面の「苦しい地銀 早めに『警戒』 金融庁再編促す仕組みも」中見出し「相次ぐ統合 後押し」をみると、金融資本主義の根幹である銀行で、今年は地銀業界の苦闘が続いている。5月17日当ブログ「世界中どこからみてもシッチャカメッチャカ」でも、大手銀4行の減益とともに、地銀の経営不振が最終段階に来ていると指摘したが、弱小ブログ主なんかが言う前に、いろんなところに指摘はあふれている。「こんな状況が続いてアベノミの責任が問われる前に対処をということで、地銀の危機を救う名目で、独禁法に一部例外規定を加えて地銀の再編を促す検討に入る考えが浮上している」(ブログ本文引用)と書いた3ヶ月後の今日の新聞に、「6月に閣議決定した『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)』では、域内シェアにかかわらず、特別に地銀の統合を認められるようにする考え」(7面本文引用)を示しているが、すでに先行して経営統合を進めているケースもある。ほころびつづけるアベノミを救うのか、日本経済を本気で救うのか。かれらはいま自分でも行き先のわからない荒野をあてどなく走りまくっている。
☆「上場地銀7割が最終減益 前期、不良債権処理3倍【イブニングニュース】」日本経済新聞5月16日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44888660W9A510C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
posted by ガンコジージ at 11:01| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月28日

消費税増税前夜のネグレクトとスッタモンダ

1面トップに「年金水準見通し改善せず 財政検討30年後に2割減」がある。参院選前に出すことができたはずの検証結果が、いまようやく出る。「前回の2014年検証から目立った改善はみられず、制度改正や高齢者の就労促進などで『支え手』を増やす必要性を強調する内容となった」(本文引用)と冒頭にある。前回消費税を増税させたのは2014年4月。その日の日経記事は「消費税8%に 17年ぶり税率上げ、国民負担年間8兆円増」というもので「消費税率は来年10月に10%に引き上げると法律で決まっている。安倍晋三首相は年末までに経済状況を見極めた上で最終決断する。ただ税率10%でも社会保障費をすべて賄えるわけではなく、多額の財政赤字が残る」(本文引用)とあって、本日の記事は5年前の繰り返しみたいな感じがしてならない。「まだまだ搾り取りますよ、覚悟してなさい。企業向けには減税しますから、よろしく」という声が聞こえてきそうな気がする。日経記事には「国民負担年間8兆円増」とあるから、この5年で40兆円か。いや、多分もっと凄まじいことになっているんだろう。実感として思う。そして今回の10%増税が本当に実施されたら、2014年と比べて実質どれだけの国民負担増になるか。考えるだに恐ろしい。
☆「消費税8%に 17年ぶり税率上げ、国民負担年間8兆円増」日本経済新聞2014年4月1日
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS3102X_R30C14A3MM8000/
1面には「輸出優遇国 韓国を除外 午前0時発動」もある。他の新聞でどうなっているのかは知らないが、国内の危機を外にそらすために排外的意識を煽るというのは、いつの世にもあることなのだと思い知らされる。「日本政府は7月4日、輸出規制強化の『第1弾』を発動し、半導体材料など3品目で輸出手続きの優遇措置を受けられなくした。輸出優遇国のリストから外す措置は今月2日に政令の改正を閣議決定し、7日に交付」(本文引用)している。関連で3面「日韓対立 両国経済ほんろう 日本、韓国を輸出優遇国から除外」中見出し「訪日客激減 不買運動も懸案」「強い日本依存 身構える韓国」「視/点 中長期の国益へ 首脳会談を」を読むと「両政府が歩み寄りの姿勢を見せない中、民間の経済活動では両国がともに傷つく不毛な事態が現実となりつつある」(本文引用)とあり、世界経済が悪化の一途を辿るなか、一層悪くなる方向へ進ませるなんぞは愚かなこと、と思わせる事態が続く。徴用工も慰安婦も「外交」で辛抱強く解決を探るのが本筋だが、すぐにつむじを曲げてしまったことが簡単に後戻りできない国民性と相俟って、しだいに亀裂を広げていく。韓国は譲る気配を見せているが、スガ長官は「閣議後会見で、輸出規制と協定破棄は『まったく次元の異なる問題だ』と一蹴」(本文引用)。でもね、まったく次元が異なるというなら、元徴用工問題を「きっかけ」にした今回の措置はどう受け止めたらいいのやら。これは「解決済みを蒸し返した」として「ホワイト国外し」は多いに関係ある正当な行為とみなすのか。それとも元徴用工は経済問題と無関係とでも詭弁を弄するのかな。それよりなにより、こんな事態のなか拉致問題が全然進まなくなってきている。対朝ではいまも「蚊帳の外」に置かれたまま。これと絡めて考えると、「ぼくを混ぜてくれなかったら、グズっちゃうぞ」と泣き喚き、道に寝転んで足をバタバタさせているみっともない格好が目に浮かんでしまう。恥ずかしい限り。
12面「経済気象台」は「リーダーたちの劣化」と題して、なにやら意味深な記事を掲載している。「組織を引っ張るリーダーは、その能力もさることながら、器の大きさが求められる。激しい競争に打ち勝つ精神的なタフさと、多様性を許容する懐の深さ。そして、従業員や取引先などの尊厳を認める。それが競争相手であっても、リスペクトする姿勢が欠かせない」(本文引用)。もっとたくさん引用したいところ割愛するとして、器の小ささを露呈するリーダーが長期に君臨する国家では、ちょっと前までの自民党がとても理にかなった保守政党に見えたりするから、不思議。小泉政権以降はともかく酷い。
posted by ガンコジージ at 11:35| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月27日

ぎりぎりのせめぎ合いが続いているけれど

1面に「東電、条件付き廃炉検討 柏崎刈羽6・7号機の再稼働前提」、3面に「東電 廃炉確約避ける 柏崎刈羽 経営再建原発頼み」中見出し「市長『合格点といえない』」がある。「6、7号機が再稼働した後5年以内に、1基以上で廃炉も想定したステップを踏んでいく」「千葉県銚子沖で計画中の洋上風力など、代替となる再生可能エネルギーを十分確保できる見通しが立つことも条件に加えた。法律で、発電時に二酸化炭素を出さない原発と再生エネの『非化石電源』の割合が義務付けられているためだが、条件を満たさなければ、廃炉を拒む理由にもなる」(1面引用)。例の高度化法が原発を支えている様子がはっきりとしてきた。同時に再エネが原発を支えるかのように見える仕掛けも含まれているが、これは海外の再エネ普及圧力を回避するための2重基準に過ぎない。すでに化石化し、各国で退潮著しい「原発ルネッサンス」にすがり、再エネに一定の役割をもたせながら、最終的には再エネを衰退に追い込む巧妙な施策の姿がちらつく。卸電力市場の異様な値動きとかバイオマス発電への高い託送料金、それに加えてインバランス清算で高いペナルティを課せられるなど、一般人には理解しにくい領域(つまりほとんど知られていない領域)ですでに始まっている新電力潰しの動きが、これら大手電力の苦境脱出を後押ししている。
3面に「1〜4号機については再稼働が『極めて困難』との見方が、原発推進の電力業界や政府内にもある。1号機は原則40年の運転期限まであと6年。2〜4号機は07年の新潟県中越沖地震以降は停止中で、地元不信が特に強い。それでも廃炉を確約しない根本的な理由は、福島第一原発事故を起こし実質国有化されている東電の経営再建が原発頼みになっていることだ」「現時点で廃炉の具体案を示せば、技術者や作業員の確保のほか、財務基盤にも悪影響があるとの判断もある」「市長は26日、『非常に厳しい状況の中で出された』と語り、配慮をみせた」「知事は26日、『検証の結果が示されない限り再稼働の議論を始めることはできない。コメントは控える』などとする談話を発表した」(本文引用)。興味深いのは対象となる全5基中の1〜4号機には再稼働に向けて厳しいハードルがあり、かろうじて5号機だけ残されている現実があること。ボロクズと成り果てている国策にすがって延命しようとしても、その国策が原発輸出総頓挫などで輸出製造業全体が息も絶え絶えの状態にある。現政権がいつまでも続くわけではなく、このまま推移して結論が先送りされ、まったく違う政策転換に遭遇したら、電力業界はそのときまでズルズル背負ってきた国策の重荷をどう処理できるか、過重になり過ぎてニッチもサッチもいかなくなって最後の決断を迫られることになることもありうる。日本的横並び主義でここまでやってきた経営陣の古ぼけた常識が通用しなくなった世界で、彼らの延命策は次にどう出るか。たぶん、立ち尽くして権力に泣きつくしかないんじゃないの?
その政権の支えとして重要な位置を占める「なんとかミクス」が風前の灯になっている。3面「米中摩擦 円高進む 一時104円台 株価にも響く」では、26日東京金融市場で進んだ円高・株安が、本来ならもっと大きく報じられてもいいところ、分量的には控えめに、しかしきびしい内容で語られている。(円相場は)「年明けで取引が少なかった1月3日朝に1ドル=104円10銭付近になって以来の円高ドル安水準」(株価は)「日経平均株価の下げ幅が一時500円を超えた」「終値は前週末より449円87銭(2・17%)安い2万0261円04銭」「日経平均は2万円の大台割れは回避した」(しかし専門家は)「米中問題の長期化から世界景気の後退懸念が強まり、円相場は年内には1ドル=百円に迫る可能性がある」(本文引用)と書く。その一方で報道は内閣支持率を58%台と報じ、国会を開催しないでゴルフをやっているだけなら高くなる奇妙な傾向を明示する。さらに4面「知事選敗北 自民に危機感 埼玉 秋に参院補選控え」は、なにかやりだすとケチがつく与党の奇妙なテイタラクを報じている。秋には臨時国会が始まる。これらの状況は吉凶ないまぜだが、希望も混ざっているような気がする。
posted by ガンコジージ at 11:25| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月26日

なにからなにまで失敗している

今日の株価はすごい。9時過ぎすぐにマイナス500円を示し、為替は対ドル104円台から始まる。専門家は2万円割れを視野に入れ、リーマン以来の出来事と言って肩を落とす。「米中貿易戦争」を公言し、異次元の領域へ突入とも語り、「そのうえ消費税増税ですからね」と嘆き節。株の専門家が異次元というんだから、かなり厳しい状況になったといえそう。本日1面トップには「北米に『親中国家』 米、グリーンランド買収構想」その隣に「日米貿易交渉 来月合意も トランプ氏『大きなディール』 首脳会談」その下に「先送り竹島訓練 韓国軍が始める 日本抗議 輸出規制に対抗か」が続く。「親中国家」には米中貿易戦争のその先にあるものの姿が見え、貿易戦争といいながらキナ臭さがいっそう強く感じられる。それはともかく「日米貿易交渉」の中身については、3面「日米貿易 スピード決着へ」中見出し「トランプ氏、再選狙い『成果』」「日本、『安保からめ要求』回避」「『TPP水準』乗用車焦点」を読むと、政府が成果を謳っている1面とは違い、どうも法外な要求の範囲が少し狭くなった程度の方向性が得られた感触が伝わってくるくらい。それほど明るい光は見えない。「閣僚級での大枠合意では、米国農産物の関税引き下げで、日本側が譲れない線としていたTPPの水準で収まった」「もともと日本が農産物で『TPP水準』まで譲歩するのは、米側が乗用車などの工業製品で関税を削減することが前提だった。議会承認がいらない程度の小幅な米側の関税削減と釣り合いの取れない形で日本側が『TPP水準』を受け入れる結果になれば、交渉戦略の責任が問われる」(本文引用)とあるように、米国産農産物の関税引き下げが、乗用車などの工業製品の関税を削減するための取引材料に過ぎないことは明らか。相手方が次に繰り出す条件次第で大幅譲歩に変じてしまうということは、日本の農産物が被る影響は考慮の外ということを示しているに過ぎない。地方の農家がTPP反対を叫んでいたことが、いまになって間違っていなかったと明かすハメになりそうな気配が、閣僚級交渉の奥に漂い始めている。
日韓関係でいえば、1面「日米貿易交渉」に戻って、両首脳は「北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射について、日米間で連携する重要性を確認。会談冒頭でトランプ氏が首相に見解をたずねる場面があり、首相は『日本は国連決議違反であろうと思っている。短距離ミサイルの発射は極めて遺憾』と強調。これに対し、トランプ氏は米朝合意には反しないとの見解を示した」「中東のホルムズ海峡などでの船舶の安全を確保する米国主導の『有志連合』構想・海洋安全保障イニシアチブや、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄問題などについては議題にならなかった」(本文引用)とあり、日本国内がいきり立つほどには、トランプ氏の感覚は日本寄りになっていない。此の期に及んでいくら尻尾を振っても、遠い以前に外されたハシゴをかけ直される兆候は見られない。以下の記事には「今回の文政権の決定には戦略も見える。コリア・レポート編集長の辺真一氏は言う。『文氏は、すでに「北朝鮮は敵にあらず」という方針で北朝鮮との交渉を進めています。今後、南北の対話が進み、米国も交えて朝鮮戦争の終結宣言が実現すれば、韓国や米国にとって北朝鮮のミサイルは脅威ではなくなります。そうなればGSOMIAも必要ないと考えているのでしょう。日韓GSOMIAの破棄を北朝鮮への手土産にして、一気に米国も巻き込んだ形で北朝鮮との交渉を進めていく可能性があります』」(本文引用)とある。ここまでたどり着くにはまだ長い道のりが必要だが、その前にこちらはカヤの内へもどる道を模索せねばならない。先の大阪G20でのみっともないまでの孤立状態から抜けるにはかなりの英断が必要になる。拉致問題解決を含めて、この難しい舵取りが、彼にできるのかな?
☆「文在寅の禁じ手『GSOMIA破棄』の狙いは“安倍外し” 素人集団の官邸外交に打つ手なし」AERAdot.8月23日
https://dot.asahi.com/dot/2019082300065.html?page=1&fbclid=IwAR3H2kVw7biwJ3VNyEetqrQbGDwc6TklPyj2zRDTD0lquakrUgKo4lnsUJM
posted by ガンコジージ at 11:35| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月25日

ディストピアは現実、ユートピアは理想?

3面の「日曜に想う」は「赤裸々な『私』のディストピア」の表題で、なにからなにまで筒抜けの世界の恐怖を語る。すべての個人情報がランダムに収集され、個人の嗜好や考え方の傾向があますところなく蓄積され、次々に整理されていく。必要とあらば検索し、抜き出して個人の特性をつぶさに知り、その善し悪しのすべてを利用し尽くす。まさに恐怖の世界。「近未来のディストピアを、ふと想像してしまう。そこは、独裁的な支配者はいないのに、それと分からぬようにすべてが支配されている世界である。人々は方向づけられた思考や行動を、自分の意思で行なっているかのように錯覚して、楽しそうに暮らしているーー。その図はすでに、この地上に在るのかもしれない」(本文引用)。ブログ主が同様の危惧を感じたのは、いまから11年も前のことだった。グーグルアースというものを知り、世界中の個人宅が人工衛星に搭載したカメラで特定できるようになり、その視線が地上へ降りてきたのを知って、「いやだねえ、これは」と眉をひそめたものだ。所在を知られたくない大富豪などの家は特定されないように手を打てるが、そうでない人はそれなりに・・・(当ブログには「新聞の投書で目を剥くような覗き趣味が暴露された。ある街の平凡な家族の家の内部が丸見え状態だったという話。家人がびっくりして投書に及んだのだ。薄いカーテンではなんの意味もなさない状態だった」とある)。ネット上に氾濫する個人情報を別の無関係の個人が収集してプライバシーを侵害するケースも目立っている。最近では、あおり運転の同乗者と間違えられてネットで攻撃され、職場にまでじゃんじゃん電話がかかってくるという思いもかけない被害に会った人もいる。そんな出来事を防ぐにも巨大なデータの塊とAIを頼りにするしかない。「私たちは日々せっせと個人情報を献上している。欲望、悩み、好悪、位置情報・・・あらゆるデータが集められ、分析されて、無意識の部分まで赤裸々な、私も知らない『私』が電脳空間に立ち現れる。怖い話である」(本文引用)。AI(人工知能)と量子コンピューターがセットの世界では、これはまさしく現実の話。ハリウッド映画では定番となったストーリーの中に、いま私たちは生きているのか。少なくとも強権的政治を好む人物が登場できない世界を早急に創らないと、気がつく間も無く、空気を吸うが如く己が脳の中身を含めて全身が支配される世界がくる。そんな気がした今朝・・・!
ディストピアをユートピアの反対語と考えると、深刻な矛盾に突き当たる。ユートピアがいつの世でも空想の理想社会と受け止められる一方、ディストピアは着々と現実世界に浸透しつつある。ユートピアは永遠の明日に属する空想概念、ディストピアは現実の概念なのだ。巨大な記憶容量を持つ量子コンピューターの天文学的速度による演算でAIが即決判断を下す。それに勝る判断を人間が出せなくなったとき、いったいどんな世界ができあがっているのだろう。ハリウッド映画では行き過ぎた科学を、勇敢な人間が命をかけてぶち壊すことでハッピーエンドに至る。さながら産業革命当時のラッダイト運動のようなはかなさを感じさせる抵抗だが、機械がそんな抵抗を跳ね返す力を持ったとき「ターミネーター」の終末世界に至る。「さまざまな懸念から、欧米ではソーシャルメディアやネット検索から距離を置こうとする人が増えているという。それは想像される近未来への生身の人間の異議申し立てにも思われる。はかない抵抗だろうか。重い警鐘だと、私は思うが」(本文引用)。「いつか見た」記憶のディストピアは予感ではなく、すでに私たちの前に醜悪な姿を見せている。1面トップに「米中摩擦 激化 中国に即対抗 米関税30%に上げ」中見出し「報復の連鎖 止まらず」「ダウ急落 円高も」。その横に「日米貿易交渉 大枠合意 閣僚級協議 農産物TPP枠内か」その下に「北朝鮮、ミサイル2発発射 日韓協定の破棄通告後初」が並ぶ。70年の来し方が奇跡的に平和な時代であったのだとあらためて知るときが来るのだろうか。いささか重たい気分になってくる今日この頃。
posted by ガンコジージ at 10:47| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月24日

MMTの可能性を灰にした政治というべきか

月刊誌「世界」9月号掲載の金子勝氏の指摘を日刊ゲンダイが引用し、それを19日当ブログに孫引きしたことを思い出す。「『新・賃上げ論 その条件は何なのか』と題した寄稿で、日本経済をメタメタにしたアベノミクスの3つの悪循環を分析。▼高付加価値の新製品を創り出せなくなった日本企業の国際競争力低下によって産業衰退が加速▼輸出企業が円安と賃下げで収益を上げようとするため内需弱体化▼異次元緩和で出口のないネズミ講にどっぷりーーに集約できるという」「具体的な国家戦略を持っていない。政府は、守旧的な重化学工業を中心とする経団連のために、政策的予算的な重点になる産業政策を実行している。それらは、原発再稼働と原発輸出、リニア新幹線、国土強靱化計画や東京オリンピックと建設事業、大阪万博とカジノIRといった旧来型のものに占められている」「デジタル通信機器、半導体、液晶ディスプレー、情報通信、バイオ産業。先端産業分野は見る影もなく衰退し、国民を食べさせていく産業がなくなろうとしている。パンとサーカスに踊らされたこの国は、祭りの後に一体どうなるのか」云々。あえていえば、MMT理論にどっぷり浸かるように国債を発行し、管制相場で株を釣り上げ、重厚長大産業を守るために全力投入してMMTを食いつぶしているということになるのかな。いびつな経済政策のために内需が伸びず、経済が循環しないまま、低迷の年月が過ぎた。ここまできて打つ手がほとんど失われ、悲願の改憲にも手が届くかどうかおぼつかない。3分の2を確保するのは汚れた手を縦横に使えばできないことはないかもしれないが、国民がそんな詐術にどこまで追随するのやら。いったいどうするつもりなのかと固唾をのんでいたら、韓国との間に無用な軋轢を引き起こし、民族排外主義を煽ることに着手した。首相の強固な支持基盤をつなぎとめておくためには中途半端な方法では間に合わなくなってきたことの証明なのだろうか。1面トップに「韓国、日本に破棄通告 軍事情報協定 米は『失望』表明」がある。G7は今日開幕。中身が全然わからないまま、日米通商交渉はなんだか知らないが「大詰めを迎えつつある」(23日4面「日米の貿易交渉 茂木氏『大詰め』」引用)のだそうで、めでたいかどうかまったく不明の現状下に、不安がいよいよ積み重なるばかり。こまったもんだ。
GSOMIAに移ると、米が失望するのはよくわかる。GSOMIAで最もよく語られるのは弾道ミサイル情報についてだが、これは韓国にもあえて言えば日本にも特に重要な情報ではない。重要なものと感じるのは米なのであり、自国防衛に大きな齟齬を生じる可能性を、米が危惧するのは当然ありうる。韓国は距離が近過ぎて、弾道ミサイルで攻撃される気遣いはない。日本もJアラートで明らかになったように、発射から到達までにどうしたって安全なところへ逃げるヒマなどない。イージスアショアが有効性を発揮するのは、アメリカを攻撃するミサイルを防御する機能で、それを妨害するために攻撃されることはありうるとしても、わざわざ弾道ミサイルを使わなくても攻撃可能な範囲。としたら、どこからみても困るのは米で、こんな事態に持ち込まれる原因を作ったのはどっちだということになると、外交問題としてうまく処理できずに元徴用工問題をこじれさせた日本への風当たりも当然大きい。報道では米高官による韓国非難だけがとり上げられているが、日本への苦言もないはずがない。日米通商交渉が大詰めを迎えるなか、どんな動きが進んでいくのか、情報過小市民には判断がつきかねるけれど、やはり通商交渉でとんでもない妥協が行われる可能性を否定できない。面従腹背ギリギリ路線に我慢できなくなったおぼっちゃまがどんな悪手にはまりこむか。嫌な予感だけが粛々と進む嫌な夏。以下の記事は「米軍を『危険なほど過度の負担を課された』『衰退する軍隊』と評し、中国と敵対するには『準備不足』だと厳しく指摘」(本文引用)している。これをどう読むか。
☆「太平洋で米軍の優位性喪失、中国からの同盟国防衛は困難に 豪シンクタンク」AFPBB:8月19日
https://www.afpbb.com/articles/-/3240396
posted by ガンコジージ at 11:13| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月23日

複雑にからみあう緊張が牙を剝いて続く

1面トップに「韓国、軍事情報協定を破棄 日本の輸出優遇除外問題視 協定『国益に合わないと判断』」中見出し「中ロ朝利する対立」「日本側は抗議」と解説の「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)」がある。「北朝鮮などの脅威を前に、日米間の協力を軸としてきた安全保障体制が大きく揺らぐだけでなく、元徴用工問題や輸出規制問題で対立する日韓関係がさらに悪化するのは避けられない情勢だ」「両国が押収する負の連鎖は、アジアの安全保障環境にも影を落とし、自らの首すら絞めかねない」「GSOMIA(軍事情報包括保護協定) 政府間で防衛上の秘密情報を円滑に交換するための枠組みで、情報の種類別にアクセスできる人を限定するなどしている。韓国とは2016年に締結。ほかにも米英仏などと個別に結んでいる。協定の有効期限は1年で、期限の90日前までに相手に止めると伝えなければ自動的に延長される」(本文引用)とある。日本政府はタカをくくっていた形跡がある。2面にそんなことが書かれている。「時時刻刻」の「日韓亀裂 東アジアに影」の中見出し「韓国、日本の『無反応』決定打」では、文大統領が光復節の演説で「日本が対話に出れば、喜んで手を握る」(本文引用)としたことに反応しなかったことが決定打になったとある。3面の「日韓、底なしの対立関係」にも関連があり、日本政府は「元徴用工問題などを抱えるなか、安全保障分野の協力関係の象徴ともいえる協定は維持されると観ていただけに、衝撃が広がっている」「『韓国国内でGSOMIAの破棄を求める声が高まっても、米国を敵に回してまでやれるものならやってみろ』(略)『GSOMIAが延長されれば、関係改善に向かうのではないか』(日本政府関係者)との見方さえあった」(本文引用)。昨日午前の段階でも延長されると読んでいたというから、けっこう甘い見通しをしていたことになる。ホワイト国から韓国を外す処置は28日予定。規制強化「第3弾」も控えている。これを強行したら、いっそう日韓関係は抜き差しならないものになっていく。記事は7面「韓国、『歓迎』『最悪』二分 野党、文大統領を批判」に続く。保守系野党の反発が強くなっており、文大統領が苦しい政権運営をしていることは確かだろう。同様に、またはそれ以上に、日本の立場も次第にねじれを深めていくしかない。国際的な信用は、少なくともどんどん低下していくことだろう。影響が出ないわけがないと観て差し支えない。元徴用工問題にちゃんと向き合えばこんな抜き差しならない事態には至らずに済んだはず。
この事態に重なるように、4面に「日米の貿易交渉 茂木氏『大詰め』 ワシントンで閣僚級協議」、7面には「G7 首脳宣言採択なしも あす開幕 仏大統領、議論優先の方針」がある。日米貿易交渉については、21日に4月から7回目の協議で、最長の5時間に及ぶ会議となった。「終了後に会見した茂木氏は『早期の成果実現に向けて、残された議論や作業を加速することで一致をみた。だんだん大詰めを迎えつつある』と話した」「『信頼感を持ちながら議論を深めることができた』として、協議が前向きに進んだことを示唆した」(本文引用)と、中身がどうなっているのか全く不明のまま、何かが決まっていく過程を見せられているだけ。明日から仏で始まるG7においてトランプ氏と会う予定のアベシだが、さて、そのとき開けてびっくり玉手箱(またはパンドラの箱)になるのか否か、かなり気をもむ時間が過ぎていく。今回のG7は首脳宣言や議長声明が見送られる可能性が出てきている。不協和音だらけのなかで、さらに不協和音を積み重ねる綱渡り。情報を追いかけているだけでも気疲れする状態が続く。8面「経済気象台」は「世界の分断と景気後退」と題して不安な日常を代弁するかのようだ。「聖愛で景気後退の懸念が高まっている。世界経済を牽引する米国では、景気後退の先触れとされる債券市場のイールドカーブ逆転現象(短期金利が長期金利を上回る状態)が続く」「米国の景気拡大と金融緩和による円安に頼ってきた日本経済の立場は厳しい。世界が金融緩和に動く中、追加緩和が困難な日本は円高に襲われている」(本文引用)。消費税増税を吸収する予定の五輪後にやってくる不況が心配と書く。先の参院選の選択の結果は吉凶どちらに出るか!
posted by ガンコジージ at 11:09| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

温暖化と寒冷化のはざまで踊らされている

ブログ主の温暖化と寒冷化に関する立場は、どちらもまだ科学的に立証に至っていないことと、二つは対立概念ではなく同時に起こりうる現象だということに尽きる。科学的に立証できていないが、どちらも本格的に進んでしまえば抑制不可能になる。したがって、地球生命の存亡に関わる仮説なので、できるだけ人為的な原因を含む様々な原因を抑止するよう努力する必要があるというのは納得するところだ。二つが対立概念ではないという意味は、両者が掲げる原因は全く別のものであり、同時に起こっても不思議はない現象なのだ。温暖化は地球単独で発生するが、寒冷化は太陽フレアの影響、または極超新星爆発によって発生した宇宙線が地球を襲うことで起こる、との説が有力だ。つまり、温暖化が進行している真っ最中に極超新星爆発の影響が地球に到達することは理屈上成り立つのだから、なにを頑張って対立し合うのか、ということになる。温暖化説を過去にあった「温暖化人為説詐欺事件」なるもので貶めたところで、科学的に実証できないという根拠にはなり得ない。これを根拠に対立関係にはまるのはまこと愚かの極み。科学の概念で捉えるべきものを政治の概念で断罪する短絡思考という他ない。それより、いまは温暖化で世界が一致して行動する機運が高まっていて、それも福島第一原発事故後に原発なしで温暖化を抑止できるとする考え方が勢いづいているのだから、その部分を利用しない手はない。温暖化が原発推進派に利用され、「原発ルネッサンス」を招いたことは負の経験として蓄積していくべきもの。寒冷化で言えば、熱核融合が有力なものとして、原子力推進派が世界的な原発退潮の後を狙って食指を伸ばしている現状。世はまさに複雑怪奇。どこにでも顔を覗かせる原子力大好き人間たちとおなじ土俵に上らないようにしないと、けっきょくは利用されるだけになってしまう。
というわけで10面「社説」に「温暖化と食糧 『緑』と『農』の調和こそ」がある。「地球温暖化に伴う異常気象は食糧生産に悪影響を及ぼすが、農地を広げれば温暖化が加速してしまう。温暖化対策と食糧確保を両立するには、森林や農地のバランスを考えて土地を利用しないといけないーー。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた特別報告書である」「『人間の活動で出る温室効果ガスのうち、農業や林業などの土地利用によるものが23%にのぼる』。報告書は、そう指摘する。森林が伐採されると、本来なら樹木に吸収されるはずの二酸化炭素(CO2)が大気中に残ってしまう」「植林や森林の再生に努めつつ農作物を確保する、という二兎を追う工夫が欠かせない」「温暖化や食糧不足などの問題は、互いに複雑に絡み合っている。特定の問題だけを見て土地を利用していると、別の問題が深刻化してしまう。そのことを忘れてはならない」(本文引用)。日本的にいうなら、森林や農地を確保する工夫がまず優先されなければならず、森林や田畑をつぶして温暖化対策などはありえない。そのことは自明なのだが、森林や田畑を維持するための国家的な施策は、場当たり的であるばかりか状況が悪化するように仕向けているとしか言いようのないやり方が横行している。食糧自給率は現象傾向をたどるばかり。そして森林が消えていく。一方で、「美しい森林を守る」という理念だけが前面に掲げられ、それで生業を立てている農業者や林業者の苦境を考慮しない、ユートピア的発想の運動が先行し、末端住民の間で対立関係が鮮明になっていく傾向がある。「美しい自然」がなぜか「醜い人間関係」を生み出す矛盾を抱え込む。そんな可能性をどう阻止するか。この関係が蔓延するほど、国家の施策は自由度を増すのだと知っておきたい。「洪水や旱魃などによる土地の劣化」(本文引用)がそれを後押しする。結果として後継者のいない農地は放棄され、手入れされない山林は荒れ、期を見計らっておもむろに対策に乗り出す国家により、大規模地主制と小作農の復活が促進されることになる。140年近く前に発生した経済恐慌によって誕生し、約70年前の農地改革で崩壊した封建的システムが復活する。そのとき「美しい自然」は守られるか。それは楽天的すぎる!
posted by ガンコジージ at 11:20| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月21日

「いじめ」への「正論」の向き合い方って

今日は26面「一緒にいる それも勇気 タレント鈴木奈々さん」から書いてみる。「シカト(無視)」への言及が興味深い。仲良し8人組が一人をシカトすることに決めた。でも、いっしょになってシカトすることができず、鈴木さんは一人になってしまう子のそばにずっといたのだと。「その子とは、今も仲良し。『あのとき、いてくれてうれしかったよ』って言われます」(本文引用)と、ここまで読んで思った。よく学校でのいじめが問題になったとき、大人たちは学校の対応を責める。教師たちは孤立して苦労する。精神的に追い詰められる。逃げをかまして姑息な対応を重ねることも多々ある。問題のあり方が歪んでくる。学校や行政を責める大人たちには、抜き身となった正義のヤイバの向けどころがなくなり、憤懣が募る。当の生徒たちは気持ちの置き場所が得られず、いちばん妥当な解決策である「集団シカト」ともいえる空気に逃避し、いじめの被害者はなおいっそう孤立した感覚の中を漂う。学校や行政は最悪の沈静化に安堵し、事件が発覚する以前の状態に戻っていく。大人たちの正義のヤイバはさらに単純化され、事件が表面化するたびに同じやり方を繰り返すようになる。そんな流れになることが多い。
娘が中学時代にクラスでシカトされ、「もう学校へ行きたくない」と訴えた。事情を聞いて、ブログ主は考え、応えた。「今度そんな目にあったとき、教室内を冷静に観察してみろ。他にも同じ目にあっているやつが絶対にいる。そいつと組め」と。娘は「わかった」と応えて、次の日も学校へ出かけていった。そして帰宅し、ニコニコしながら報告したものだ。「ふたりもいたよ。3人でグループになったら、気にならなくなったよ」と。最終的に4人のグループを結成することができ、シカトは効力を失ってしまった。これには続きの話がある。クラスの担任が家族面談の折に言ったのだ。「〇〇さんのことは気になっていまして、わたしも悩んでいたのですが、見事に克服されて安心しました。男子生徒の中でも気にしているものがいまして相談を受けていたのですが、彼女がしっかり対応されて、よかったです」と、要旨そのようなことを言ったような気がする。親が言うのもなんだが、彼女はやっかみを生む程度に可愛かったようだ。おとなしくて、でしゃばらない性格で、どちらかというと受身、かつマイペース。そんな性格がときには損をする場合もあるのだろう。いまも3人とはそれなりに付き合いがある。3人とも家庭的に難しい問題を抱えていて助けが必要だった。娘はそんな3人のまとめ役になったらしい。本人はそんなこと、いまだに気づいていない。それゆえ、不満があると相手にズバッと言ってしまうらしい。「気をつけろよ」と注意することもあるが、それぞれの困難を抱えた3人との関係は、住む場所がみんな遠くなり、各々の不幸がたとえ以前よりいっそう深化してしまっても、それなりに続いている。
いじめ問題が表面化すると、親たちはまず「学校」「行政」の対応を問題にし、がちがちの正論をぶつけて騒ぐ。娘の対応が解決の唯一有効な手立てとは思わないが、そんなやり方も含めて、衝突しなくても解きほぐせる方法は他にもあるのではないか、などと思う。「正論」をぶつけてわざわざ袋小路に迷い込むことの愚を思う。「正論」で完全武装し、相手を追い詰めるばかりでいいかどうか。考えどころではないか。それで押し通したところで、学校も行政も追い詰められて出口を見失い、責め方によっては関係者が重たい傷を背負いこむだけ。生徒は萎縮し、いじめを内向させる。シカトは、内向した鬱憤に唯一残された抵抗の手段と化す。「正論」は反省なく次の吐き出し口を探して巷間をさまよう。「正論」はそこで、さらに大きなねじれ現象に遭遇する。「正論」にまつろわない者たちに対する「シカト」、ないしは「排除」の行為がつきまといはじめる。いじめに対抗するはずの「正論」が、いじめの形態を身につけ始める。また一方で、「正論」が押し返されだすと、いじめの被害者となって立ち現れることもありうる。問題解決の糸口にたどり着けないこじつけ論理は、得てしてこんなふうに自壊していく。自らの戒めとして思う。
posted by ガンコジージ at 10:46| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月20日

興味はあるが疑問もあるMMTというやつ

6面の「経済気象台」は「MMTに深い親近感」。MMTに深い親近感を覚える筆者龍氏は、まだどうしても残る疑問に、明快な答えを欲している。「MMTによれば、一定の条件を満たしていれば、財政赤字を恐れる必要はない。政府と一体となった中央銀行は紙幣を発行して、政府はそれを財政に用いればよい。均衡財政は間違っている。(略)日本経済のバブル崩壊以降の長期にわたる現実、すなわち、政府の財政赤字は世界トップクラスだが、インフレも金利高騰も財政破綻も生じていないという現実を説明できている」「ポイントになるのは、財政赤字を恐れる必要がない一定の条件とは何か、である。MMTは『物的・人的生産能力の実物的限界』を超えない限り、ハイパーインフレも金利高騰も起きない、としている」(本文引用)としつつ残った疑問を述べる。まずはベネズエラで、通貨をじゃんじゃん発行してハイパーインフレに陥り、いままさに破綻しているという。これはちょっと疑問の気がする。ベネズエラは良質な石油の大産出国だが、重すぎる石油という唯一の欠点ゆえにアメリカの経済的圧力に弱く、また、国内に潜む親米グループの扇動で、混乱を余儀なくされている。さらに龍氏は「日本は、なぜ『生産能力の限界』を超えていないのか、将来も超えないと言えるのか」「企業も家計も貯蓄だけを増加させている。しかし、将来、団塊の世代が貯蓄を大幅に取り崩すと、この一定の条件が崩れる、とは言えないのか」(本文引用)と言うが、これもブログ主とは意見がズレる。
「団塊の世代が貯蓄を大幅に取り崩すと」ということのほかに、経済大国が何らかのかたちで日本経済を手玉に取ろうと直接間接の介入を図ってきたときなど、やはり大きく崩れる可能性はないか。通常の経済環境の変化でももたらされる可能性があり、意図せずとも日本経済に影響を与えることはないか。疑問は解かれなければならない。だが、これだけ大きな反響を呼んでいるにも関わらず、参考になる文献がなかなか見つからず、あってもかなりお高いうえに難しそうで分厚い本ばかり、ときたら、入手しても理解できるかどうか不安が先行する。困ったもんであるが、いま食指が動いているのはL・ランダル・レイによる「MMT 現代貨幣理論入門」。分厚そうで難しそうで、少し腰が引けつつ、仕方ないなあ、読まにゃいかんかなあ、と気持ちが次第にこの本へ近づきつつあるところ。読む前から頭が痛くなりそう! 安易な参考資料を探すとしたら、上記本の訳者のひとり中野剛志氏による以下のような映像も参考になるかも。理解というやつは、聞くより読むこと。だが、読むだけでも不十分で、自分なりにまとめることが基本必要。まとめることの重要性は、個人的には毎日のブログ更新でつくづく実感しているわけで、実にたいへんなんだな、これが!
ランダル・レイの本は3672円。半世紀+アルファ前の学生時代、これよりまだ高い本を教科書として買わされることになり、とてもじゃないけれど買えなくて、授業で難儀したことを思い出す。当時の大卒初任給が2万円ほどの時代だったから、5000円の教科書なんて買えるわけなかったんだよ。いまでも悔しいなあと思う記憶の一断片・・・。少し興味深いのは、ウィキにある記述「日本では2019年4月4日の参院決算委員会で質問に立った自民党の西田昌司参院議員が『日本はこの20年(国の債務は増えたが)金利も物価も上がっていない。日本はいつの間にかMMTをやっているのが現実だ』と指摘。安倍晋三首相が、財政健全化に向け、政府は債務残高の対GDP比に目標を設けていることなどを挙げ、『MMTを実行しているわけでない』と否定する一幕もあった」(本文引用)という。また先に引用した本の訳者中野剛志氏は、MMTはポスト・ケインズ派の一つの到達点としているとか、「サンダース議員はMMT理論と明確に距離をとっている」などの記述もある。浮つかず、落ち着いてとらえる必要があるのは間違いない。
☆「『日本の未来を考える勉強会』ーよくわかるMMT(現代貨幣理論)解説ー平成31年4月22日 講師:評論家 中野 剛志氏」Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=LJWGAp144ak
posted by ガンコジージ at 11:20| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月19日

パンとサーカスに踊らされるこの国の末路は

以下の記事によると臭いどころの話ではないらしい。「猛暑を考慮してランの距離を半分の5キロに短縮した女子トライアスロンではフランス選手が救急搬送された。馬術選手は『馬も人も危ない暑さ。もう少し早くという意見を出さないといけない』と訴えた」ところが、「IOC(略)に提出した立候補ファイルで〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖〉」(上記「」内は本文引用)とアピールしていたというから驚く。ウソはどんどん拡大中。JOC竹田前会長の贈賄疑惑もうやむやのままだ。「世界一コンパクトな五輪」のうたい文句も招致段階から4倍増で、まだまだ膨らむ気配濃厚だ。記事で驚いたのは、金持ち向けの高額チケットの値段。開会式30万円を筆頭に11日間パッケージなどは635万円かよ。この猛暑に、もしや富裕層には冷房完備の特別席が設けられているんだろうか。選手と一般観客が暑さにうだっているとき、ガラス張りの快適な特等席から、バタバタと倒れるオロカな庶民の自滅ぶりをニタニタしながら眺めている姿を思うと、情けなくなってくる。
☆「猛暑、臭いだけではない 国民が騙されている東京五輪の暗部」日刊ゲンダイ8/17
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260451
興味深い指摘は上の記事の後半部分。月刊誌「世界」9月号に載った金子勝氏の指摘だ。「『新・賃上げ論 その条件は何なのか』と題した寄稿で、日本経済をメタメタにしたアベノミクスの3つの悪循環を分析。▼高付加価値の新製品を創り出せなくなった日本企業の国際競争力低下によって産業衰退が加速▼輸出企業が円安と賃下げで収益を上げようとするため内需弱体化▼異次元緩和で出口のないネズミ講にどっぷりーーに集約できるという」「具体的な国家戦略を持っていない。政府は、守旧的な重化学工業を中心とする経団連のために、政策的予算的な重点になる産業政策を実行している。それらは、原発再稼働と原発輸出、リニア新幹線、国土強靱化計画や東京オリンピックと建設事業、大阪万博とカジノIRといった旧来型のものに占められている」「デジタル通信機器、半導体、液晶ディスプレー、情報通信、バイオ産業。先端産業分野は見る影もなく衰退し、国民を食べさせていく産業がなくなろうとしている。パンとサーカスに踊らされたこの国は、祭りの後に一体どうなるのか」(本文引用)。
五輪に戻ると、テレビ報道では暑さ対策に大わらわな様子が伝わってくる。「かぶる傘」なんていうシロモノから、個人向けのミストシャワーサービスをやるとか、氷水を入れたきんちゃく袋なども用意されているが、みんな小手先。金がかかり過ぎてブレーキをかけようとしても、ボランティアを大量動員するなどで経費を浮かすなどという本末転倒しかできない。お台場の汚水プールもフェンスで区切る程度の間にあわせ。根本的に改善させる費用をケチったところで、改善は望むべくもなく、あとは選手や金持ちを除いた一般観客のバイタリティーに頼るのみ。巨額の費用は最終的にどこまで増えるのか検討もつかない。もしや過去最高のソチ五輪の約5兆円を超えるのではあるまいな。あんまり華美になり過ぎてだんだんオリンピック精神から離れていき批判が出たのがソチ。そこで安上がり五輪を目指す気風が出てきて、それも当然だ、と思っていた。当初は東京五輪も安上がりを売りにしていたんじゃなかったか。以下の記事によると、いつの時点かよくわからないが、約8000億円と出ている。いま3兆円だが、終わった後の集計はいかに。さらに、各五輪でどれだけ儲かったかの数字も出ていて、ソチはデータがないが、北京4兆円に対して14兆円と、ものすごい利益が出ている。東京五輪もこれを当て込んでいるのだろうか。「臭い」「暑い」と被害者続出で、フタを閉めた時点で大損こいてたりして。大阪G20で各国首脳からシカトを食らったことを思い出すと、とんでもないしっぺ返ししか来ないんじゃないかと危惧するなあ。元会長の贈賄疑惑は未解決だしね。
☆「オリンピックの運営費比較 〜2020年東京オリンピックにかかる運営費は? 〜」楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/2020_tokyo/sochi_special.html
posted by ガンコジージ at 08:49| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする