2019年01月17日

データ関連がいろいろある本日の紙面

1面「菅長官、統計不正は『違法』」と2面「統計不正 重い政治責任」が、本日の我が家購読紙の特徴「統計」を代表している。「『毎月勤労統計』をめぐる問題で、厚生労働省が調査手法を勝手に変えていたことについて、菅義偉官房長官が16日の記者会見で統計法に違反するとの認識を示した」「統計法は、基幹統計の作成に関わる人が『真実に反するものたらしめる行為』をした場合の罰則について」(本文引用)、懲役や罰金を課すとしている。「ほう、いつになく厳しい言い方だね」と変に感心して2面に移り、「あ、なるほど」と納得する。「ルールに定めた調査対象を無断で絞り込む不正は15年前に始まり、安倍政権では大臣名で虚偽の説明書類を提出したり、不適切な調査部分のデータ補正を始めたりしていた。その監督責任と政治責任も問われる」(2面引用)とあるが、中見出しに「『政権交代の前後を通じ・・・』現政権、解明及び腰」で、官房長官は「『まず、事務的に調べたい』と述べ」「ある官邸幹部は『いい迷惑だ』とさえ語る。しかし、厚労省名での虚偽申請や不適切な調査部分のデータ補正は安倍政権でのこと」「衆参の厚生労働委員会が近く行う閉会中審査や通常国会では、現政権の対応が問われるのは必至」(本文引用)で、まちがいなく「民主党政権下でも」という嫌味な言い訳が飛び出すのも必至。スガ氏の発言には、責任逃れしやすいという目論見が透かし見える。
改ざんとか誤解を招くように仕組むとかは官庁データではほぼ日常的に行われてきたことのように思われる。昨年11月20日付の当ブログ「改ざんデータを信じる人もかなりいる」では「平成26年3月 使用済再生可能エネルギー設備のリユース・リサイクル・適正処分に関する調査結果」という官庁資料について問題点を指摘した記憶がある。これもまさしく改ざんデータ。シロウトが勘違いするように仕向けているとしか思えない。こんなデータを見て「あやしい」と思う人は少ない。それだけ巧妙を極め、数字の裏側でニヤリとしている誰彼の顔が見えるようだ。そこで例のごとく「民主党政権下でも」という下卑た言い訳が通用するか否かだが、そりゃムリムリ。歴代政権が気づかないで来たのには理由がある。まさか官僚が意図的に改ざんに手を染めているなんて知る由も無く、普通に信用してしまっただろうが、現政権になって数々の改ざんが発覚してきて、それでもこれまで恥じずに責任を取らずに居座りを続けてきたのは、いじいじと権力にしがみつくだけのがりがり亡者の性。潔さの欠片もない無能なヤカラの無惨としか言いようがない。
27面「『主要な結論に影響も』被ばく線量過少 論文掲載誌が声明」には、東大早野教授らによる市民の被ばく線量過少評価に関する、これまでの報道ではあまり詳しく報じられていなかったデータの中身について若干の詳報がある。ここ数日間の報道では、データそのものについてより、データの無断使用などについての報道が主体だったから、これから次の問題が明らかになってくることになる。ここまでの段階で、外野は寄ってたかってデータの不正まで自明既知のこととして語り出していたが、本来ならここからデータについて明言できる段階になるはず。主観的願望で先走りするのは感心できない。たしかに感触としては「ありうる」と言える段階にあったとは思うけどね。
データ関連で11面に「近くを通る人分析 広告表示 ドコモ・電通 電子看板 新会社設立へ」がある。これをただの広告話だなんて思っていると、とんでもないことになる。ようするにすぐ近くにいる個人の情報を携帯電話の位置情報から特定し、通行人の特性に見合った広告を最寄りの電子広告に活用するというもの。「どんな人が通行しているかによって広告を出し分けることが可能になり、広告の価値が上がる」(本文引用)という。これがいつか政治的に活用され、大規模な個人監視体制につながっていくことは想像に難くない。それもかなり近未来の話として。
33面「賠償『国際法で議論できぬ』」は徴用工問題で新日鉄住金の社長が語っている。記事が短すぎて真意は計れないが、記憶しておいたほうがよさそう。
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2019年01月16日

きめ細かさに欠ける運動は囲い込まれる

8面「玄海2号機、廃炉濃厚 安全対策 採算見通せず」。後藤政志氏が311事故後の早い時期から主張していたことが功を奏しつつあるようだ。「九州電力の玄海原発2号機((略)出力55万9千キロワット)の廃炉の可能性が高まっている」「電力需要が減るなか、安全対策に巨額の費用がかかり、採算を取るのが難しいため」「2号機は2021年3月に法定の40年の運転期限を迎える。延長する場合は原子力規制委員会へ20年3月までに申請する必要がある」「出力は再稼働した3、4号機の半分」「2千億円規模とみられる安全対策費をかけて運転を延長するメリットは見えにくい」(本文引用)。願わくばもっと金がかかる規制基準にしておくべきだったとは思う。再稼働を断念する原発はもっと増えたはず。原発推進の可能性をできるかぎり狭めておくことは必要だった。こんなとき、ぎちぎちに問い詰めるスローガンの意味が問われる。「即廃棄じゃなきゃ意味ない」というのは気分としてわかる。だが「即廃棄」だけを狙うと、「廃棄ゼロ」に近づくく矛盾に気づくべきだ。物事を進めるときステップを確保することの大切さを知る。「後戻りする限界」の線を決めて、少しでも前に進んでおくのが必要な場合もある。それが彼我の力関係の現実的把握による間合いだ。現実を吟味せずに闇雲に高い目標を掲げる。これすなわち匹夫の勇という・・・。
同8面「再稼働『どんどん進めるべきだ』 経団連会長 原発必要性訴え」。「15日、原発の再稼働が進まない状況について、『私はどんどん進めるべきだと思っている。原子力というエネルギーを人類のために使うべきだ』との見解を示した。そのうえで『原子力に関する議論が不足している』と述べ、政界や学会などを巻き込んだ討論会の開催を訴えた」「『安全性の議論を尽くした原発も多いが、自治体が同意しないので動かせない。次のステップにどうやって進めるのか、電力会社だけの責任では済まされない』」(本文引用)と語ったとある。典型的アベ友のこの人が以下のような発言をほとんど間を置かずにやっていることに注目したい。「お客さまが利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは、民主国家ではない」(日刊ゲンダイ引用)。「原発政策について、国民の反対が強いのに民間企業がつくることはできないとして、理解を進めるために一般公開の議論をすべきだという考えを示しました」(テレビ朝日引用)。そして今日の我が家購読紙8面「再稼働『どんどん進めるべきだ』」である。これは矛盾なのか否か。受け止め側の主観が惑わされているだけなのか。彼の腹の内は一貫している。民間だけでやるには採算性の問題で支障がある。だから、国民的な議論で「原発がないとこの国は破綻する」という統一的な意志を固め、国家が全面的に推し進める事業に民間が協力するかたちを取らせようとしているに過ぎない。国はじゃんじゃん金を出すべきだ、というのが彼の本音なのだ。再エネの限界をいうのもその範囲からのことだろう。都合のいいところだけ虫食いでつなぎ合わせて「画期的」などと称揚するのは馬鹿げているが、民間が音を上げているのは事実。そのことを突き上げていく視点がないと、いつものように足元をすくわれるだけだ。次のワンステップの踏み台にするにはどうすべきか、それを考えた方がよほど意味がある。
☆「『原発 国民反対ではつくれない』 経団連会長」テレビ朝日1月1日
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000144312.html
☆「経団連会長が“撤退”発言? それでも脱原発が進まない理由」日刊ゲンダイ1月6日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244900/1
☆「『原発再稼働どんどんやるべき』福島事故後停止で経団連会長」共同通信1月15日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190115-00000110-kyodonews-bus_all&fbclid=IwAR2bqFxsgQ7kXDD8HpCv_pySy4vZEPF_RClR-PVbKYLcrr5JscxTj8M-Nss
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2019年01月15日

焦点を見失い課題を求めて彷徨う我ら

1面に「原発和解 打ち切り相次ぐ ADRの賠償案 東電の拒否相次ぐ」の記事。関連で28面にも「東電6回拒否『被害者置き去りだ』 原発ADRへ和解申し立てた浪江町民」がある。「原発事故の損害賠償をめぐる住民の集団申し立てで、東京電力が国の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)が示した和解案を拒否し続けている。拒否を受け、センターは昨年以降、和解手続きを打ち切っているが、東電が和解の成否を決定する事態に、住民は『理不尽だ』と非難している」(4面引用)。原発ADRとは「原子力損害賠償紛争解決センター」のことで、「東京電力福島第一原発事故による損害賠償の対象や金額を決めた国の指針では不十分なケースに備え、国が2011年9月、迅速な解決を目指して設置。被災者は指針に不服がある場合、賠償額の増額などをセンターに申し立て、仲介委員の弁護士が被災者、東電の意見を聞き、和解案を作る。受け入れの法的義務はなく、裁判に移行するケースもある」(1面引用)という。国の指針を上回る賠償を認めると、他地域でも増額を要求されることを恐れ、東電は渋るのではないかという意見が書かれている。その一方で、東電広報部は「和解は非公開かつ個別の手続きであって、意見を申し上げることは差し控える」(1面引用)という。「発言は差し控える」的な文言はこのごろ耳タコ的に頻繁に聞く。「うるさい質問には差し控えると答えることにしています」的な姿勢を感じる。まるで「オレが政府だ」という姿勢である。
原発ADRもれっきとした国の機関だ。国が和解案を勧告して、加害当事者である東電が拒否し、「発言は差し控える」とはこれいかに。「(国の和解案を)悪いことをした側が判断するのはおかしい」「本来は被災者が和解案を受け入れるか判断する立場なのに、東電が和解手続きを左右している。世間の関心が薄れ、東電が拒否しやすい環境も生まれている」「金の問題じゃない。東電は事故を起こし、国は原発政策を進めた責任を、認めて欲しいだけだ」(28面引用)と原発事故被災者は主張する。東電はいまも殿様商売から抜けられない。いや、国家に守られ、これからも殿様でいつづける腹づもり濃厚。それよりもっと気になるのが、世間の関心が薄れてきているということだ。ブログ主の感覚も原発事故に追随できなくなりつつある。「寄り添う」なんて言葉が、「強引」と同義語に使われる日常にあって、情報が入り乱れ、個人の力では把握しきれなくなっているような気がする。ほんとうは阪神大震災で経験済みのはずだし、自分でもあちこちで何度も主張してきた。地震後の対応でさえ長年月持続するもの。原子力災害の対応には放射線の減少にぴったり重ね合わせた年月が必要だ。被災者たちへの対応には、時代に合わせた具体策がなければならない。阪神大震災では20年を経てなお、生活再建からとり残された被災者がいたのを思い出す。気持ちが遠くなっていくままに原発事故からの年月に合わせて認識を変化させる努力を怠っていた自らの愚を、ブログ主自身が痛感する。
ただ、現在の政権が持っている危機感への認識が、彼らと向き合う側で混乱していることは事実だ。彼らの危機感は半端ではないが、対抗する側の危機感にはそれが反映されていない。風化が怖いのは、彼らの危機感を覆い隠してしまうからだ。この国はいま彼らの視点からしても没落の一途をたどっている。だからこそ国民を地獄へ落としてでも、「彼らの国家」を維持しなければいけない願望に囚われて突っ走る。対外的に見れば、この国の政治姿勢が多くの国から危ぶまれているのは想像できる。それでも国内的にあれこれ言い逃れして、最も危ない道を辿ろうとする。まさに綱渡り。その綱渡りの先に大敗北の罠が待ち構えており、そのときの敗北をすべて国民に背負わせようと工作しているのが、今の政治だ。国民を襲う超貧困の上に彼らの幻の楼閣が花開く未来。福島原発事故被災者の苦難と沖縄の抵抗は、彼らの喉元に突き刺さるいま最も煩わしいトゲだ。それを我らは忘れようとしているのか!
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2019年01月14日

電力供給もいまや先行き不透明で悪あがき

3面「再エネ、使いきれない矛盾 九州電力 太陽光などの『出力抑制』」中見出し「昨秋から9回 事業者『痛手』」「原発再稼働 抑制が現実化」「硬直的な電源政策転換を」の記事。「太陽光など再生エネルギーの受け入れを一時的に制限する『出力抑制』を九州電力が行なっている。昨秋に離島を除き国内で初めて踏み切って、1月3日も実施した。政府は、再生エネを主力電源にすると掲げるが、フル活用されない矛盾をどうすればいいのか」(本文引用)。どうすればって、原発を無理やり再稼働しなけりゃいいことだ。これまでこの国は、原発をベース電源とする基本方針でやってきた。これぞまさしく岩盤規制で、完全に硬直したやり方だから、その他の電源を増やすと出力制御が困難な原発では対応できず、他の補助的な電源を制御せざるを得なくなる。新聞ではまず水力を絞り、揚水発電や他電力へ系統連系線で余剰を融通するなどし、それでも供給過剰になったら再エネを「抑制」するのだと。これには沖縄電力まで参加の可能性があると書かれており、「あれれっ」と首を傾げる。沖縄電力は原発施設を持っていない。それでも再エネの影響で「出力抑制」をするってか。「再エネ導入で電力供給を最も柔軟に適用できる沖縄電力がなぜ?」と考え込んでしまう。原発があろうとなかろうと、出力抑制の難しい電源構成で運用する考え方が、全国一貫してはびこっているということの証明か。沖縄電力が、原発がないことを利点に、ヨーロッパ並みの電力システムを構築したら、この国の電力業界では嫌われるってことか。
「なぜ全国に先駆け九州で出力抑制が起きたのか。『想定を超えて太陽光発電が急増し、原発が再稼働したことも大きい』と九電の幹部」(本文引用)とあるが、風力発電のときも発端は九電・北海道電からだった。風力発電の受け入れ枠を極端に狭めて事業者は採算割れに陥り撤退。原野に風力の残骸が広がって、再エネ風力は息の根を止められた。おなじことが太陽光発電でも進行中だ。たぶん、もうじき息の根が止まる。止める時期に来ている。つまり、大手の国内パネル製造企業はすでに撤退を完了し、いまは国内産ではベンチャーが少し、化合物系パネル事業者も方向転換を企図している。主力は中国産に移りつつあるが、これも縮小傾向にあり、全体として再エネの流れは太陽光以外に向かいつつある。総じて、原発再稼働がなかなか見込めない現状ではあるものの、再エネ追い出しの環境は整いつつあると言っていい。
世論が沈静化し、反原発などに勢いがなくなれば、変なお題目を掲げなくても原発再稼働に障害は無くなる。それが国の目標であることに疑いはない。粗悪な再エネ施設を蔓延させ、次第に原野に無残な姿をさらすようになれば、おのずと国民感情も「再エネなんかダメだ」の心境に染められていく、というのが彼らの遠大な計画で、すでに兆候はある。「再エネは原発の補完物だ」という考え方が一部に芽生えている。「再エネは原発の対立物になる」という視点をわずかの差で逆転させた発想だ。その逆転が正当性を持つように見えるのは、粗悪な設備を野放しにしながら原発に再稼働の余地を与えてしまうことに気づかない論理の脆弱性に由来する。2021年には深刻な電力不足が発生すると予測する資料がある。なにが原因で電力不足が発生するか。再エネが増え、大手電力で旧型の発電設備が休廃止に追い込まれ、原発再稼働が進まない場合にそうなる。大手電力は旧型の石炭火力やガス火力から、新増設やリプレースによって新たな電源が安定的に運転できるようになるのを2024年と見込んでいる。
これからの数年間は、再エネと大手電力の対抗が山場を迎える時期になる。大手電力や政府が目論んでいることの奥の奥を見透かすことが、いまもっとも重要な鍵になっていると言っていい。やたら感情にまみれた考え方で疾走することが得策かどうか、考察を深めたほうがいい。それにしてもヨーロッパ型の再エネ導入で電力供給に新風を吹き込めるはずの沖縄電力が再エネ抑制に相乗りするとはねえ。横並び電力業界の力はかくも強力なんだね。
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2019年01月13日

国内ばかりか国外も騙しで押し通す?

昨日読み忘れた記事ひとつ。33面「『不正確』発言 放送は妥当か 辺野古工事 首相『サンゴは移している』 『NHK、事前収録なのにそのまま流した』 識者、落ち度を指摘」では、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって安倍晋三首相が『土砂投入にあたりサンゴは移している』と述べ、不正確な説明をしたと批判されている問題で、発言を放送したNHKの姿勢も問題視する声が出ている」「首相の発言があったのは6日午前放送の『日曜討論』。事前収録で、首相はNHKの解説副委員長と差し向かいで30分ほど質問に答え」「首相は『(辺野古沿岸部へ)土砂を投入していくにあたって、あそこのサンゴは移している』などと述べた」「玉城デニー知事は『現実はそうなっておりません』とツイッターで反論。県は移植対象のサンゴを全て移してから着工することを政府に求めているのに対し、政府はごく一部を移植しただけで工事を進めている、と反発」「県は不正確な発言だと主張」「琉球新報は」「『事前インタビューであるにもかかわらず、間違いとの指摘も批判もないまま公共の電波でそのまま流された。一旦放映されると訂正や取り消しをしても影響は残る。放送前に事実を確認し適切に対応すべきだったのではないか』」「NHK(略)定例会見で『報道機関として自主的な編集判断に基づいて放送しており(略)、必要に応じてきちんと判断している』(略)『番組内で行なった政治家の発言についてNHKとしてお答えする立場にはございません。事実と異なるかどうかという他社の報道についてもNHKとしてコメントする立場にはございません』」「新聞は」「NHKが首相の発言の真実性をどう認識しているのか、政治家の発言内容について答える立場にないのはなぜか、などを尋ねたが、同日午後7時現在、回答はない」(本文引用)とある。
たとえば「以上が首相の発言ですが、移植したサンゴはどれだけであるか、どこへ移植したかなどに言及はありませんでした」といったフォローが最低あってしかるべきなのだ。識者発言として「発言を放送してフォローもしないままでは、視聴者に対して誠実とは言えない。自ら定めた基準に従い、放送後に別の番組などで事実を検証する必要があるだろう」(本文引用)との指摘もある。「誠実」な「公共放送の雄」NHKだから必ず検証番組を作るはず。「なぜ放送されないんだ! 安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」という新聞広告を見た。こんな状態では「誠実」なんて倫理基準は「本気かい?」と疑われても仕方ない。
本日1面の「米軍に日本の法律『不適用』 国、説明から『国際法』削除」。「国内法の適用による基地問題解決を求める声が強まるなか、適用しない根拠となる国際法を示せないことへの批判をかわす狙い」「外務省は(略)『批判を踏まえわかりやすくしたが、『原則不適用』の根拠となる国際法があるという見解は変えていない』」(本文引用)。ややこしい言い回しだ。これを削除したら、国としては改めてどんな根拠を持ち出すつもりなのか。最近の政府関係者発言をみると、国会答弁他すべてにおいてその場限りの言い逃れで逃げまくり、いっこうに恥じるところがないから、これもトンチンカン答弁で、筋なんか通らなくても平気の平左。にたにたと薄ら笑いを浮かべてやりすごすのかね。
そのあいだに、なんとしても仮想外敵の恐怖を国民に植え付けて、国民の気分がいっぺんに内政批判から国外への敵愾心に移行してしまうのを待つ算段か。どうも、ゴーン逮捕はJOC会長とのバーター取引の悪臭が匂って仕方ない。昨日の35面「ゴーン前会長捜査『閉鎖的だ』 日本の刑事司法制度 批判集まる 保釈請求『証拠隠滅』がカギ 検察『口裏合わせの恐れ』主張か」では、これまで会長の罪を暴く報道一色だったのが、次第に論調を変える様子が見え始めているように思う。バーターで国内はごまかし可能でも、国外は無理でしょ。薄汚い策ばかり弄していたら国際的信用がいよいよ地に落ちていくよ、と思うんだけどね。その下品な迎え舌で世界をみごとに騙しきれるつもりかな。
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2019年01月12日

散漫な記事だらけから透かし見えるもの

1面に「JOC会長を本格捜査 フランス当局 五輪で贈賄疑い」がある。フランス検察が捜査を始めたのは16年。「検察の予備的な捜査を経て重大事件と判断された場合、判事が公判前に自ら捜査する『予審』の手続きがある」「予審の手続きに入ったのは昨年12月10日」(本文引用)。この記事の上に1面トップ記事として「ゴーン前会長追起訴 日産に損失付け替え 特別背任罪」がある。彼が逮捕されたのは昨年11月19日。そしてJOC会長が予審の手続きに入ったのは12月10日、およそ20日後ということになる。どっちが先にかぶせたか。「天声人語」では「ルノー会長として、彼の国で尊敬を集めてきたカルロス・ゴーン容疑者に対する捜査の意趣返しではあるまいか」(本文引用)と書いているが、これは逆にも読める。フランスによるJOC会長への捜査が始まったのは、なにしろ16年なのだ。フランスの方がかなり早い。「意趣返し」はまさかこちら側から、なんてみっともないことにならないのを望む。それにしても五輪コンサルタントなんて、ずぶずぶの汚い商売。そんなのに金を払ってまで誘致し、当初の計画から大幅に会場建設費が増えてしまうなんて、これもまた五輪を汚す悪徳が見えてしまい、なんともやるせない。そこから浮かび上がるのは「意趣返し」というより、「バーター取引」を狙っているという方が似合っているように思ったりするのは、あて推量が過ぎるか。
10面「韓国前最高裁長官を聴取 徴用工訴訟遅らせた疑い ソウル中央地検」が興味深い。元徴用工らの訴訟を遅らせた職権乱用などの疑いで前長官を聴取。これは韓国でも初のこと。「文在寅政権は、政財界や社会に残る弊害をなくすことを意味する『積弊』の清算を進めており、司法界にも及んだ形だ」「検察は、朴槿恵前政権が日韓関係のさらなる悪化を懸念し、2013年から14年にかけて」「大法院関係者と訴訟の進行を遅らせる協議を行ったとみている」(本文引用)。こういう判断をすることができる韓国の法制度は、上意下達の縦割り組織で政権の手足みたいに歪んだ司法機構が存在する国に、逆に学んでほしいという気がする。
3面に「日立 英原発計画中断へ 損失3000億円規模か 輸出政策総崩れ」がある。これはすでに報道されていることの駄目押しみたいなもので、本命記事は7面にある「『輸出』『新増設』『再稼働』『核燃サイクル』『高速炉』原発政策八方ふさがり」。日立の英原発新設計画中断で、アベ政権が進めてきた原発輸出はすべて頓挫、「国内での再稼働や新増設も進んでおらず、原発政策は八方ふさがり」(本文引用)とあり、以下読みでのある具体的な内容がこれでもかと列挙されている。事故前の54基のうち20基が廃炉か廃炉方針。政府のエネルギー基本計画はすでに絵空事。核燃サイクルはオリンピック同様の巨費を吸い込み、核兵器転用可能なプルトニウムは47トン。再処理工場は本当に動かせるかどうだかわかりゃしない。もんじゅ廃炉。アストリッド頓挫で、高速炉計画に赤信号。「それでも政権は政策の抜本見直しに踏み切ろうとしない」(本文引用)。スガ氏はいまだに臆面もなく原発輸出政策を堅持するつもりの虚勢をはる。スッタモンダしてもどうもならんのが、わかってないんだなあ。 
7面には「柳瀬・元首相秘書官が再就職 加計問題 国会から追及 シャープ・東芝出資会社に」もある。どんなになっても八方ふさがりにならないのは、オトモダチ政権の基本的特徴。この国の統治機構は、こんなことがいくらでも許されるよう、巧妙に機能し続けている。だからなくならないんだな。3面「統計『補正』深まる不信 厚労省意図的扱い否定 政権の賃上げ重視 疑念の背景」中見出し「多方面への影響 見通せず」を読むにつけ、政治の闇の底知れない深さを感じる。厚労省に限らない。そんな怪しい「多方面」が見えてくる。早野論文の問題も、同じ文脈の中にあるのかね。末期じゃのう〜!
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2019年01月11日

あぶない「外交」が行き着く先を考える

1面の「文大統領解決策触れず 徴用工問題『争点化賢明でない』」の記事で、韓国の文在寅大統領は年頭の記者会見で「元徴用工訴訟の判決などで悪化する日韓関係について、主に日本の対応に問題があるとの認識を示した」「(文氏は)『日本の政治家が政治争点化していることは賢明な態度ではない。日本がもう少し謙虚な態度を示すべきだ』」「(大法院判決には)『三権分立で政府は介入できない。日本は判決に不満を表明できるが、仕方がないという認識を持つべきだ』「韓国政府当局者は『安部首相が大局的に判断しない限り、当面の首脳会談は難しい』と指摘」(本文引用)とある。表題の「争点化賢明でない」の意味は「政治争点化は賢明でない」と受け止め得る。3権分立で政府は司法に介入できない、も普通の見方といえる。
関連で3面に「文大統領 薄い危機感 対日改善策示さず 元徴用工問題 質問受けるまで言及せず」がある。「(大統領は)記者会見で、日韓関係の改善策について具体的な方針を示さなかった。韓国外務省経験者は『関係悪化への危機感が感じられない』と指摘」(本文引用)とし、記事は、原因を文大統領の弱腰にあるとの見方を示す。その延長で、「韓国の外相経験者は『韓日関係が危機にあると訴える外交相の声が大統領府に届いていない』とみる。こうした状況が文氏による日本を突き放すような発言につながったとの見方だ。ただ、日本側にも現時点では韓国側が解決に動きやすくするよう歩み寄る姿勢は出ていない」(本文引用)と書く。最初の「弱腰」指摘のあと「突き放すような発言」と論調が変化し、「日本側に歩み寄りの姿勢」がないことが指摘されるに至る。これは奇妙な記事の展開に思えて仕方ない。
日本側に3権分立という基本姿勢さえ守らない強硬姿勢が目立ち、解決を危うくしている根っこがここにあるのではないか、と見えるが、記事はそのあたりの言及をふわりと回避しているように思える。元徴用工問題では新日鐵住金に続いて、三菱重工が資産を差し押さえられる可能性が強まってきている。個人請求権は「日韓請求権協定」の対象外として処理するのが最も簡単な落とし所と思うのだが、日本政府の対応は、国家間の問題として「全て解決済み」との立場をとる。しかも韓国内にある日本企業の自由判断さえ奪うようなやり方で突き進もうとしている。緊張を減らす外交ではなく、いたずらに増大させる意図があるのかと考えたくなるやり方ではないか。文大統領の発言に対し「日本側からは『首をかしげざるを得ない』(外務省幹部)、『人ごとのようだった』(別の幹部)」(本文引用)とあるが、「人ごと」感はこちら側にも充分ある。外交で解決する意志が薄く、緊張が強まっても「人ごと」みたいに感じるその無神経が事態をどこへ向かわせるか、見ていると危なっかしくて仕方ない。
3面には「北方領土問題 埋まらぬ溝 日ロ条約交渉 14日外相会談」中見出し「安部首相発言が波紋」「主権・米軍基地配備 早くもせめぎ合い」がある。内容を簡単にまとめると、ロシア側は返還後の北方領土に米軍基地が配備される可能性を危惧している。首相はそれを否定しているが、プーチン氏は昨年12月、沖縄の米軍基地問題をあげて、日本はどんだけ主権を持ってるのか怪しいね、と疑いの眼で応えた。そりゃそうだ。首相の沖縄関連の言動では、県民の意向なんか徹底的にガン無視で押し通してるじゃないか。日本列島の南端と北端で取り扱いに差が出るなんぞ、いくら首相が「そんなことしないよ」と明言してもねえ。米軍基地を配備しなくても、本音の自衛隊基地が置かれる可能性はある。かなり重装備だったら、ロシアは対抗して、国後・択捉に巨大な軍事基地を建設するかもね。以下のような記事も見逃せない。軍事緊張が増幅されるような外交は、外交と言わないことを知っておきたい。ましてこの国は、これからまちがいなく縮小していく。そんなときのハリネズミ化は危険極まりない。南端と北端に軍事基地を置かないと明言したら話は別だろうけれど。
☆「ロシア『撃ち落とせない極超音速ミサイル』を実戦配備へ」Newsweek:18/12/27
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/12/post-11482.php
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2019年01月09日

抵抗して自立するか、反対して大手に頼るか

7面に「再生エネで電力自給の地域探る 環境省、実証事業へ」がある。「大手電力会社の送電網から自立した送電線『自営線』を引き、再生可能エネルギーで地域の電力をまかなう実証実験を環境省が始める。送電網から自立した地域では再エネを最大限増やすことが可能で、大規模停電(ブラックアウト)も避けられるという」「計画では、100〜200世帯程度の地域で、太陽光や風力などの再エネ導入を進めて既存の送電網から自営線への切り替えを進めたり、個人所有の電気自動車を地域インフラの蓄電池として活用できるかを探ったり」「こうした地域を増やし、それぞれをつなぐ構想」「地球温暖化対策から二酸化炭素の排出がない再エネの導入増が求められるが、導入量には限界がある。環境省は『自立分散型のネットワークを創設しなければ根本的な解決にならない』とし、実証事業を計画」(本文引用)とある。民間ビジネスの参入につなげたいという点が「いかにも」だが、これには前向きな側面もある。
大手電力のくびきから離れて、地域が独立した自治を確保できる可能性はある。つまり、民間ビジネスなんぞの跳梁するところにならず、完全な自治体運営によるエネルギー確保を図り、エネルギーの地産地消から農山村の自立的運営を促進する基礎を形成するという可能性だ。これ以上のパネル建設を中止し、FIT年限を過ぎたパネルを自治体が収集。跡地は山林・田畑に戻し、近隣地域で運営主体を自治体とした自立地区を創る。所有する各種施設の敷地内や屋根を主要電力生産場所かつ自家消費地とし、周辺住民の屋根を含めてまず小規模に独立させ、順次拡大していくという方法はあり得る。いますでに個人や地域所有の山林や田畑の荒廃が問題化しつつある。それにつけこんで、田畑や山林を荒らす「民間参入」が多様な形で進められている。まさに「岩盤規制を打ち破る規制緩和」のなせるワザ。太陽光の場合、国内パネル製造業界の撤退に伴い、利益を求めて千変万化する民間ビジネスの軸足は徐々に方向を変えつつある。たとえば洋上風力、バイオマス、小規模水力など利益が見込めるならどこにでも現れるのが民間ビジネスで、彼らは利益が見込めなければ即刻遁走する。
民間ビジネス参入で利益追求に基づくスッタモンダが発生するより、自治体経営で自立・自営を目指すシステム構築の方がよほど意味がある。いま地方では山林を切り開いて乱立する太陽光発電への忌避が高じて、感覚的な「太陽光憎し」が激発している。問題は、その行き着く先についての考察不足で、太陽光施設設置者には20年の年限が終わってのちの施設の維持管理が、潜在的課題として重くのしかかっている。一方で「太陽光憎し」の側には、いますでに新旧住民間の潜在的対立があり、20年後の設置者の苦境に対する「それみたことか」的現象を引き起こす可能性に対する考慮がない。近時の激しい気候変動で施設が壊滅的打撃を被れば、「それみたことか」的対応が新旧住民間に開いた亀裂を深く、抜き差しならないものにしていく。さらに、「太陽光憎し」はいつのまにか「大手電力」から独立する方向性を失い、実質的に「大手電力」に囲われる結果に傾斜する。
新旧住民の対立で利益を得るのは大手電力であり、両者のそんな「不毛」から抜け出る道の模索がいま、正味求められているのではないか。将来のお荷物化を解消する方法を示すと同時に、不要な再エネ施設をこれ以上増やさず、農山村の実情に合わせたエネルギー確保を目指し、農山村がすでに持っていながら今は放置されている貴重な資本財の確保や流通を促すシステムの模索こそ、いまやるべきことではないのか。「農山村に住む」とは、自分の世代にとどまらず、次世代、次々世代のことを考慮した住み方の模索を前提にしなければ、結局は道を踏み迷う。今回の環境省の「実証事業」は、これに切り込まなければ現状では両刃の剣。将来においては農山村を今より一層ひどく食い荒らす、民間の利益追及の狩場とさせる。その時期に至ったらまたも「電力自給憎し」の流れが生まれるしか無くなる。自分世代だけでなく、いまから長期的に取り組む視点の必要ではないか。そのことをいま、痛切に感じる!
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2019年01月08日

日本的物言いにみる「曖昧な含み」の便利さ

3面「政府、韓国に協議要請へ 新日鉄住金資産差し押さえの場合」中見出し「日韓請求権協定に基づき」が、なんとなく要領を得ない。日本政府としては、新日鉄住金が韓国の鉄鋼大手ボスコと設立した合弁会社の株式を差し押さえる判決が韓国大法院(最高裁)から出た場合、日韓請求権協定に基づく協議を韓国に要請するという。新聞には「協議を始めるには両政府の合意が必要で、これまで行われたことはない」(本文引用)とあり、韓国側が11年に慰安婦問題で協議を申し入れてきたときは、日本が応じなかったという。今回は逆だから、たぶん韓国が応じないんだろう。「外務省幹部は『日本の姿勢を国際社会にアピールするためにも協議の申し入れは有効だ』と意義を強調した」(本文引用)とあり、これは以下の記事にある「対抗処置」の中身をちらつかせていると思われる。上段は菅長官のいつもの言いようで、「首相の指示を踏まえ、国際法に基づき毅然とした」対応を取るけれど、手の内は明かさないよ、という表現。下段は河野外相の発言で菅氏と同様に、「日本企業に不利益をもたらすことがないよう、(対抗処置を)さまざま準備はしている」(本文引用)という。うーん、だけどねえ。「日本企業に不利益をもたらすことがないよう」と言いながら、あんまり息巻きすぎると、韓国内の合弁会社に不利益がかかることは大いにありうるんじゃなかろうか。我が家購読紙には国際司法裁判所(ICJ)への提訴の可能性は書いてないが、下手な対応をすると逆に不利になりうる。それでは、いまでも政権と距離を置きたがっている企業の眉をひそめさせることになるんじゃないのかな。だから「手の内明かさず」ってな遠回し表現になり、その先はまさかのIWC脱退に続いてICJ脱退なんてことも出てこないとも限らない・・・つまり最下段の記事のように、トランプ氏の後につづくなんてことになりかねないってことかな。トランプ流はめまぐるしいんで後追いしにくいけれど、この件についてはどうなったのかな。孤立に次ぐ孤立を重ねて、行き着く先は「日本一人負け」なんて事態が待っているかもしれない。まことにお寒いかぎりの近未来!
☆「徴用工訴訟、『対抗措置』でけん制=当面は2国間協議模索も−政府」JIJI.COM:1月7日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010700830&g=pol
☆「徴用工問題「直ちに手段取る」=さまざま準備−河野外相」JIJI.COM:1月8日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010800233&g=pol
☆「米、ICJに関する紛争解決の議定書から脱退 「反・国際司法制度」鮮明に」AFP18年10月4日
http://www.afpbb.com/articles/-/3192064
1面トップに「事前了解 原電が当初説明 『合意得るまで再稼働できぬ覚悟』 原電、『事前了解得る』否定 本社に回答」があるが、この国はトップが「ご飯論法」を平気で用いるようになったせいか、どこもかしこもややこしい言い回しで言い逃れする事例が増えてきた。原電副社長:「『拒否権』と新協定の中にはどこにもない」。アンケートで原電:「『6市長から事前了解を得るという内容は含まれるか』との質問に『いいえ』」。取材に対し:「『(新協定は)実質的に事前了解を得る仕組み』と説明」(「」内、本文引用)。「さらに原電に、事前了解権を認めたように読み取れる記載が公文書にあると質問すると、『非公開での会議のやりとりについてコメントは控えます』」(本文引用)とした。つまり、玉虫色にする文言を協定案で提示していた、ということかな。「事前了解権は含まないが、実質的に事前了解を得る仕組み」という微妙さ。なんとでも言いくるめ得るように工作していたと言われても仕方ないようなやり方だ。きびきびとメリハリのある、つまり誠意に満ちた協定ではない。これが日本的合意というやつか。「完全かつ最終的に解決」という言葉の都合のいい成り立ち方を思う。こういう物言いで翻弄された記憶は、ブログ主にも多々ある。
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2019年01月07日

いつか来た道、戻れない道こわい

本日は、いままで貯め込んだ報道記事の紹介アラカルト。まずは、波紋を呼ぶ経団連中西会長の弁。「中西氏は原発メーカーである日立製作所の会長も務めている。それだけに、脱原発とも取れる発言は驚きをもって受け止められた」「年明け早々、脱原発と再生可能エネルギーへのシフトを予感させるニュースの連続。今年は脱原発元年になりそうな勢いだ。何が何でも利権を手放さないとみられていた原子力ムラに何か異変が起きているのか」(本文引用)とあるが、記事後半の古賀茂明氏の論評が、感覚的にはぴったりとハマる気がする。
☆「経団連会長が“撤退”発言? それでも脱原発が進まない理由」日刊ゲンダイ1月6日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244900
以下の記事は大手銀の注目発言を紹介。りそなが「核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、公表」「核兵器・化学兵器・生物兵器や対人地雷・クラスター弾などの製造企業▽人身売買や児童労働、強制労働への関与が認められる企業▽環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのある開発プロジェクト―などへの融資を行わないと明記。融資先の社会・環境へ配慮した活動を支援する」(本文引用)。他の大手銀にも程度の差はあれ、若干の考慮が感じられる。なにが原因か、詳しく知りたいところ。
☆「りそな『核製造企業への融資禁止』 国内大手銀初の宣言
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190105-00000054-mai-bus_all
以下の記事は「ご飯論法」の詳しい検証で、これが個人の思いつきで喋り散らされているのではなく、周到に練り上げられたものであることを浮き彫りにする。端的に、官僚的ごまかし戦法を必死に駆使しているということだろう。国会を詐術で覆い尽くすとは、まったく末世というほかない。
☆「映像で確認する『ご飯論法』(初級編)。高プロが労働者のニーズに基づくという偽装を維持した詐術」HARBOR BUSINESS Online:1月4日
https://hbol.jp/182692
以下は党内版「ご飯論法」もどき。先の臨時国会でやたらに民間ヨイショを発揮しすぎてトンデモな法案・法改正案を強行成立させたわけだが、「地元で説明できない」「自分でもわけわからん」などの声が党内から出て、「政務調査室と広報本部が説明用の政策パンフレットを作成。所属議員に配布」(本文引用)した。「Q&A方式の想定問答」もあるそうで「『在留資格の創設は『事実上の移民解禁』では?』という問いへの模範解答はこうだ。『安倍総理は国会審議の中で、「いわゆる移民政策を取ることは考えていない」と明言しています』」(本文引用)。なんと恥ずかしい説明だろう。こんなのでちゃんと地元に納得してもらえるつもりかな。
☆「フザケた政策説明ズラリ 自民作成“言い訳マニュアル”入手」日刊ゲンダイ18年12月29日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244687
こんなことでは、以下のような出来事がこれからもなかなかなくならないだろうな、と思うばかり。外国人技能実習機構が調べただけでも年間21件あったという。つまりもっとたくさんあるということに他ならない。
☆「技能実習生への不正行為を申告 残業代払わず、給与明細改ざんも」共同通信18年12月27日
https://this.kiji.is/450957294636270689?c=39546741839462401&fbclid=IwAR1UiFQMUfXzpliNkM87OwqmrFfTP4pho28AbKwy_yAd8hAqmJPWiGmee4g
官邸が横暴を極めている。そして以下のようなことが起きる。いつか来た道、徹頭徹尾ナチスに学んじゃう世間。怖い〜!
☆「渋る防衛省、安倍首相が押し切る=日韓対立泥沼化も−映像公開」JIJI.COM:18年12月28日
https://web.smartnews.com/articles/fvmL2RBN3oN
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2019年01月06日

自分の自由を自分であきらめる自分の檻

3面「日曜に想う」の「『上からの弾圧』より怖いのは」がとても良かった。まず、長野県上田市にある「俳句弾圧不忘の碑」について触れ、俳人渡辺白泉の句を紹介する。最も有名な<戦争が廊下の奥に立ってゐた>は見たことがあるが、次の<夏の海水兵ひとり紛失す>は知らなかった。後の句に寄せて、「去年の秋以降は、国会の審議にこの一句を思い出すことが多かった」(本文引用)とし、先の臨時国会における審議のひとつ、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法の改正に触れる。「国会審議の過程で、凍死、溺死、自殺などで3年間に69人もの実習生が死亡していたことがわかった」「そのことへの見解を問われた首相は『私は答えようがない』と突き放した。白泉の詠んだ『水兵ひとり紛失す』の非情さが重なるのは、このあたりの政官の姿勢だ」(本文引用)
碑の隣に「檻の俳句館」という建物があるという。「事件で検挙された白泉ら俳人の似顔絵や作品を壁に展示し、一人ずつ鉄格子を取り付けて表現や言論への弾圧を『忘れまい』と訴える」(本文引用)。<ナチの書のみ堆し独逸語かなしむ>は当時の書店の日常的光景を詠んだものらしい。記者はそこから、現今のヘイト本を想起する。さらに「檻の俳句館」館主のフランス出身の俳人マブソン青眼氏の言葉を紹介し、自身の言葉をそれにつなげる。「上からの弾圧だけではない。下からの弾圧がこわい。周りの目が気になって、怖くなって、自分の自由を自分であきらめる。自分で自分の檻を作っている」「職場や地域など日常の中での『空気』の圧力は誰にも経験のあることだろう。政治色を嗅ぎとられる意見や表現は、近年とみに息苦しさが増している。メディアもまた自己規制という『檻』を内部に抱えている」「句が過去のものではなく、今という時代と深く切り結んでいることに気づかされる」(本文引用)
今の政治状況が愚劣な姿をどれほど明らかにしようとも、強烈なリーダーがやってくれるのなら、それでいいのかどうか。強烈ではあるが無知無能で詭弁だけで生き抜こうとする恥知らずだったとしても、それでいいのかどうか。出入国管理法改正で外国人労働者がたくさんやってきて、極端な低賃金と過酷な労働を強いられて人間としての存在を危ぶまれても、我が身が安全ならそれでいいのか。本当に我が身は安全であり続けるのかどうか、それは疑わしい。指導者然とした表の振る舞いの陰に傀儡子がうごめいている。裏で糸を引く傀儡師に操られ、表の指導者がぼろぼろに使い捨てられてそのあと、傀儡師たちが本身を晒す時がくる。そのとき操り人形としていいように操られてきたおバカな政治家たちは一掃され、いざ不測の事態があったとき第1級の悪政実行責任者として世間に晒すためにのみ奉られる一方、影の傀儡師だったものたちの本音の強圧がわが身に襲いかかることがあっても、いま我が身が安全ならそれでいいのかどうか。第1級の悪政実行責任者として奉られる予定のあの人はいま、あらん限りの美辞麗句を並べて、ついに人間として言うべきでない暴言悪言地獄に落ちてなお、権力の座にしがみついている。そしておそらく、あまりの自分のデタラメさに自分自身が恐れおののいているのではないか。いま彼が目指しているのは、実態として地に落ちた己が姿を虚像であれなんであれ、歴史に燦然と輝く英雄として刻みこむことではないか。それはすでにほぼ望み薄なわけだが、彼はそのように自分の未来を空想しない限り、現状では自壊の道を進むしかないところまで、自分で自分を追い込んでいる。それでなければ、これほど言いっ放しの悪言を弄して恥じない神経でいられるはずがない。本気で恥じていないとしたら、彼は倒錯しているとしか言いようがない。小泉元首相が脱原発で全国行脚している。それが小泉氏の贖罪の旅だとしても、いまのあの人には、同じ道を辿れる可能性はない。すでに自分自身で積み重ねた暴政の激しさゆえに、末路には虐げられた庶民の怨嗟の声が待ち受けている。そして庶民は、いまから怨嗟の声をあげる準備をするくらいしかないのかどうか。じっくり考える余地はあまり残されていない。
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2019年01月05日

今年は大波乱の予感が・・・

1面に「東証 年初2万円割れ アップル・ショック一時700円超下落」3面「株安 不安の船出 リスク回避 円高進む」4面「株安・円高 経営トップは『世界正念場』『現在が底』」8面「みんかぶの目 投資透視 教授の見方 兜町半世紀 野村が読む 『亥固まる』? 米金融政策 年前半のFRB判断が焦点」8面「来週の市場は 景気懸念で神経質な取引」。年末の28日、日銀は715億円を投入してなんとか2万円台を確保したが、シロウト目でも必死に買い支えているのが見て取れる展開だった。しかもそれが精一杯。年初は19000円台に下落した。これがさらに18000円台になると市場はものすごい緊張に包まれる。なぜなら18000円を切ったら日銀は債務超過に陥ると言われているからだ。まさかの日銀破産?
「来週の東京株式市場は、世界経済の景況感をにらむ神経質な取引となりそうだ。景気減速懸念がさらに強まれば、日経平均は1万9000円台を割り込む展開も予想される」(8面「来週の市場は」引用)。今年は荒れそうだね。4面「仕事始めを迎えた企業トップからは、世界経済にブレーキがかかる前兆と懸念する声と、短期的な値動きと楽観する声が」(本文引用)とある声を拾い集めると、悲観型:「米中貿易戦争にせよ、日本外交にせよ、英国の欧州連合離脱にせよ、不安定要素・不確定要素が大きく、(市場が)大きく波打つ。景気では、世界経済の正念場と思っている」「世界経済は混乱し、踊り場にきている。春以降、企業業績にマイナス影響が出てくるかもしれない」「生産を輸出型から地産地消型に変えていかないといけない。怠れば会社がこの先どうなるか分からない」。楽観型:「過剰反応ではないか」「『PBR(株価純資産倍率)が歴史的に低い水準で、現在が底値とみていい』。米中摩擦など不確定要因の見通しが立つ年末にかけて株価は上昇すると見込む」(本文引用)。この観測の違いをよく見ると、悲観型は製造業、楽観型は金融界からの見方。そして後者の場合は、すぐ回復するのではなく、今年1年という間隔の楽観にすぎないようだ。
株価下落の原因を語る場面になると別の見方が浮かび上がる。1面は「米中貿易摩擦の影響がアップルの中国での販売悪化で表面化、不安が広がった。東京外国為替市場では安定的な資産の円が買われて円高ドル安に」(本文引用)とあるように、米中貿易摩擦に触れるものの、「アップル・ショック」を前面に押し出している。だが3面を見ると、少し視点が変化する。「4日の日経平均は(中略)ほぼ全面安の展開となり、一時、770円超まで下げ幅を拡大」「前日の米ニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が660ドル下落した流れを引き継いだ」「背景にはこれまで『懸念』として意識されてきた世界経済の減速が、具体的な数字で示されたことがある」「米アップル(中略)は業績修正の理由の大半が中国経済の減速だと説明(中略)『米国の貿易摩擦が減速に拍車をかけた』と明言」「三井住友信託銀行(中略)『アップルのような例が立て続けに出てくれば、再びリスク回避で円高になる』」「みずほ証券(中略)『米中貿易摩擦だけでなく日米や米・欧州連合(EU)の通商問題、英国のEU離脱などが目白押しだ』と、景気に不透明な要素が控えていることを指摘。国内でも消費増税などがあり、先行きを注視する必要がある」(本文引用)これに8面からFRBの判断の記述を加えると、各視点が全然触れていないものへの懸念がさらに深まる。「現在、米国の失業率は半世紀ぶりの低水準にあり、個人消費も順調」「その一方」「経済指標の中には、先行きの景気減速を示すものが増え始め」「年後半には減税効果が一巡し、米国経済の減速傾向が鮮明となり、利上げどころではなくなりそう」(本文引用)。そしてアベノミクスが激辛の未来を引き寄せる。2%物価目標が霧散し、日銀の700兆円国債引き受けと1000兆円超の国の債務。本来ここで大胆な金融緩和と財政出動あればこそだが、この国には次の一手がない。いまや繁栄の幻想が壊れ地獄へ逆落とし。麻薬が人を夢幻に漂わせつつ心身をボロボロにしていくように、大敗戦国一丁上がり寸前!
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2019年01月04日

我らは数百年の歴史を背負う雑兵の群れ

手元に「雑兵物語」という本があるはずだが見当たらない。仕方なく記憶で書く。なぜそれが必要かというと、本日我が家購読紙1面「折々のことば」が戦争と食糧の関係を書いていたからだ。まず「折々」引用。「戦争の影響で食糧がなくなるのではない。食糧がなくなることが戦争なのだ 斎藤美奈子 終戦の前後の食糧事情は凄まじかった。生き残るには、普段なら絶対口にしないものを食べるほかなかった。国民挙げての総力戦を一言で言えば『寝不足で重労働で飯がない』。戦闘は戦争のほんの一部、戦争の大部分は『物資の調達、運搬、分配』という『お役所仕事』にあった。そこを日本政府と旧日本軍は『甘く見ていた』と文芸評論家は言う。『戦下のレシピ』(文庫版)から」(本文引用)とあり、ここから「雑兵物語」にブログ主の発想はつながったのである。
兵站に関する日本軍のこのような考え方は、当時の軍隊の常識からは大きく外れていた。少なくとも、最初から特攻隊じみた戦争概念しかない軍隊なんてものはなかった。まるでなかったとは言えないだろうが、近代国家の軍隊では無かっただろう。敗走に次ぐ敗走の最中ならいざ知らず、戦地へ着く前から物資は現地調達が基本だなんて、近代化された軍隊では考えられなかったはず。それがなぜ日本軍では当たり前だったのか。「雑兵物語」を記憶で探りながら書くと、食糧について興味深い記述を見つける。里芋の茎だったと思うが、これを味噌でグツグツ煮詰め、出来上がったものを長い縄のように撚り合わせ、腰に巻いて出陣する、とある。もちろん武具を背負い、コメや鍋なども持参して、その上でさらにそうする。食糧が底をついてきたときに里芋の茎の味噌煮を鍋でグツグツ煮なおして非常食料にするのだ。縄状にするのは、攻城戦などのとき、本当に縄として使うことがあったからだという。
さらに連想して、徐州作戦(だったか)で似たような状況を見る。各兵が食糧込みでおよそ50キロの装備を担いで作戦に出発する。銃弾も一人当たりの数量が決まっていて、それで歩け歩けの大行進を続け、戦闘に次ぐ戦闘で弾がなくなると、戦死者とか奪い合いとかしながら戦い続ける。食料は「雑兵物語」以下、日本軍のどの戦争でも同じで、現地調達が基本だった。つまりまあ敵から奪うか、目についた農家からかっぱらうか、紙切れ同然の軍票で支払うか。そんなわけで、日本軍はまさに「寝不足で重労働で飯がない」おまけに兵隊は「命がない」というテイタラク。こんな軍隊の姿は、近代日本よりはるか以前の戦国時代にすでに原型があり、これを性懲りもなく連綿と続け、最後の大敗北に至ったのだ、と思わざるを得ない。
そこでさらに考える。なんで日本軍は何百年もの長い間、おなじような戦いを続けてきたのか、と。このごろ「明治とはなんだったのか」と考えることが多く、個人的結論としては「明治維新は支配階級たる武士階層の下克上、またはクーデターであり、被支配階級である庶民の近代的変革は庶民の内部からの立ち上がりが本格化する前に徹底的弾圧で押さえ込まれた」というもの。被支配階級たる庶民を支配する旧武士階層のなかのほんの一握りと機に乗じて成り上がった商人が、それ以外を支配する、徹底的に日本的な近代国家が出来上がったのではないか。それゆえ、庶民階層は装いこそ近代化されたものの、被支配層としては使い捨ての運命が連綿として続けられることになったのではないか。
明治5年からほぼ同時に始まった学制と徴兵令は、その後の国内戦平定と自由民権・困民党蜂起の弾圧などを経て明治憲法発布のあと国民の不満を外敵に向けさせ、日清・日露の戦争に煽り立て、いよいよ征韓論を実行に移して韓国併合に至る。その後は一気呵成。戦国時代から続く雑兵の群れは、国外に敵を求めて彼我の屍を累々と積み重ねていく。この流れは「戦前」などより、はるかにぴったりといまの政治の流れに符合する。まるで鉛筆でなぞるような一致の仕方に愕然とする。我らはいまも数百年の歴史を背負う雑兵の群れではないのか。政府はいま、このような「明治の成功」を再現させようと踏ん張っているのではないか。
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2019年01月03日

「暗い日曜日」のメロディーが聞こえる

4面「海外株 下落スタート 円高、一時108円後半」の記事。2日の海外市場の様子が書かれている。「2日の海外株式市場は、世界景気の減速懸念から下落して始まった。外国為替相場ではリスクを回避する動きが出て、安全資産とされる円が買われた」「1ドル=108円台後半」「約7ヶ月ぶりの円高ドル安」「1ユーロ=124円」「約1年半ぶりの円高ユーロ安水準」(本文引用)とある。そこで昨年初めはどうだったか見ると、1月27日当ブログ「バブル株価、コント国会、世界は笑う」に興味深い記事がある。「日経平均株価はすでにバブル状態で、2018年末には1万9500円に下落!? 弱気派のアナリストが解説する『世界の株価上昇がまもなく終わる』根拠とは?」ダイヤモンド・ザイ1月24日のもので、ブログ記載のURLではいまは読むことができないので、以下にダイヤモンド誌のURLを改めて紹介しておく。再読してみると、見事に言い当てていたんだなあ、と思う。ブログ主は「こういう観測が出てきていることに注目しておきたい。ただちにこうならないよう、危機を先送りする手立てなどいろいろありうるが、それも姑息な先送りに過ぎないことを記憶しておくべき!」と書いている。だが、当時の感覚としては「半信半疑」だったと言うしかない。なにしろ去年初めと一昨年ラストは株価が上昇基調にあったのだから。
「2017年の株式市場は非常に好調でしたが、すでにバブルが始まっていると見ています。すでにそれを示す現象やデータが表れています。まず気懸かりなのが、世界中の株式市場における『変動率の低さ』。株価が上昇したり下落したりといった動きがなく、淡々と上昇し続けたのが2017年の特徴」(本文引用)とあり、数字を挙げた予測では現実とズレがあるものの、なかなか慧眼だったんじゃないの、と思った次第。それで本日4面の記事に戻ると、海外市場の下落スタートは今後どう出るか、これは見ものだね、ということになる。もう少し遡って調べようと思ったけどめんどくさいのでやめた。たしか新年に入って株価が1月いっぱいひどく低調だった時がなかったかな。今度そんなことになったら、日銀はどうするんだろう。もう動かせるカネが底をついてきている。アベノミ大慌てで消費増税再び延期、なんてことになるんじゃないのかね。「国内の景気はいいんだけれど、海外が足を引っ張るので、やむなく」などと、ヘンテコな理由をくっつけてもまだ信じる人がいるのだろうか。
☆「日経平均株価はすでにバブル状態で、2018年末には1万9500円に下落!? 弱気派のアナリストが解説する『世界の株価上昇がまもなく終わる』根拠とは?」ダイヤモンド・ザイ2018年1月24日
https://diamond.jp/articles/-/156751
以下の記事は昨年までの勢いとは様変わりした世相を予感させる。上記ダイヤモンドの記事が予告し、1年後にこの記事が後押しをしている、と言おうか。「平成元年(昭和64年)、日経平均は3万8915円の史上最高値をつけ、世はまさにバブルの絶頂期にあった」「その後に大手銀行や大手証券会社が次々に倒産し、阿鼻(あび)叫喚の金融崩壊がやってくることなど全く想像もしなかった」「バブル崩壊そのものが問題だったというより、バブルの敗戦処理を誤ったことが長期にわたる日本経済低迷の元凶だった」「平成の日本は『バブルの敗戦処理』に失敗」「平成の『敗戦』で染み付いてしまった敗北主義を今こそ捨て去る時である」(本文引用)詳しくは本文を読んでいただくとして、この指摘の根拠が明らかになり、経済崩壊の本格的足音が聞こえてきたら、もう後戻りが効かなくなっている。そしてこれまでの時代の経験が示すように、全てのツケは国家でも大企業でもなく、庶民が背負わなければならなくなっている。残念だけれど、そういうことなのだと知るばかり。
☆「『平成バブル崩壊』振り返れば日本の一人負けだった」iRONNA毎日テーマを議論する 財部誠一:1月1日
https://ironna.jp/article/11589
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2019年01月02日

失敗山積みでも突き進む猪のオロカサヨ!

以下記事によると、経団連会長が定例記者会見で英原発建設に言及「民間の投資対象としてはもう限界だと英国政府に伝えた」「現行の枠組み変更などについて交渉がまとまらなければ撤退を検討する考えを明らかにした」(本文引用)とある。過去の経緯も書かれており、政界きっての原発推進論者である安倍氏が自民党党首に返り咲いて以後、中西氏は原発案件にのめり込んでいき、「著名財界人が名を連ねる安倍の後援会『四季の会』や『さくら会』のメンバーとして知られている」(本文引用)。それゆえ、当ブログでは彼が経団連会長に就任した時、いよいよアベノミ担ぎが強まるかと18年1月3日「経済界も足元グラグラでアベノミヨイショ?」で「経済界はいまや尋常じゃない状況に喘いでいるような気がしてならない。アベノミが危険なやり方であることはたしかだが、これにくっついていけば少しの時間は稼げる。稼いだ時間を使って延命策に精を出せば、なんとかなるかもしれない。なんていう浅い思惑が、経済界トップをして元旦のアベノミヨイショを言わせているのかな」と書いた。
☆「暴走の果てに白旗『日立』英原発『3兆円』中西会長の責任」JIJI.COM:18.12.18
https://www.jiji.com/sp/v4?id=foresight_00248_201812270001
流れは今年1月1日の以下の記事に向かって進み、「経団連の中西宏明会長は年頭にあたり会見し、今後の原発政策について、国民の反対が強いのに民間企業がつくることはできないとして、理解を進めるために一般公開の議論をすべきだという考えを示し」「『お客様が利益を上げられてない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは、この民主国家ではない』 中西会長は沸騰水型の原発をつくる日立製作所の会長で、震災後8年経っても再稼働していません。こうしたことから、原発を存続させるためには国民的議論が必要だという考えを示したといえます」(本文引用)。1年前と現在の落差が酷い。捕鯨でIWCから脱退などと息巻いてみたり、日韓関係をまさかの再起不能にまで追い込むようなデタラメ対応、アメリカからは無用の長物の武器大量購入、北方領土交渉で迷走、COP24では限りなく存在感ゼロ、もはや世界の趨勢ではなくなった原発ルネッサンスを懐かしむようにCO2削減のための小型原子炉を言いだす始末、官製春闘を演出する賃上げ要請では経済界から「手を引く構え」で機先を制され、高速炉は具体案なしの今世紀後半目標を掲げ、FTAをTAGとごまかす姑息戦術も効き目なし。先の臨時国会で経済界寄りの諸施策をデタラメな根拠を恥じもせず次々に強行。この裏に、彼らの危機的状況があったのかと、ようやく気づく。
☆「『原発 国民反対ではつくれない』経団連会長」テレ朝news1月1日
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000144312.html
極め付けは昨年末の株価大暴落。以下記事では、「一時は好調だった米国経済にかげりがでてきた。中国も欧州もどうなるか分からない」「今後、良くなることはないでしょう。米国の株式市場はまだ健全です。売り手と買い手の需給のバランスで成り立っているからです」「困ったことに、日本の株式市場は公的資金が買い支えています。これが崩れたらどうなりますか? 日本が最も大きな打撃を受けることになりますよ。自律回復? 無理無理!」「安倍政権の経済政策はとっくの昔に失敗しています」(本文引用)。他の数々の政策がすべてダメなのに、経済政策だけ好調なんてありえない。日銀は骨がらみ肉がらみで政権から距離を置けなくなっている。それでも漏れ聞こえてくる黒田ぼやき節。データを勝手に書き換えても現実はそのように動かないことをだれも気づかない哀れ。そんなのに引きずり回される愚を犯さない用心が、今こそ必要に・・・いや、もう遅いか?!
「これから大きなツケ払わされる…東証急落2万円割れ」日刊スポーツ:18/12/26
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201812260000123.html
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2019年01月01日

封建遺制にまみれた過去の遺物と成り下がる

11面に「TOKYO再び(1)原点」の記事。万博を語るヤマザキマリ「格好良かったのはオランダで、パビリオンを造らず、みんながゆっくりくつろげる野原と屋台だけ。他の国がお金をかけて立派な施設を作っている中で、逆にとても進んだ国というイメージを受けました」。東京五輪を語る養老孟司「今度の五輪も、本当はこんな立派な競技場を作らないで、テントでいいじゃんと僕は思います」。ヤマザキ「何もない野原を走る選手を見れば私たちは十分感動するはずです」「大自然の中にシンプルな競技場を造れば」「1千億円以上も投じて立派なものを立派なものを造るよりも逆に『成熟した国』という印象を与えたかもしれない」(本文引用)
あとで使いようがなく無理な運用で赤字を膨らませ、廃墟となって恥を晒すより、緑豊かな草原や森林を造り、「緑豊かな都市東京」とか「自由散策の街大阪」とかを愛でて楽しむ空間として残す。そんな長持ちできる構想があっても良かったんじゃないか。人口減少でも豊かさを感じられる公共空間を構想する方が、よほど「未来」に向けた「持続可能な社会」として意味があったのにと、記事を読んでいて思った。競技場なんかはオリンピックの後、トラックで自由に飛び回ることもできないが、草原や森林では「ここで世界中の選手たちが競い合ったのだ」と、あとで記憶を辿りながら、一般の人たちが自由に走り、競技を楽しむことができるかもしれない。そのように最初から構想して施設を造ればいいのではないか。なんてことを思った。そんな比較をしてみると、いま準備が進む東京五輪も大阪万博も、なんとまあ馬鹿馬鹿しいことよ。ただの建設利権が喜ぶだけのカネまみれイベントにしか見えない。
7面には「過激思想 アニメで対抗 ブルカで変身 戦う女性教師に託す歌手」という記事。「学校がテロの標的にされてきたパキスタンで、子供たちを夢中にさせ、教師を奮い立たせたアニメのヒロイン」「黒い伝統衣装の『ブルカ』で変身し、知恵をもたらす本を盾にして攻撃を防ぎ、ペンを武器に敵を打ち負かす」「『ブルカ・アベンジャー』(ブルカ戦士、全52話)。パキスタン初のテレビアニメで、田舎町に住む女性教師ジヤ(『信念』の意)が主人公だ」「学校を狙ったテロにあえぐアフガニスタンやイスラム教徒が多いインドネシア、インドでも好評で」「女性教師グル・カンダナさん」「『ブルカ・アベンジャーは子供を守るために、命がけで戦う教師に光を当ててくれた。ジヤは私たちの分身のようだ』と語る」「女子校の閉鎖を求める武装集団の男ら約15人に校舎が襲われ」「カンダナさんは」「『教室を焼く前に私を焼いてみろ』と叫んで抵抗した」(本文引用)とあり、アニメ制作者は、人々の怒りが政治に向いていないと指摘、「『おかしいと思ったら目を伏せず、タブーでも話題にする。良い社会を作る力の源は、声を上げることを恐れない勇気だ』と訴える」(本文引用)
ここで、このアニメが圧倒的多数の子供たちに支持され、アフガニスタンでは都市部に住む8割超の児童が視聴したという事実に気づく。アニメ制作者の目標はまだ遠いけれど、間違いなく次世代の意識に強く響いている。次の世代に継承され、記憶に残り続ければ、それはいつか現実になる。必要なのは継承する努力なのだと思い知らされる。翻って3面「原発比率20〜22%は困難 2030年度の政府目標 廃炉相次ぎ」中見出し「稼働率引き上げ狙う動き」を見て思う。我らは次世代に何を継承できているか、と。大甘でこれじゃあどうもならんでしょ、と総批判を食らった新規制基準だが、歯止めなしの原発推進に対するそれなりの抑止にはなっている。だが、さらにもう一歩進んで厳しい基準を求めるか、それでなくとも現行基準を厳密に守らせる努力を怠りなくやっているか。政府は「稼働率引き上げ」で「運転サイクル延長」を図ろうとしているが、これはかえって点検ミスによる事故を誘発する可能性大。それなのにいまや原発事故は過去の話となり、危機感から遠くなっているこの国の状況。記憶は継承されるか。またいつかゼロから始めるのか。そのとき、世界はすでに新しい波に包まれており、この国は封建遺制にまみれた過去の遺物と成り下がっていないか。
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2018年12月31日

ILCについての最近の動きなど

今年を終えるにあたって書き残していることをひとつ記しておきたい。それは朝日新聞のWEBRONZAに載ったILCについての記事だ。ILCについて当ブログが触れたのは2013年7月14日の「『核の錬金術』(誰も言わない恐ろしい話ー1)」が最初のこと。「ジュネーブのCERNでLHCという特大の粒子加速装置を建設し、名目上は宇宙のビッグバン直後の状態を解明するなどといいながら、物質の消滅実験をやろうとしている。そこから、原子力マフィアたちが実利の薄い原子力にしがみつく理由がほの見えてくる。彼らはこの研究で核廃棄物処理のフン詰まりを打開しようとしている」のではないかと書いた。核廃棄物は全世界で25万トンもあり、これの処理処分はいつかは世界的な問題として無視できなくなる。その時の準備を進めているのではないか、とも。ちなみに「もんじゅ」では「オメガ計画」として小規模加速装置で計画されていた。その後も幾度かにわたって触れてきたが、話を少し端折ると、佐賀県の背振山地と岩手県北上山系での計画が候補になっていたILCは、学術会議の見解として北上山系が有力候補に上がり、その後、この話はほぼ前に進まなくなったと記憶する。いや、少なくとも一般の目に触れることはほぼ無くなっていた。その当時、ブログ主としては、九州・山口の財界連合がスネたんじゃないか、などと書いたものだったが、今回このブログで取り上げることにした記事にると、学術会議はさらに突っ込んだ意見書をまとめ、「日本誘致を支持するには至らない」(本文引用)とした。
記事の前半部分で純粋科学研究の問題として捉える筆者の論調はそれとして、後半はどうなるのかについてはWEBRONZA購読者でないブログ主にはわからない。だが「日本政府が話し合いを始めなければILCは立ち消え」の項で「このまま日本政府が費用分担の話し合いに入らなければ、ILCは建設されない。つまり、線形の大型加速器の建設は立ち消えだ。将来、中国がセルン(欧州合同原子核研究機関)のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)を上回る大きさの円形加速器をつくる可能性はある。そうなれば、中国にセルンのような国際研究センターができることになる」(本文引用)とある中身について、いろいろ考えを巡らせてしまう。ひとつは、日本に造らなくてもいいじゃないか、ということ。いま日本が腰を上げないのは、九州・山口財界連合が自分のところに決まらなかったのでゴネているだけなんじゃないか、ということ。ふたつ目は、平和構築もさることながら、究極の目的がなにやら怪しからん、ということを感じて仕方ないのである。多くの科学者たちは純粋な気持ちで高エネルギー物理学研究のために集まってくるのだろうが、そこに拭っても拭いきれない汚物のような形で、次々々世代原子エネルギー開発の意図がつきまとうのがどうしても否定できない。それは中国が進めようがどこが進めようが、拭いきれない疑惑なのだ。「日本政府が話し合いを始めなければILCは立ち消え」というのなら、それでいいじゃないか。この施設による研究が戦争の武器を作り出すのに使われないような絶対的保証がなされない限り、いまは全世界挙げて手を引くべきだろう。また施設の事故によって世界が危機的状況にならないような保証もされる必要がある。対消滅などの研究はまさに、現在の核兵器などがオモチャに見えるような、凄まじい破壊力を持つものになるということを、肝に命じて起きたい。一円玉1個分の物質と、同じ分量の反物質があれば、広島型原爆の数個分のエネルギーを、瞬時に発生させることができるのだから、これを気にしないわけにはいかない。ダン・ブラウンの小説「天使と悪魔」に出てくる反物質爆弾の威力などちっちゃなものだということに気づきたい。
☆「高エネルギー物理学は終わるのか 日本学術会議が『ILCの日本誘致を支持するには至らない』の意見書提出」WEBRONZA12月24日
https://webronza.asahi.com/science/articles/2018122100006.html/?ref=fb
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2018年12月30日

祝えるほどの新年は来るか

6面の「社説」は「安倍政権2018年 政治責任とらぬ悪例残す」はいつもの2倍のスペースで政権の批判を展開する。「ことしは日本政治史に大きな汚点を残した。財務省による組織的な公文書の改ざんと廃棄である。国会と国民を欺き、歴史を冒涜する。民主主義の根幹をズタズタにする大事件だった。それなのに、安倍首相は麻生太郎財務相を続投させた。麻生氏もみずから身を引くことはなかった。未曾有の不祥事でも、政治責任を取らない。悪しき前例をつくってしまった」「年の瀬に改めて問う。政治責任を顧みず、『多数に従え』という政治を、来年も続けますか」(本文引用)。例示されているのはこの1年分だけだが、これだけかい。他にもいっぱいあったじゃないか。自衛隊の日報問題があった。モリカケは昨年からくすぶりだしてたんじゃなかったか。官僚や閣僚の不祥事はもはや全部を正確に思い出せないくらいたくさんあった。実態としてはボロボロなのに、なんでこれほど支持率が維持されるのか。よくわからん。少なくとも、庶民にとって、政治不信と政治変革への向き合い方とは別物なんだということは確かなようだ。
昨日の我が家購読紙も書いていたが、東証取引最終日の一昨日、日銀は2万円の大台を保つために必死だった。以下の記事には「日経平均が二二〇〇円近く下がった十月は、月間買い入れ額が過去最大の八千七百億円となった。今月も七千九百六十一億円と過去四番目だった」(本文引用)と書かれている。たしかに、最終日の株価の推移は、2万円を切るか否かで上がったり下がったり、ちょこまかとした動きが目立って、こりゃ間違いなく日銀が買い支えに走っているなと、ブログ主のような素人にもわかる動きをしていた。「中央銀行による株買いは、主要国はどこも採用していない異例の策。いまや日銀のETFの保有残高は二十三兆円を超え、時価では日本市場の約4%に上る。日銀が実質的大株主となる企業も増えることで、企業価値が株価へ適切に反映されず、市場にゆがみを生じさせる懸念がある。ETFは、売却しない限り日銀が持ち続ける。将来、株価が急落した場合、日銀は含み損で債務超過のリスクを抱える」「野村総研の木内登英氏は『簿価(取得額)から三割余り株価が下がれば、日銀の自己資本はほぼ無くなる。常に爆弾を抱えているようなもの。買い入れを減らす方向に正常化すべきだ』と指摘する」(本文引用)。来年はものすごく危ない時期に来ていると言わねばならない。「戦後最長の景気にネーミングがない」などと、自己陶酔でぼやいている場合ではないのである。
☆「ETF6・5兆円過去最高 日銀の株式買い、歯止めなく」東京新聞12月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018122990070321.html?fbclid=IwAR29XIPuzwwu-rBpX3oADxOSKM8VP5ecvLDwZv1-h96lAYYF_UboRp-8R60
「社説」関連で22面に「政治家の性差別発言ワーストは ネット上で投票募る」の記事がある。「政治家による性差別の発言が相次いだ2018年」「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会』が、ジェンダーの観点から見過ごせない問題発言についてネット上で投票を募り、ワースト発言を決めるキャンペーンを29日から始めた。投票は来年1月6日まで、9日に結果を発表する」麻生太郎:「(加害者側の)人権はなしってわけですか」、杉田水脈:「LGBTカップルについての『生産性がない』」、加藤寛治:「必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」(本文引用)。ノミネートされたのは12発言という。「政治責任を取らない悪しき前例」を連発してまったくく恥じない政権のことだから、さらに山のように積み上がりつつ、来年は厚顔破廉恥に改憲街道をまっしぐらに進むつもりじゃあるまいか。それをまた「ほかにいいのがいないから」と続けさせるか、いまは正念場にあるということをキモに銘じて、新年を向かえたい。
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2018年12月29日

地獄の釜の蓋が開いたら「率先忖度」組は?

1面「折々のことば」に厳しく世相を論評することばが増えた。このごろネット以外の言論空間でも言葉が荒れており、なにやらこの国の「やばさ」を憂慮するが、時どき「折々のことば」に救われる。「『全自動忖度機』 私家版・今年の新語大賞 この語、著述家の菅野完さんが使っていて(『月刊日本』2017年5月号など)、それが拡散したと聞くが、今年はさらにそう感じる場面が増した。あからさまな指示がなくとも上の『意向』を察して一様に、無反省に動く。忖度は本来、他人に思いをはせ心中を推し量るという正の想像力を意味するが、それが組織人の悲しいまでにいじましい負の習性を意味するものにずれた」(本文引用)これが今日の文章で、意味は説明の余地もないほど明確だ。我が家購読紙にも「負の習性」に塗れた「忖度」記事が見られるようになった今日この頃、その行間から、記者の本音を読み取る作業がほとんど日常化しつつある。もしかしたらやってくるかもしれない時代に向けて、報道が自らの判断力を磨く訓練の場といえるような状況になっているとも言える。
3面「韓国艦、呼びかけ応答せず レーダー照射問題 防衛省、映像公開」中見出し「日韓の主張、なお隔たり」を読み、事実関係に挟まれる「客観的」論評の流れが、なにやら煽る方向にないか、と気になる。「客観的」の比重が「客観」でないずれを生じているのではないか。そんな気にさせられる程度に、微妙に揺れている。「全自動忖度機」がゴンゴンと音を立てて動いているような感覚にさせられる。報道が好む「両論併記」からさえ遠くなっているからか。この記事には、それとなく「煽る」空気が抜けていない。以下に興味深い記事がある。あの田母神俊雄氏が「危険じゃない」「大騒ぎしなくてよい」と発言して、ネット上で炎上攻撃にさらされているという。それも日頃のお仲間からの猛反発というから興味深い。「いよいよ戦争だ、やれやれ!」と叫ぶものがいる一方、どういった形であれ、「まあ落ち着かんかい」と正当な主張をするものは絶対に必要なはず。外交という手段を用いずに「忖度」「煽り」の片棒をかつぐなかれ。安直に流れに乗って熱狂するなかれ。報道の責任は特に強いはず。
☆「韓国軍レーダー照射に田母神俊雄・元航空幕僚長が『危険じゃない』『大騒ぎしなくてよい』と発言しネトウヨがヒステリー」リテラ12月26日
https://lite-ra.com/2018/12/post-4452.html?fbclid=IwAR1GT74yfLfLwavWGMIaZgbJ9h85r-CiQknTNPQAt2LQut9CQfhW--kFmkQ
6面「東証7年ぶり前年末割れ 『アベノミクス相場』で初」の記事。「日経平均株価の年末の終値は2011年以来、7年ぶりに前年末を下回った。年間下落は12年末からの『アベノミクス相場』で初めて。今年の日経平均は10月初めにバブル崩壊後の最高値圏まで上昇したが、米中貿易摩擦や世界経済減速への懸念が一気に強まり、不安を抱えたまま年を越すことに」(本文引用)とあり、米中貿易問題が落ち着けば株価は安定する、企業業績次第で2万6千円もある、といった強気の発言があるものの、これはすべてが「米中貿易摩擦や世界経済減速への懸念」に起因し、国内的には万事底堅いはず、との妄想に取り憑かれている見方によるところが大ではないか。中見出し「日銀ETF購入過去最高6・5兆円」には「下落基調の株式相場を日本銀行が下支えし」「年6兆円のペースでETFを買い増し」「日経平均は数千円も底上げされているとされ、株価を歪めていると指摘される」(本文引用)。肝心の来年については、以下のような観測がある。
☆「緩和相場が終幕 世界の市場、19年はさらに混迷か リスク資産軒並み下落」日本経済新聞12月29日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39563860Y8A221C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
首相は「戦後最長の景気にネーミングがないと」不満顔らしい。周囲がそれに「忖度」しているあいだに、いよいよ地獄の釜がフタを開けるかもしれない。そのとき本人はもちろん、「率先忖度」組はどういう顔で事態を迎えるのだろう。
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2018年12月28日

「行動なき良心」がすべてを無残に染める

戦後最長の景気にネーミングがないと苦虫を噛み潰す首相の姿が、TVニュースにあったという。残念ながら観ていないが、「実感がない景気ってやつが鮮明になっているのか」と斜め見的観測をする今日この頃。かっこいいネーミングをして、本人以外だれが喜ぶのやら。日銀はインフレ率2%未達成で「異次元緩和」を続けにゃならぬと頑張ってる。近所のスーパーへ買いに出かけると、実感するんだなあ。小売物価はじわじわ上昇中じゃないのって。「これ、以前はこんな値段だったかな」と買い物の意欲が失せたりして。消費増税の影響を軽減するためにポイント還元なんてやる。9ヶ月しか使わないシステム構築のために830億円も使う。もし、いつもの手口で「国際環境が悪化したので増税やめます」となったら、そのシステムはどうなるのかな。次にまた「消費増税します」となったときのために保存しておくのかな。
12面「社説余滴」は「辺野古埋める『行動なき良心』」の記事。「行動なき良心」ってなんだろう、と興味をそそられて読む。「隣国や民族をのみ込む業を思う。日本の敗戦により、35年の支配から解かれた朝鮮半島。ヤマト(本土)から侵略を受け、『処分』され、約500年の王国を閉じた琉球」「この1年、韓国の記者から多く尋ねられたのはしかし、歴史認識の違いではない。日本人はなぜ怒るらぬのか、という素朴な問いだった」「道理にかなわぬ現職大統領を追いやった自負からか。若い記者の『まるで政治的に去勢されたかのような日本人』とのつぶやきが耳に残る」「初めはピンとこなかったが差別意識をむき出しにする政府を見て、その言葉の意味や重みが増してきた」「『社会変革は「行動する良心」にしかできない』と説いたのは、民主化運動の先頭に立ち、幾度も死線をくぐりぬけた韓国の金大中・元大統領」「『行動なき良心は悪の側にいる』とも語った」「辺野古の海の褐色は無残に広がる。日本政府によって、私たち『行動なき良心』が投じる一握りの土砂によって」(本文引用)
これは注目すべき記事だ。ジャーナリストの良心が書かせた文章だ。最近へにゃへにゃヘタレの我が家購読紙にも、まだ反骨の心意気が残っているってことか。嫌うやつらには嫌われるべし。社内には外から見えない激しい衝突があるのかもしれないが、それでもヘタレ派に抵抗してこそ、報道の面目躍如というものだ。ガンバンベェよ〜!
4面に「慰安婦合意3年 空文化 冷え込む日韓関係 文氏、財団解散 支持層に配慮」中見出し「元徴用工・レーダー問題も懸案」がある。「日韓両政府が慰安婦問題に関する合意を結んで28日で3年。文在寅政権が元慰安婦を支援する財団の解散を11月に決めたことで、『最終的かつ不可逆的』な解決をうたった合意は空文化している。元徴用工や自衛隊機へのレーダー照射をめぐる問題も重なり、日韓は外交関係改善の手がかりを見いだせないでいる」(本文引用)とあるが、中見出しの「元徴用工・レーダー問題」を読むと、韓国側の対応の遅れを指摘する論調が主体で、こちら側の対応はどうか、両者の外交的すり合わせ状況はどうか、については何も書かれていない。「レーダー照射」については、25日の3面「レーダー照射問題平行線 韓国『正常の作戦活動』 日本『危険行為』譲らず」があるが、この問題での硬直化は両国政府にとって望ましくはないはず。軍事的緊張の高まりをほぐすのが外交の力だとすれば、いまこそ「外交巧者」の面目躍如たるところを見せる絶好の機会。「元徴用工」問題も、国家間の関係としていくら「最終的かつ不可逆的」の文言を振りかざしても、個人的賠償の問題は別に考える余地は十分にあり、わざわざ硬直した姿勢をとる必要はない。「民族排外主義」を煽り、国内の政治的経済的困難から目をそらす策を弄しても、いかな「行動なき良心」でも見破る時がくる。でなければ、「辺野古の褐色は、日本政府によって、私たち『行動なき良心』が投じる一握りの土砂によって、無残に広がる」のと同様、「行動なき良心」はこの国を無残な血の色に染めてしまう、と心得ておきたい。
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2018年12月27日

<明治の実相>なにを近代化したのかの探求

23面「文化・文芸」欄に「『自己責任』明治近代化に源流 権力者に矛先向かない『通俗道徳』 今も残る意識 分断進んだ平成」がある。「自己責任論」とはなにか。「20年にわたって口の端に度々のぼり、平成の世相を映し出すキーワードの一つと言えよう」「社会契約によって成立する近代国家では国が守ってくれないならば、国民が納税などの義務を果たす必要はなくなる。自己責任論は権力者の責任をあいまいにする」「こうした現代の自己責任論と、近代化を進めた明治時代の『通俗道徳』という考え方の類似性」「『通俗道徳』は江戸時代後期に市場経済が広がり、人々の生活が不安定になるなか、自己を律するために広まった」「明治になると、村単位で請け負っていた年貢から、個人単位で税金を納めるようになり、助け合いの仕組みは崩れる。新政府に財政的な余裕はなく、弱者まで手が回らない。通俗道徳は政府に矛先が向かず、自分で責任を背負いこんでくれる、支配者にとって都合の良い思想だった」「バブルの崩壊で状況は様変わりした」「従来の仕組みが壊れかけ、かつ、政府がたくさん金を使えない。明治と似たような状況」「『働かないで金をもらっている』との理屈で生活保護受給者など、より弱い者をたたく」「他人のことを考える余裕がなく、誰かを助けていると自分が損をする、と思い込む。連帯の基礎がなくなり、社会の分断が進んでいる」「明治維新から150年がたった。『自己責任論』が日本社会にへばり付いたまま、平成はまもなく終わる」(本文引用)
ブログ主はいま、明治維新と、その後に発生した自由民権運動・困民党のことをいろいろ勉強中なのだが、この記事を読んでかなりの部分、同調できたと同時に、もう少し突っ込んでくれたら大いに読みでのある記事になったのに、と思ったものだった。明治の人権思想家植木枝盛が「維新は第1の改革」「自由民権は第2の改革」と端的に語っているように、明治の10年代以降しばらくのあいだ、明治政府と自由民権諸結社、各地に勃興した困民党の運動は、「第1の改革」が武家社会の下克上の様相を示したのに対し、10数年の遅れながら、はやくも社会変革がこの国の人々のあいだに深く浸透し始めていたことを物語っている。じつのところ日本近代史の中で、この時期の歴史はほとんど語られることがなく、なにがあったかを詳しく知る機会が奪われてきているが、知られてはならない歴史として、封印されてきているとみて差し支えないのではないか。
先の植木枝盛が中心に創った「東洋大日本国々憲按」には、不当不法な政府・官憲に対する武力抵抗権や革命権を定める条文があったという。わずか数年間で民権運動の参加者は30万人を超え、民権結社総数はわかっているだけでも2千数百、おそらく3千を超える結社が全国にひしめいていた。それに対して明治政府は集会条例、新聞条例、讒謗律などを公布、言論弾圧を強めた。困民党運動への弾圧も激化する。西南戦争以降、国家財政が逼迫し、経済恐慌が起こり、さらに全国的な飢饉の大波が押し寄せる。そのなかで、窮地に立たされた明治政府がとったのは自由民権の徹底的弾圧と困民党の圧殺、被支配階層の分断だった。分断の方法はすでに徳川の時代から連綿と続く社会構造の上下分離を近代化し強化すること。つまり情報統制下で江戸期から引きずってきた「通俗道徳」の維持。またはその概念の近代化によって不満の矛先を権力者から逸らし、「我こそは旧体制を克服する改革者」とするイメージの逆転戦略。大日本帝国憲法発布で熱狂を煽り、民族排外主義で敵を外部に創り、日清・日露戦争で強国を演出。徴兵制を軌道に乗せ、皇国史観教育を完成させるに至る。その流れは先の戦争で一時的に抑制されたものの、戦後70数年にわたる旧支配層の必死の画策で延命させられてきた。いわば「自己責任論」とは、支配層の責任が問われないようにするための巧妙な誘導策であり、天皇制をも利用して責任を上下に散らし、盤石の自己無責任支配構造を維持しようとする最良の方策なのだろう。23面の記事は、そのことの周辺をなでてサラリと通り過ぎていった、ある面では重要な、しかしもったいない記事だったといえる。
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2018年12月26日

先行き完全不透明に右往左往の本心アリアリ

10月初め頃から2ヶ月半ちょっとで5000円以上も値を下げた。昨日1日で−1010円。新聞記事は米国発の世界株安と書き、日本の足腰の問題には全然触れていない。12面「社説」の「株価急落 実体経済の動き注視を」も同様で「米国発の世界的な株安が止まらない。昨日の東京市場では、日経平均株価の値下がり幅が1000円を超え、昨年9月以来維持していた2万円台を割り込んだ。10月からの3ヶ月弱で5000円を超える下落である。為替相場も円高に振れており、株価の落ち着きどころが見えにくい展開だ」(本文引用)と書き、そのあとは米国発の問題を列記する。これ以上の動揺が世界的に広がらないように、震源地のアメリカがなんとかしなければいけないとし、「日本政府はあらゆる機会を捉えて、トランプ政権に注意を促すべきだ」(本文引用)と主張する。さらに日本の株式市場は米ほどの過熱感はなく、株価は穏当な範囲と持ち上げ、「問題は、実態経済の動きだ。世界経済の拡大という追い風を受けて景気回復を続けてきただけに、外需が縮小に向かえば悪影響は避けがたい」「景気が反転した場合に、日本がとりうるマクロ経済政策の余地は少ない。経済の持続的な好環境を作り出す正念場に立たされていることを、政府も民間企業も、自覚する必要がある」(本文引用)。つまり、国内は安定しているが、外需頼みの経済が縮小に向かえばひとたまりもない、という。「国内は安定している?」「企業利益は空前の水準?」「実質賃金が目減りし、内需はぜんぜん伸びていないでしょ」「内部留保に溜め込むばかりの一方で、庶民は青息吐息でしょ」。金持ち優遇で、彼らは安泰だろうが、今のままだったら一般庶民はたちまち干上がってしまい、企業は仕込んでおいた内部留保で生き残りだけは果たすという顛末か。それが「国内は安定している」という中身ってことか。
以下のような記事がある。外需頼みとか言いながら、アメリカがどうのと言う前に、すでにガタガタってこと。新聞紙上の見出しは、もっと厳しかった。「日立の英国計画凍結 成長戦略の目玉 原発輸出全滅 財界の安倍離れが加速する」中見出し「目に余る無理難題にソッポ」とある。日立の中西会長はこのあいだ経団連の会長になったばかり。そのときの新聞記事には、たしかアベ政権寄りと書かれていたはずだった。それがソッポだもんね。「『福島原発事故で国内向けの原発建設は難しくなったため、輸出にカジを切ったのです。今井尚哉首相秘書官が経産省時代、旗振り役を務めていた。前のめりの安倍政権に三菱重工や日立製作所などは乗らざるを得なかった。ところが、実際には福島事故を踏まえた安全対策に巨額の費用がかかり、計画は次々と頓挫しました』(経産省関係者)」「原発輸出は、“安倍首相寄り”の三菱や日立にまですべて見切られたわけだ」「『法人税減税や残業ゼロの働き方改革など財界に恩恵を与えてきた安倍政権ですが、企業も原発輸出というむちゃな政策には付き合いきれないということでしょう。安倍首相は最近も、米国製の武器を買い過ぎて、国内の防衛関連企業62社に“返済猶予”を求めるようなこともやった。財界は、無理難題でも言うことを聞くと思い込んでいるようですが、任期3年を切り、これまで従順だった財界でも“安倍離れ”が加速するのではないか』(政治評論家・山口朝雄氏)」と記事は書く。
☆「安倍政権に財界ソッポ 目玉の『原発輸出』日立凍結で全滅」日刊ゲンダイ12月19日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243961
「武器を買い過ぎて、国内の防衛関連企業に返済猶予」をお願いするというのも哀れ。いよいよ切羽詰まって4面「長期政権 求心力維持に腐心 保守層反発もなりふり構わず」というひどい状況になってきた。さらに、まるで張り子のハリネズミよろしくキイキイと泣き叫び、国連脱退のミニチュア版で国際捕鯨委員会からの脱退を言い出す始末。韓国とも軋轢を深め、レーダー照射ではやたらに息巻いて、落とし所を探る余裕もない。昨日の株価下落から、今日はどれだけ戻せるやら。先行き完全不透明感が強まり、さて来年はどうなるか!
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2018年12月25日

社会に必要な批判的精神の源泉になる表現こそ

午前10時半ごろの株価を見たらマイナス1000円近い下落になっていた。ついに20000円を切った。10月には2万4000円の大台にあった株価が、ここにきてものすごい下落ぶりだ。23日当ブログ「やっぱりTAGじゃなくFTAだった」で、アメリカが日本との貿易協定の目標を公表したことについてちょっと触れた。そのときブログ主には、これは来週の株価に影響するんじゃないか、と予感した。大方のシロウトも同じことを思ったんじゃないか。「FTA交渉に引きずり込まれ、『為替操作を禁じる条項』まで迫られる始末。黒田緩和もターゲットになっているというべきか。アベノミクスにトドメを刺すかもしれない事態に直面し、昨今の経済界の動きを見ると、いよいよ政権の尻に火がつく事態になりつつある」というのは、経済音痴の記述としてはハマったなあというしかない。ちなみに18年1月の当ブログを見ると、27日に「バブル株価」の記事があって「日経平均株価はすでにバブル状態で、2018年末には1万9500円に下落!?」というダイヤモンド・ザイの記事を紹介している。今年の始めはウハウハだった。さて、結末はどうなるか、いま日銀も政権も青ざめているんじゃないかな。滑舌のすぐれないあの人も、激しい檄を飛ばしているのではあるまいか。なんちゃって、午後からどうなるか見ものだ。いくらか戻して終わるかもしれないが、大きな下落傾向は変えられないと思うね。当たるも八卦、当たらぬも八卦だが、以下の記事には「米国株式市場でダウ工業株30種平均が4営業日続落。終値は前週末比653ドル17セント(2・9%)安の2万1792ドル20セントと、2017年9月以来、約1年3カ月ぶりの安値をつけた」(本文引用)とある。これの影響も大きいだろう。ダブルパンチと言えるかもしれない。来月が楽しみになってきた。というか、19年はいよいよ地獄が見えてくる年になるのではないか、とも言われている。鬼が出るか蛇が出るかのきつい1年が待っているような気がしてならない。
NY株、大幅続落653ドル安 政治リスクに懸念広がる」日本経済新聞12月25日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39331020V21C18A2000000/?n_cid=NMAIL007
関連ではないが、1面「折々のことば」がこのところ小気味好い。「問題は、家の外でも抑制があり、家のなかでも単に従順ではない個人を、いかにして育てるか、ということに係っている 加藤周一」「文化の成熟は、自分たちを『批判』し『笑う』能力が人々に備わっているかどうかで測れる」「自国の歴史を『自慢話』にしないと気が済まないのは、その社会の未熟をしか示さない。随筆『歴史の見方』から」(本文引用)。この文章自体が、書かれていることの自己証明になっている。それだけ巧みな書き方なのだということに気づきたい。さらに言うなら、このような表現力がこの国のあらゆる表現者に備わるようになったら、それだけで時代が大きく変わってくるのではないか、と思った。いまはまだ、我らが生きるこの社会は、そこまで成熟しているとは言い難い。危機感を煽ると萎縮する精神がはびこっているが、それは煽る側の責任をも意味する。直裁な物言いが忌避される世間ではなく、心にじわっと染みこんで少しずつ残っていく。その積み重ねが連綿と続く作用こそ、この社会に必要な批判的精神の源泉になるのではないか。そんなことを思う。
日本の景気は「いざなぎ超え」だと政府は必死にPRする。GDPの計算を変更して弾き出した結論だろうが、まるで実感がない。トランプ氏との蜜月を演出しても、来年1月から始まる日米通商協議では事前に厳しいリーチをかけられ、下手をすれば数字操作で上げ底のGDPが食い散らされ、マイナス成長へ転落する可能性がある。「改憲、改憲!」とのたうちまわっても、さて思うようになるか否か、こりゃ簡単にはいかないぞ。わがままいっぱいに育ったぼんぼんに、この先の責任をどうとれるか、見ものだね。
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2018年12月24日

いったい明治憲法復活の試みとは何なのだ

16面に「若者追い込む 過酷な労働環境 リーマン・ショック10年 正社員は名ばかり 残業代・賞与なし」の記事がある。「2008年のリーマン・ショックでは、『内定切り』や『派遣切り』などの形で多くの若者が職を奪われた。それから10年。就職内定率が上向くなど、若者の雇用環境は改善しているかに見える。だが、正社員とは名ばかりの不当な働かせ方も横行している」(本文引用)。ブラック企業という言葉を当たり前に耳にするいま、記事を読んで思う。「若者の雇用環境は改善されたか」と。ブラック企業の名が浸透した一方、その存在感は減るどころかいっそう強固になりつつある。記事では「正社員とは名ばかり」の実態が描かれているが、なぜかブログ主の気分の中でも、「名ばかり正社員」と「派遣労働者」「裁量労働者」「技能実習生」などの過酷な労働が結びつかないで、いつも個別の出来事に引きずられる愚を犯している。なぜだろう。ひとつ言えることは、これら個別の出来事はいつも個別に語られるが、本来はすべて同根の原因が背景にあり、現状ではこの「同根の原因」をターゲットにして有効打を浴びせる力が、世の中から消え失せつつあるのではないか、と思わざるを得ない。
かつて労働組合は強力な組織力を背景に、ゼネストを敢行するなどして闘ってきた。一方で、国家は常にその力を削ぐべくさまざまな策を弄して組合つぶしに狂奔した。結果、労働組織内部で有効な対抗策が育たなかったこともあり、労働組合に対する分断工作が奏功功してきた。労働運動は次第に力を失い、組織力を弱めていった。労働組合の組織率はいま、惨憺たる状況にある。そこで考える。国家による切り崩し工作が、勃興する抵抗を最終的にはいつもねじ伏せていくように見えるのには、なにか共通の原因があるのではないか、と。その共通の原因の基本には「分断し統治する」という不動の前提があり、なかでも「分断し」という部分で、連綿とこの国を形作ってきた、「分断しやすい」社会構造があって、これが骨がらみ肉がらみで人々の生活に根深く浸透していることがありはしないか、などと考えたりする。
いま明治を少しずつ勉強しているのだが、この時代は国家の上層部に君臨していた「武家社会」の大変革を目論んだものだったと思っている。「武家社会」の下に「庶民社会」があったわけだが、両方を厳格に分離する壁が突き崩されることがなかったのであり、「庶民社会」は「市民社会」として自立することなく、内部を巧妙に分断され、明治新社会でも支配されやすい構造に改変されていっただけではなかったか、と思う。封建制下の身分制度が形を変えながら、分断を温存して続けられた社会。「市民社会」に発展することを阻害されつつ、「支配される社会」構造を当然の日常として受け入れてきたことが、いまを作っていないか。たぶん、本来なら現在はこの「支配」「被支配」の関係が固定された社会構造を根っこから改造できる絶好の機会ということもできるのに、国家の中枢は明治150年を絶賛し、壊れつつある社会を「150年」の彼方から復旧させようと試みている。よくいわれる「戦前」どころか完全な復古調を目指しているのではないか。
「名ばかり正社員」、「派遣労働」、「裁量労働」、「技能実習生」と、若者はさらに細かく分断され、使い捨ての様相を強めていく一方だ。分断するのは、分断しやすい仕組みがあるがゆえに容易い。「名ばかり正社員」はいまや「周辺的正社員」と呼ばれるほど細分化された分断構造の中にある。いまはまだ「正社員もどきの扱いを受けている者たち」も、「安穏と老後を生きようと思っていた者たち」も、いつか巧妙に細分化された被支配分断の構造を形成する一員に成り下がっていく。「被支配の庶民社会」が「ものをいう市民社会」に成長する以外、この負の連鎖を抜け出る道はない。その方法をみつけ、大きなうねりにしていくための模索が、積み重ねられんことを願うばかり。まずは「自由民権」1874年から「日清戦争」1894年に至る、明治憲法制定を挟む20年ほどを勉強してみよう。現状との深い相関にきっと驚くだろうから!
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2018年12月23日

やっぱりTAGじゃなくFTAだった

8面「社説」に「防衛費の拡大 米兵器購入の重いツケ」の記事。「今年度当初より1・3%増え、5年連続で過去最大」「来年度は『防衛計画の大綱』と『中期防衛力整備計画』の初年度にあたる。中国や北朝鮮の脅威に軍事的に対抗する姿勢が鮮明になり、米国製兵器の購入に拍車」(本文引用)と書かれている。具体的中身はひとまず置くとして、政権がトランプ流の「バイ・アメリカン」にぴったり寄り添っていることに注目。「日米の通商交渉をにらみ、米国の貿易赤字削減に協力する姿勢をアピールする狙いもありそう」「軍拡競争や地域の不安定化につながりかねない兵器の大量購入で、トランプ氏の歓心を買うような振る舞いは、およそ見識を欠く」(本文引用)と指摘。具体的には、米政府から直接兵器を買う有償軍事援助(FMS)が急増し、今年度比で増加分は3千億円近く、12年度の約5倍という。代金は複数年に渡る分割払いのため、将来の予算を圧迫する、と指摘する。20年度以降の払いは約2兆6千億円で、年間防衛予算の半分に迫るという。これはかなり厳しいことになると、側から見ても予測される事態。半分が借金返済となると、間違いなく各年度の運用経費は圧迫される。したがって、12月18日の読売新聞が「政なび」で書いたように、またそれを引用した各種の投稿のように、「いずも」を空母化しようが、最新鋭ステルス戦闘機を大量に購入しようが、イージス艦には空っぽのミサイル発射筒、戦闘機は修理部品不足で地上にはりついたままという状況が目に見える状態になるばかり。解決策は借金返済を急ぐか防衛費を増額するか、または購入をやめるしかない。記事は「歯止めなき予算増は、とても持続可能な防衛政策とは思えない。米兵器の大量購入は将来に重いツケを残すことを忘れてはならない」(本文引用)と書く。以下の記事では「これ以上防衛予算を増やせば国民は戦争で死ぬより先に困窮して死ぬ」(本文引用)と指摘する。そうでなくても防衛のかなめとなる自衛隊をてんてこ舞いさせるのは必定だ。
☆「安倍首相の防衛政策は『張り子の虎』だと書いた読売新聞」選挙ドットコム12月18日
https://go2senkyo.com/seijika/68237/posts/34612
これに直接関連するのが3面「日中FTA締結牽制 為替操作を禁止 米、日本との貿易協定目的公表」の記事。公表された「米日貿易協定」は「物品の関税削減」(日本政府が言うところのTAG)ではなく、日中FTAを牽制する条項や、為替操作を禁じる条項などを盛り込むことが柱だという。ついに日本政府の国内目くらまし作戦がボロを出してしまったか。これまで政府は「FTAじゃないよTAGだよ」と言い張っていたが、トランプ氏からみごとにウソを暴かれてしまった。東アジアの不安定化を狙って大量の武器購入を決めたのも功を奏さず、かえって大量の借金を背負いこみ、かつ絶対にやりたくなかっただろうFTA交渉に引きずり込まれ、「為替操作を禁じる条項」まで迫られる始末。黒田緩和もターゲットになっているというべきか。アベノミクスにトドメを刺すかもしれない事態に直面し、昨今の経済界の動きを見ると、いよいよ政権の尻に火がつく事態になりつつある。
24面「時事小言」には「■『新しい冷戦』という言葉 米中衝突まだ回避可能」の記事がある。かなりの紙面を割いているが、論旨はかなり簡単である。「新しい冷戦」という言葉(妖怪)が世界をうろついている。しかし、事態はまだ決定的なところまでは行かない可能性が高い。その理由は米ソ冷戦との違いを見ればわかる、というのが論の中心になると思われる。この記事で気になるのは、日本が今果たしつつある役割に、ぜんぜん触れていない点だ。経済的裏付けもなくやたらに軍事力を増強し、張り子のトラと化すこの国で、国家の経済政策はほぼ破たん。経済界にまで政府への警戒感が強まっている現在、政権に残された道は、東アジアの緊張拡大しかない。米中衝突はまだ回避可能かもしれないが、緊張の火種は我が身が残す。そのことを見過ごすと、いよいよこの国は、まちがいなく世界の孤児と成り果てる。それでいいか!
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2018年12月22日

落ち目を隠す3代目の哀れに付き合う?

4面の構成が興味深い。まず真ん中に「プーチン氏『日本の基地決定権 疑う』 『ロシア強気』政府警戒」がある。日本は歯舞・色丹2島先行でもいい、支持率向上のためにとにかく成果が欲しい、との腹づもりだったのに、足元を見られている。返還後の2島に米軍基地が配備される可能性を懸念されているらしいが、現状では当たり前のこと。米軍基地ばかりじゃなく、自衛隊基地だって置いて欲しくないに相違ない。以下の記事には、米軍の展開よりさらに突っ込んだ彼の意向が記されている。米国製のミサイル防衛システムを「『防衛目的だと信じていない、システムは攻撃能力を備えている』と語った」「沖縄県の玉城デニー知事や住民の反対にもかかわらず、米軍普天間飛行場の移設計画に伴い同県名護市辺野古沿岸への土砂投入が始まったことについて『日本の主権のレベルを疑ってしまう』と批判的な見解を示した」(本文引用)とある。スガ官房長官はいつもの通り、「コメントは控える」の一点張り。この人は都合のいいこと以外は全てこの調子。
☆「プーチン大統領『在日米軍問題抜きに最終決定難しい』」毎日新聞12月20日
https://mainichi.jp/articles/20181220/k00/00m/030/244000c
「ロシア強気」の隣に「沖縄振興費3010億円 県通さず市町村に支出も」の記事。19年度の沖縄振興費は前年と同額だが、県を通さずに直接市町村へ支出する新制度を実施するという。新制度で30億円計上、県への一括交付金は94億円減額。「新制度について、内閣府は『一括交付金を保管して、年度途中でも迅速・柔軟に市町村に対応できる仕組み』と説明」(本文引用)とあるが、一括交付金とはいわゆる「ひも付き補助金」と違い、基本的に地方が自由に使える「交付金」のことで、民主党が2009年の衆院選マニフェストに掲げたことで知られる。先の臨時国会で災害対策の補正予算が組まれたときにも、自由裁量できる一括交付金で支出すべきという意見があったと記憶するが、今回の沖縄振興費は、額は小さくとも自由裁量できる費用が124億円減らされるのと同じで、県内で優先度の高い支出に回せないことに、国による沖縄いじめを強烈に感じさせる姑息なやり方が覗く。
4面には「防衛費5兆2574億円 5年連続過去最高 『空母化』や長距離ミサイル」の記事もある。朝鮮半島の南北和解を念頭に置いたのか、やたらに防衛費が増額され、「いずも」型護衛艦を空母化する方針の閣議決定や、1千キロの射程を持つ高速滑空弾(固体燃料ロケット推進の超音速巡航ミサイル)の研究費などが盛り込まれたとある。イージス・アショアの導入や垂直離着陸ステルス戦闘機F35を「バイ・アメリカン」に押しまくられ、TAGならぬFTA交渉で少しで有利に取り計らってもらおうと媚を売った挙句に、あれよあれよというまに大量発注してしまうなど、自衛隊でも面食らっているんじゃないかと思うような軍備増強の凄まじさ。「安倍政権下では、イージス・アショアのように米国政府から兵器を取得する有償軍事援助(FMS)が急増。19年度は契約ベースで過去最大の7013億円に達した」(本文引用)という。これが、最初の記事「ロシア強気」に繋がっていくのか、と思うと、この国のやり方がいよいよ場当たり的になるのを目の当たりにしているようだ。
9面にも注目すべき関連記事がある。まず「東証、年初来安値また更新」で、10月2万4千円台にあった株価が、ついに2万円の大台割れ寸前になった。専門家は「いったん値が戻ったとしても、上値は重いだろう」(本文引用)と話す。その横に「計画縮小方針の仏高速炉 国際協力41・5億円計上」がある。今世紀後半まで中身抜きで延長された高速炉計画が、19年度当初予算案に盛り込まれる。計画縮小は正式決定ではないので、従来通り進めるというのが政府方針らしい。そのまた横に「『原発、収益性高くなる』東芝CEO早期再編に慎重姿勢」がある。東芝・日立・三菱を覆う原発斜陽の影。それでもしがみつく沈没船の船長たち。無能が走る21世紀の無惨。日産のゴーン嵐もまたこの国の斜陽を物語る。どうなるのかね、この国は。
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2018年12月21日

明治をどう捉えるか、どう向き合うか

1面の「折々のことば」がいい。「不安にあらがう方法のひとつが、言葉によって、理屈にそって、自分が何におろおろしているのかを、誰かに伝えることなのだ 松沢裕作 世の中には『あまりの複雑さ、わけのわからなさ』に身ごと翻弄される時がある。そういう時の歴史家の務めは、過去に同様の不安に駆られ人々がしたこと、するほかなかったことを跡づけ、伝えることだと歴史学者は考え、『がんばれ』『変わらなきゃ』と人々を競争へと駆った明治期のその心のワナを探る。『生きづらい明治社会』から」(本文引用)という。そこでブログ主は、明治期とは何だっただろう、と考える。長い鎖国政策で世界史的に大きな遅れをとった封建武家社会から抜け出し、新しい下克上の戦いによって(または下級武士の暴力的クーデター、別の言い方でテロリズムによって)、まず、社会の上層支配階級が大きな変化を遂げた。そして、彼らの喫緊の要求に従って、西南戦争で政敵を一掃し、さらに続いた経済恐慌と全国的な飢饉と自由民権を押さえつけると同時に、「生産性」をあげ、「軍事力」を確保し、強国日本となるために教育改革と徴兵制を同時に実施した。そこまで至る過程は、たしかに強引に庶民を引っ張り回し、目まぐるしく社会の表層(旧武家社会と下部構造たる庶民社会)を変えまくったわけだが、おかげで被支配層はあまりの激しい社会的変転にとまどい、究極としては「がんばれ」「変わらなきゃ」の荒波に弄ばれるしかなかった。全国で数千の結社がつくられ、隆盛を極めた自由民権の諸運動が多くの先進的な試みを積み重ねたものの、明治22年(1889年)に大日本帝国憲法が発布されたとき、庶民は「天子様が絹布の法被を下さる」(1)と勘違いし、ドイツ人医師ベルツなどは「東京全市は11日の憲法発布を控えて、その準備のために言語に絶した騒ぎを演じている。至る所、奉祝門、照明、行列の計画。だが滑稽なことに、誰も憲法の内容をご存じないのだ」(2)(1、2ともに岩波新書「五日市憲法」新井勝紘著より引用)という状況に至っている。まさに「折々のことば」の通り、明治政府は庶民が不安に抗うための時間的余裕を与えず、言葉や理屈できっちり考え、誰かに伝えるためのあらゆる手段を奪い去った。その結果が「憲法発布」を「絹布法被」に勘違いさせ、全国的大祝賀パレードに向かわせたわけだ。
そこでふと考える。自分は一生懸命やっているのに目覚めないで眠りこけている国民がいるという類いの不満が、一部の運動家に芽生えているが、それは妥当なのかどうか。戦後70数年を経て、いまだ「言葉や理屈できっちり考え、誰かに伝えるための」有効な手段を確立できていない我等自身の問題、または克服できないでいる明治維新以来の巧妙極まりない抑圧の構造が、目の前にあぐらをかいてのさばっていないか。それほど、この国の社会を形成する精神構造の巧妙を極めた奥深さは、簡単には打ち崩せないような頑丈さで人々を縛り付けているのではないか。「天声人語」に、示唆的な言葉が見える。「普天間飛行場の移設工事として、土砂が投入され始めて1週間がたった。青い海に茶色い土砂が流し込まれる映像は、グロテスクである。しかし本当にグロテスクなのは、なんども示された沖縄の民意を無視し、基地を押し付け続けることであろう」(本文引用)
土砂投入を強行する政府の意図は、「寄り添う」や「真摯に向き合う」などの国会答弁と矛盾するかに見えるが、実のところ彼らが「寄り添う」のは、後戻り不能なまでに埋め立てが進んでしまったとき県民の心に芽生える「あきらめ」の気分に「寄り添う」とか「真摯に向き合う」という意味に他ならない。明治政府が徴兵令を施行したとき反発はあったし、脱法指南書が公然と発刊され、ほとんどが徴兵に応じない時期があったという。しかしそれも束の間、周囲の同調圧力が次第に強まり、国民皆兵は世の常識となっていった。徳川時代を含めて現在に至るこの国の支配原理を覆す試みが簡単にはいかないことを痛感するばかり。完璧に形成された支配構造はいま、社会の隅々にしっかりと根を下ろしている。それとどう向き合うか、厳しい考察と丹念な向き合い方が必要なのだと思う。
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2018年12月20日

哀れさは民の上にも垂れ込める

13面に「日本のアフリカ投資停滞 300億ドル『約束』 140億ドル未達」の記事がある。16年の「アフリカ開発会議」で首相は、16から18年の間に300億ドル規模の投資を表明。「『日本は必ず約束を守る国で、残らず実行いたします』と言い切っていた」(本文引用)そうである。ODAや国際協力銀行など政府系金融機関、民間企業の直接投資などが300億ドルの調達先だったらしい。現状、ODAは約96%を実施済みで、民間の直接投資を河野外相が促してはいるが、目標の達成は困難としている。政府が民間に直接投資をせっつくことについて「日本企業関係者は『政府は中国への対抗心があるのかもしれないが、民間企業にはまだリスクが大きい』(本文引用)としている。なんだ、ここでも政府・政権の思惑が大幅に崩れていってるじゃないか。というわけで、思いつくものを順不同で並べてみると、
1)F35戦闘機147機体制閣議決定で国産ステルス開発置き去り 2)産業革新投資機構を設置したものの民間取締役全員が反旗 3)英原発から撤退で原発輸出全滅 4)もんじゅ後継を狙う高速炉計画は今世紀後半まで図面なしの超延期 5)異次元緩和の出口見えず 6)株価は10月24000円台から12月20000円台に下落中 7)経団連は官製春闘から手を引く構え 8)GDPの民間予測は政府予測の半分 9)対ロ交渉は翻弄されっぱなし 10)経済力は中国に抜かれている 11)軽減税率は消費税増税に向けて社会保障から財源調達 12)軍備増強しても中身は貧弱 13)東京五輪経費は天井知らずで膨らむばかり 14)FTAをTAGとごまかす姑息 15)COP25で日本の存在感ゼロ 16)対北交渉はいまだに蚊帳の外
閣議決定で軍拡をやりきってしまおうというあたり、乱暴も極まれり。民間取締役の造反を頭切りで乗り切ろうなどという浅薄な情勢読みしかできない大臣というのも頼りない。原発輸出が全滅というのにまだしがみつく低劣さ。しかもあくまで核燃サイクル維持を掲げて、今世紀後半までほぼ白紙で計画続行とはこれいかに。一番大事な日銀の黒田緩和は経済恐慌か戦争くらいしか出口がない惨状。それゆえ軍備増強を急ぐのか。株価は2ヶ月で20000円を切るかどうかまで来ちゃったよ。GDPが上がっていると見せかけたって、このところ官僚のデータ改ざんは疑う余地のない事実になっている。官製春闘などといばっていたが、企業がうるさがりはじめているじゃないか。経済力は中国に抜かれ、観光客は中国頼み。対ロ交渉は足元を見られていい顔ができそうにない。軍備増強に金をつぎ込みすぎの一方、消費税対策に増税分以上の大盤振る舞いをする。そのため弱者から財源調達とはこれいかに。国庫が究極の貧弱さに落ちているから、見かけは強大な軍隊じみてきたが、中身は空っぽの実態。安上がりで安全なはずの五輪はやたら費用が嵩みだし、金はいったいどこへ流れていってるんだといういかがわしさ。いかがわしさは対米交渉でも露呈され、実質FTA交渉なのにTAGなどとヘンテコ造語で国内だけでも誤魔化そうとする。COP25では小型原発を調整電源として使うなどと、すでに滅び去った原発ルネッサンスよもう一度の儚い希望に賭けて各国の笑い者になったのか。新聞報道も低調を極めた。そういうえば思い出したが、対北交渉で絶対に拉致問題解決を図るかのように胸を張っていたものの、交渉の席にもつけないテイタラク。ひところ盛んだったJアラートの妙な音響も聞こえなくなっちまった。
いま考えるのは、もしかしたら経済界は、不穏さを増すこの数年をどう乗り切るか、すくなくとも激しく迷走しているアベ政権といっしょに沈没するのはごめんだ、との気にしているんじゃないかな、ということ。焦って成立させてどうなるんだというような法案が、やたら成立していった今臨時国会。落ち目になった政権が、「おねがい、なんでもするから支持してよ」などと経済界にすがりつく構図がみえたようで、なんだか哀れを催すのだが、それは民の哀れでもあるんだよなあ。
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2018年12月19日

少なくとも署名に目をとめる国へメッセージ

たぶん8日か9日から始まったのだと思う。わずか10日で10万筆突破したという。ブログ主が署名したのは13日で、たしかそのとき2300筆くらいじゃなかったかな。署名したと同時に、ブログで紹介した。そしてたぶん14日くらいから署名数がぐんぐん上昇し始め、18日には10万筆突破したのである。やったね。ハワイ在住の沖縄出身の若者が単独で始めた署名だったとか。終了期限は1月7日。そこで22万筆を超えたらトップ3(またはかなり上位)になり、ホワイトハウスのHPでとても目立つところに並べられて、他の人たちの目にも止まるようになるという話。あと22日間ということか。なかなかアメリカ本国では注目されず、「なにそれ?」状態にある辺野古基地問題だ。いっそ20万筆超えをめざそうではないか。ホワイトハウスのホームページに特大広告を掲げよう。というわけで、英語ばかりでは落ち着かない人向けに日本語解説付きの画像を見つけたので以下に添付しておく。とにかく、署名の仕方紹介の3回目。名前はローマ字でね。署名して送信するだけでは正式に署名したことにならない。署名送信の後で、ホワイトハウスから返事のメールが届く。そのメールで所定の場所をクリックするとようやく署名が受け付けられたことになる。ブログ主の場合、ホワイトハウスからの返信はたぶん5分くらい後になったと思う。日本語解説付き画像を参考にして落ち着いて署名し、20万筆突破でアメリカ本土に特大広告を掲げよう。辺野古のことをアメリカ人に広く訴えよう。←画像クリックで大きくなるよ。

辺野古署名.jpg

本日の9面「政府、強気の成長見通し 来年度1・3% 増税対策頼み」の記事が政権の末期を象徴しているような気がする。実質1・3%を見込む政府に対し、民間シンクタンクの見通しは0・68%。米中摩擦の影響がどう出るかによって、政府の強気な見通しは見直しを迫られる可能性があるという。そのすぐ下に「東証391円安 3月以来の水準」がある。メッキがはげつつある異次元緩和にすがりながらの綱渡りが続く。さらにその隣には、「もんじゅ後継計画 実用化目標先送り 経産省が工程表」の記事が並ぶ。これは見通しを大外れさせた悲劇の高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉に伴う後継高速炉計画をほぼ無限遠方に先送りする工程表の公表記事。「もんじゅ」は「夢の原子炉」と呼ばれ、1950年代後半から国策として進められてきた。それが今世紀後半に実用化という話。なんだこれは、失敗を積み重ねながら100年を超えること必定の空想話じゃないか。いさぎよく棚上げとか断念とか言えない体質が、延々とおバカな計画を続けさせる。これも世界に知らしめないといけないことだと思う。最終的影響は地球規模に及ぶ可能性もあるがゆえに。
posted by ガンコジージ at 11:07| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月18日

一億総員奈落の底へまっしぐら

1面トップに「日立、英原発計画『困難』 中西会長 国の輸出戦略暗礁に」の記事。中見出し「出資金集め滞る」で、日本側の出資が思わしくないとある。3面「原発輸出政策総崩れ 安全基準強化 企業の投資慎重」には「官民による『原発輸出』で最も実現性が高いとされた英国での計画が行き詰まった」「ほかの国への輸出計画はすでに頓挫しており、総崩れの状態だ」「着工の条件としてきた出資金集めが難航」「原発事故後に原発の安全基準が強化され、その流れが続くと見た企業は原発への投資に慎重になった」「計画を断念すれば、日立は最大約2700億円の損失を被る見通し」(本文引用)とある。思い出すのは、原発事故から間もないころ、元原発技術者の後藤政志氏が「規制基準をできるだけ厳しくつくることで、簡単には原発が稼働できなくする」といった主旨の発言をしていたことだ。当時は「そんなことできるのかね」と半信半疑だったが、これはまさに後藤氏がいう通りの展開といえる。
中見出し「安倍政権 揺らぐ成長戦略」には「政権が輸出にこだわるのは、原発事故後、国内で新たな原発建設の見通しが立たず、海外で原発を建設しなければ国内メーカーの技術や人材を維持できないと考えたからだ」「だが世界的な『脱原発・再生可能エネルギー導入』の流れが逆風になった」「原発の建設コストは1基1兆円に拡大。国内メーカーの競争力は失われ」「成長戦略の失敗がはっきりしても、政権は強気の姿勢を崩さない」「菅義偉官房長官は」「『日本の原子力技術に対する期待の声は各国から寄せられている。世界での原子力の平和利用、気候変動問題への対応として責任を果たしていく』と強調した」(本文引用)とある。強気とはいえ、原発輸出は総崩れ。これは、ただの強がりとしか言いようがない。もちろん原子力規制委の陣容を大幅に入れ替えて、規制基準を大甘に甘くして、なんでもありにする策が、ある日とつぜん浮上するかもしれない。国内でなら強権発動で強引に押し進めることが通用してしまうこともあるかもしれないが、生半可でない抵抗があるのは覚悟すえきだろう。まして国外では強引なやり口は通用しない。
3面には「日本政府・企業の主な原発輸出計画」として英国、ベトナム、リトアニア、米国、台湾、トルコの諸計画が「困難・頓挫・断念」と示されている。まさに無残。これが首相自ら海外に出かけて必死に売り込んだ原発計画の末路であり、20年東京五輪招致で「アンダー・コントロール」と大見得を切った結末なのだ。12月12日の当ブログ「臨時国会からこっちの状況をどう考える?」で「経産省は昨年秋から『リスクマネー供給』の研究会を開催し、産業競争力強化法を改正して『産業革新投資機構』を設置」したものの、機構の民間出身の取締役9名全員が辞任を表明したが、経済界にも政権に対する異論が出つつあるのかも、と書いたばかり。「なにやら、第1次アベ政権末期の教育基本法強行突破に似た状況があるようで」とも。
事態はそんなに簡単に動くものでもなかろうが、なんとなく兆候はある。英国原発建設で約2700億円の損失を抱え込む日立は、6面「送配電事業買収 日立が正式発表 スイス大手から7千億円」の記事にあるように、過去最大のM&A(企業合併・買収)を発表した。7面「春闘 来年は『脱官制』? 首相の賃上げ要請いまだなし」には経団連中西会長が「(賃上げは)経営と労働側の折衝で決めるべきだという大原則がある。それを十分尊重してもらっていると理解している」(本文引用)と発言したという。連合の力が十分弱まってきたからか、何か他の要因があるからか、今は見当がつかない。同じ面「波紋風紋」の「2018年の経済 成長アルゴリズムの呪縛」では消費増税対策として増税分以上の大盤振る舞いをする政府の異常な行為が指摘されている。「成熟社会の日本は低成長、低インフレの元でやっていかないといけないし、やっていける基盤がある。にもかかわらず、政権も日銀も『成長教』のままだ」(本文引用)と、その横に「日銀金融政策手詰まり 景気リスク懸念 緩和維持へ」がある。ここまで来て、アベ政権の危険な行き詰まり状態を見抜けないと、一億全員奈落の底を覗き込むことになる。間違いなく。
posted by ガンコジージ at 12:09| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする