2019年03月20日

ガラスの天井の向こう側がぐちゃぐちゃです

今日の我が家購読紙にはJOC竹田会長辞任の報がわりと大きく紙面を占領している。平日なのになんだか勢いのない紙面なので今日は書くのをやめようと思ったが、やっぱり書かないとつまらない。で、JOC関連で好きなことを書く。自慢じゃないがブログ主だって勤めていたことがある。しかし、自分の資質として管理職とか人を指導する能力などないと自負していたから、かなり好き放題にやらせていただいていた。世の中には男にも超えがたいガラスの天井があるのを感じていて、それを抜けるには「男社会の論理」を「男」自身が身につけていないと不可能であることも知っていた。大半の男どもはその「論理」を自然に身につけていくが、ブログ主の生家は最初からその範疇に入らない不思議な立場にあり、「男社会の論理」を学ぶ機会がなかった。有り体に言うと、「ハレ」と「ケ」の世界があって、我が家は「ケ」に属し、ご近所や親戚からも排除されていた。ようするに社会として受け入れがたい部類に属する「ただならぬ貧乏」により、世間の諸関係から外されていたというべきか。そのことを背景に1面「JOC竹田会長 6月退任 招致疑惑と関連否定」をみると、写真にある人物が「ハレ」の場でぬくぬくと生きてきて、18年だか19年だか大きな顔をして組織のてっぺんに君臨してきたことが、根っから鼻持ちならなくて仕方なかった。「旧皇族出身」だ「明治天皇のひ孫にあたる」だと、笑わせんじゃねえ。「男社会の論理」を自然に身につけていて「お家柄」がとてもよろしいからってだけじゃねえか。会長とか言いながら「あ、よきにはからえ」なんてやってたんじゃないのかい。そんな手合いは他にもいた。豪雨で交通機関に支障が出ていたとき、むりに記者会見を開いて、現地地方紙以外を選別して嫌なのを締め出し、質問なしで済ませたやつがいたっけな。「男社会の論理」は「お友だち社会の論理」でもあったってわけだ。
2面「竹田会長 耐えきれず 圧力・批判 国内外で噴出 IOCイメージ悪化懸念」「視/点 疑惑解明 終わりにするな」があるが、退任の理由は「『選任時70歳未満』という役員定年規定の存在と、それに伴う世代交代」(本文引用)と言っていたそうな。でも「実際は違う。招致をめぐる買収疑惑が再燃し、続投が基本路線だった風向きが一気に変わった」「竹田氏は仏司法当局に身柄拘束を請求される可能性がある海外渡航を控えるなど、職務にも支障が出た」「今月12日(略)竹田氏擁護で結束してきたはずのJOC内部から、本人がいる場で続投への異議が唱えられ、『(竹田氏は)かなりがっくり来ていた』(略)という」「続投に意欲を見せていた竹田氏の面目を保つため、任期満了まで会長を務めた後、名誉会長に就任する方向で調整が進む」(本文引用)。「面目を保つため、任期満了まで会長を務めた後、名誉会長に就任する方向」などと、いまもって地位に恋々としがみつくその姿は哀れを通り越してすさまじい執念。その執念の寄ってきたるところとは一体なんなのか。自らの出自に関わる執着なんだろうか。「面目」を保ってやろうとけんめいに忖度する周辺の姿も、スポーツに清潔さを装わせるものたちの本心が露呈され、あわれをさそう。
竹田氏の疑惑が浮上して、最終的な結論に近くなってきたとき、ゴーン氏勾留がとつじょ始まった。そしてゴーン氏保釈(3月6日)とあわせるように、竹田会長の辞任(3月12日理事会で流れができ、3月19日辞任表明)が決まった。個人的には、この二つの出来事は重なって見えて仕方ない。どちらにもフランスが関わっている。竹田氏を守ろうとゴーン疑惑をことさら大きく見せ、取引をしようと目論んだものの、かえって日本の社会システムの前近代性が露呈してしまい、司法制度の欠陥まで世界が知るところとなった。その背後にお友達を優遇するあの政権が存在する。すべての原因がそこにあるのだと、世界が否応なく認識していく。政治のボロボロが極限にある。それでもこんなヘンテコがまかり通る社会を容認する、奇妙な国民性が問われている気がしてならない。
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2019年03月19日

思念が及ばなくなっていく不安の自覚

9面「風力発電 欧米から熱視線 出遅れの日本勢 提携模索」の記事。「海の上で風車を回して電気をつくる洋上風力発電の普及が遅れている日本に、欧米の大手風力メーカーが熱視線を注ぎ始めている」「好機を迎えながら、日本勢のメーカーは、風車の大型化競争に出遅れ、自前の製品での参入ができない状況だ」(本文引用)。日立は1月、風車の生産から撤退。提携先の独社製品の販売と保守に専念する。東芝は昨秋から独社の風車を日本で販売。三菱重工はデンマークの風車大手に出資、技術や販売面で支援するという。デンマークの関係者は「他の国でも漁業者や地域住民の方によく説明することで友好的に解決してきた。日本だけが解決できない国だとは思っていない」(本文引用)と話しているという。21世紀が始まる前後、再エネの攻防が最初に表面化したのは風力だった。いろんなマイナスが列挙され、最後に九電や北海道電などの買い取り制限による圧迫を受けて風力は無残な姿を野面にさらした。風力追い出し成功で気を良くした麻生政権は、太陽光の補助金制度を停止。日本の再エネは世界的に遅れたものになっていった。復活したのは原発事故後の再エネ拡大や反原発の世界的圧力を背景にしたFIT制度によるが、風力には陽の光は当たらなかった。ではなぜいま風力なのか。それは太陽光の追い出し策が最終段階に入ってきたからに他ならない。
今年3月には2メガ以下の大型設備の系統連系工事着工申し込み受領期限が終了する。3メガ以上でも9月末には終了となる。太陽光関連各社はこの状況を織り込み済みで、3月4日当ブログ「未来3代にわたる構想が必要なとき」でいくつかの実例について書いたばかり。再エネ関連ではいよいよこの国の施策は撤退の色を濃くしているのだが、海外から熱視線が集中し始めると、簡単に国内市場を明け渡すわけにはいかなくなる。すでに東電は千葉県沖で洋上風力の事業を始めようとしている。だが、国家の政策がここまで捻じ曲がっていると、筋の通った事業を継続しにくい。国策に右往左往する経営陣の姿が垣間見える状況になってきている。こんな状況下、再エネ全面批判の徒たちは、どんな論理を展開していくだろう。国策原子力の尻馬に乗ったまま、原発と再エネをセットにした論理をどう組めるのか。難しいだろうと思う。再エネの主導権を敵に全部くれてやり、再エネを批判する。現状のそれは、再エネそのものが破壊的であることを論理として実証できていない。道具は使い方次第。原発は毒を垂れ流す。再エネ装置はどんな毒を垂れ流すか。環境にどんな害をもたらすか。その弊害は原発に匹敵するか。それとも節度ある使い方をすれば、原発を駆逐する力となりうるか。または絶対になり得ないか。その論理矛盾を抱えたまま、いつまでも再エネ批判と原発批判をセットにしていくのには無理がある。それに気づくべきときが来ている。地方と中央との相克を打破する力はどこから生み出せるか。目先の利害から出発するなかれ。遠くを見はるかし、近くで実践する。その観点のキモを探らないと、早晩、運動は行き詰まる。
2面「汚染水 決まらぬ処分法 保管100万トン到達 来年末にも限界」サブタイ「『地元の理解を』政府、結論時期も不透明」「『漁業に致命的』地元、海洋放出は猛反対」の記事。凍土壁でこれまで1日500トンほどあった地下水流入量は100トンに減ったという。でも汚染水は増え続け、ついに100万トン到達。20年末には上限の137万トンになるという。凍土壁という愚策をやるべきではなかった。「復興」なんて暗愚を最優先すべきではなかった。むりやり燃料取り出しまで狙わず鉄板壁を作り、内部を粘土壁とし、別の排熱方法で300年の安静保管ののち、さらにきちんと廃炉を進めていく。その間、原発政策の「負のモニュメント」として残すべきだった。目先の弥縫策でこと足れりとしたツケが、いま究極の愚かさを露呈している。政府は当面、地元に寄り添うなどと言い繕いつつ、時期が来たら辺野古のように「国策」を強力に押し付けるのは明白。被害は地元を超えて本土全体に及び、世界を汚染していく。反原発の性根が試される現在!
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2019年03月18日

国家は今なにをやろうとしているのか???

午前9時、株の専門家がTVで日銀の政策について解説中。06年の日銀の失敗が響き、13年には大規模な量的金融緩和が始まり、アベノミクスは現状失速中。06年は第1次安倍政権が始まった年だった。米やEUと日本を比較して、物価上昇は米が1・8%でEUが??%、一方で日本は0.2%(だったかな?)。いま米もEUも再び金融緩和に舵を切ろうとしているが「日本は現状維持といっても、これじゃあねえ」と苦笑いしつつ否定している。さらに消費税増税でいよいよ家計支出が絞られたら、物価上昇どころかデフレに逆戻りでしょ、と言う。ちょい見の記憶語りだから不正確だが、この解説者はアベノミ礼賛ではなかったかな。年頭は中西経団連会長が悲鳴を上げていた。14日の春闘記事で輸出産業の低調さが際立った。昨年末の臨時国会で、なにを思ったのかやたら多方面にわたる規制緩和関連法を成立させた記憶が浮かび上がってくる。臨時国会でこれだけやらなければならなかった。しかも、肝心の統計資料がめちゃくちゃなのに突っ走る。ようするに突っ走るしかないのだろう。でないと経済界との関係が怪しくなるのかも。中西会長に対しては、世耕氏が「もうすこし頑張って」となだめたのが昨年11月19日。臨時国会のあとも対応に忙しいんだろうな、と思う。
以下の記事ではモウロク大臣アソウ氏が「(目標に)こだわっているのは記者と日銀であり、国民で『2%上がらなかったから、けしからん』と言う人はひとりもいないのではないか」(本文引用)と言ったとか。身内からアベノミ批判めいた言葉が出る状況に当の大将はどんな顔をしていたやら。アベノミはいまや出口なし。「気分はもう戦争」しかない現状。4面「改憲念頭に『環境整える』 首相、防大卒業式で」の極小記事で、アベッチの遠吠えが響く。「政治も責任を果たさなければならない。自衛官が強い誇りを持って職務を全うできるよう環境を整えるため、全力をつくす」「新しい防衛大綱の下、宇宙、サイバー、電磁波といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、次なる時代の防衛力の構築に向け、今までとは抜本的に異なる速度で変革を推し進めていく」(本文引用)と、口先だけは勇ましいが、出口がなくなった政権の「戦争」頼みが覗く。「このまま続けば、国民生活は奈落の底だ」(下記記事本文引用)がいよいよ現実味を帯びる。今のままでは、国民は国家の荒廃を一身に負わされるしかない。背負わせたやつらはぜったい安全なところで高級ワインなどを飲みながら、次のもうけ口を探しているというのに!
☆「『物価2%』にダメ出し 麻生財務相アベノミクス“敗北宣言”」日刊ゲンダイ3月16日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/249795?fbclid=IwAR3amYqGFiRKORO9Gfj_LnNkYcMAxc8UUyXBEZgsMscpQaZK10pFo_edFXs
一方で以下のような事態が巧妙に進行中。「18年10月に施行された『新PFI法』(PFI=(略)民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)には、自治体に対する2つのインセンティブと手続き上の緩和規定が盛り込まれている。自治体が民間企業に『水道事業の運営権を売却するコンセッション契約』を急増させるため、同法には『3つの変更』が盛り込まれた」(本文引用)。改正水道法は昨年12月から1年以内に施行。新PFI法は10月施行。さらに「自治体向けのインセンティブ」が8月施行。「安倍政権は、オリンピック閉幕後の2年先までにコンセッション事業が生み出す市場目標額7兆円を公言」(本文引用)している。その巧妙さは目を見張るばかり。細かく説明するのが困難で、本文を読んでもらうしかない。気をつけないといつのまにかみんな毟られている。早急に研究しないと間に合わない!!!
☆「【水道民営化】安倍政権、自治体・議会の承認なしで運営権売却&料金値上げ可能に」ビズジャーナル3月12日
https://biz-journal.jp/2019/03/post_26984.html?fbclid=IwAR3EJ54YG13MV8smive3lk3_w0m3rEc1ndUOuie5qX2H5u-MQZBqFVBBcOY
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2019年03月17日

国民含めて世界から不思議がられている国

7面「沖縄の県民投票」の記事に注目。「『辺野古』県民投票の会」代表が「本土」の我々に呼びかける。「みなさん一人ひとりがどうするかをぜひ考えてほしい。沖縄は反対の声をあげたが、他の都道府県の人は何も言わない、と政権から見透かされている。それでいいんですか」(本文引用)。政府は15日に約1万頁の調査報告書を国会に提出した。だが、移設全体の工期や総事業費を明示しなかった。下の記事は「報告書は地盤沈下を『供用開始から20年間で40センチと推定』と記した。同様に海上を埋め立てた羽田空港(D滑走路)の地盤沈下は100年間で69センチと予測」「沈下が進めば対応するための総事業費が膨らむのは確実」(本文引用)と指摘。沖縄県は「自治州的一国二制度」に言及している。それほど国家が沖縄に加えた傷は深い。3月3日当ブログ「歴史の傷は消さずに継承すべきものだ」で「沖縄処分」について触れた。本土の意識では唐突に思える「自治州的一国二制度」の主張だが、歴史を見れば、出てきて当然の主張だとわかる。「薩摩侵攻を『第一の琉球処分』、明治政府による併合を『第二の琉球処分』、沖縄戦→施政権譲渡→米軍占領を『第三の琉球処分』、民意を無視した軍事基地つきの沖縄復帰を『第四の琉球処分』と呼ぶ」「そして自民党政権の沖縄基地容認・日米地位協定容認政策を別の琉球処分ではないかという議論」があることを、本土の我々はうかつにも知らないでいる。我々は「新たな琉球処分」を自覚することなく、かつて独立国だった琉球の窮状を放置している。沖縄は捨て石とされ、いままた捨て石の運命を強制されている。本土の我々は、捨て石の上にあぐらをかいて眠りこけている。「自治州的一国二制度」を認め、米軍基地を本土に引き寄せ、そこから「基地撤去」の国民的運動をはじめる覚悟があるか。沖縄の苦境を思うと、そんな選択肢が目の前にあるのを感じる。
おなじことは福島の汚染土問題にもつながっている。どこかで不都合があっても、いつも眉をひそめる程度の反応で済ましてしまう我らの度し難い心情は、某所で発生した不都合のとばっちりが我が身に降りかかりそうになると大きな声で反対し不都合を退けるが、その不都合が元の地方に戻って該当する地域を苦しめても、自分のところへやってきたときほど本格的に騒ぐことはない。そして苦境は地方に押し付けられ、適切に対応しなかった不都合の元はぼろぼろと巷に垂れ流され、いつか大厄災となって我らに降りかかり、身辺にいつのまにか漂い流れてくる。そんなことでごまかされて平和だと喜んでいる我らの日常が、不都合を押し付けられて苦悩する地方を押し潰し、同時に我が身をも滅ぼす。
☆「辺野古報告書、総事業費示されず 野党は反発強める」毎日新聞3月16日
https://mainichi.jp/articles/20190315/k00/00m/010/286000c
6面「社説」の「北朝鮮決議案 場当たりでは道開けぬ」は興味深い。「日本政府が過去11年間、国連人権理事会で続けた行動を今年はやめるという。北朝鮮に対する非難決議の提出である。日本は、一貫して拉致問題の解決を訴えてきた。提出を見送るのは、この問題で北朝鮮の前向きな姿勢を引き出すための方針転換だという」(本文引用)。米朝会談の事実上の決裂で北朝鮮は日本に接近してくるかもしれない、なんて期待しているようだが、そんな小手先のことでうまくいくわけないだろ、というのが「社説」の論調だ。トランプ政権が表向き圧力路線でいながら水面下で対話の窓口を開いていたこと。その一方で日本はトランプの「表向き」路線に丸乗りし「必要なのは対話ではない。圧力だ」(本文引用)と硬直した姿勢しか示さなかった。そのツケがいまこの国を縛る。国内はそれでごまかせても国外はそうはいかない。視点を国内からぐるりと転換し、外からの目でこの国を見直してみたら、いかに幼稚な外交手腕しか持ち得ていないかわかるはず。「おそまつ」かつ「みっともない」の極致。「人権という普遍的な価値の問題を、政治的な駆け引きに利用する行為とみられても仕方あるまい」(本文引用)。いや、とっくに見られているでしょ。政府のみならず我らもまた。
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2019年03月16日

公文書焼却と責任回避で逃げ算段の惨状

9面「日銀 海外の減速警戒 緩和『維持』総裁、なお強気」の記事。「海外経済の減速に引きずられ、国内の景気が腰折れすることに日本銀行が警戒を強めている。日銀は15日の金融政策決定会合で政策の『現状維持』を決定。景気の基調判断も『緩やかに拡大している』と変えなかったが、輸出や生産で影響が出ていることに懸念をにじませた」「日銀は景気の全体的な見方は維持したが、個別の項目では『弱気』な表現をあちこちにちりばめた」「総裁は会見で『海外経済がさらにどんどん下振れする可能性は非常に薄いのではないか。年後半には、減速している中国や欧州は回復していくのがメインシナリオ』と強気」「一方、民間エコノミストは(略)中国に関しては『過剰債務などを恐れ、即効性のある政策は期待できない』(略)。すでに米欧の中央銀行は金融引き締めから緩和方向に軸足を移している」(某証券関係者は)「『現段階では明確に判断できないとしたが、どうみても(実質的な)景気の下方修正』とし、景気動向次第では『将来の政策変更につながる可能性もある』とみる」(本文引用)という。4月1日に日銀短観が公表される。この動向にも注目したいが、基本的にこの国のエライ人たちはいつも、責任を関係ないところへおっかぶせて逃げるのがクセになっている。「海外経済の下ぶれ」とか「年後半には減速している中国や欧州は回復していく」とかは、なにがあろうと海外の問題で国内は関係ないかの言い方。「回復」していくとアテにしていたのに狂ったら、「海外がこれでは対応の方法がない」と責任回避する目論見鮮明。ホントの問題は「すでに米欧の中央銀行は金融引き締めから緩和方向に軸足を移している」のに、日銀には新たな「金融緩和」策強化の原資がほとんどないこと。官制相場も昨年10月暴落し年明け2万円台を確保、いまやっと2万1千円台まで戻したが、かつての力強さは皆無。
14日我が家購読紙1面に「ベア 前年割れ相次ぐ 労使のこだわり後退 春闘の帰路」がある。この記事のキモは、「電機や自動車など輸出産業を中心に」「ベア前年割れ」が鮮明になっていること。同日11面には関連記事「輸出産業 ベア低調 春闘運送は大幅アップ」がある。輸出産業が前年割れする一方で、「人手不足が深刻な運輸や外食といった産業では大幅な賃上げも見られた」(本文引用)とあり、大幅賃上げしている業種でもその内実は必ずしも好景気だからというわけではないのが知れる。さらに中西経団連会長(日立会長)の年初発言を思い出す。あれほどあからさまに政府に泣きつくとは、経営者としての能力を疑いたくもなるが、ともあれ彼らの危機感がどうもハンパじゃないことが見えてこないか。
今日の12面「社説」の「米軍駐留経費 同盟軽視の分担構想だ」には、この春に日米外務・防衛閣僚会議(2プラス2)が開かれるとあり、「近く始まる日米通商交渉で、日本の譲歩を引き出すディール(取引)に使うとの観測も」(本文引用)ある、と書かれている。ポンコツ兵器の大量購入の前科があるアベ政権のことだから、日米FIT交渉でなんとか成果をあげようと、米軍駐留経費で大幅に譲歩する可能性は大きい。ようするに、見栄っ張りの継ぎ接ぎだらけが丸見え状態。そんななか、1面には「辺野古地盤改良『3年8カ月』 政府普天間22年度返還不可能」の記事がある。日銀が海外に責任転嫁する一方、政府は「始めたら後戻りしない」という愚かな習性ゆえに完全に暗礁に乗り上げた辺野古新基地建設につき、その責任は沖縄県にあると言いたげな「地盤にかかる設計・施工の検討結果」と題する「全9969ページ」の報告書を国会に提出。なんと膨大なページ数であることよ、と驚かされる。わかりやすくしようなどという気持ちはないのかね。これはまさに沖縄いじめ、野党いじめ。徹頭徹尾姑息なやり方だ。そして公文書の中身が問われる政治の末期にあって、1面には「『平成』考案者記録なし 今回は公文書に記載へ」のゲス記事。すでにこの国はまともであろうとする精神など壊滅状態なのか!
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2019年03月15日

油を用意していないあかりの運命は

1面「天声人語」に俳優のピエール瀧が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたと書かれている。ピエール瀧がどういう人物かはまったく知らない。しかし、「出演した作品にまでフタをするのは行き過ぎではないか」(本文引用)と書かれていたことについては「そうだよな」と思った。連想したのは戦後の出来事だ。映画界では監督他が公職追放になり、彼らの作品も含めてしばらく世間から姿を消していた。一方、俳優は追放されず、戦後の映画隆盛を背景に、銀幕を華やかに彩ったものだった。国策の一端を担ったという意味では監督も俳優も一緒じゃないか、という気がしたが、今度の件で思う。昔は敗戦の責任を背負って公の場から姿を消す対象が選ばれたけれど、今回はいっそうあいまいな社会道徳という通念のもと出演作品が消され、また出演シーンが撮り直しになる。ぜんぜん評価基準が違うけれど、今回の対応が適正かどうか疑問に思う。記事末尾に「作品の魅力は、分けて考えるべきではないか。見続けたい作品かどうかを決めるのは視聴者である。NHKや映画会社ではない」(本文引用)とある。33面にも「滝容疑者のシーンをカット」の極小記事があるが、「天声人語」がなければ大方の人が気にしなかったかもしれない。
つまんないことで大慌てで自粛行動に走る大放送局の姿勢を笑おうとしたら、33面「立憲・小川氏、NHK報道批判 統計不正追及『野党の主張取り上げず』」には、NHKのニュース番組が、統計不正に関する国会討論を意図的に切り張りして、視聴者の受け取りが逆転するような報道をしたというではないか。笑うどころではない。そういえばネットでは貴重な良心的番組が終了させられると指摘されていた件を思い出し、我が家購読紙にもその件について書かれていたと思い、探したら以下の記事があった。「ETV特集」や「ハートネットTV」などの番組は継続することに決まったようで、世間にはミスターモミイの記憶がまだ生々しいのだから、疑われても仕方ないようなことをするんじゃない、と思ったものだった。33面の「ニュース番組」報道は、国営放送局面目躍如の不信感を増大させるだけ。「忖度はない」と弁明するより、「忖度してないなあ」と視聴者に舌を巻かせる番組を作った方がよほど人気を博すでしょ、と思ったわけで・・・。
☆「NHK会長、政権に忖度『一切ない』 制作局の組織改編」朝日新聞3月7日
https://www.asahi.com/articles/ASM375RHQM37UCLV00N.html
33面に「東海原発廃炉 5年先延ばし 解体に必要な装置設計遅れ」がある。記事によると「01年に始まった廃炉作業は、当初は17年度の完了を目指していた」「(原電)は14日、2025年度としてきた廃炉の完了時期を5年先延ばしすると発表した。新年度から始める予定だった原子炉などの解体に必要な装置の設計が遅れているためという。完了時期の先延ばしは3度目」「規制委が廃棄物処分の基準作りを進めており、原電は『基準の策定状況も踏まえて設計する』と遅れの理由を説明している」(本文引用)。新年度から最終段階の原子炉内部の解体を始める予定が、低レベル廃棄物を運び出す装置や廃棄物処分用容器の設計に時間がかかっているというが、そのうえ規制委の基準作り待ちという説明をかぶせるとなると、先延ばしに底意が隠れているのかと疑いたくなる。原電はこれまでいろいろと物議を醸してきた。日本原電は日本初の商用原子炉を運転させた、設立が1957年の老舗だ。ぐずぐずしていたら、国内すべての原発保有電力会社が同じ道を辿っていくだろう。年初の中西経団連会長発言には、国策民営をやめて国策に徹するようにしてほしいという本音が滲み出ている。昨年11月8日当ブログ「『先送り』で硬直しているのは・・・」の冒頭「『マタイによる福音書(新約聖書)』から『思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった』」が現実味を帯びる。先のことは国(その向こうにいる国民)に任せればいいというのが本音であり、彼らはその準備を着々と進めている。油を持たない国民はどうするか。独自の構えが必要な気がする。
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2019年03月14日

すでに崩壊したこの国の政治の哀れな姿

1面トップ「ベア 前年割れ相次ぐ 労使のこだわり後退 春闘の岐路」は「いざなぎ越え」とか「戦後最長の景気拡大」などとこの国のトップが胸を張って主張していたアベノミ自賛がもののみごとに経済界からひっくり返される悲喜劇露呈。関連で11面に「輸出産業 ベア低調 春闘 運送は大幅アップも 郵政非正社員にも扶養手当」がある。政権肝いりの輸出産業が政治に物申しはじめたか、言うことを聞いていない状況ありあり。日米通商交渉がひどい結果に終わるかも、という焦眉の課題がある。「為替条項」が首を締めにかかるとき、アベノミは力を発揮するどころか、デタラメこいて見栄を張るくらいが関の山。それより他できるわけがない。
4面「北朝鮮非難決議見送り 政府 拉致交渉見据え」では「拉致問題の解決に向けて北朝鮮から前向きな対応を引き出すため、国連人権委員会に11年連続で提出してきた非難決議について、今年は見送ることに決めた」「首相は『次は私自身が正恩氏と向き合わなければいけない』と述べてきたが、このままでは進展が見込めないと判断」「外務省幹部は決議案見送りと独自制裁の継続について『矛盾しているように見えるかもしれない』と認める一方で、『今のままでは事態は動かない。北朝鮮の変化をつくるため、チャンスがなければ作り出す。リスクを冒しても試す価値がある』と語った」(本文引用)。求められている「過去の清算」を横に置いて、「決議案見送り」だけで交渉に応じるかどうか、そりゃ難しいだろう。
3面「てんでんこ」の「電気のあした(3)切り札」は「人口が減り、税収が減り、地域が縮む中で、選択肢がほかにあるだろうか」と書く。「電気事業はますます厳しくなる」「ドイツのシュタットベルケは戦前から築いた地域基盤を継続してきたのに対し、日本では地域の中小電力が大手に統合され、現在も大手の影響力が支配的」「電力自由化といっても、地域新電力はゼロからのスタート」「電気を売ることが目的ではない。エネルギー事業を通じて地域の課題を解決して住民の信頼を獲得する。それが私たちの仕事」(本文引用)とあるように、地域新電力の前途はかなり危うい。政府の進める「電力自由化」は大手電力を温存し、新電力をいいように操るのを目的に、着々と進められている。それに対して「反原発」の対抗的動きはそうとう鈍いと言わざるを得ない。かえって足を引っ張るような風潮さえあるのをどう考えたらいいだろう。移住者には独特の脳内ユートピアが頑固に存在するような気がする。地方を再生する力は旧弊を極める地方の中から自発的に生まれるのがベストなのかも。
33面「辺野古 止まらぬ現実 土砂投入3カ月」には、着々と進む埋め立て工事のむごい写真がある。水面下90メートルに達する軟弱地盤を無視して建設する頑迷さは、やり出したら止められない権力者たちの蒙昧さを映し出す。こうなると、たとえ地球の裏側まで通じる穴が空いていても、埋め立て工事を止めないのではないか。首相は県民投票の結果を「真摯に受け止める」と述べた。彼のやり口がデタラメであることは、すでにはっきりしている。彼の脳内には、どんな論理矛盾があってもそれを矛盾と認めない独自の回路が出来上がっているのだろう。自己崩壊を食い止めるために心の弱いものが常用する強制遮断の壁が強固に存在する。だが、通用するのは彼が権力の中枢にいる限りにおいてであり、中枢から離脱したら彼の論理自動遮断回路は崩壊し、精神的に自滅するしかない。
16面「ザ・コラム 兵事係と自衛官募集 また市町村に担わせるのか」には、自民党大会の首相発言を発端に、自民党は「自衛官募集に対する地方公共団体の協力に関するお願い」の文書を所属国会議員に配ったとある。「安倍さんに聞きたい。状況を変える、とは何か。詰まるところ、兵役を臣民の義務とした大日本帝国憲法に等しく改憲し、市町村に戦前同様、兵事を担わせる国へ、状況を変えることではないのか」(本文引用)。彼の脳内は自己の強烈な思い込みでいっぱいになっており、それを食い止める力は彼の周辺にはなく、あるのは陣笠議員か本音の軍国主義者だけなのだろう。
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2019年03月13日

書き残した最近記事の総集編

まずは以下の経済関係の動きからはじめる。「世界の株価が再び試練に直面している。欧米の株安の流れが日本に波及し、8日の日経平均株価は前日比430円安となった。世界の中央銀行はハト派路線に傾くが、投資家は強気に転換しきれない。その背景には世界経済の『驚き』が消えたことがある。経済指標が振るわず、年初からの株高で改善してきたはずの市場心理が再び陰りはじめた」(本文引用)とある。株価は目先の利益に敏感で、長期的な観点で考えることはない。
☆「『驚き』消えた株式市場、指標の下振れ、株安招く」日本経済新聞3月8日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42197400Y9A300C1EN1000/?n_cid=NMAIL007
以下の記事は「TAG」を「FTA」であると首相自ら認めてしまい、米が「為替条項」をごり押ししてくる局面に至ったと書く。円安誘導政策が標的になる。株の乱高下を米中貿易戦争に求めるなど、経済面での報道は国民の関心が日米FTAに向かないよう勤しんでいるが、高額のポンコツ武器を大量購入し「これで勘弁して」と頭を下げる政府が「トランプ政権との交渉テーブルに着いた途端、円相場は逆流し、輸出企業には円高地獄が到来。一枚看板の異次元緩和を失えば、いよいよアベノミクスも終焉を迎える」(本文引用)となるか。本当の経済危機は国内発だ。
☆「米朝対談不調で成果渇望 トランプが狙うは日本の円安政策」日刊ゲンダイ3月5日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248769?fbclid=IwAR0ILzYaPpbaW_gX6P6xWUPS0Bk55gGnqopVPv-4_2d77oN4DEDz720xeZs
以下の記事では沖縄県知事が本土に厳しい問いかけを発している。「自分たちのところで引き受けられるのか、国民の皆さんにまず考えてほしいんです。引き受けられないのであれば、なぜ今まで沖縄に押し付けてきたのかということを意識してほしいのです。沖縄県外の人にも問題の本質と県民の思いを共有してもらいたいのです」(本文引用)。もう一つの記事では「『自治州的な一国二制度』がベスト」(本文引用)との認識を示す。
☆「米海兵隊には『出て行ってもらう』のではなく『移ってもらう』 玉城デニー沖縄県知事が提案する新たな政治的アプローチとは?」アエラ3月6日
https://dot.asahi.com/aera/2019030500077.html?page=1&fbclid=IwAR12vCK1yU7rX7zqAl7FVLV3B_zNK8eQw-gMQG6Q3wtlIoKfhL5PBdXwMo0
☆「玉城デニー知事が描く沖縄『自治州的な一国二制度』とは?」アエラ3月5日
https://dot.asahi.com/aera/2019030400061.html?page=1
辺野古は原発事故汚染土に直結する問いかけを含む。玉城知事が「自分たちのところで引き受けられるのか、国民の皆さんにまず考えてほしい」と問う。16年に国は「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」する方針を進めようとしたが、そのとき反対の意思表示はあったものの、県内で再利用となったときにどう運動を展開するかの考えは反対の側に浮かばなかった。
☆「福島汚染土、県内で再利用計画 『99%可能』国が試算」朝日新聞2月26日
https://www.asahi.com/articles/ASM2T4T7TM2TUGTB00B.html
ブログ主はかつて、全国の自治体の公共施設の玄関にコンクリート製のモニュメントを作り「汚染土」を厳重に格納して、表に「愚かな行為の記憶のために」と書いて、訪れる人の気持ちを引き締める記念碑とする、と主張し、猛反対された。しかし「反対」だけでは風化に逆らえず、沖縄と同様に福島に苦難を押し付けるだけだ。けっきょく我々は沖縄と福島から「一国二制度」の厳しい問いかけを迫られることになる。そしていまだ有効な答えを出せないまま、みずから風化の波に押されて、「目覚めない民」を批判することになる。それではなにか足りないと思う。
☆「『お金ならなんぼでもある』除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇」プライムニュースデイズ3月12日
https://sp.fnn.jp/posts/00435790HDK
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2019年03月12日

まずステップの重要性を認識したい

4面に「原発ゼロ法案 審議されず 野党4党国会提出から1年 与党審議入り拒否 政権原発推進に固執」がある。世間の関心が薄くなっていることが気がかりと同時に、かつてのことを思う。「2012年、当時の民主党政権は討論を通じて意見の変化をみる『討論型世論調査』を実施。それをもとに30年代に原発をゼロにする政策を掲げた」(本文引用)とあるが、あの当時は「即ゼロ」が大方の意見で「そんな先のことではダメだ」という声が、いかにも「30年代」の軟弱さを格好良く吹き飛ばすのに大きな役割を果たしたものだ。当時の野田政権では「ゼロ」を掲げたものの、いつなんどき「ヤメタ」となるか分かったもんじゃない風情があり、「即ゼロ」が通用する素地はあった。だが、「30年代ゼロ」はあの時点での市民運動をはじめとする反原発勢力の到達点でもあった。力不足を認識し、そこで一歩前進を確保し、次の段階へ進む意図が鮮明にあったら、「民主党政権はダメ」などと言わず、疲弊した政権をさらに鼓舞して「30年代ゼロ」から次の段階を目指す方法があったのではないか。
市民運動的スローガンというものはいつも感覚的に鋭くなる。なりすぎて遠い目標の美しさに幻惑され「これが途中のワンステップ」を想いの外へ押しやってしまいがちになる。「即ゼロ」といっても、「全部停止」からゼロへ至るまでに長期的な工程が必要になるのだから、そのあいだ不断の監視と目標の強化が行われていけばいいのだが、この国の市民運動はそういった連続性を体得するところまで成熟していない。まとまった政治勢力として大きな力を発揮するほど持続した組織を創れていない。過去の一揆的蜂起の経験から抜け出ていないか、抜け出ないように権力者がうまく誘導してきたか、誘導などではなく激しい弾圧で制圧してきたか、社会そのものが持つ抑圧機能が持続性を分断するのか。その原因はわからないが、「段階を踏んで持続する」試みは育っていない。
原発ゼロ基本法案の概要が記事に示されている。「●法施行後5年以内に全原発の運転廃止 ●2030年までに電気需要量を10年比で30%以上削減 ●30年までに再生可能エネルギーの電気供給量に占める割合を40%以上に ●廃炉作業を行う電力会社や立地地域の雇用経済対策について、国が必要な支援をする」(本文引用)。エネルギー基本計画でベースロード電源としたものの新規制基準で再稼働できた原発は9基。核燃サイクルの肝心カナメであるもんじゅは廃炉決定。原発輸出は全滅。経済界で原発推進のトップに立つ日立の中西経団連会長は困難な状況に悲鳴をあげながら、自分で世論を動かす意欲はなく、国が率先して「国民」を推進に誘導せよと泣き喚く。1月の談話では「再エネなんかイヤだ」ともおっしゃっていたが、「即ゼロ」を主張していた「脱原発」の運動家たちはおめでたくも、「原発推進なのに再エネ批判してる。なんで?」などと首を傾げていた。「即ゼロ」が問題解決を無限遠方に押しやってしまったように、「再エネ全面否定」が原発推進と「呉越同舟」になる原因が自らの論理矛盾として浮かび上がったことに当惑するばかり。「核兵器廃絶」を掲げながら「核兵器禁止条約」には目もくれないアベ政権の基本姿勢が参考例としてあるのに気づかないでいる不思議。
遠い目標を掲げ、近いワンステップを軽んじる傾向は、以外に経験豊富な政党にも見られる。この矛盾を克服しないと、なるものもならないのではないか、と思わざるを得ない。地方においても、まず初めに目指すのがハードルの高い条例であるのはなぜか。全部を獲得しようとして、最も必要なこと、つまり日常的に住民が参加し発言できる仕組みを創る試みが育たない。住民一人ひとりが「参加」して「意見」を述べられる場が常設されていれば、日常的問題を論議し、個別の問題点を整理し、さらに条例などへまとめ上げていくプロセスが自ずと具体的に見えてくるはず。市民運動は即決の条例に固執する前に、民主主義を訓練する場の整備に目を向けるべきではないか。地方で具体的に民主主義を発展させ、国政と具体的に向き合う方法を探る。そんな道筋を育てる必要がある。既存条例を精査すれば、利用できる条文は必ずある。
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2019年03月11日

国の仕組みを相当変えなければいけない現状

3月11日らしく、新聞の基調は東日本大震災一色となっている。「地域再生」と「心のケア」がメインテーマで、地域と人の復興が語られ、原発廃炉や避難の記述は少ない。2面「大熊再生へ 響く槌音 今春にも避難指示一部解除 『不安でも戻る。古里だもの』 『新しい町』廃炉作業と歩む」・「解除後なお避難 1万人超の見通し」があり、これも「地域再生」と「心のケア」が記事の主体となっている。いや、よく読めば少し違う事情が織り込まれているのに気づく。記事には微妙な色合いがあり、8年のあいだに少しずつ状況認識が変化したのを痛感させられる。「3月12日、大河原地区から10キロの第一原発1号機で水素爆発が起きた。14日には3号機、15日には4号機で爆発」(本文引用)とあるが2号機の記述がなく、4号機を「爆発」と書いているのが時間の流れを感じさせる。2号機は「爆発」で、4号機は「火災」ではなかったか。当時の混乱の中で諸説が飛び交ったが、いつのまにか修正されていたらしい。一方で、ブログ主自身の意識が希薄化している表れでもあるようで、時の流れに逆らいきれていない自分の薄弱さを感じ、悔しい気分にもなった。
大熊町は「JR大野駅を含む町中心部を特定復興再生拠点として整備を進め」「27年までに帰還住民約1500人に新住民約1100人を加えた計約2600人を呼び込む考えだ。『新しい町』を想定せざるを得ない背景には、原子力災害がもたらした長期間にわたる重い課題がある」(本文引用)。ひとつは大熊・双葉の中間貯蔵施設で21年度までに東京ドーム11個分が最長45年まで保管され、一方で廃炉作業は数十年の歳月が想定されている。8年の間に生活の拠点が避難先に移ってしまった町民も多く、住民意向調査では「戻りたい」が約1割、「戻らない」が約6割という。この記述には重要なことが含まれている。町は国策によって一部が避難指示を解除されるが、特別復興再生拠点の整備で考えているのが2600人(内訳は帰還住民1500人と新住民1100人)で、記事が暗示するように、町再生のかなりを新住民が担う構図になっている。これは苦しい決断といえる。町の形は再生できても、人の再生は容易ではない。というより、人の気持ちは「町の再生」にとって重要な要素となり得ていない。「いつでも帰りたいと思った時に帰れるような仕組みを行政として作っていくことが大事」「長い目で見る必要がある」(本文引用)と町長は語るものの、再生された町がかつての「故郷」とは確実に様変わりする可能性は否定できない。「避難解除」を急ぎすぎることの結果が、こういった矛盾を生む。ならばどうすればいいのか。
チェルノブイリの事故でチェルノブイリ法と呼ばれる法ができたように、この国にも新しい試みが必要なことは確かだ。でなければ、「町の再生」はあっても「人の再生」は置き去りにされ、無慈悲な国策が怒涛のように推し進められるだけだ。「人を翻弄する再生」であってはならない。本日の我が家購読紙には、そんな視点はほぼなかった。あえていえば4面の16行極小記事に「枝野氏、地域経済訴え」があり、「地域の経済や雇用を支える農業や水産業といった第1次産業のあり方を訴える考えを示し(略)『お互いに支え合う社会を作り上げていく。国の仕組みを相当変えなければいけない』と主張。農業や水産業の分野について『地域の事情に合わせた持ち味をしっかりと活かし、地域の暮らしに即したお金の使い方や政策を進めていかなければならない』と語った」(本文引用)と、いささか隔靴掻痒の感が否めない内容の中に、未来志向の視点がようやく小粒ながら見えてきた。この国の政治は世界的に骨董品の部類に入っているのだろう。張り巡らされた国策の縦糸横糸が、新しい動きを阻害している。政治経済的に行き詰まった現状では、それはこの国の権力を握るものたちにとっても桎梏となっているのに違いない。「大規模規制緩和」の大波は彼らの焦りが焼結させたものであり、その一方で対決する側に有効な方策が見出せていないことの証明でもある。「国の仕組みを相当変えなければいけない」現状があるのだと思わざるを得ない。
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2019年03月10日

「風化」を狙って「風評」が蔓延する

8面「社説」に「原発被害からの復興 福島の『いま』と向き合う」がある。「福島県で今も、人々の心に陰を落とすのは、放射能をめぐる『風評』と『風化』の問題だ。原発周辺は住民の帰還が進まず、難しい課題を抱える一方、それ以外の多くの地域では放射線量が平常の水準に下がっている。食品の安全対策も効果をあげている。だが県外を中心に汚染の被害や健康への悪影響についての誤解、全体的に不安な印象などは消えていない。福島の現状は十分知られておらず」「地元では苦悩や葛藤が続く」「原発の敷地にたまり続ける低濃度の汚染水をどうするか。県産米の『全量全袋検査』をどう縮小していくか」「福島への関心が時間とともに薄れる中、なんとなく悪いイメージがうっすら固定化した人は、かなり分厚く存在するのではないか」(本文引用)などとある。ここまで読んで、「風評」と「風化」は二律背反の関係にある、とブログ主は思ったものだ。これの同居が事態を複雑化している。記事では触れていないが、3面「原発事故の費用『最大81兆円』民間シンクタンク試算 経産省試算は22兆円」の中に「『石棺』方式は、かつて『復興やふるさとへの帰還をあきらめることにつながる』などと問題になった」(本文引用)と記されている。最も効果的であり得た核物質の閉じ込め方式が、「復興」「帰還」のかけ声のもとに葬られた事実がある。「安心」「安全」より先に「復興」「帰還」が必須条件として設定され、それの進捗が半ば強引と思えるかたちで進められた。汚染水の海洋放出や、除染土の再利用。山林の除染は手付かずで、セシウム関連の減少だけが汚染の目安とされ、他の放射性物質は一般の目に触れにくい。住民の健康調査、被曝調査など軽く見積もられ、検査自体が縮小される現状がある。「風評」への配慮が「風化」を促進させる。政治に「放射線被害」の可能性が少なくなっているという言説は、「忘れさせる」ことに直線的につながる。「復興」優先はもともと「風化」優先なのだ。
政府や東電はいつも「引き加減」を見ながら事故処理に対応している。先に紹介した3面「原発事故の費用『最大81兆円』」は、経産省の試算を22兆円とおよそ4倍の開きを明示する。民間シンクタンク「日本経済研究センター」がどんな組織なのか知らないが、2年前には「総額70兆〜50兆円」と試算していた。その後、汚染水処理や除染などの状況を含めて再試算し88兆円。「石棺」方式を採用すると廃炉・汚染水費用51兆円が4・3兆円となり、総額は半分以下の35兆円。いますぐ「石棺」化しても事故対応費用は大幅に減る。最初の設定がズレていて問題が大きくなり、「心配」「不安」が余計な「風評」として蔓延し、「風化」「忘却」狙いが遠ざかるという関係になっている。さらにいえば、ここにも政府統計のインチキがもぐりこんでおり、庶民の感覚がほんものの「安全」「安心」から斜めに身を置く傾向を助長している。庶民感覚的には「風化」へひた走りながら、「風評」としての忌避感覚を募らせていくという自己矛盾にぶち当たっているというべきか。
「社説」に戻ると、「事故の被害をめぐっては、『放射能が心配/気にしない』のほかにも、『避難を続ける/地元に戻る』『原発はなくすべき/必要』など、多くの分断の軸が交錯する。ネット上では激しい攻撃の言葉が飛び交う。多くの人にとって『ややこしそうな』テーマとなり、日常の中で話題にしにくい空気は地元にもある。この状況は、数十年かかる廃炉などの後始末や、住民が散り散りにになった地域社会の再生をいっそう困難にしている」(本文引用)。地元で原発事故を話題にしにくくなっていることの背景に、「風化」を急ぎ、「風評」を恐れる政治的意図の誤算がある。この風潮の蔓延は、「原発やめろ」側の誤算でもある。そして翻って沖縄の現状を考える。いま沖縄では「本土が基地を受け止める意思はあるか」を問う声が大きくなっている。そして本土では「福島を福島以外で受け止める意思があるか」と福島から問われても、「原発やめろ」の側からその意思が広がる可能性はいまだ不在だ。本土の運動の質が2つの地域から問われている。
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2019年03月09日

米が「裏庭」でやっていることを知ろう

1面「『私たちを見て。これは人道危機』ベネズエラ ルポ」と2面「ベネズエラ 激しい貧富の差 妊娠中の妻と残飯あさる 月給より高い料理店盛況」「原油埋蔵量世界一の国なのに 80年代から負の連鎖」がある。中南米を自国の裏庭と看做してクーデターや経済制裁などで政情不安を演出し、政権転覆を計り続けてきたアメリカの姿がみえない記事になっている。2面に「米国は今年1月末の経済制裁で、国営石油会社の米国内の資産を凍結し、同社との取引を禁じた。これによりベネズエラは年110億ドル(約1兆2200億円)の輸出収入を失い、経済はさらに悪化する見通しだ」(本文引用)とあり、この部分だけが米の関わりを示す。1面の「経済破綻 細る母 薬ない子」の「人道危機」に米が絡んでいることを、たったこれだけの記述からでは読み取れない。「人道危機」の元凶はどこにあるか。長年にわたる米の政権転覆工作がなぜ語られないのか。天下の大新聞がこれでは恥ずかしい。
「ベネズエラのための緊急声明2019 主権尊重・悪意ある制裁の解除か、米国の軍事介入か?」というHPで、「ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明 〜国際社会に主権と国際規範の尊重を求める〜」という表題の文章をみつけた。ベネズエラにチャベス政権が誕生したのは1999年。2002年に米はチャベス「独裁」を批判するという形で財界人を押し立てた軍のクーデターを演出して政権転覆を目論んだが、大群衆が「チャベス奪還」を叫んで立ち上がり、企ては失敗した。この時だったか、内部で呼応するものをあてにして米軍艦船が大出動していた。今度の事態も同様な方向へ進もうとしている。グアイド国会議長が1月23日の街頭デモの中で「暫定大統領」を宣言し、米とEU諸国がただちにこれを承認。一気に二重権力状態を作り上げた。前回の失敗を教訓にしてか、経済封鎖を含めて無数の策を講じており、ベネズエラにとって命綱である石油の価格が暴落し、経済が大混乱に陥っているという。経済制裁は激しさを増し、いつか全面破綻する危険がある。現状はブラジル、コロンビア、アメリカの軍が3方からベネズエラを包囲し侵攻の機会を伺っている。「声明文」は最後に以下のように記し、メディアの正確な報道を求めている。
*******呼びかけ*********
わたしたちは、本声明をもって日本の市民と政府、とりわけメディア関係者に以下を呼びかける。
▼ベネズエラの事態を注視し、独立国の主権の尊重と内政不干渉という国際規範に則った対応を求める。
▼国際社会は、ベネズエラが対話によって国内分断を克服するための支援をすることを求める。(メキシコ、ウルグアイ、カリブ海諸国、アフリカ連合等の国々の仲介の姿勢を支持する)
▼ベネズエラの困難と分断を生み出している大国による経済封鎖・制裁の解除を求める。
▼メディア機関が大国の「語り」を検証しつつ事実に基づいた報道をすることを求める。
******呼びかけ終了*******
我が家購読紙は大手商業紙の中でまだ頑張っている方だと思うが、ふにゃけた記事しか書けていない。以下はこのサイト「緊急声明2019」で紹介されているビデオ映像で、ブログ主自身まだ見てないものもあるが、しっかり参照して、自分の気持ちをはっきりとさせておきたいと思っている。サイトのてっぺん3行目は「最新情報」「『声明』+通信」「メッセージ」他へ移動する目次欄になっている。映像も文章も参考になる。
*******参考映像*********
☆「ベネズエラ危機2019 平和と安定のために(映像ドキュメント.com制作)YouTube」
☆「解説付きで2月1日のイシカワ駐日ベネズエラ大使の記者会見【山田厚史の闇と死角+映像ドキュメント】」
☆「参考までに:ドキュメンタリー『隠された動機』」(2017)
*******参考映像終了*******
☆「ベネズエラのための緊急声明 2019」
http://for-venezuela-2019-jp.strikingly.com/
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2019年03月08日

「魔の2015年」が行き着くところ

1面トップ「景気すでに後退の可能性 1月動向指数 判断引き下げ」の記事。「景気動向指数の1月の基調判断について内閣府は7日、これまでの『足踏み』から『下方への局面変化』に引き下げた」「1月より数ヶ月前に『景気の山』を迎え、すでに交代が始まっていた可能性が高いことを示す」「08年に始まった基調判断で『下方への局面変化』としたのは、これまでに4回ある」「2回は後退と認めた」(本文引用)という。3面「中国減速 日本を直撃 景気すでに後退の可能性 家電に半導体 生産休止工場も」が詳しい。「国内の景気が、すでに後退しつつある可能性が浮上してきた。中国経済が変調した影響が本格的に及んできたからだ。日本はこのまま不況に入るのか」(本文引用)。過去4回の下方修正のうち2回は11年の東日本大震災と14年4月の消費増税落ち込みのときで、一時的だったので後退とは認めなかった。08年のリーマン・ショックと12年9月の欧州債務危機については景気後退期間とした、とある。3面の添付グラフを見ると、民主党政権はリーマンから東日本大震災、欧州債務危機と、大きな節目をなんとか克服してきたのがよくわかる。その一方、アベノミクスがフル回転中の14年4月消費増税後の落ち込みは、必死の下支えにも関わらずなだらかに下降線をたどり、16年にようやく上がりかけて18年から緩やかに下ブレして同年後半、急激に落ち込んでいく。16年とはどんな年であったのだろう。
参考になるのは4面の囲み記事で「国民民主党・大塚耕平参院会長『官邸全体で慢心』」に「魔の2015年」との言葉が出てくる。大塚氏は「この時に(統計問題や森友学園問題など)いろんな事案で官邸の意向が強く働いたのではないかと思われる、いくつかの状況証拠がある」(本文引用)と指摘。なるほど、GDP計算法を財務省が言い出した時期を当ブログで調べたら15年12月9日の記事に「麻生太郎財務相は(略)『統計の取り方をもう一回しっかり検討しないと』と苦言を呈した」と書いている。景気動向指数が16年からだらけ気味な上昇基調になるのも、なにやら関連がありそうな気がする。3面の折れ線グラフのピークは14年4月に消費増税する直前のことで、そのあと急な落ち込みがあってからは、このピークを越えられずにいると見ることができる。そればかりではなく、必死で下支えしたあげく麻生氏の「統計の取り方をしっかり検討」発言で何かが変化し、だらだらと方向感の乏しい展開が続き、今回の下降局面に至ったといえそう。「魔の2015年」が背景にあるとしか言いようがない推移ではないか。
08年の落ち込みのあと、さらに2度の激しい経験をしながら奇跡のV字回復を続けてきたのが消費増税で帳消しになり、アベノミクスそのものがネックになって、まるで砂地に水を撒くような底なし地獄へ突入していったというのが真相か。経済の底力をつけるような健全なやり方を目指せばいいものを、なんとかミクスなんて気取っているうちに、後戻りできないところまできてしまった、失政の結果が現在というべきか。15年の魔の一声によってだら下がり瀕死状態にあった景気動向指数をやっと持ちこたえているように見せかけることができたが、デタラメでごまかし続けた結果、いまになって正常化する方法がなくなったのだろう。昨日の当ブログで触れたように、甲府市で講演したリフレ派日銀審査委員氏が、会場とバトルを展開したのも、彼らの末期症状を示している。
本日9面には「欧州中銀、資金供給議論へ」がある。ユーロ圏経済も減速懸念が強まりつつあるが、欧州中央銀行はいったん終了した量的緩和策を一転、ふたたび緩和方向へ転換するという。「民間銀行に低利の長期資金を貸し、企業が銀行からお金を借りやすいようにする」(本文引用)というが、日銀にはその余力がすでにない。中国経済の減速にも日米FTA交渉にも、打つ手がほぼなくなっており、経済界の危機感は強まるばかり。株価は昨年10月時点の水準に戻れないまま、いまや下落の真っ只中。欧州中銀のような対抗処置もできずにいる。4月の中西発言はどうなるか。健康に悪い緊張の日々が続く!
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2019年03月07日

地銀中心に再編・統合の動きがあるのかな?

本日の我が家購読紙は昨日と違ってメリハリがある。というか、ブログ主好みの記事がたくさんある。なかでも注目したのは9面で、「みずほ、損失6800億円 利益は予想より9割減 3月期決算」が筆頭か。「3メガバンクの一角、みずほ(略)FGが、2019年3月期決算で約6800億円もの巨額損失を計上すると発表」「純利益は従来見通しの5700億円から約9割減の800億円となる。人口減や超低金利で従来の銀行業は厳しい。旧来店舗の追加削減やシステム統合費を一気に前倒し計上することで、今後のIT投資などを加速させる」「みずほFGの純利益は、リーマン・ショック直後の09年3月期の赤字以来の低水準となる」「三菱UFJと三井住友FGは、28年4〜12月期決算で業績目標の9割超を達成したが、みずほは7割だった」「メガバンクでも地方店舗が多いみずほは銀行業の比重が大きく、『収益構造はメガバンクでも地方銀行に近い』」「今後も超低金利は長引く見込みで、従来型の銀行業の大幅な回復は見込めない。かつて収益の柱だった市場部門も国債取引は超低金利で厳しく、海外投資も米中貿易摩擦などで世界経済の不透明感が強まる」(本文引用)とある。ブログ主は、今年の焦点は地銀の統廃合かなと思っていたが、「メガバンクでも地方銀行に近い」収益構造を持つみずほが、3メガのうちで唯一大幅損失を計上するという話が浮上し、矛先をちょっとずらされた感じがした。だが、少し考え直して「大筋はやはり地銀の経営悪化が顕著になり、統廃合がはじまるのか」と推測を立て直した次第。
関連で、たとえば日経の記事で興味深いものがある。「政府は地方銀行や地域乗り合いバスの統合基準を見直す。地域サービスの存続に着目した新法制定などで独占禁止法の審査に例外規定を導入し、地域シェアが高くなっても統合を認めやすくする」(本文引用)というもので、「地銀やバス」という括り方が奇妙に感じてメモしていたが、改めて記事を読むと、記載された円グラフで疑問の一端が示されていた。「連続赤字の地銀が増えている」として、2017年度106行中黒字は52行、残りは赤字で、5期以上連続赤字なのが23行もある。「人口減で地銀やバスの経営基盤は年々弱まっており、統合による効率化が必要との指摘は多い。金融庁によると17年度は全国の地銀と第二地銀の約半数の54行が本業で赤字を計上」(本文引用)と書かれている。バスとセットで語るところがニクい演出といえる。原因は人口減であると言いたいわけか。そこで独禁法に例外規定をつくり「5〜10年の時限措置とし、期限後に見直す案が出ている。期限を区切ることで地銀やバスの早期の再編を促す狙いがある」「2020年の通常国会に提出を目指す。20年には新基準による統合審査を始めたい考え」(本文引用)という。
☆「地銀やバス、統合促す 独禁法審査に例外規定」日本経済新聞3月4日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41997420U9A300C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
上記は来年度の実施になるというが、事態はそこまで待っていてくれるかどうか、予断を許さない。我が家購読紙9面には「みずほ」巨額損失の記事に続いて、表題を含めて1段組わずか26行の記事で、「銀行経営悪化『妙だ』と反論 緩和巡り日銀審議委員」がある。日銀の審議委員が甲府市内で講演し、「『大胆な金融緩和によって日本経済全体によいことが起きているのだから、それが金融機関にはやってこないというのは妙だ』と述べた。日銀の金融緩和政策による超低金利で経営が悪化している、という金融界の批判に反論」「『金融緩和がなければ、金融機関経営はもっと悪化していた』との論陣を張った」(本文引用)という。「金融緩和がなければ経営はもっと悪化していた」というのは、基本的に反論とはいえない。重大な責任を負わされ追い詰められた日銀リフレ派があげる、断末魔の金切り声に聞こえてしかたない。この国では、上へ行くほど責任を取らなくていいシステムが遠い歴史の彼方から連綿と続いているから、彼ら中堅はいま土壇場で責任のあまりの重さに慄いているのかも・・・。
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2019年03月06日

重たい記事が多いのに全体に散漫とは

平日というのに一点注目記事がない、不思議な新聞紙面に当惑。とりあえず4面の記事を中心にあっちこっちから刈り集めて読む。まず、「『隠蔽』否定 監察委に批判 統計不正 野党『勝手な定義』」から。「毎月勤労統計の不正調査問題について、厚生労働省の『虚偽』は認めても『組織的隠蔽』を否定した特別監察委員会が(略)野党の批判の的」「監察委(略)委員長は独自の『隠蔽』の定義に当たらないとの説明を繰り返し」。福山氏質問:「真実に反することを認識し虚偽の申請を行ったことは隠蔽ではないか」。樋口委員長反論:「虚偽申述と隠蔽行為は異なる概念だ」(本文引用)。「うそ」はついたが「隠す」はなかったという詭弁。「では、なんのために『うそ』をついたか?」と問うのが普通だ。背景的意図がない「うそ」ということは、「ただの冗談」ということになるのか。「詭弁論理学」という本があるそうで、その著者曰く。「『虚偽』は簡単にいえばうそで、『隠蔽』はそれを隠すこと。今回はうそをついて隠しており、両方成立している」(本文引用)というが、背景的意図がない「うそ」はガキの戯言くらいしかない。国会で「ガキの論理」が展開するマカ不思議。こんな詭弁が通るのは、政権トップが率先して「ガキの論理」を繰り返すようになってからだろう。ワルは・・・あいつ!
上記記事のとなりに「菅長官会見 改めぬ姿勢 『あなたに答える必要ない』『取材じゃない』 『簡潔に』催促も 報道室長」がある。「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム(スメアゴル)と、いよいよ酷似していく長官殿の「すれっからし」顔が、彼の肝の小ささを彷彿とさせる。記者クラブで記者の質問に丁々発止で答える力量がないゆえの態度か。こんなつまらん人がこの国の中心であぐらをかいている。行き着いた先のお寒い極北的風景に、自民党内部でもねじれた本音が浮上し始めている。「ポスト安倍『菅がいいじゃないか』」なんてほぼ放言だな。スガ総理大臣なんて冗談、というよりやけくそ。アベシ以上に力量不足なのを知っているのにあえて言う自民党内の重苦しさに寒気がする。
☆「ポスト安倍『菅がいいじゃないか』権勢誇る二階氏の深謀」朝日新聞3月2日
https://www.asahi.com/articles/ASM2W5745M2WUTFK012.html?iref=pc_ss_date
今年はいよいよ日米FTA交渉が始まる。円安ドル高を嫌う米は、日本の「意図的な通貨安誘導」を阻止する「為替条項」を要求するつもりでいる。政府は大量のポンコツ兵器を買い入れるなど、必死に媚を売って防戦に努めているが、たぶん功を奏さない。新聞論調は国際経済の不安定要因を米中通商戦争としているが、それは確かに重大な要因であると同時に、日米FTA交渉の行方が与える影響はさらにシビアだろう。1面「中国経済『試練増える』 6〜6・5%成長に引き下げ 全人代開幕」、3面「中国経済 内憂外患 想定超す成長鈍化■米との通商紛争」、4面「日中経済対話向け河野外相が訪中へ 来月中旬 周氏来日へ調整も」、10面「中国 売れない作れない 対米紛争響きニット工場閑散」「庶民の不安解消測る」「総合対策『不十分』の見方」、14面の社説」の「中国全人代 危機感を改革に向けよ」など紙面は全面的に米中に注がれ、(中国は)「危機感を改革に向けよ」と息巻いているが、その指摘はまずこちらの国内事情に向けるべき。打つ手をなくした国内事情が国際的な激動にのたうちまわる可能性を否定できない。11面「正恩氏、成果なき帰国 米朝会談不発 中韓ロ接近も」と「反政権グアイド氏堂々帰国 ベネズエラ出国禁止令破る 空港に各国外交官」「逮捕なら抗議激化・欧米反発」「見送れば政権の威信揺らぐ」の記事。両方にボルトン米大統領補佐官の姿がちらつき、記事もその辺りに寄り添っているのがみてとれる。以下の記事にも注目!
☆「米朝会談破談の“黒幕”はボルトン…突如ハノイ交渉出席の謎」日刊ゲンダイ3月2日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248648?fbclid=IwAR00tc-7aJg_jOciVAZs48EIImWWzWCnZ5TWCnDk0EfMBJXm3tyHWzmhRhM
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2019年03月05日

現在がこれだから過去を清算できない

1面トップは「日立と系列10社 勧告・指導 技能実習生の業務巡り」の記事。「日立製作所とグループ会社10社の計11社12事業所が昨年4〜9月、国の監督機関『外国人技能実習機構』の実地検査で、技能実習適正化法違反があるとして改善勧告や改善指導を受けていたことがわかった。朝日新聞の取材に日立が認めた。実習での必須業務を技能実習生にさせていないなどの違反が指摘されていた」(本文引用)という。特定の技能を習得する目的の実習生に対して、必須業務をさせていなかったとか、最低賃金に満たない賃金しか払っていなかったとかが指摘されており、「おいおい、天下の日立がなにをやっとんじゃ」とあきれてしまった。日立といえば経団連会長の中西氏が会長を務める超大企業。それがなんとまあセコイことをやるではないか。さらに呆れたのは、技能実習適性化法違反で実習計画の認定を取り消された会社に三菱自動車やパナソニックもあるということ。これはもしかしたら、日本の大企業様たちの内情はもっとサンタンたる状況なんじゃないのかね、と思ったわけで。38面には関連記事「日立 最低賃金届かず 実習生『必須の業務一切していない』」がある。「計11社が」「数々の技能実習適正化法違反を指摘され」「グループで30万人を雇い、経団連会長を出した日本有数のグローバル企業の足元で、実習生を不正に働かせていた実態が明らかになった」「11社に実習生を紹介したのは『協同組合フレンド日本』(略)実習を監査する管理団体だが、朝日新聞が入手した録音記録によると、実習目的と作業内容が一致していないことを訴える実習生に対し、説得に回っていた。FNの担当者は『全然違うじゃないかというのは分かる。ただ、みんなの思っていることをクリアさせてあげるのは現実的に難しい』となだめていた」「管理団体としては最大手の一つだ。国はFNが適切に実習を監査していたかどうかを調べた上で、処分を検討している」(本文引用)という。「数々の」というのは尋常じゃない。管理団体が適切にやっていたかどうかもちゃんと解明する必要がある。それにしても技能実習の闇は深い。発覚しなけりゃ底なしになっていた可能性が強い。いやすでに底なしと言うべきか。「実習不正があると見る国は、笠戸での実習計画や実習生の査証(ビザ)更新を認めず、日立は昨年10月から計99人の実習生を相次ぎ解雇」「中西宏明会長は(略)『(実習生の)ビザが変更されたので、就労させると違法になる。違法を避けるため、とりあえず解雇した。(笠戸での技能実習に)違法性はないと信じている』などと説明していた」(本文引用)。対象となる30万人全員の調査が必要で、損害賠償問題でもある。
技能実習では、以下のような実態が浮かび上がっている。昨年の臨時国会で問題が発覚したとき、「『失踪技能実習生の現状』を聞き取った調査票の集計方法について問題があることが発覚、野党合同ヒヤリングなどで厳しい追求がされ』『野党議員による調査(調査は法務省が複写を許可しなかったため、議員自らが交代ですべての個票を『手書き』で書き写し、再集計)の結果、調査項目にある、『低賃金』『低賃金(契約賃金以下)』『低賃金(最低賃金以下)』にチェックが入ったものすべてが、『より高い賃金を求めて』失踪したとまとめられていたが、実際は、全体の67%にあたる1939人が『最低賃金以下』であったことが明らかになりました」(本文引用)。「最低賃金以下」=「より高い賃金を求めて」か。とうぜん、同じはずがない。写真を見る通り「黒塗り」も極まれりである。自衛官が自治体の名簿を手書きで写すのがかわいそうと言う前に、これをなんとかすべきだろう。「徴用工」の問題を「解決済み」として放置する現状に、過去から連綿と続き、改められることのない同質の問題をみる。この国の宿痾というべきか。
☆「【お知らせ】『失踪技能実習生の現状』調査票が全面黒塗りで開示されました」SMJ移住連3月2日
http://migrants.jp/news/jouhoukaiji-result/?fbclid=IwAR2fjLjZc2sQUWmENn4qqxMLzh68BXRIIc929kicIAJANRovYJb276kVYdE
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2019年03月04日

未来3代にわたる構想が必要なとき

先日、太陽光発電の乱立で反対運動を展開しているリーダーに会って話をした。そのとき私見として、国内のパネル販売はかなり低迷してきており、もうじき国内的には大手は畳んでいく方向ではないか、と話させてもらった。だが、リーダーは「そんなことない」と自信を持って反論してきた。まさか、反対運動をリードしている人が現状認識を間違えるはずもないと思い、そこであらためて調べてみることにした。最初の資料として以下の記事が参考になったので紹介。「太陽光パネルの国内出荷量は、前年度比17%減の524万キロワットとなり、3年連続で前年度を下回った。ピークだった14年度の921万キロワットから40%縮小」「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が起爆剤となった需要拡大が終わり、縮小に歯止めがかからない」(本文引用)。京セラやパナソニックの販売実績低迷、国内生産拠点の縮小など語られている。やはり大手が縮小傾向にある。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。反対運動するには認識甘くないか」と思わざるを得なかった。
☆「太陽光パネルの国内出荷量、縮小に歯止めがかからない」日本工業新聞18年5月25日
https://newswitch.jp/p/13063
上の記事は昨年5月のもの。次の記事は8月のもの。2016年に新設された発電事業者は29%減、2年連続で前年割れとあり、太陽光パネルの出荷量も住宅用は2011年並みの水準まで低下しているという。さらに太陽光関連事業者の倒産も急増し、2017年は9月までで過去最多を更新と、すごい勢いである。世界的には中国とアメリカが牽引中で需要は絶好調、「両国は2012年まで年平均2割の成長が続くと予測されて」(本文引用)いるのに、日本だけが雨マーク(極端にしょぼい状況)という。「原発の下請けに成り下がっている」とリーダーはおっしゃっていたが、下請けとしてはあまりに非力。引き立て役にもなっていない。
☆「日本だけがガラパゴス化? 縮小が進む国内の太陽光市場【エネルギー自由化コラム】」エネチェンジ18年8月13日
https://enechange.jp/articles/solar-power-decreased
以下は上記2つの記事の流れを受けた昨年11月末の記事。京セラがジリ貧状態にあるという。「05〜08年、米ヘムロックとその子会社との間で太陽電池セルの材料となるポリシリコンの長期購入契約を4回にわたって結んだ。このうち最長で20年まで続く予定だった複数の契約を見直し、購入義務を解消した。これに伴いヘムロック側に支払った前金を放棄するほか、ポリシリコンの在庫をヘムロックに代物弁済する。京セラとヘムロックは15年から日米の裁判所で契約の有効性を巡って争っており、和解金も支払う。代物弁済しない一部在庫に関しては評価損を計上」「太陽光発電関連を含む生活・環境事業は、19年3月期の部門損益が720億円の赤字(前期は554億円の赤字)となる見通し。今回の見直しで今後は割安の原料調達がしやすくなり、来期以降の採算改善につながる可能性がある」(本文引用)
☆「京セラ、太陽光事業で損失511億円 19年3月期」日本経済新聞18年11月28日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38286240Y8A121C1TJ1000/
このような情勢を考慮したら、現状で収束を前にして利益確定に走る企業側との時間を掛けた戦いになるのではないか。彼らは逃げ得を図ろうとしている。そのあとで、大枚叩いて粗悪地にパネルを設置した人たちの苦闘が始まる。そのとき必要なのは、重たい苦悩を抱え込んだ人たちを救う方策を提示できるかどうかではないか。そこまでやらなければ、荒れるに任せる森林や耕作放棄地などに悩む農山村の人々との心理的溝は埋まらない。かえって怨みを買うことにもなりかねず、未来3代にわたる禍根を残すこともありうる。いまが最も心してかからなければならない正念場ではないか。本気で自然豊かな山野を子孫に残すというのなら、「いまからどうするか」の構想が必要と思う次第。
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2019年03月03日

歴史のキズは消さずに継承すべきものだ

1面に「被災の記録 残らぬ恐れ 42市町村の過半数 既に廃棄も」の記事。29面には関連で「震災記録保存 市町村任せ 失われた 避難所日誌も 大川小児童の聞き取りメモも」がある。個人的な思いとともにここへ記録しておく。「ひとつの解決策が電子化だ。岩手県では久慈市と野田村、普代村が14年度に『震災アーカイブ』を整理、震災公文書など計約9万件を電子化し、永年保存した。一部はインターネットで公開している」(本文引用)。被災地にとっては苦しい思いもあるだろうし、物理的に保管が難しいこともあろう。だからいまは、後々、ブログ主自身が何かの思いから参照したくなる時のために、上記3市村の努力を書き残しておく。
9面週刊誌「AERA」広告に「玉城デニー沖縄知事単独1時間『一国二制度を目指す』 国民投票で7割が辺野古埋め立て反対『ウチナーンチュの思いがしっかり出た結果』 提言 @日米両政府と沖縄で作る新しい協議機関の設置 A将来は自治州的一国二制度がベスト」がある。これは「AERA」を買って読まなくちゃならない、と思った。地方をここまでコケにする政治が横行する。ただ単に「地方」というにとどまらない。明治維新まで沖縄には約500年続いた琉球王国があった。「琉球新報」から「琉球処分」に関する記述を引用すると、「明治政府による琉球藩設置から分島問題の終結までをいう。明治維新にともない、1872(明治5)年、明治政府は〈琉球国〉を廃して〈琉球藩〉とし、廃藩置県に向けて清国との冊封関係・通交を絶ち、明治の年号使用、藩王(国王)自ら上京することなどを再三迫った。が、琉球が従わなかったため、79年3月、処分官、松田道之が随員・警官・兵あわせて約600人を従えて来琉、武力的威圧のもとで、3月27日に首里城で廃藩置県を布達、首里城明け渡しを命じ、ここに事実上琉球王国は滅び、〈沖縄県〉となる。華族に叙せられた藩王(国王)尚泰は東京在住を命じられた。しかし琉球士族の一部はこれに抗して清国に救援を求め、清国も日本政府の一方的な処分に抗議するなど、問題は尾を引いた。外交交渉の過程で、清国への先島分島問題が提案され、調印の段階まできたが、最終段階で清国が調印を拒否して分島問題は流産、琉球に対する日本の領有権が確定した」(本文引用)
以下に「薩摩『琉球侵攻』、明治政府の『琉球処分』を振り返る」という詳しい記事がある。「薩摩侵攻を『第一の琉球処分』、明治政府による併合WP『第二の琉球処分』、沖縄戦→施政権譲渡→米軍占領を『第三の琉球処分』、民意を無視した軍事基地つきの沖縄復帰を『第四の琉球処分』と呼ぶ議論、そして自民党政権の沖縄基地容認・日米地位協定容認政策を別の琉球処分ではないかという議論が相次いだ」(本文引用)とあり、その記述はとても重い。いま自民党政権が強行していることが、過去の政治が続けてきた過酷な施策の紛うことない延長線上にあることを痛感させられる。以下のURLに「琉球処分」関連の一覧表があり、下から2番目に上記紹介記事があるので参照されたい。なるほど、玉城デニー知事が「自治州的一国二制度」をベストと語る理由がはっきりとわかる。やはり、現政権はいわゆる「戦前」を目指しているというより、根本で第2の明治維新を狙っているのではないか、と思わざるを得ない。それなら、我々は植木枝盛が考えた「第2の改革」を掲げて、明治の自由民権が果たせなかったその先を、いまこそ成し遂げる途上にあると考えるべきではないか。自由民権家を東京から追い出して挙行した明治憲法発布の大ちょうちん行列は、現在なら20年の東京五輪にあたる。逆転した歴史の歯車の向こうに、そんな政治の底意がのぞいている。
☆「−薩摩の『琉球侵攻』、明治政府の『琉球処分』を振り返る−」:一人ひとりが声をあげて平和を創る メールマガジン「オルタ広場」の記事一覧の下から2行目参照
http://www.alter-magazine.jp/index.php?word=%E7%90%89%E7%90%83%E5%87%A6%E5%88%86&type=OR&cmd=search&encode_hint=%E3%81%B7
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2019年03月02日

辺野古県民投票のその後の動き

7面に「日米+沖縄県で協議を 玉城知事提案 首相はゼロ回答」がある。「沖縄県民投票の結果を受けて1日、安倍晋三首相に『辺野古移設NO』の民意を伝えた玉城デニー知事。沖縄の基地負担軽減策をまとめた日米特別行動委員会(SACO)のような日米の協議に県を加える新たな枠組みを求めたが、政府は取り合おうともしていない」「提案したのは『SACOWITH沖縄』(SACWO)」「だが、首相は『日米合意から20年以上が経過する中において、もはや先送りすることはできない』と強調」「官房副長官も(略)『普天間飛行場の危険性除去といった米国との交渉は、政府が代表して行うべきもの』と構想に否定的な考え」「示されたのは、『ゼロ回答』」「『民意を顧みない政権』という世論が醸成されることに期待をかけている」「米国の世論に訴えかけようと、昨年11月以来の訪米も検討している」(本文引用)
14面「声」欄に「『国民主権』なら強行せず議論を」がある。憲法について習っている真っ最中に政府がその原則を踏みにじる。おかしいじゃないか、という真っ当な意見が掲載されている。ブログ主の意見も交えていうなら、地方が一丸となって意見を表明した。それは「地方の民意」だが、国政に関わることは政府がやるというので論理が通じるわけもない。現に、「地方」をないがしろにする政治の論理が、さまざまな無理難題を含む法を成立させながら、地方を疲弊させていく現状がある。「地方の民意」は国政を担う政府にとってお荷物なのか。それは、「声」の投稿者が学んでいる「憲法」とまるで整合性がない。地方には適当にカネをばら撒き、儲ける奴を仲間に引き入れておけばそれでよし、というのが本音で、あの石原伸晃が奇しくものたまったように、「カネでしょ。カネ」というたぐいの観点しか持ち合わせていない。カネで抑え込める段階まで県民があきらめてしまえばこっちのもの、とタカをくくってきたのが歴代の自民党のやり口だった。それが面従腹背の腹芸で「民意をうまく操縦」する奸策に長けた自民党老獪政治屋たちのやり口だったが、今の政権は「面従腹背」の策謀術を見失い、「真摯に」「寄り添う」「話し合う」などと綺麗事を言うそばから本音を丸出しにする。対応に苦悩するフリもできない稚拙な政治しかできなくなっている。これじゃあいくら庶民が「心優しく」ても、見抜かざるを得ない。いつかはしっぺ返しが来ることを、彼らは覚悟していない。
県民投票で新聞報道はどうだったか。35面に「沖縄県民投票 割れた見方 辺野古『反対の民意』『投票率『広がり欠く』」の記事がある。朝日、毎日、日経、読売、産経の記事を比較し、前3紙が「反対の民意」が示されたことを伝える一方、読売と産経は投票率が低かったこととか、全有権者のたった4割しか「反対」しなかったとか、否定的内容であったと書かれている。産経の「有権者6割『反対』せず」という記事があったというのは驚き。いつの国政選挙だったか、たった25%の得票で最大多数の議席を確保していまや驕り高ぶりの絶頂にある政党があるが、その場合だと、「有権者のたった4分の1の得票しかなく、75%が『支持』せず」ということになる。批判各紙はそれをどう書いたのか気になるところではある。読売社説は「県民投票で是非を問うのはなじまない」「複雑に利害が絡む国政の課題は、有権者に直接問うのではなく、国政選挙で選ばれた国会議員に委ねるべきである」(本文引用)。産経社説は「今回の県民投票はその内容にかかわらず、民主主義をはき違えたものである」「(移設は)県民の『直接の民意』だけで左右することはできない」(本文引用)と書く。日経は「『県内移設はやむを得まい』とする一方、『一方で必要なのが、基地負担が減っていくと言う実感を沖縄県民に与える努力だ』と説いた」(本文引用)。近ごろ報道の責任が問われることが多くなったが、政府広報誌にだけはなるまいよ。そうなったらおしまいだ。と思っていたら、上記のうち某紙は、なにやら店じまいか経営縮小か、ややこしい事態に追い込まれている模様。やはり政府広報は、庶民的に嫌われるんでしょうかね。
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2019年03月01日

福島県民の複雑な思いへ近づくために

昨日の我が家購読紙の記事で「復興『道筋ついた』52% 福島県民世論調査 初めて半数超える」とあった。今日の1面には「米朝首脳会談」がトップを占領して端っこに追いやられているものの、「再開1年 児童戻らず休校へ」があり、昨日の記事との関連で、県民の複雑な心境を感じた。「複雑な心境」とは「復興の筋道ついた、計52%」と「元のように暮らせるまでに20年かそれ以上かかる、計74%」「放射性物質『不安』60%」「国民の関心が風化78%」(以上「」内の表現を少し変形)とのあいだに微妙な隙間がある、ということで、「再開1年 児童戻らず休校へ」の中にその微妙さが最も直接的に表現されていると感じたのだ。「昨年4月に地元で再開した福島県川俣町の小学校が3月末で休校する見込み」「28日が過ぎても入学希望者がいれば学校の存続を検討するが、見通しは厳しい」「町や村は、避難指示解除地域が復興するためには子どもを育てる世代が戻る必要があると判断。総額93億円をかけ、14の小中学校の校舎をそれぞれ新設、改修し、制服や給食費の無料化など手厚い教育環境を整えた」「避難先の生活が定着したほか、解除地域のインフラ不足や放射線量、子どもの数が少ない状況も、再開した学校への通学をためらう一因になっている」「若い世代が戻らなければ、2、3年後は入学が見通せない」(本文引用)
関連記事は35面「福島 まち再建多難 休校戻らぬ子育て世帯」中見出し「元住民『生活基盤移った』」「『地域の基礎』手厚い支援」で、「地域の維持・発展に子どもや保護者の帰還は欠かせず」「ただ手厚い教育施策を行うため、国が財源を保証する復興・創生期間は20年度に終わる」(本文引用)。5町村の住民の帰還率は住民登録数の5〜39%で、高齢者が半数を占めるという。行政の長は「原子力災害の影響は予測していたよりもはるかに痛みが大きい」(本文引用)と話しているというが、「痛み」はいったいどこの「痛み」か判然としない。「まち再建」とあるので「まちの痛み」なのか、「住民の痛み」なのか、それぞれの視点で記事を見直してみると、「手厚い支援」の中身が財政的支援でしかないのに気づかされる。設備を立派なものにすれば「帰還」に必要な条件は満たせるか。「住民の痛み」に向き合うのでも、今の仕方で十分に対応できるのか。放射線に対する不安を、「影響ないから計らなくてもいい」で通せるか。「セシウム」だけの計測で「安全です」といえるか。地域を取り囲む山林は本当に安全か。健康への影響を「ダイジョーブ」と空約束しても、その基礎データが怪しいという疑惑がでてきたじゃないか。「汚染水タンク」が満杯だから海へ薄めて流す。しかしトリチウムだけじゃない。ほかの核種が含まれていないはずはない。
33面に「福島第一2号機、7・6グレイ」の記事がある。帰還住民がいる場所から遠くないところで、原発事故収束のために作業員たちがとほうもない被爆覚悟の作業を実行している。可能な限り遮蔽して作業するわけだが、今回、最大15メートルまで伸びる伸縮式アームで作業したとあり、アームの屈曲を考えると、作業員の位置から直線で数メートルくらいしかない可能性もある。水中で7・6グレイ。空気中へ取り出したらさらに莫大な放射線を放たないか。帰還するか否かを迫られる住民たちの過酷に比べて、遠く離れた場所で記憶を失っていく国民は、その作業の過酷さに対して「無意識の酷薄」で向き合っていないか。そんな過酷な作業が継続されているすぐ近くへ「国策帰還」を迫られる人たちがいる。「帰還」が作業員の「過酷」と紙一重になっている。その外側に「無関係」を装う広大な世間の壁があるという「酷薄」な構図。この構図は沖縄にもつながる。そのなかに我らは加わっている。そんな「過酷」な状況の中で「私が国家ですよ」などと発言した人がいるらしい。個人的にまだ正確な確認の途中なので、誰とは言わないが、本当なら恐ろしさ極まれり。「こんな人に負けるわけにはいかないんですよ」と言ってもいい状況ではないかと思うわけで・・・。
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2019年02月28日

被災地から見放される運動にならないこと

3面「復興『道筋ついた』52% 福島県民世論調査初めて半数超える 放射性物質『不安』60%」に注目。12年調査7%、16年36%、今回52%とある。「大いについた」はまだ3%なので、「ある程度ついた」の増加と「あまりついていない」の減少が数値に影響を与えているのだろうか。「県全体で、元のような暮らしができるのは、今からどのくらい先になると思うかを聞くと、『20年より先』が最も多く56%。『20年ぐらい』18%、『10年ぐらい』15%、『5年ぐらい』4%」。放射性物質への不安は「大いに」19%、「ある程度」41%の計60%。「原発事故被災者への国民の関心が薄れ、『風化しつつある』と思う人は78%にのぼった」(本文引用)。全国世論調査では「風化しつつある」71%とあるが、「被災県民に対する国民の関心」か「被災者への自分の関心か」という違いがあるので単純な比較はできない。国民の関心が希薄になっていく中で、いよいよ県民自身で受け止めていくしかないという孤立感の表れではないか、と思った。これは県民の意識が希薄になっているというのではなく、国民の中に蔓延する「無関心」への「不信感」が分厚くなってきていることの証しではないか。
16面の政治マンガは辺野古新基地反対の強固な抵抗の上に、政権の虚しい言葉「真摯」がやたら降り積もる様子を描いて、「南の島に雪が降る? 『しんし しんし』と降り積もる雪じゃあるまいし」と痛烈な言葉を重ねている。政府・政権は「沖縄」「福島」とも同じ手口で収束・隠蔽を急ぐ。被害を直接受ける場所の実態を隠し、強権で黙らせ、外に向けては情報を統制し、いかにも誠意をもってコトに当たっているように見せかけ、中身抜きの空論でまとめあげていく。どちらにしても「あきらめ」の構図に仕上げ、雪のごとく降り積もる「真摯」を実態として成り立たせ、直接の被害者たちの本音を押さえ込む。辺野古反対の意志が圧倒的多数を占めた県民投票のあと、「次は本土が応える番だ」との文字が紙面にあった。その言葉と同義の語りかけがあってもいいはずなのに原発事故ではそれが出てこない。大きな問題点なのだと思う。新聞紙面に出る以前に、福島県外で「原発」反対を主張する立場から、その言葉はいち早く生まれるべきなのだが出てこない不思議。ローカルな立場から考えると、先に発生した課題の熱が冷めるにつれて、次々あからさまになる重要課題に気分が圧倒されていく傾向があるような気がする。「熱が冷める」のは「自分自身の内部の熱が冷める」のが原因なのに、「世間の熱が冷める」に原因を転嫁してしまう。そして「熱から熱への転移」が始まる。
ブログ主自身の気持ちで思う。この問題を個人で構えて持続させることは、孤独な作業であり、至難の技というしかない。でも、始めた以上、その孤独は引き受けなければならない。誰のせいでもなく、自分自身の立場の問題としてそう思う。「福島県民」も「沖縄県民」も、内心では「県外の人々」「本土の人々」に不信感を持っている。自分のいるところで、自分自身の課題で、「原発について」「基地について」どう向き合うか、問われている。7面に「除染土再利用『反対』61% 処理水海洋放出『反対』65% 押し付け繰り返すな」がある。記事中に、県民の原発再稼働は賛成13%、反対68%、全国調査では賛成32%、反対56%とある。福島県知事が福島第2原発の「廃炉の正式決定」を国と東電に要請したのは昨年11月のこと。東電はその5ヶ月前に「廃炉方針」を表明していたが、これを受けて今年1月、福島第2原発の廃炉を「スピード感を持って検討を進めていきたい」と語ったという。第1原発と併せて計10基の廃炉が進む。我らは最低限でも「原発再稼働についての全国世論調査」で「反対がはじめて50%を切った」などという結果がもたらされないようにする責任を背負っている。そのために、当初は熱によって始められた運動でも、時が経つにつれて合理的認識に裏打ちされた運動に変換していく必要がある。何人も熱だけで持続することはできない。公害反対運動で、先人たちがよく勉強し、納得して運動したことを思い出す。
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2019年02月27日

危機が本人の内部から溢れ出している

14面の政治漫画は、菅官房長官らしき人物が「上げ底景気」と書かれた額を掲げている下に、「『戦後最長』とやらの景気拡大期の命名もよろしく」(本文引用)と皮肉たっぷり。「空っぽ景気」や「スッカラカン景気」とかの言葉が即座に浮かぶところに、現状の嘘寒さが漂う。できれば長官の表情を、いかにも本人らしく、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に出てきたゴラム(スメアゴル)と言ったか、あいつみたいな人相にしてくれたら、いっそうリアルになってよかった、と思う。このところ政権の一番番頭としてイヤな顔ひとつせずに徹底的に下卑た振る舞いをし続けている。以下の記事では東京新聞の記者に、最悪の態度で権力風を吹きまくる。「菅義偉官房長官は26日の記者会見で、事実に基づかない質問を繰り返しているとして首相官邸が対応を求めている東京新聞記者の質問に対し、『あなたに答える必要はない』と回答を拒んだ」(本文引用)。「あなたの見たくもない顔を我慢しているのにその言い草はなんだ」と言いたくなる。これがいまの政治の極北化した姿。それを最先端で推し進めることになんの疑問も持たないイカレ具合が哀れ。歴史の教科書に稀代の悪政を支えた愚人として記録される運命は間違いない。それにしても記者クラブっていつからこんなに腑抜けになってしまったのかね。
☆「菅官房長官「あなたに答える必要ない」=東京新聞記者の質問に」JIJI.COM/2/26
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190226-00000107-jij-pol
他社の同様の質問については以下のように答えているから、東京新聞記者の質問だけ気に触る理由が、彼個人の主観的意図に基づいている気がしてならない。もっとも、辺野古関連回答は、普天間の危険除去と固定化を避けるというように、いつものごとく「論点ずらし」や「丁寧に説明」など、詭弁に満ちたものでしかないのだから、本音は一緒なのだ。普天間返還が長引くのを沖縄のせいにして、自分は「丁寧」とか「真摯」とかの空文句で切り抜ける。まさに「空っぽ景気」「スッカラカン景気」を平気で成果と掲げる強心臓だけが取り柄のゴラム(スメアゴル)。あの、邪悪に取り憑かれた生き物の姿が彷彿とするばかり。彼の蔑む目つきが実に醜悪。
☆「普天間返還 菅氏『代替案示せ』 知事姿勢を批判」琉球新報2月23日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-879643.html?fbclid=IwAR1CxMK_QCY6DM7yxkVekyCUltuHQ4u9JRydSbSPDkPyJI8ukSwxPuojVrU
本来なら彼のような人物が政権の前面に出てしゃべりまくることなどあり得ないはず。出てきても、抑制した姿勢を保とうと腐心したに違いない。抑制がブチ切れてしまったのは、やはりトップがトップだからだろう、と思わざるを得ない。以下の記事でその実感が強くなる。「やはり、安倍総理という人は、あまりに単純な思考力しか持ちあわせていない人間なのか、そう残念に思ったのが、18日の国会答弁だった」(本文引用)。トランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦した件につき国会で質問されて、「『いま、同盟国の大統領に対して口を極めて批判をされたわけでございますが、米国は日本にとって唯一の同盟国であり、その国の大統領に対しては一定の敬意を払うべきだろうと、私はそのように思うわけであります』。さらに(略)『まあ、御党も政権を奪取しようと考えているんであれば、ですね』」(本文引用)。たしかに驚愕の発言だ。一定の(つまり限定的な)敬意は払えばいいさ。でも、ノーベル平和賞に値するかどうかは別次元。「政権奪取を考えているかどうか」も無関係。奇妙というより壊れた答弁と言うべきか。すでに彼の脳内では「一定の」判断力が壊れているらしい。危機が本人の内部から溢れ出している現状か。
☆「トランプ大統領を完全にバカにした安倍発言『米国大統領に敬意を払え』に驚愕!」Yahoo!ニュース2月21日
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20190221-00115679/?fbclid=IwAR0ynNWmD-BrI8gR8okWYtWAHXSBvzGQs71fmid3DWlUICq3nMsHaXkT_fc
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2019年02月26日

まず徹底的に自問したい

1面に2つの重要記事「福島の汚染土再利用計画 『最大99%可能』国が試算 地元住民の反対受け難航」と「沖縄の民意『無視』鮮明に 政府、埋め立て続行」がある。沖縄と福島で同時に民意無視が顕在化。思い出したのは地域の反原発運動で「福島返せ」という主張について議論があったとき、ブログ主は「賛成」すると同時に「この言葉は我々の性根を問う」と主張した。最終的に「福島返せ」は外され、ブログ主は自分の性根のなさを感じて忸怩たる思いに駆られたものだったが、新聞記事からなんでそんなことを思い出したかというと、「『福島』が被った未曾有の大災害にどんな向き合い方をしているか」が問われているいま、我らを蝕んでいる時の流れを痛感したからだ。放射能汚染土の処理処分については発災当初から議論があった。まず沿岸部から逆流した有害物質を含む震災がれきの議論があり、含まれる放射性物質も考慮して、海岸に大規模なコンクリート収納施設を作って適切な処理処分の方法が見つかるまで保管しておく案や、海岸に自然植栽による堤防を作ってその内部に簡易保管する方法などの提案があった。その後、各地の下水道脱水ケーキや生活廃棄物の焼却灰などから高い放射性物質が検出され、全国的な最終処分のずさんさが発覚した。
そのころ「1ベクレルも許さない」と息巻いていた人々は、当初「東電がすべて引き受けるべき」とのもっともらしい主張を掲げていたが、自分たちの身近で出てきたものをどうするかという喫緊の課題に直面して絶句してしまった。ブログ主は主張した。「各自治体の全施設の入口にコンクリートの震災モニュメントを作り、未来への警告のために『ここに原発事故で飛来した放射性物質が眠る』と書いて収納するべき」と主張したが、全然受け入れられなかったことを思い出す。それは小出助教が発災当初提起した「○禁」の主張と同じで、放射性物質に対する皮膚感覚での嫌悪に押しのけられてしまったと言える。その後どうなったか。身近な農地に降った放射性物質の存在は、どんどん耕すことで薄められ、ゴミ焼却場の焼却灰や飛灰は他県で埋め立てられ、下水脱水汚泥の行方は不明。いまは1000度以上の高温で溶融ガラス化して廃棄されている。これが本当に安全なのかどうか。放射性物質の多くは高温で蒸発し、冷却水のシャワーを通り抜ける過程で回収されるが、そこから先どこへ行くのかは不明なまま。もはや追求するものもいない。「福島の汚染土」に話を戻すと、これも「福島」から遠く離れたら、切実なスローガンとはなり得ず、若干の反応とともに、世間から忘れられていくのではないか。そして環境省の試算で「1400万立方メートルのほぼすべてが再利用でき、最終処分すべき汚染土は全体の約0・2%、3万立方メートル」(本文引用)の通りに実施され、その結果として放射性物質汚染は薄く広く全国へ拡散していく。やんぬるかな。性根を問われて答えられない、罪深き我らよ!
そのことは「沖縄の民意『無視』」にもさっそく現れる。2面「首相・政府の言葉 むなしく響く沖縄」中見出し「『投票の結果を真摯に受け止める』言ったその日 進む工事」「2014年『5年以内に普天間運用停止』 不履行 地元に責任転嫁」は、見出しだけで首相・政府の決定的不実をあぶり出す。彼らが「沖縄」と「福島」で民意など斟酌しない強引な手法をとるのは、一地方の大騒ぎなんぞ絶対に全国的な声にならないと見切った上でのことだ。首相は昨日、「投票の結果を真摯に受け止め、基地負担軽減に全力で取り組む」(14面「社説」引用)と述べた。彼流にその言葉の整合性をどう整えているのか。「全力で取り組む。邪魔しているのは地元であって自分ではない」ということか。今後ともあらゆる局面でこんな言い換えが横行していく。そして、全国に薄く広く、おなじ要領の「真摯」がばらまかれ、「うまくいかないのは反対する奴らのせい」という言説が垂れ流される。不満が全国化しても、横に繋がることはないのか。地方の声に応える力を持っているか。我らの思考と行動の緻密さが問われている。まず徹底的に自問したい。悪しきポピュリズムにまみれた我らの性根!
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2019年02月25日

遠い遠い過去から脱出すべきときなのか

辺野古移設についての沖縄県民投票は、最終的な数はまだわからないものの、反対多数の結果が出た。国が「安全保障は政府の専権事項」といくら主張しても、「安全」の解釈と「保障」の仕方をめぐる違いは常にある。外交こそまず第一義的に優先せねばならない「安全」のための手段。「保障」の最も重要な方法であるのは異論の余地がないはず。「武力」を「外交」に優先させるような政治は、「外交」の敗北を最初から認めたやり方だ。「そんな安全保障は不要だ」との意思表示を尊重しない政治は強権政治というしかない。2面に「本土に住む人が考える番だ」の記事がある。記者は取材で「将来、子どもたちに『県民投票のときにお父さん、お母さんはどうしたの?』と聞かれたら、堂々と答えられるようにしたい」(本文引用)と何度も聞いたという。この結果を「本土に住む人」(我々)はどうとらえ、どう応じるべきか。まず「国民主権」とはなんであるかを考える必要がある。いま本土で投票をすれば、「どちらでもない」の比率が大きく膨らむだろう。「安全保障」のためには「基地が必要」という意見が急上昇するかもしれない。「外交」の大切さを自らないがしろにする政治が横行しているとき、「外交なんか頼りになるか」という意識が生まれる。しかし「頼りになる」かどうかの判断は、「お頼み民主主義」が根付いている証拠でしかない。「国民主権」の理解が「お頼み主権」の程度にしか発達していないこの国のありようが見えてくる。
江戸時代、百姓一揆が盛んに起こったという説が揺らいでいる。庶民が専らとしたのは、「請願(上訴)」がほとんどで、百姓一揆は最後の最後に登場する暴発みたいなものだったという。幕府は一揆を徹底的に弾圧し、「お願いでございます」との訴えには一定の道を開いた。そしてよく考えてみると、現在のこの国の基本的政治スタンスは、なぜか徳川幕府のやり方に酷似していることに気づく。個人的にいま明治の勉強をしているのだが、そこで痛感するのは、明治維新が社会全体の大変革だったのではなく、支配上層部である「武家社会」の内部変革ではなかったか、ということ。地方の大反乱は鎮圧し、小規模なお願いは「聞いて遣わす」という姿勢は、徳川から明治に移行してもなんら変わることなく続けられた。その方策は成功裏に進み、先の戦争で大敗した結果、「外圧」によって若干の変更を余儀なくされたものの、崩壊の危機を免れた「支配階層」すなわち「封建遺制を温存させた圧倒的上層部」は、伝統的支配の方法を巧妙に持続させるのに成功した、ということではないのか。
ようするに、現状は、民主主義の皮を被って生き延びた「封建遺制」とその「信奉者層」が政治・経済の大失策を契機に、先の戦争に続く第2の敗北に瀕し、ついに本音をあからさまにせざるを得なくなったということではないか。正直なことを言えば、戦後の70数年において「徳川260年」と「明治150年」を併せて計410年に渡る「支配上層」と「被支配下部」の関係がいま極度にシビアな状況に至ったのと裏腹に、「被支配下部」の「総合的民意」は、いまだ「封建遺制」の呪縛から脱出しきれていないというべきかもしれない。辺野古移設の県民投票が本土の庶民に影響を与えることを徹底的に嫌悪する政府のありようは、過去の亡霊と見紛うばかりの醜さに満ちている。彼らの脳内にくすぶるのは、本土への影響をどう切り抜けるか、という強い危機認識だろう。
対抗するように、「女川原発県民投票」がすでに宮城県議会の日程に上りつつある。原発立地各県では一筋縄ではいかない動きが広がりつつある。昨年末の臨時国会で最後の悪あがきを示すように地方を痛めつける各種規制緩和関連法が成立した。「請願(上訴)」ではなく、確立された「国民主権」による運動が目覚め始めている。先に「410年」と書いたが、もしや平安朝崩壊で武家主導の社会が誕生し、天皇親政が形骸化しつつ奇妙に温存されてきた遠い過去から、「支配上層」の内部変化だけが時代を創ってきた、というべきかもしれない。いままさにこの国の歴史を転換する正念場なのか。だとしたら、我らはとても重い時代を背負っている!
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2019年02月24日

足をバタバタ、ヤダモンヤダモン

朝日新聞GLOBEの「公文書でもたらした正義」は「ニューヨークタイムズ・マガジンから」の翻訳記事。日本軍の真珠湾攻撃による報復で日系米人がマンザナー収容所に送られる。アイコ・ヨシナガは戦後、公文書館で関係資料を探し8000件の文書を集める。そして陸軍省が「当初の報告書をすべて破棄するように命じていた」(本文引用)との情報を得て、運良く残っていた一部を発見。文書には鉛筆による書き込みもあった。「戦時民間人再定住・抑留に関する委員会」で文書は有力な証拠となり、レーガン大統領は謝罪し、生存者に補償金が支払われた。辛うじて残った文書が過去の過ちを証明。隠滅を免れた文書で正当な人権の回復が速やかになされた。幼いころに観た米映画「日本人の勲章」と「二世部隊」を思い出す。日系人部隊の戦いを描いた作品で、その当時から見直しの機運はあったということか。また、題名は忘れたが、日米開戦で日本に置き去りになった米人外交官家族の苦難を描いた作品もあった。朝鮮戦争との関わりもあるので単純に礼賛はできないが、それでも現在の日本政府の公文書改ざん・隠蔽や統計データ不正の犯罪性と比較して思う。現在の日本政府のそれは敗戦直前の日本軍の有り様に等しい、と。
いや、軍のみならず、戦争に加担した多くの組織で、文書の隠匿や焼却が行われ、戦後かなり経ってから隠蔽を逃れた資料の断片が出てきてようやく歴史的検証をするという羽目に陥ったが、国家の責任追求まで及ばず、いまも政府の関わりは薄い。現在の日本政府のありようは、敗戦直前の慌しささながら大揺れに揺れており、トップリーダー自らむちゃくちゃに動揺している。彼の発言は荒れ、うろたえているのが明らかで、まともな答弁とは言い難くなっている。森友・加計・自衛隊日報その他モロモロが、悲願の改憲の前に立ちふさがる。その焦りゆえか、総理大臣席からの薄汚いヤジが目立ち、品性を疑う薄笑いが日常化し、都合の悪い答弁をする閣僚には座ったまま背後から「いったん戻れ」などと命令。言われた大臣もこれまた素直に「いったん戻ります」と言ってスゴスゴ引き下がる始末。むちゃくちゃの極地で、わがままなお坊ちゃまが、国会の床に寝転んで足をバタバタ、「やだもん、やだもん」と叫び、周囲が持て余しているという悲惨な様相を示す。
☆「安倍首相が統計不正の証拠メールを突きつけられ大慌て! 答弁中の根本厚労相に『いったん戻れ』」と前代未聞の指示」リテラ2月21日
https://lite-ra.com/2019/02/post-4560.html
今日は沖縄で辺野古埋め立てについての県民投票が行われる日だ。一国の総理が国会で「足バタバタ、ヤダモン」大作戦を展開しているとき、権力忖度の大波が以下のようなみっともない恥を世界に晒す。年に数回来日し長期滞在している梶原氏に対し、これまで経験したことがないほどの足止めを食わせたという異例の入管審査が発覚。それは官房長官の記者会見における東京新聞記者に対するいやがらせ、権力的抑圧の構造とぴったり重なって、いますでに末期にあるこの国の実情を浮かび上がらせる。根深い忖度構造の蔓延は、某放送局の貴重な良心をも侵食する。世界に恥を晒しながら引き返せない究極に向かって突き進むこの国!
☆「梶原さん入国一時足止め 米請願署名呼び掛け人 入管、辺野古やデモ尋問」琉球新報2月21日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-878445.html?fbclid=IwAR1uqxGI-4r8LvEOSuwMeHYIL7HeoF0RU97Xr2XZGoU7mcfLGgKK-CCGsbQ
☆「東京新聞記者への質問制限の実態 1分半の質疑で7回遮る」琉球新報2月21日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-878559.html?fbclid=IwAR3vbj8GMsv_fRhOeWpP_PsHxfbT_kVrKqGn948hbFAucbYdEnp5tq1mHZI
☆「NHK組織大改変で“反権力”職員72名が提出した反論意見書」NEWSポストセブン2月17日
https://www.news-postseven.com/archives/20190217_871306.html
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2019年02月23日

やたら踏み出しすぎて戻れなくなっている

7面「泊原発『活断層否定できぬ』 規制委が見解 再稼働見通せず 北電の反証は難航か」の記事。「規制委員会は22日、再稼働をめざす北海道電力泊原発1〜3号機(略)の敷地内にある断層について、『活断層の可能性が否定できない』との見解を示した。北電が結論を覆せなければ、大幅な耐震強化を迫られる」「審査の長期化は避けられず、再稼働は見通せなくなった」「規制委は、北電の指摘する古い地層の上にもずれが伸び、より新しい時代に動いた可能性があるとして、活断層であることを否定できないと判断」「規制委の判断を受け入れた場合、『Fー1』断層が引き起こす地震に備える必要がある。北電が泊原発で最大の揺れと想定する600ガル(略)の見直しを迫られる」「原子炉建屋などの直下に活断層があれば廃炉を迫られる。北電はFー1断層の上に重要施設はないと説明」(本文引用)。新エネルギー基本計画で30年のエネルギーミックスを再エネと原発で約44%とする目標に向けて、いよいよ国策原発が自縄自縛の罠に落ちて行く可能性が強まっている。2月4日当ブログ「経済同友会代表の発言に関連してちょい考察」に書いた「高度化法」の規定が重しになる可能性が出てきた。2020年に取引が始まるとされる「非FIT非化石証書」がその皮切りとなるか。大手電力が保有する大型水力や原子力が圧倒的に有利に働く法のはずだったのに、いよいよ原発を締め付けはじめたか。
2月2日当ブログ「経済界の危機感はハンパじゃなさそう」で紹介した週刊ダイヤモンドの記事中に「原発はアンタッチャブル」の項がある。「安倍政権はエネ基を見直す気はないようだ。目下のところ、現政権の悲願は憲法改正。政権支持率を下げる不人気な政策の筆頭格である原発政策を真正面から取り上げるはずもない。しかも、今年は統一地方選や参院選が控える“選挙イヤー”。ある自由民主党関係者は『原発はアンタッチャブル』と明かす」「世界のエネルギー政策は急激に変化している。再生可能エネルギーの伸びが著しく、国内では原発と同じベースロード電源(略)に位置付けられていた石炭火力発電が低炭素社会を阻む悪者として退場を迫られている。選挙イヤーはエネルギー政策の在り方を真正面から捉える好機であるはず。原発の議論から逃げ続けるならば、安倍政権はエネルギー政策に汚点を残す」(本文引用)とあり、政権の自縄自縛も相当なものである。再エネが原発に対抗する武器になると証明されつつある。敵に塩を送らないよう、倒錯した再エネ嫌悪に塗れて再エネを敵に献上し続ける行為からの脱出が求められている。
7面には「茨城県知事が『不快感』 東海第二 原電が再稼働方針説明」もある。東海第二は首都圏に隣接する。日本原電は22日、再稼働を目指す方針を地元首長らに伝えたという。県知事は不快感を示し、東海村長も距離を置く。水戸市長は「実効性のある避難計画と市民の理解がない限り、再稼働はない」(本文引用)としている。昨年11月29日の当ブログ「どちらがより多く準備しているか」で若干触れたように、同月の副社長による失言「拒否権なんていう言葉はない」「拒否権なんていう言葉は協定の中にはどこにもない」があって「立地・周辺6市町村の首長は『再稼働の意思を表明せず、なし崩し的に工事をするのは認められない』と申し入れ」(本日7面本文引用)している状況。原電の焦りが招いた窮地が、今回の「再稼働方針説明」につながっている。しかし、県と6市村の姿勢は容易に崩せるものではない。経団連中西会長が焦るのも無理からぬところ。折しもFRBは利上げを休止。緩和策への転換が鮮明になった。昨日の当ブログ「いよいよ濃霧の真っ只中へ迷い込む」では、日銀の「丸腰状態」について触れたが、いよいよ新興国のデフォルトリスクまでが憂慮圏内にはいってきた現状。五輪や万博で民心を誘導しようとしても、それは逆にこの国を奈落へ突入させる罠ともなりうる。改憲まっしぐらの政権だが、トップが金切り声なるのもムベなるかな。彼はいま個人的に人生最大の剣が峰にぶち当たってキリキリ舞いしており、周囲が総出で忖度し守り抜こうとしている。そして危機はいっそう深まっていく。
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2019年02月22日

いよいよ濃霧の真っ只中へ迷い込む

9面「資産縮小終了 来月公表か FRB『緩和』への転換鮮明」に注目。「(FRB)が景気過熱を抑える『金融引き締め』から、景気減速に配慮した『緩和』方向へ転換したことが鮮明になってきた。1月末には約3年間続けた利上げの休止を決定。その会合の議事要旨が20日公表され、保有資産を減らし市場に流すお金を絞る政策も、今年後半で終える」「米中貿易摩擦や、世界経済の不透明感が増したことが背景にある」「早ければ3月19〜20日のFOMCで、資産縮小終了を公表」「20年代初めまで続ける予定だったが前倒し」「景気次第で年内の利上げはなくなり、利下げの可能性もある。ただ議事要旨では多くの参加者が(中略)利上げの可能性は残されている」(本文引用)と、我が家購読紙はいつも素っ気ない。2月5日当ブログ「首をすくめるだけが庶民の知恵か」では日経記事を要約引用「要約:“FRBが利上げの停止を打ち出したことは、世界の市場参加者に好意的に受け止められた。しかし、なぜか日銀は浮かない顔をしている。それは日銀の『金融政策運営が抱える難しさが一段と増しているからだ。FRBのスタンスは今後ジワジワと円高圧力を生みやすい一方、日銀側は効果的な追加緩和手段が乏しい「丸腰」に近い状態』」「米経済がさらに減速するならFRBはハト派姿勢をさらに強めそう」「米市場などは歓迎するかもしれないが、日銀にとってはむしろ状況がさらに厳しくなる」(本文引用)と紹介したばかり。本日報道の素っ気なさとは一味違うものがある。
そして20日の以下の記事も同様の傾向を示す。「金融市場が再び『緩和相場』を試し始めた。米国の利上げ路線修正を起点に緩和的な金融政策が広がり、資金の調達環境が緩んでいる。マネーが再び新興国国債や低格付け社債など高リスク債券に向かい、発行も急増している。景気鈍化で低金利環境になる中、利回りを求める投資家は歓迎するが将来の債務不履行(デフォルト)と背中合わせ。景気後退期にリスクを増幅しかねない」「実体経済はグローバルの製造業購買担当者景気指数(PMI)が1月に50・7と1カ月連続で悪化し、2年半ぶりの低水準にある。景気減速が鮮明になれば、低格付け社債の債務不履行や新興国からの資金流出のリスクも再び高まる」(本文引用)。いかなる激変があるにせよ、日銀は「効果的な追加緩和手段が乏しい『丸腰』に近い状態」ゆえに、打つ手がほとんどないということか。
☆「マネー再び『緩和モード』 新興国債などに流入加速」日本経済新聞2月20日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41487940Z10C19A2EA2000/?n_cid=NMAIL007
どんなにあがいても、日銀の操作によらず、すべては海外の事情によって決まる。以下の記事は(近ごろあやしさ充満でトンと信用できない)官庁の貿易統計速報に関する報道だが、対中貿易の落ち込みの激しさは隠しようがない。「中国向け輸出では、電気回路などの機器が約39%、半導体製造装置が約25%、それぞれ大幅に減少した。アジア全体への輸出も13・1%減少した。米国向けは自動車や機械などの輸出が伸びたが、欧州連合(EU)向けは船舶などを中心に輸出が減った」(本文引用)とあり、中国を敵視していてもしょうがない現実が鮮明になっている。
☆「1月の対中輸出17%減、2カ月連続 貿易統計」日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4149407020022019000000/
そこへきていまだに数字操作で国民をたばかるしかできない無能政権の現状が以下の記事で明らかになる。GDPが「国際基準に合わせて」変更されたのは2015年。あたかも経済政策の成果であるように胸を張るのは、現実離れとしか言いようがない。わけのわからない「お坊っちゃま語」で言い逃れても、その煽りで庶民が塗炭の生活苦を味わうかもしれないことなど、彼の脳中にはピリッとも浮かばないんだろうな。
☆「安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる」日刊ゲンダイ2月19日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247804
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2019年02月21日

いよいよ明らかになる彼らの内部矛盾

経団連の中西会長の発言(日立製作所会長)が波紋を呼んでいると、8面「経団連会長の原発発言波紋『原爆と頭の中で結びついている人いる』」にある。「原発と原子力爆弾が頭の中で結びついている人に『違う』ということは難しい」「浜岡原発(略)を視察した際に」「『原発の再稼働への理解が深まっていないようだが』との記者団からの問いかけに答えた」(本文引用)。原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟による公開討論会の申し入れを、エネルギー政策の提言をまとめているところ、という理由で経団連は拒否した。4月に経団連として出す予定の「提言」を念頭に置いているのだろう。その提言が出てくる端緒は、以下のところに詳しい経緯が語られている。「2018年11月19日。中西は東京・霞が関の経済産業省を訪れ、経産相の世耕弘成(略)に切り出した。『このままでは事業を続けられません』。世耕は『もう少しがんばってください』と応じたと関係者は明かす」「日立だけではない。東芝の英国事業や三菱重工業のトルコ事業。日本の官民が挑んだ海外計画は軒並み頓挫した。このままでは国内原発の再稼働や廃炉に必要な技術や人材の維持も危ぶまれる。IHI横浜工場。原子炉圧力容器や格納容器の製造が主力だった建屋内にいま横たわるのは、トンネルの掘進機だ。ピーク時に約600億円あった原子力関係の売上高は半減した。工場長の丸山隆行(略)は『従業員のモチベーションをどう維持するのか悩む』と話す。原発産業は存亡の岐路を迎えつつある」(本文引用)
☆「民間に限界、万策尽きる 消えた原発輸出(ルポ迫真)」日本経済新聞2月14日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41217510T10C19A2EA1000/?n_cid=NMAIL007
4月の提言がどうなるか見ものだが、「どうせ原発推進側のゴタク」などと捨ておくのが適当かどうか、そこはかなり考えものだと思う。すくなくとも彼らの内部で悲鳴が上がっていることは間違いない。その悲鳴を高見の見物できるほどこちら側が力関係で優位にあるなら話は別だが、現状これを好機ととらえないのは、「脱原発」のスローガンを放棄することに等しい。強がりのつもりが「敵に塩を送る」ことになるとしたら、何をか言わんや。「バカバカしくて付き合ってられねえ」である。まして経団連の発言に合わせるように、同友会からの発言がある。こちらは明らかに「脱原発」の意図が表明されている。「高みの見物」しかできなかったら、同友会の一定の見解もゴミ箱行きになるのか。そりゃねえだろ。「あんたがた本音ではどっちを向いているの?」と言わざるを得ない。このところそんな人たちが身辺にいるのを見るのが煩わしい。
そんな動きがある中で、30面の「原発避難4・2億円賠償命令 横浜地裁 国・東電の責任認定」に注目。「福島第一原発の事故の影響で、神奈川県に避難をした60世帯175人が東電と国を相手取り、計約54億円の賠償を求めた訴訟の判決が20日、横浜地裁であった」「判決は、東電が国に対して、東北地方を襲った貞観地震(869年)に関する津波評価を報告した2009年9月の時点で、原発の敷地高を超える津波が到来して全電源を喪失し、放射性物質が放出されることが予測できたと判断。原発設備内の電源設備を移動すれば事故が防げたにも関わらず怠ったと述べた」「賠償は、国が定めた原発賠償の中間指針と比べ、軒並み増額された。国の指針では、『ふるさと喪失慰謝料』は高い放射線量を示した帰還困難区域だけが対象とされたが、横浜地裁は避難指示が出たすべての区域に適用。避難期間の長さに応じて、段階的に慰謝料を算出した。局所的に高線量となり、国が避難を『勧奨』するだけだった住宅(特定避難勧奨地点)にも、一人約600万円の慰謝料を認めた」(本文引用)
さて、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長に関わる東電刑事裁判はどうなるか。昨年12月には35回公判で論告求刑。36回公判で被害者遺族代理人による意見陳述があった。その推移に要注目!
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2019年02月20日

遠い昔からボタンのかけ違いがあるような

1面に「大熊町避難指示一部解除へ 4月にも 立地自治体で初」の記事。「原発事故で全町避難が続く福島県大熊町で、避難指示の一部が4月にも解除される見通しとなった」「解除の対象は町の西側にある大川原地区と中屋敷地区。町面積の約4割を占め、町民の約4%、140世帯374人(略)が住民登録している」「昨年4月から帰還に向けた準備宿泊が始まっており」「20世帯46人が生活している」「大川原地区には特例として東電の社員寮が建設され、廃炉にあたる社員ら700人が暮らす」「同地区で帰還住民約1千人、町外からの住民約2千人が居住する計画を描く」「住民意向調査(速報板)では『戻りたい』が約1割、『戻らない』が約6割」「大熊町は(略)全住民約1万1500人が県内外に避難」「第一原発が立地する双葉町は20年春ごろに町内の一部、22年春ごろに特定復興再生拠点で避難指示の解除を目指している」(本文引用)とあり、いよいよオリンピック前後を目処に、全面解除に向けた動きが加速する。と、これを批判するのはたやすいが、「避難を継続すべき」と主張する場合、ブログ主には何かが欠けているような気がしてならないのである。
かつて阪神大震災発生の折、ブログ主は大阪府と兵庫県の境目に住んでいたが、ちょうどそのとき、琵琶湖沿岸へ引越する準備が完了したばかりだった。さて次は最後の決断で自宅を売りに出すか、というその朝、地震は起こった。家は潰れなかったが、かなり損傷を受けたため売り出しを中止した。損傷した家を売るなどできなかったからだ。琵琶湖の家は準備してあり、完全股裂き状態で引っ越すべきか否か、迷って1年延期にした。しかし1年後、まだ混乱の続く被災地から引っ越すことのつらさは例えようもなかった。まさに断腸の思いで決断したものの、心は地震被災地に残したままで、心的外傷後ストレス症候群のキズが深々と刻まれた。ひるがえって原発事故被害者の心情を思う。彼らもまた、断腸の思いで避難を決断したのだと思う。しかしたぶん、去りがたい気持ちも強烈だったはずだ。それは第1の傷として残ったと思う。次に避難者の背にのしかかってきたのが、避難先での調子っぱずれの視線だったのではないか。原発事故からの避難者は、地震被害に放射能被害が重なる。放射能被害に対する国家の恣意的な対応が鮮明になるにつれて、避難先で避難者に向けられる視線は、微妙に変化していく。そこに被災地に残った人たちの視線が加わる。さらに家族や親族内部での葛藤が増幅される。まとめると、放射線への危機感、国家による帰還圧力、被災した故郷への去りがたい気持ち、冷たい避難先の環境、被災地からの視線、家族や親族との軋轢。避難者は6つの方向から重荷を背負わされ孤立状態に陥る。そして実のところ、単純な「避難すべき」論はこういった複雑な葛藤をよそに、「まだ危険」「避難すべき」と一方からの主張を浴びせる。もしやこれは7番目の重荷になる可能性をはらんでいないか。
避難者を受け入れる側にいて、避難者が現に受けている理不尽な軋轢に気づかない。そのことがすでに、避難者を袋小路に追い詰めていないか。避難家族や児童へのいじめがあった。そのとき声高に何かを批判する前に、どうしたら避難者の傷ついた心を癒せるか、それに想いを馳せる必要があった。原発事故からの避難は、事故の収束がはっきり見通せるようになるまで果てしなく続く。そのためにあるべき社会的システムの確立をないがしろにして、「避難すべき」というのは「帰還促進」を政治的目標に掲げるのと同じくらい危ういことではないか。
そして思う。わたしたちは原発事故発災当初からボタンのかけ違いをし続けていないか。震災瓦礫の受け入れ拒否。福島県産の農水畜産物拒否。車両拒否。エトセトラ。そのためかえって巷に溢れる放射性物質に気づかないふりをしている欺瞞。これは本土における基地反対闘争の不十分さが、沖縄に堪え難い重圧をかけた責任を忘れているのと同根だ。いま「避難すべき」だけで押し通すのは、自分たちに欠けている何かを模索する可能性を狭めていることに他ならない。ブログ主もまだしかるべき結論に至れないでいる。
posted by ガンコジージ at 12:15| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月19日

我儘坊ちゃんは追い詰められて暴走する

18日朝日新聞ネット版に「首相『コメント控える』 トランプ氏をノーベル賞に推薦」という記事がある。コメントできないようなことでもないはずなのに、なんでコメントしないのか。この答弁からうかがえるのは、首相のキモの小ささだ。トランプ氏がノーベル賞にふさわしい人物だと本気で思うのなら、「推薦したかしなかったか」くらいは述べればいい。推薦理由にあたる答弁を「『北朝鮮の核・ミサイル問題に果断に対応し、歴史的な米朝首脳会談も行った。またその際、拉致問題について私の考え方を直接金正恩(略)委員長に伝えていただいた』と『実績』を強調した」(本文引用)のだから、「ノーベル委員会の方針に従い、コメントは差し控える」というのは矛盾も甚だしい。そんなことだから本日12面「社説」の「平和賞推薦 対米追従が過ぎないか」で、「首相は本気で、トランプ米大統領がノーベル平和賞にふさわしいと考えているのか。外交辞令では済まされぬ、露骨なお追従というほかない」(本文引用)と書かれてしまうのだ。トランプの歓心を買うように大枚叩いて運用に入る頃にはすでに骨董品にる運命の武器購入をし、国内的にはやたら危機を煽る。そしてノーベル平和賞推薦。まったく記事の通り、「国際社会の目にどう映るだろう」というしかない。
17日7面に15行の小記事「天皇陛下の謝罪求めた発言 韓国『撤回要求はない』」がある。そして18日2面に「謝罪と撤回『対応を求めた』 韓国議長発言 日韓外相会談で河野氏」がある。同面「平和条約交渉『期限設けない』 外相会談 ロシア、日本にクギ」があり、対ロ交渉にも暗雲が漂う。本日の「社説」に戻ると、被爆国のトップなのに核兵器禁止条約やICANが平和賞を受賞したときも、そっぽを向いて、ひたすら米に従う姿勢を示した。いったいどうなっているのか。歴代自民党は面従腹背の姿勢を貫いてきたが、その党是も踏襲しない。つまり、良い悪いは別にして腹芸ができないらしい。沖縄に「寄り添う」という言葉の使い方も、建前として使用することをやめたらしく、今回の施政方針演説では消えてしまった。めんどくさくなってきたのだろう。辺野古建設の賛否を問う県民投票の結果に背を向け、軟弱地盤が基地建設の無謀を実証しても構わず、ひたすら本音丸出しで突き進む。たぶんいま、彼は剣ヶ峰でじっと堪える踏ん張りができなくなっている。本音丸出しで居直りするしか無くなっている。本来なら周辺も、「やってられない」と諌めるところ、あまりにみっともないうえに、すでに彼のやってきたことが取り返しつかなく、その後の政権運営が過酷を極めると予測できるがゆえに、手をこまぬいて見ているしかないのかもしれない。いっそ野党政権にもう一度譲るか。それも危険すぎる。周辺は内心、焦っているのではないか。そんな気がする。
☆「首相『コメント控える』 トランプ氏をノーベル賞に推薦」朝日新聞2月18日
https://www.asahi.com/articles/ASM2L312SM2LUTFK007.html?fbclid=IwAR32CYWatZP48pe_o0KLpz7_a7H8XERbYz2CZR8Dzgp6qXukaEqG1hm1adg
9面「中国『量子の父』米ビザ発給せず 学会不参加に 知財問題影響か」の記事。「量子力学の原理を応用した世界初の衛星暗号通信を成功させた中国のトップ量子物理学者(略)が、米政府からビザが発給されず(略)ワシントンで開かれた学会に参加できなかった」「16年に中国が打ち上げた世界初の量子通信衛星『墨子号』プロジェクトの中心人物」「量子科学は」「技術流出の懸念から、米商務省が検討するハイテク製品の輸出規制の14分野にも含まれている」(本文引用)という。いまや技術分野での中国の伸張は著しいものがある。日本はとっくに後塵を拝している状況だ。そして最近の米中経済摩擦では、米中どちらが動揺しても、こちらは大揺れに揺れる。昨年10〜12月の株価暴落からいまだに抜け出られず、年金運用失敗で15兆円が消えたことを思い起こせば、このまま再び巨額が消えたらどうなるか。日銀の債務超過とGPIF損失が重なったらどうなるか。ワガママ坊ちゃんの専横を許した後のことを他人事でなく想定しておく必要がある。
posted by ガンコジージ at 12:31| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする