2018年11月30日

言外に法外な含みを持たせる言い回し

37面の「元徴用工 救済の道は」に注目した。中見出しに「給料未払い 過酷な労働 日本の裁判『強制労働』『違法』認定」「『個人の請求権未消滅』 日本政府、『解決済み』の一方で主張」とある。「韓国の大法院(最高裁)が元徴用工らの訴えを認め、日本企業に損害賠償を命じた。原告らは日本の裁判で、70数年前の過酷な労働が『違法な行為』だったと認められながらも、請求を退けられていた」「『補償問題は解決済み』という日本政府の姿勢以外に進むべき道はあると訴える人もいる」(本文引用)と書き、当時の過酷な労働実態を列記して、日本の裁判所が「強制労働」「違法な行為」と認定したと指摘する。そのあとの記述では「元徴用工への補償問題をめぐって日本政府は、1965年の日韓請求権協定で『解決済み』と主張している。一方で『個人の請求権は消滅していない』というのが一貫した姿勢でもある」(本文引用)が注目点。1951年のサンフランシスコ講和条約で「外交保護権」を放棄。広島・長崎の被爆者が政府に賠償請求訴訟を起こしたとき、政府は「個人による米国への請求権は放棄されていない」(本文引用)とした。日韓請求権協定後も同じ主張になったのは、日本人による日本政府への補償請求を封じるためだった、と専門家の見解。なるほど、ちゃんと使い分けていたんだな、とわかる。それがねじれてくるのは90年代、韓国からの補償請求に直面してからという。逆方向の立場が生まれ、00年代の日本政府の言い方は「個人請求権は消滅していないが、協定により日本国内の訴訟では救えない」(本文引用)と変化。一方で日本の裁判所は、請求は退けるが政府の救済策の不備を指摘し、なんとかしろと促してきた。98年の東京高裁、07年の最高裁などの例を挙げると同時に、日本企業と韓国・中国の被害者が「道義的責任」による和解を進めた。と、ここまでの流れをみて思う。なんとでも解決の方法はあるのに、頑なになっているのは日本政府じゃないか、と。
以前このブログでは、ロシアに対するシベリア抑留の補償問題でもあるのかなと思って、それについて触れたが、なんのなんの見解の揺らぎ具合は日本政府のお家芸だったんだと認識した次第。以下の記事では「首相は判決に対し、『日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決している。あり得ない判断』と発言」(本文引用)とあるが、もうひとつ下の記事によると、河野外相は共産党の穀田議員の質問に「『個人請求権が消滅したと申し上げるわけではございません』と答えた」(本文引用)とある。外相の言い分は、現在の政府見解が捻れまくっている状態を正直に示している。論理の整合性を図る脳内操作は多分、答弁の奥に隠したいつものご飯論法にあるのではないか。つまり、「政府間協定は完全解決している。だから政府としては賠償請求は受け入れられません。しかし個人請求権は存在する。存在しないなんて、一度も言ってません」といったような感じかな。でもやっぱり矛盾じゃないか。いつも思うんだけど、ずるずると見解をずらしていき、いよいよ都合が悪くなるとクルンと論理を翻し、「こんなふうに私の見解は一貫している」なんて主張するやり方は、巷に多く氾濫しているなあ、ということ。今日の37面記事の結びは、弁護士グループの声明でシメられている。「全ての請求権が消滅したかのように説明するのは誤導的だ」「日本企業や日本政府が法廷外の交渉で問題を解決することは否定されていない。『解決済み』と切り捨てず、話し合いでの救済を目指すべきだ」(本文引用)。まるで駄々をこねる子どもをなだめるような感じだが、これだけ迷走していては、論理的に説得するのは難しいのかなあ。このごろ、そういう状況がしばしばあるのを慨嘆する。
☆「徴用工問題「根本的解決を」 弁護士らの声明、賛同増加」朝日新聞11月29日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181129-00000029-asahi-soci
☆「河野外相「個人請求権は存在」告白…もつれた日本政府の論理」hankyoreh11月17日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181117-00032130-hankyoreh-kr
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2018年11月29日

どちらがより多く準備しているか

11月29日東京新聞1面に「米兵器ローン急増 来年度予算圧迫 防衛省、支払い延期要請」の記事。ありゃりゃ。来年度に納品を受ける防衛装備品代金の支払いを2〜4年延期してくれ、と言ってるそうだ。来年度予算の概算要求はまだ編成中だが、事実上2千億円超過。「高額な米国製兵器の輸入拡大で『後年度負担』と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増」「一九年度に支払時期を迎えるローンは、国内産兵器分と合わせて二兆六百四十七億円。同時に支払額より四千四百億円多い二兆五千百億円の新たなローンが発生する『自転車操業』の状態になっている」(本文引用)とのことで、企業は難色を示しているそうな。これだけでもすごいのだが、首相はまだまだアメリカから装備を買い込むつもりらしい。数年先のお金までトランプ氏に示して口約束するという。まだ閣議決定もしてなくて、もちろん国会で公式に述べているわけでもない、と思ったけどな。
11月28日21:24の毎日新聞が、「自民:改憲案、今国会提示断念へ 参院選前の発議困難に」と報じている。ほんとかい、と眉に唾をつけるブログ主であった。こう言っていながら「情勢の変化がありまして」云々と言い出す可能性は十分にある。なにしろ12月10日の会期が迫っていて、強引に憲法審査会を開催したら後々に響くからという理由らしいが、そんなの会期を延長したら済む話じゃないのか。などと言っていたら「衆院憲法審査会 あす開催を決定 今国会で初」という報道もあったらしい。うわっ、めまぐるしい。もしかしたらあの人の「いやん、いやん。ぼくちゃん、そんなのは許せない。今国会で全部やるんだ」って駄々コネがあったのか。今日じゃないか。やばいなあ。これもむちゃくちゃである。
某テレビ局が13年から現在に至る重要法案に関する強行採決までの「衆院審議時間」をわかりやすいイラストにして紹介していた。13年「特定機密保護法」15年「安全保障関連法」17年「“共謀”罪法」18年「“カジノ”実施法」18年「入管法改正案」で各々40時間55分、108時間20分、36時間15分、33時間30分、18時間10分、17時間15分だとさ。これの行き着く先が見えてきている。「緊急事態条項」で国会審議なんかすっ飛ばし、自由自在やりたい放題を目指している。少しずつ許していると、最後のでっかい落とし穴が目の前に来たときに逃げようがなくなる。むちゃくちゃ典型的なパターンまっしぐらである。
国のトップがこうだと、こんなところでも同じようなことをやりだす輩が出てくる。「とめよう!東海第2原発首都圏連絡会」が約4万8千人分の署名を原電に提出しようとしたが、「原電側は玄関に担当者が現れることもなく、受け取りを拒否した」(本文引用)という。すでに複数の市長町長が再稼働に反対の意思を表明している。那珂市長が反対表明をしたときには、以下の東京新聞の記事にあるように、「原電幹部が「『拒否権なんていう言葉はない』」「副社長は『拒否権なんていう言葉は協定の中にはどこにもない』と語った」(本文引用)という。たしかにやり方を誤れば会社が大変なことになるだろう。それを乗り越えるのが経営者の心意気だよ。ただ強引なだけでは、この国のトップ同様、ダメ人間であることを晒すだけ。それでもいいのか、みじめな経営者よ。
☆「原電が反対署名受け取りを拒否 東海第2再稼働」フクナワ11月28日
http://fukunawa.com/fukui/41002.html
☆「東海第二 再稼働反対表明の那珂市長引退へ 拒否権、原電否定か」東京新聞11月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111102000163.html
首をすくめる庶民にしてみれば、もうここら辺でやめてくれ、と言いたいところかもしれない。しかし、そのような声をあげるときには、後戻りが凄まじく困難になっているということを考えたほうがいい。そのときできるのは、暴発的な一揆くらい。たぶん今の政府もまた、その時のために備えることだけは、忘れずせっせとやっているんだから。
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2018年11月28日

異常気象みたいに過酷な嵐が襲う

16面「声」欄に興味深い投書が載った。ひとつは国の借金についてのもの。借金はすでに1000兆円を超えたが、一方で家計が保有する現金や預貯金がそれに匹敵するくらいあるのだという。そこで感じた。ハイパーインフレになったら、それが全て消し飛ぶってことを。そのとき国民は塗炭の苦しみを味わう。そして国家は借金を帳消しにする。国民は早く使ってしまうのが得ということか。いやいや、使ってしまった後でやってくるハイパーインフレがあるとしたら、そりゃ塗炭の上に塗炭がかさなる大混乱になるでしょ。もう少し深掘りしてこれに対応しないと、国民は目も当てられないくらい悲惨な目に会いそうな気がしてきた。もうひとつは8月15日を祝日にしたらどうか、という投書。降伏して新日本ができ、日本国憲法が生まれる元になった日との根拠はすごく納得できる。オリンピックが祝日ならば、とは超絶の表現。8月15日が祝日にならないで来たこの国の来し方が、現在を創っているような気がした。次は、戦時下の緊迫した状況下で、よくぞここまでと感動した秀逸な投書。空襲警報下、兵士が強引に壕に入れろと押しかけてくる。修羅場と化したそのとき、陸軍幼年学校受験前の少年が裂帛の気合いで兵士を押し返す。よくやったもんだと感心した。
そこで思い出すことひとつ。04年に小泉政権下で国民保護法が成立し、有事に戦闘の邪魔にならないように国民を戦闘地域から避難させることが決まった。避難誘導するのは国ではなく、該当地域の地方自治体の役目とされた。そこで政府は国民を避難させる具体的な案「国民保護計画」を、全国の市町村につくらせた。市町村はとりあえず素直に避難計画を作ったが、その案たるや、実はひどいシロモノばかりだった。某市の案では、市内に推定?万人存在する障害者や要介護老人が、すべて自力で避難できたものと見なし、その運命については目をつぶった。その計画はさらに残るすべての市民が整然と市担当職員の指示に従い、まったく混乱せずに移動できることを前提としていた。つまり極端に限定された状況下でのシミュレーションだった。(09年10月17日当ブログより要約して引用)。以上の3つの投書から思う。これから先、自分のことは自分で守らないといけない時代に突入していくようだな、と。
1面に「入管法 衆院通過 委員会採決強行 審議17時間のみ」がある。彼らにとって重要と思われる法案は、とにかく強行採決で通していく。「中身は?」と聞けば「検討中」「法案成立後」と答えるばかり。ほんにあなたは逆さ木霊の天の邪鬼。2面「空疎な答弁 強引通過」では、「法務委での審議時間は野党が欠席の状態で時計を進めた『空回し』を入れても17時間余に過ぎない」「政府与党内では、安倍首相が19日に(略)G20首脳会議へ出発するまでに参院で審議入りするため、『27日の衆院通過は最初から決まっていた』(自民党幹部)」「与党は法務委の定例日を無視する形で連日、委員会審議を強行した」「憲法9条への自衛隊明記案など自民党の改憲4項目の国会への提示に意欲を示す首相は、外遊日程を短縮して会期終盤の12月4日に帰国する。首相が望む憲法審査会の開催に、野党は徹底抗戦する構えだ」(本文引用)。この流れを見ると会期延長は既定方針で、改憲4項目の国会提出は彼らにとって不動のものらしいとわかる。首相がさんざん外遊で逃げ回るのも、そもそもうちつづく災害への対策をすっぽかして臨時国会開催をズルズル引き延ばしてきたのも、どうしたら改憲を成功させられるかの大戦略に基づいて練られた作戦なんだろう。
出入国管理法案の強行採決に戻ると、技能実習生の問題とは別物と言いながら、「新たな在留資格『特定技能1号』の外国人労働者が初年度は約6割が実習生からの移行になると政府は試算」(2面本文引用)という。別物じゃないのである。こんな制度を作って、外国人労働者が喜んでやってくるかどうか。39面には「『外国人 部品でなく生活者』『共生策 検証せず出せるか』」がある。過酷な労働実態を放置して人手不足が解消できるかどうか、考えなくてもわかるはず。人材は労働機械ではなく人間なのだ。絞り放題などあり得ない。
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2018年11月27日

黄昏の遺物「統治行為」を復権させるとは

21面「平成とは」は「原発が爆発した3 『壁に穴』の正体は」がある。この記事がなんでこんなに目立たないところにあるのか、とても不満に思った。11年3月11日の翌日、原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官は至極正直に「『炉心溶融(メルトダウン)の可能性がある』と話した。中村はこの後、会見のメイン担当から外される」「『統合本部』では『メルトダウン』は禁句になった」(本文引用)とある。1号機爆発が12日、3号機爆発が14日。そして4号機の状況について、保安院の西山英彦審議官が会見で話す。「4号機に穴のようなものが開いた」。「翌日、穴の正体が分かった」「記者クラブがざわつく。『どこが穴だよ』(略)『吹き飛んでるじゃん』」(本文引用)
このごろはっきりしてきたことは、官僚の出す情報は、不都合があるときはかなり綿密に細工するものらしい、ということ。モリカケでは隠すことが美徳のように、テレビで平然と振る舞った官僚がいた。裁量労働制のときのデータはひどいものだった。そしていま、2面に「入管法 まだ漠然 きょう衆院委採決」の記事がある。当初提出したデータの改ざんを指摘され、元データを求められ公開したがコピーは許さず、議員たちに必死で書き写させるという無謀。そこからあぶり出された問題点をさらに追求すると、立民の逢坂氏いわく「法律だけ通してくれ、あとは白紙委任してくれなんて。こんな無責任なことはできない」(本文引用)というのがこの国の議会の実態。「『日本人の雇用に悪影響がないか』といった与党も気にする質問には一見、明確に答える。だが、野党がその根拠を明らかにさせようとすると『これから検討』『法務大臣の裁量で適正に判断』といった答弁でかわす」「入管法改正案の審議で、繰り返されている光景だ」(本文引用)。中見出しに「首相外遊前 急ぐ与党 審議、20時間に届かず」があり、まさかのまさか、首相は30日からアルゼンチンで開催されるG20に出席するため、この法案を28日の参院本会議で審議入りさせたいご様子。帰国は12月7日だったのを4日に早め、10日までの会期内で成立させる構えだと。
そんなに外遊日程が混んでいるのだったら、なんで臨時国会をもっと早めに開催しなかったのか、問われることになる。それに関係する記事が5面「国会の召集は『統治行為』か 要求を3ヶ月以上放置巡り 岡山地裁で係争中」がある。記事はけっこう難しいことをのたまっているが、もっと現実に近づけて議論すべきだった。モリカケ追及を逃げず、連続する災害に早急に対策するためにも、早期開催が必要だったものを、赤坂自民亭から数えたらおよそ4ヶ月、ズルズル引き伸ばしたのはなぜか。総裁選だとか沖縄知事選だとかを避け、深い論議を一切拒否し、外遊から外遊へ逃げ回り、首相を含む審議の日程が実質大幅に減らされる状況を作り出すまで引き伸ばしたとしか思えない。それを統治行為論なるもので、裁判所の司法審査権の及ばないものとして退けようとする。関連記事「憲法を考える」は「政治の世界で解決すべき問題なのだから裁判所は口を出すなーー。統治行為とはつまるところ、こういうことだ」(本文引用)。日本は統治行為を取り入れる際にドイツや米国の考えを参考にした。しかしドイツは違憲審査権を積極的に行使し、この考え方は衰退した。独連邦憲法裁判所の元判事は「裁判所は基本法(憲法)の下で統治行為論が採用される余地はないと確信している」(本文引用)。米では憲法ではなく判例で違憲審査制を作り上げた。日本では憲法81条が義務として明文化されている。つまり法体系としては、裁判所が判例として積み上げるまでもなく、日本でも積極的に行使できるはずだが、いま後戻りするかのように古ぼけた見解を引っ張り出してくる。「国内外で『黄昏』が語られる統治行為を復権させる国側の主張は、時代錯誤も甚だしい」(本文引用)。改憲を発議する前に、この国はすでに日本国憲法をはるかかなたに葬っているかに見える。それでも諦めるのは早すぎる。抵抗の手段は必ずあるはず。
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2018年11月26日

「寄り添う」って気持ち悪い言葉だな

4面「政治断簡」の「首相が『ヨリソッタ』のは」の記事に注目。この頃の我が家購読紙の状況は目も当てられないくらいひどく、本日ようやく書ける材料にお目にかかることができた気分。ビッグイシュー日本版が創刊15周年になったとか。編集委員の経験が書かれており、出勤途上でいつもビッグイシューを買っていたが、その日は販売員から飴玉ひとつを渡され元気をもらったとか。何年か前のこと、梅田の高架下の細いトンネル入口あたりに販売員が立っていた。奧さんと二人連れで、混雑した人混みを歩いていて発見。通り過ぎてから奧さんに「あれ、買ってきて」とお願いした。足を痛めて杖をついていたから、雑踏を引き返す力がなかったためだ。奧さんが戻って一冊買って帰ってくる。そのとき、10メートルほど離れた先の販売員が、雑踏の騒音に負けない大声で叫んだ。「ありがとう〜」。ブログ主はそのとき雑踏の人々の真ん中で立ち止まって、右手を高く上げて「おーっ!」なんて、彼に負けないくらい大きな声で叫んだっけな。お互い、元気を分け合った気分だった。そうだ「分け合った」というべきか。ビッグイシュー日本代表は「寄り添う」といわない。「ホームレスの人たちは救済の対象ではなく仕事上のパートナー。より添うとかでなく、彼らが路上生活から脱するための具体的なプログラムを用意する。お仕着せではなく、彼らに選んでもらえるプログラムをどれだけそろえられるかが、腕の見せどころです」(本文引用)
そうなんだよなあ、と思うばかり。「寄り添う」というのは「善意」の表現ではある。でも、「善意」には、不動の立ち位置があるような気がする。首相が口にする「寄り添う」として、「沖縄の皆さんに寄り添い」「被災地の心に寄り添う現場主義で」「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい」(本文引用)などなどが紹介されている。編集委員氏曰く。「『寄り添う』は、具体的になにをすると寄り添ったことになるのか判然としないし、仮に何もしなくても寄り添ったことにはなる便利な常套句だ。それを様々な理不尽を背負い、背負わせてきた三者にそろってあてがっていたとは。アナタノココロニヨリソイマス、アナタノココロニーー」(本文引用)。ここでいう三者とは先の引用にある沖縄、被災地、従軍慰安婦たちのことだ。沖縄では、一地方にどんな結果が出ようがただの一地方、と言わんばかりに強権発動。微動だに揺るがない態勢で、過酷な圧力を増大させる。被災地に対しては、臨時国会開催を延々引き延ばし、赤坂自民亭から4ヶ月後にようやく開催。しかも、自治体が望んでいるのは特別交付税の増額なのに、交付税総額の6%上限枠が設定されたままなので、今年のように災害で苦しむ自治体が増えた場合、個別の被災自治体の受取額が大幅に減ってしまうという、とんでもないカラクリがある。従軍慰安婦については、11月2日当ブログで紹介した「法律事務所の資料棚」に書かれている「2015年末に日本軍『慰安婦』問題について日韓両国政府が合意し、この問題は『最終的かつ不可逆的に』解決されたとの声明が発表された。合意内容については様々な意見があろうが、従前の大法院判決の論理からみて、日本軍『慰安婦』被害者個人の賠償請求権(実体的権利)がこのような政府間の行政協定により消滅することはありえず、『最終的かつ不可逆的に解決』との文言は韓国政府の外交保護権放棄を意味するに過ぎない」(本文引用)は説得力がある。
http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
「政治断簡」に戻ってみると「舌先で転がされただけの『寄り添う』は、当事者の怒りや苦しみに向き合わないことをごまかす都合の良い言い訳になることもあれば、『寄り添ってもらっているのにわがままだ』と、攻撃の口実に転化することすらある」「寄り添う気がないからこそあえて寄り添うと言っているのかもしれない。いずれにせよ『嘘つき』程度の批判では現政権に失礼である。私は、そう思っている」(本文引用)。同感である!
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2018年11月24日

利権のためならどこへでも潜り込む

3面に「未稼働太陽光 買い取り減額 着工遅れも対象 業者困惑」中見出し「アセスなどに時間」の記事。「稼働していない太陽光発電の買取価格を大幅に減らす経済産業省の方針に、事業者や金融機関が反発している。わざと発電を遅らせて多くの利益を稼ごうとする事業者の排除が狙いだが、工事の遅れなどで発電したくてもできない事業者も対象になるためだ」「経産省は先月、買い取り価格の見直しを決定。今年度中に送電線への接続工事を申し込み、来年度中に発電を始めるなどの条件をクリアしなければ減額したり、買い取り期間を短くしたりすることにした」(本文引用)とある。某業者は12年度に認定されていたが、県の環境アセスに時間がかかり、完成までにはまだ4年3ヵ月かかるという。某県が環境アセスを実施していたとはつゆ知らず、いったいどこのことかと調べようとしたが、面倒なのでヤメた。電力会社は送電線増強に精を出しているらしい。これについては当ブログでも警鐘を鳴らしてきたが、仲間内でもあまり注目されず、ほとんど終了に近づいている現状では「遅きに失した」と言うしかない。参考として以下のところに「太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」の議事次第などが掲載されているので、備忘録としてURLだけ記しておく。こういう情報は、ちゃんと共有しておかないといけない。送電線増強についても然りだが、阻止というのではなく、時間稼ぎとして有効な手段となり得る場合もあるということの証明だったような気がする。きめ細かさが必要なとき、いっしょうけんめい方策を練ることを怠っていたら成るものも成らなくなるという、貴重な経験でもある。次も同じ轍を踏んで走るなんてつまらない。経験は積み重ねよう。経産省なら、時間がかかる大規模な設備には歯止めが若干かかるかもしれない。しかし、中規模のもので悪質なケースは未だ野放しのままであり、駆け込み突貫工事の可能性は消えない。そういった工事の危険性は、激化する風水害の後を見れば明らかだ。真正面からの方法が相手の引き伸ばし作戦に絡め取られて不発に終わる前に、横方向から押さえる処置を講じていくことが大切ではないか、と思う。その方法は、まだいくらでもあるはずだから。
http://www.env.go.jp/policy/assess/5-14solarpower/index.html
以下の記事に、「武器」と「カジノ」が結びつく奇妙な構図が暴かれている。一見なんの関係もないかに見えるが、米のトランプ政権による「バイ・アメリカン」の圧力の凄まじさと、アベ政権の利権便乗的対応が浮き彫りになり、そこで「武器」と「カジノ」がひとつの線に結び合わされる。ようするに日米の利権構造が一致したということ。「『武器』と『カジノ』。今年の夏以降、訪ねてくる旧知の米国関係者たちから、何度この言葉を聞いたことだろうか。『彼らに訪日の目的を尋ねると、用件は必ずこの二つの利権だ』」「多くは、知日派の元政権スタッフや元外交官ら。『日本通であることで米国の防衛やカジノの関連企業などに雇われた彼らが、対日工作のため動き回っている構図が、ここに来てくっきりと見える』」「『TPP(略)交渉で、自動車の輸出と農産物の輸入をてんびんに掛けられている農協の気分だ』。国内の防衛産業は、自分たちの食いぶちを奪われかねないと戦々恐々だ。ある大手メーカー幹部は自民党の国会議員から『自動車を守るためのバーターとして、米国から高い武器をどんどん買えという流れになっている』と打ち明けられたという」(本文引用)
太陽光発電バブルを原発推進の一環と捉えることが身近で流行だが、利権構造が果てしなく連鎖しているといったほうが適当だろう。彼らは利権のためならどこへでも潜り込んでいく。油断していたら、良かれと思ってやっていることの中へも首を突っ込んでくる。そういうやつらだ、彼らは。
☆「<税を追う>歯止めなき防衛費(5)貿易赤字解消図る米大統領 『兵器買え』強まる流れ」東京新聞11月18日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111802000123.html
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2018年11月23日

カンダタたちよ、これは現実か幻か

33面「地球防衛軍のヒトビト」がなかなかいい。絵を全部引用するのが一番わかりやすいのだが、そうもいかないので言葉で説明すると、女の子が信号機の前で少年にナゾナゾを出す。「緑色が黄色くなったり赤くなったりするものなーんだ」。少年は考えて、目の前にある信号機と答える。ところが正解は紅葉だという。「手近な答えに飛びつくのは悪いクセよ。それにいつだって答えが一つしかないとはかぎらないわ」と女の子のセリフ。固いことを言うと、ヒントが足りなすぎるんだから信号機も間違いじゃないでしょ、と言いたいところはある。出題者の主観に沿って正解を強引に決め付けるのもおかしい、とまあ、それも含めて熟議をもっぱらとすべしってことが言いたいんだろうな。てな具合に、すごくいい漫画であった。
関連してくるのが14面「社説」の「入管法改正案 与党は一度立ち止まれ」の記事。「国会の自殺行為ではないか。出入国管理法案の衆院通過に向けて、自公両党が突き進んでいる。きのうは自民党の委員長が職権で法務委員会を開催し、野党欠席のまま議事を強行した。27日の本会議で一気に可決して参院へ送る構えだ」「従来の政策を大きく転換するのだから、相応の覚悟と国内の体制の整備が当然求められる」「議論を重ね、疑問や懸念を消していかなければ、将来に大きな禍根を残す。ところが与党は、月末から安倍首相が外遊するので、とにかく急がなければならないと繰り返す。国会は首相の都合で動く下請け機関なのか」「重要な論点についても、国会ではまだほとんど審議されていない。立ち止まって議論を尽くす。その見識を与党に求める」(本文引用)
抜粋した記事のあいだに、いろいろな問題点が記されている。丁寧に拾い上げるとこちらのスペースが尽きてしまうので書き出せないのが残念。参考に一つあげると「日本で永住許可を得られる条件の一つとして、就労資格を持って5年以上在留することが定められている。だが法相は、特定技能の資格で働く最初の5年間は、この期間に含めないことを検討していると述べた」(本文引用)ということは、10年在留しないと永住許可は得られないってことか。10年と明記したら目立ちすぎるから、表向き5年でよく見たら10年という、いつもの2枚舌を使って誤魔化そうとする風情アリアリ。まさに、「無理な説明が、さらに無理を生み、収集不能に陥っている」(本文引用)という、悲惨を極める状態だ。こんなときに首相はゆったりと外遊し、トップのいない国会が支離滅裂で迷走しながら強行採決に向けて驀進する。これはもう現実ではない。まさに白日夢と言い得る状況。それでいて会期延長がささやかれており、まさかの改憲発議もあり得る状況。舐めているというより、狂気の暴走というほかない。これのツケが彼ら自身に降りかかってくるのは間違いないことなのに、脇目もふらずに突き進む。もしや党内が最も恐ろしい恐怖政治の巷に変じているのではあるまいな。逆らうことの恐ろしさを身にしみているのは、いま国会で暴走している彼ら自身なのだとしたら、などと奇妙なことを思う。
そんな状況下で以下のようなことが進む。「悲願の憲法改正とともに、安倍首相が執心するのが教育改革だ。初入閣した側近の柴山昌彦文科相が教育勅語を巡り、『道徳などに使うことができる分野は十分にある』と発言して物議を醸したが、あれは紛れもない安倍の本音だ」(本文引用)。「語先後礼」って「なんだ?」という話。「真摯」や「丁寧」の言葉を知ってはいるが、その意味通りのことができない人がいる。なんとまあご丁寧なことで。彼の好きな明治の「改革」では、教育制度の確立と徴兵制とはセットで推し進められた。これの意味するところが、100年以上経ったいま、亡霊のように立ち上がる。恐ろしいことに、まだ庶民はそのことに気づく様子もない。
☆「大人も答えられない『正しいあいさつ』を小2に押しつけ」日刊ゲンダイ11月20日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241995/1
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2018年11月22日

いくつもあった分岐点を忘れて生きる

今日から入管法の実質審議が始まる。いろんなデータが報道されているが、こんな実態があるのになんで政府は強硬にこれをやりぬきたいのだろう。ゴーンも重要だが、この構図をよく見ると、テッペンと足元の両極端で、テッペンの不条理を大きくクローズアップさせて足元の方を見えないようにする、いつもの騙しの手法を使っていないかなどと勘ぐりたくなる。20日の社説にもあったが、「最低賃金以下」とか「契約賃金以下」とかが不満だと書くと行政の責任を問われるからか、「より高い賃金を求めて」なんぞの表現にすり替え、技能実習生のわがままのように見せかけるなんぞは、行政のわがまま隠蔽の極みとしか言いようがない。以下の記事では、法務省が衆院法務委員会に開示した、外国人技能実習生聞き取り調査の「聴取票」が示されているが、「月収九万円で週百三十時間働いた」「月収は三万〜九万円で労働時間は週三十六〜百三十時間。週百三十時間は一日十九時間近い勤務を七日間続けた計算」(本文引用)などとあり、法務省は開示したが複写を許可せず、野党議員は内容を書き写したという。事実を隠して歪んだ外観を提出する。こんな汚さで、なにをしゃかりきに押し通すつもりなのか意味不明。「閲覧した二十人分のうち十七人が計算上、最低賃金以下」「実態を知っていたのに放置していたことが明らかになるから出せなかったのではないか」(本文引用)と野党議員は指摘する。以下、付け足しで「首相は十九日の自民党役員会で『大変遺憾。丁寧な説明を行う』と強調した」(本文引用)。「丁寧な説明」とか「強調」とか、空虚だなあ。
☆「失踪実習生の聴取票開示 週130時間労働 月収9万円東京新聞」11月20日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201811/CK2018112002000131.html?fbclid=IwAR0mAtmntlj2sPGE-4XNaiiAlfmrZd7IMNUkDtSRWOp7iJcW1QmCBJuSdAQ
以下の記事では、さらに過酷な「現代の奴隷制」の実態が明かされている。国際社会から厳しい批判の声が上がっており、こういった「奴隷労働」が我が国の低賃金労働をさらに過酷なものにしていく現実が浮かび上がる。2013年5月31日の朝日新聞の記事に「ユニクロの世界同一賃金ショック」というのがあった。当時は無理があるとの認識が大勢だったと思う。だが、いまの状況は「海外で雇用する外国人労働者とムリに賃金を同一にしなくとも、出稼ぎにやってくる外国人労働者と国内で競わせて、全体の水準を低いほうにあわせればいい・・・これが彼らのいうシステムだ」(2014年6月14日当ブログより)ということができるのではないか。外国人労働者の「奴隷労働」は、次に自分たちの身に降りかかってくる。どこで歯止めをかけるか、早ければ早いほどいいのは、いつも歴史の推移が物語っている。
☆「時給180円で毎日18時間労働。暴行にレイプまで。この状況を放置して外国人労働者受け入れを拡大するのか?」月刊日本:HARBOR BUSINWSS ONLINE:11月20日
https://hbol.jp/179345?fbclid=IwAR0Le6_MWc3DKVcAnMoIO941jMOz5tpzwx2GSmUOzhQL6XGXcfeb6uJETyg
☆「ユニクロの世界同一賃金ショック」朝日新聞2013年5月31日
https://webronza.asahi.com/business/articles/2013052400001.html
そういえば2日前の「社説 入管法改正案 これでも強行するのか」では、なんでこんなひどい状態で強行するのか、と主張していたと思う。強行する側の脳内御花畑では「海外であきれられても、中身空っぽでも、とにかく強行採決すればそれで潤うところがある。だから、なにがなんでもやっちまえ。最初は不評でも、時間が経てばみんな諦めて、慣れてくる」ということではないのか。そのときには、そこが終点なのではなく、さらに次のステップが待ち構えていることを痛感せねばならないはずだが、5年前のことを忘れる衆生は、そのときも重要な分岐点であった時代のことを忘れているのだろうか。さらに次の分岐点があることも思わずに・・・。
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2018年11月21日

試みる意欲を失うなかれ

映画「カッコーの巣の上で」で印象に残ったひとつに、主人公が施設内にある大理石製の重い水飲み台を「これを動かしてやる」と豪語して試み、失敗するという場面がある。そんなのできるわけない、と冷ややかな視線を送っていた周囲の患者たちは、失敗した主人公を見てせせら笑う。そのとき主人公は悔し紛れに言う。「すくなくとも、おれは試みたからな」と。「てめえらは試みなかったから失敗しなかった。だから失敗するのをあざ笑うしかできないんだ」とも言ってたかな? 主人公の友人となったネイティブアメリカンの大男は、精神病院を脱出する直前にそれを試みて成功させ、水飲み台を鉄格子付きの窓に叩きつけて壊し、自由の天地へ逃げ出していく。「見ろ。おれは試みて成功させたぞ」と闇の中を走り去る男の背中が語っていたっけな。なかなかいい映画だった。
14面「聞きたい 『風力発電大国』に学ぶことは 再生エネへ転換 国の決意あり」を読んでいて思った。いや、その前に再生エネ政策のヨーロッパにおける牽引役であるドイツの進捗状況に黄信号がともったという別の記事を最近読んで首を傾げていた。そして、デンマークの記事を読み、ドイツを失敗とする根強い風潮があるものの、全体としてしっかり前進している様子が見えて安心した。ドイツの再エネ推進については、当初からいろいろと「失敗する」「あわてて修正してる」「経済が破綻する」「電力価格がどんどん上昇している」などなどの批判が相次いでいた。最近読んだのもその類の記事で、2酸化炭素削減目標が達成できないと批判し、電力料金が高騰していることも挙げていた。原発事故関連費用が電力料金を圧迫し、それが見えないように税金から補給しているどこかの国の方がよほど破綻していて、他人をこき下ろしてるヒマなんぞないだろうに。国民をダマせるならなんでもネタにするという浅ましさが浮かび上ったように思った。
ヨーロッパの有利なところは、欧州全域が一つの送電網で網羅される地域と捉え、再生エネの地域的過不足を相互に補い合える環境があるという点だ。デンマークでは太陽光よりも風力をメインに据えた。そして、かつてはベースロード電源と位置付けていた石炭火力を調整電源に使うようにした。単純にこれは原発ではできない芸当で、あくまで原発に頼り、90年代後半に、早くも風力発電を葬り去ってしまった日本にとっては到底マネできないことだった。いまは風力の次に太陽光を葬り去ろうと陰湿な策が進められている。地域住民が嫌うようなやり方が横行し、悪徳業者が跳梁跋扈するヤクザな領域に成り下がっている。温暖化国際会議で鬼っ子的存在になり、ほとんどつまはじき状態にある日本が目指しているのは、自分たちではなく国民に嫌悪があるのでうまくいかず失敗する、という構図の完成だ。各電力間をつなぐ系統連系線の増強もかなり前から言われていたのに、なかなか前に進まないできた。北海道電力のブラックアウトもその過程で起きた。九電の太陽光出力制御も同じ文脈内で語れる。「デンマークにとってはベースロード電源という考え方より、柔軟性の確保の方が大事だ」(本文引用)、つまり、出力制御が容易でない原発が送電線の自由度を大幅に損なっていることを横に置き、国のルールで決まった出力制御を他電源に押し付け、系統連系線の活用にも消極的。再エネの不十分さをことさら強調するアコギな戦術は、しだいに成功するかに見える。映画「カッコーの巣の上で」にあったように、本来は最後に全力で妨害を押し切る力が育ってこそ成し遂げられるもの。そのためには、推し進める側の現実的な理解も必要になるはず。ただのユートピア的な楽観主義でこれに向き合うなら、発送電のすべてを牛耳っている国家や大企業に勝てるはずもない。かえって奇妙な逆宣伝に丸め込まれるばかりと知っておきたい。
☆「太陽光発電、九電が停止要求の可能性 原発再稼働も一因」朝日新聞9月3日
https://www.asahi.com/articles/ASL8X6QCYL8XTIPE02F.html
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2018年11月20日

改ざんデータを信じる人もかなりいる

以下に2種類のデータを示す。ひとつは環境省と経産省による「平成26年3月 使用済再生可能エネルギー設備のリユース・リサイクル・適正処分に関する調査結果」の抜粋、もうひとつは農水省による「平成27〜28年度 有害物質含有実態調査結果データ集」の抜粋。比較すると奇妙なことがわかる。再エネ調査は上欄「最大値」下欄「最小値」だけ記載。有害物質には「試料点数、最小値、最大値、平均値、中央値」が書かれている。
経産省と農林省.png
これが何を意味するか説明するのはめんどくさいので端折るが、再エネは素人がデータを見誤りすいように細工が見える。多分これを読んだら素人は最大値を見てぶったまげ、こんなのが野ざらしで設置されてるんだ、と騒ぎ出す。一方の有害物質では、素人は首を傾げ、どう理解したらいいんだろう、と悩み、たぶん権威ある誰かに頼んで解説してもらうだろう。当記事を読んで分からなければ自力で理解するか、誰か権威に頼むかした方がいい。どちらにしても、結論は明らか。再エネに関するデータはウソは言ってないが、曲解を招くだけのデータしか示していない。困るのは〇〇反対運動の面々でこれを理解する人はとても少なく、他にも雑多な誤解・曲解を交えながら大真面目に信じる場合があること。反核運動で「1ベクレルも許さない」と息巻く人が、日常生活ではぜんぜん気にしていないのと同様、これは困った風潮だと思う。
なんでこんなことを書いたかというと、近頃の国会で見受けられる、国提出データのデタラメさが際立ってきているが、こんなことは今に始まったことではないぞ、と言いたいためだ。過去にもあっただろうが、安倍政権下でひときわ目立つようになったのでは、と推測する。政権への忖度が極限に達し、矛盾があっても政権がごり押しで隠蔽の先頭に立ってくれるから、安心してデタラメデータを国会に提出するのか、それともこれが官僚名物の陰湿な抵抗なのか。それは官僚の恣意的な使い分け次第だろう。14面「社説」の「入管法改正案 これでも強行するのか」をみてそう思った。「こんなボロボロの状態でも、政府与党は強引に成立させようと本気で考えているのか。外国人労働者の受け入れ拡大を目指す出入国管理方改正案への疑惑が、さらに膨らんでいる」(本文引用)とある。ずらずら書いてあるのはデータの恣意的改ざんの詳細で、「結果として、法令や契約を守らない劣悪な労働環境があることは覆い隠され、実習生のわがままが失踪を生んでいるような印象を」(本文引用)ふりまいており、法相までが参院本会議でそんな発言をし、いまだ撤回していないという。記事の末尾には、働き方改革をめぐる政府の調査データや森友学園問題で政府のいいように改ざんされた資料などが例示されている。
個人的に思い出したのは、16年5月末に行われたG7伊勢志摩サミットで各国首脳に示された出所不明の奇妙な資料だ。メルケル独首相などは財政再建を説いたと記憶しているが、首相は厳しい世界経済情勢打開のため財政出動を含めたあらゆる手立てを講じることでG7首脳が一致したと盛り込みたがった。その後の経過を見ると、各国が金融緩和の出口へ向かう中で、日本はついに出口を見失いそうな現状に至っている。国内的にごまかせても、国外ではいまや置き去りの運命にさらされ、「ここだけ大沈没」の可能性が強まっている。
そんななか、現代の奴隷制度を目指すがごとき「入管法改正」が、デタラメを満載したまま強行されるかもしれない。そういえば首相はいまどこにいるんだと、「首相動静 19日」を見ると、どうも帰国しているらしい。細々したことで忙しそうにしている。さて、次はどこへお出かけになるのかな。国内では祇園精舎の鐘の音が「ゴーン!」と虚しく鳴り響く。2面記事を読むと、「国内の上場企業で報酬委員会を導入しているのは25%ほどで、代表者に一任している企業が多い。『日本企業にも警鐘を鳴らす事件だ』」(本文引用)とある。全国で祇園精舎の鐘の音が聞こえるようになるのかな。そういえば東電旧経営陣はどうかな。ゴーン!
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2018年11月19日

天下人の脳内のすさまじい倒錯の歴史

1面「天声人語」の豊臣秀吉の世界戦略史料が面白い。「『につほんのていわうさま』(天皇)を北京に住まわせることにした」(本文引用)と冒頭に書かれているが、面倒なので現代文部分だけ引用する。「高麗の都は去る(略)2日に落居(陥落)した」「日本の船着場である寧波(中国浙江省)に自身の居所を置こうと考えた。今後のアジアでの戦闘に貢献した武将には、天竺(インド)近くに領地を与えるとも述べ」「イエズス会の宣教師から世界情勢を吸収したはずの秀吉が、日本の軍事力をこれほど過大視していたことに驚く。緒戦の快進撃に高ぶったにしても、稀代のホラ吹きか。あるいは哀しむべき井の中のかわずか」「四百余年前に書かれたひらがなの列をたどりつつ、『天下人』秀吉の頭の中を覗き見た気がした」(本文引用)
これを、明治以降の軍国日本に当てはめてみる。征韓論から日清日露の戦争、そして中国での戦争から太平洋戦争、ついにはインパール作戦でインドまで目指す。まさに「緒戦の快進撃に高ぶった」としか考えようのない異様な戦域の拡大に走り続け、ついに大敗北を喫したことを思う。そんな「稀代のホラ吹きか。あるいは哀しむべき井の中のかわず」かと思えるような世界情勢把握の過誤がこの国をいつもゆさぶる。大敗北から70数年、またぞろ頭をもたげてくる時代錯誤の大敗北主義。「38度線南下論」の出発点が豊臣秀吉の世界観かと連想し、この国の独特の歴史に目がくらむ。ここまでくると、ほとんど倒錯ではないかと思わざるを得ないが、なんでこれがいまも勢いを持つのかといえば、やはり旧武家社会という上部構造と下部構造たる被支配層の関係が、隠然と存在するのを想定せざるを得ない。明治維新は崩壊寸前だった武家社会が、支配階級として生き延びるための内乱、またはクーデターと言えるのではないか。江戸城無血開城は武家社会が生き延びると確認できたからこそ、あえて断行されたのではないか。明治以降の推移を見ていると、政府はもちろん民間人士どこもかしこも征韓論だらけで、違うのはせいぜい実施時期とか実施方法だけではなかったか。細かく見ればいろいろあるだろうが、豊臣秀吉の世界制覇の愚策を通してそんなことを思う。
10面週刊誌広告の「“岸破義信”なんて誰も本気にしちゃいない やっぱり出てきた『安倍さん、4選してください!』」の惹句に注目。おいおい、12年もやったらいよいよ独裁でしょう。独裁制で何を目指すのか。そこのところ、被支配層たる庶民はよく考えてるのかね。4面「政治断簡」の「国民投票 CMがすり込む怖さ」に大阪の都構想住民投票における賛成派への対面調査結果があり、テレビCMの影響を受けた人の比率が3・2%だったとある。しかし実態はそんなのではないらしい。「CMとは答えなかった人に賛成の理由を聞くと、『橋下さんは、とにかく大阪を良くしたいと思ってやってきたんやから』と当時の橋下市長のCMのセリフをそのまましゃべる人が何人もいた。自覚がないまますりこまれる。それがCMの怖さ」(本文引用)という。
そうだ、大岡越前や遠山の金さん、鬼の平蔵など、支配階級の武家にもいいのがいる。それをアテにして「善政」を期待し、いつも裏切られる庶民は、お上による「善政」を幻と知りながら、かつてはそんなこともあったんだからと、高く望まず、嵐には頭を低くして通り過ぎるのを待つに如かずと、やりすごすのを最も利口な生き方と尊ぶ。明治維新が滅ぼしたはずの武家社会が、いまもTVのなかで厳然と生き続け、見ているとけっこう面白いのにはそんな理由があったかと思い知る。7面の週刊誌広告に「技能実習生問題の裏に『一人手数料1万ドル』の搾取ビジネス 日本側に利益供与の内部文書入手/接待やキックバックも」の記事があっても、これを日本社会が暗黙に許容する奴隷労働なのだと認識せずに通り過ぎてしまう。封建遺制が現代にじゅるじゅるとはみ出して、いつのまにか実態となる。そのことに気づいても抵抗する手段がほぼ失われているのに気づかず、有効な手立てを堅持する意志も失せたまま、この世を彷徨う。たしかにそれでは12年独裁も不可能ではないかもしれない。
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2018年11月18日

つくづくイヤな世の中になっていく

近頃どうも我が家購読紙がおかしい。描きたいなと思う記事が少ないか、または意外なほど小さい。適当な記事を探してパソコンに向かいしばし黙考し、おもむろに書き出すという日常が乱れて仕方ないのである。本日の1面に「サイバー空間 米朝攻防 ウィルスで世界混乱 米がハッカー訴追『背後の国あばく』」があり、これは面白そうだな、と読んでみる。北朝鮮が仕掛けた史上最大規模の身代金ウィルス「ワナクライ」の一件が書かれている。「へえ、そうなんだ。いやだね」と思う。2面に移り、ちょっと印象が違ってくる。「サイバー戦 ルールなき応酬」中見出しは「“ワナクライ”の手口 米開発の兵器」「北朝鮮ミサイル実験 失敗させる?」「日本、攻撃に法的課題 憲法21条・刑法など抵触の可能性」とあり、「あれっ、コトの成り行きからするとアメリカが仕掛けて、同じウィルスで反撃されたってのが真相じゃないか?」と知る。1面ではそうなっていないから誤解したが、「『ワナクライが攻撃で使った手口は、米国家安全保障局(NSA)から盗み出したもの。米軍の巡航ミサイル・トマホークを相手に盗まれたようなものだ』。一連の騒動を受け、マイクロソフト社のブラッド・スミス社長が批判したのは、北朝鮮ではなく、米国のインテリジェンス機関の一つ、NSAの対応だった」「ウィンドウズの欠陥を最初に見つけたNSAは、欠陥のあることをマイクロソフトに通知しなかった」「その脆弱性を利用した『サイバー兵器』を密かに開発」「このツールが何者かに盗み取られ、北朝鮮の手に渡ったことでワナクライによる世界的な感染を引き起こしたというのが通説だ」「北朝鮮は昨春、弾道ミサイル発射実験に相次いで失敗。ニューヨークタイムズなどが原因は米国のサイバー攻撃だと報じた」「米国によるサイバー攻撃は過去にも例が」「01年、イスラエルと協力して開発した『スタクスネット』(略)をイランのウラン濃縮制御システムに感染させ、984基の遠心分離機を破壊した」(本文引用)
おっとっと、本家はアメリカなんだ。核兵器も本家はアメリカ。どちらも自分で始めておいて、世界を巻き込んだ核戦争・サイバー戦争に発展させてしまったというべきか。付き合いきれないね、と言うしかない。日本の場合、本格的対応にはまだ課題があると書かれているが、「防御の技術を磨くには、攻撃の手口にも精通する必要がある」(本文引用)とあるので、実際に使わなくても詳細な手口については精通していくことになるわけだ。いやいや、変な方向へ事態が進んでいく可能性もないじゃなさそう。「防衛省幹部は『攻撃に余地を残す表現にはなるだろうが、「攻撃能力保有」の明記は難しいだろう』」「サイバーをめぐって山積する課題に、大綱がどう道筋をつけるのかが焦点の一つだ」(本文引用)
このことを巡ってひとつ思い出すのが、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」だ。米NSAは個人のパソコンに侵入して情報を把握することはもちろん、いつのまにか遠隔操作して日常的に監視しているということが描かれていた。この映画は「シチズンフォー スノーデンの暴露」というドキュメンタリーの劇映画化で、前者と後者はほとんど完全に重なる内容になっている。つまりドキュメンタリーで語られたことが本物なら、映画で表現されていることも本物ということになる。いつの間にか侵入され操作され、監視されているとなると、ちょっとばかり危惧したくなる。アメリカはその先頭を行く。怖いことだと思う。2面記事では「国家主体とみられる直近の主なサイバー攻撃」として、10年6月の「スタクスネット」から18年10月のロシアによる化学兵器禁止機関へのサイバー攻撃まで7件が記載されている。米が1件、米・イスラエル1件、ロシア3件、北朝鮮1件、中国1件というが、いやいや関わっている国も事件の件数も、実態はもっと多いだろう。米の関与したものについては、さらに多様の手法が使われ、数も多いだろう。長らく愛用してきたパソコンも、“触らぬ神”の領域に迷い込んだか。暗黙の強制。「由らしむべし知らしむべからず」だね。なんだか恐ろしい世の中になったもんだ。
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2018年11月17日

孤独な怒りを理解することの難しさ

堀田善衛の短編小説「広場の孤独」を思い出した。1面の「折々のことば」で三木清の一文「ひとは孤独を逃れるために独居しさえする」が紹介されていた。「人は大勢の人の間にあっても、というかその中でこそ孤独であると、哲学者は言う。だから人は、逆説的にも孤独から逃れるために独居しもする。が、反対に、孤独を味わうために街に出もする。孤独は何かの欠乏ではなく、紛らすよりもむしろ味わうべきもの。その意味で孤独は感情よりも知性に属し、その中ではじめて世界と確と向き合うことができる。『哲学と人生』から」(本文引用)。たしかに、紛らすことで道筋は見えてこない。「広場の孤独」は、紛らすことで煩悶するのではない、当時の知識人の物語だったと記憶する。奥深い孤独を孤独の中で直視し、道筋を確かめる。思考がメビウスの輪に絡め取られるのではなく、次につなげていくプロセスを確保する。
28面「古典百名山」は「ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』」について書く。「1929年、世界大恐慌が起こった。お祭り騒ぎの20年代が終わり、重苦しい30年代が始まった。この時代を生きた人間の強さと恐ろしさを同時に描き切るグレート・アメリカン・ノベルこそ、本書なのだ」(大恐慌後のオクラホマからカリフォルニアを目指す農民たち)「その過酷な旅を、旧約聖書の『出エジプト記』に重ね」「本書が描くのは、極端な貧困状態を生き延びるため、人々が、自分は個人じゃなくて、大きな種族のひとかけらなんだと、認識を改めていく姿だ」「家族の誰かが死ぬが、隣家では赤子が生まれる。誰かが出て行くが、誰かが結婚する。こうして全体として生き残ることができれば、自分が死んでも消えないはず、と。『飢えるのはごめんだといって喧嘩するやつがいたら、おれはそこにいる』『みんなが怒って怒鳴っているとき、おれはそこにいる』『母ちゃんがどこを見たってーーおれはそこにいるってことだ』」「生活が困難になるほど連帯は強まっていく。そして絶望した人々が、一人また一人、共同体に沈み込んでいくというこの物語を、わたしは震えて読んだ」(本文引用)。この文章から、「孤独のその先」を教えられる。個々の人々の苦闘が織り成す大きな流れが浮かび上がる。孤独な闘いが葡萄の房のように結実していくダイナミックな様が、次第に明瞭になっていく。そのことを鮮明に示した解説の力のすごさも感じさせる。
翻って現実はいま、どこまで「怒りの葡萄」を実らせつつあるか。3面の「玉城氏 米政府の姿勢崩せず 初訪米 希望の相手に会えぬまま 辺野古、世論への訴えでは成果 『日本の防衛政策決めるのは東京』米政府」には、沖縄の苦悩が浮かび上がる。報道は「米国世論に直接反対を訴えるとの目的はある程度果たせたと総括した。だが肝心の米政府は『辺野古が唯一の解決策』との姿勢を崩さなかった」(本文引用)と書く。玉城氏の行く先々に、日本政府の影が浮かび上がる。国務省と国防省に意見の食い違いがあるのは知られたことだが、報道はそれを伝えない。「怒りの葡萄」は沖縄でこそ巨大な結実を果たしたが、巨大な葡萄の房は孤独を強めている。同じことは福島についても言える。以下の記事は「いじめ」に切り込みつつ「いじめの背景」には触れない。東京電力福島第1原発事故の避難者が抱える孤独を示さない。事故後8年目、避難者は政府の帰還圧力に晒される一方で、避難先の意識変化に翻弄され、反原発の善意の薄弱さにも惑わされる。「避難すべき」と「避難先の意識変化」のあいだのすきま風を埋める行為はあるか。狭い善意が、彼らを孤独に閉じ込める。差別を放置する。この恐ろしい関係のありかを思わないか。心の拠り所がここになければ、彼らは差別が矯正する孤独ではなく、故郷への帰還を選択する。希望がない「安心」を放棄し、いっそ同胞のもとへ戻ることを選ぶ。「怒りの葡萄」がたぎらせる怒りの底知れなさを思う。
☆「山梨いじめ 第三者委に北杜市民 家族要望に背き」毎日新聞11月8日
https://mainichi.jp/articles/20181108/k00/00m/040/207000c
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2018年11月16日

無惨さは我々自身の内部にも巣食う

東芝が英の原発建設事業から撤退する。「東芝は7日、英国での原子力発電所新規建設事業から撤退し、子会社のニュージェネレーション(NuGen)を解散すると発表した。東芝はNuGenの売却を計画していたが、引き受け先が見つからなかった」「これにより、英国が低炭素経済への移行に向けて進めている原発開発計画に歯止めがかかることになる」「英国の最大労組GMBは、ムーアサイド原発計画の『迫り来る崩壊』は『気が滅入るほど予測できたことだ』と述べている」(本文引用)。長いことスッタモンダしてきた。この影響はかなり大きいと思うが、直近の我が家購読紙ではどう扱ったのか、記憶がない。
☆「東芝、英国の原発建設事業から撤退へ」BBCNEWSJAPAN11月8日
https://www.bbc.com/japanese/46134220?SThisFB
以下の記事は日立の危機を語る。「日立は英原発子会社、ホライズン・ニュークリア・パワーを通じ、英中西部アングルシー島で2基の原発の新設計画を進めている。日立は事業リスクを軽減するため、着工を最終判断する2019年までに、ホライズン社を連結対象外とする方針だ。そのためには英政府や地元企業のホライズン社への出資比率をどこまで高められるかが焦点となる。協議が難航した場合、日立は事業から撤退する可能性を残している」「日程が遅れるなどして建設費が想定より膨らんだ場合の損失は誰が負担するのか。3社体制を見直した結果、リスクはホライズン社が一手にかぶることになる」「実態は『ホライズン社=日立』である」「安倍晋三政権は、退潮に拍車がかかる原発の輸出を、成長戦略の柱に据えている。その一環として資金難に悩む英原発事業に、官民で1兆円超を投資するプランを打ち出した」「外資系証券会社のアナリストは、こう懸念する。『日本政府の英国原発への大盤振る舞いが、日立に撤退のタイミングを失わせるかもしれない』」「英国原発プロジェクトからの撤退を決断できるのか。撤退できなければ、日立は“東芝化”の道を歩む可能性が高い」(本文引用)。5月20日当ブログで我が家購読紙の記事を引用しつつ、「政府が強力に後押ししているが、金融機関は安全対策費の高騰など損失拡大を懸念する。国策原発は国がいくら力んでも、もはや落ち目を隠せない」と、書いた。8月17日ブログも同様で、すでに原発輸出は次から次へ頓挫し、目も当てられない状況にあるのが見て取れる。
☆「日立製作所、『東芝』化の危険…『撤退できない』英国原発事業で巨額損失リスク浮上」BusinessJournal:10月3日
https://biz-journal.jp/2018/10/post_24965.html
1面に「北方領土交渉『2島先行』軸に 歯舞・色丹『米基地置かぬ』首相、プーチン氏に伝達」の記事。昨日のブログで書いた、外務省関係者がもらした「ゼロ」は何なのか、実態が見えてきた。アベノミ・異次元緩和いよいよ暗礁に乗り上げ、原発輸出ボロボロ。日米FTAも深刻で、7面「米牛肉輸入 月齢制限撤廃へ 食品安全委が評価書案」は「牛海綿状脳症(BSE)による米国産牛肉の輸入制限が、緩和される見通し」「今回はカナダとアイルランド産も緩和の対象」(本文引用)とある。同4面「入管法、委員会審議へ 委員長職権で決定、野党反発」中見出し「なぜそこまで施行を急ぐ(略)」「半年遅れると万単位で帰る(略)」も要注目。法相は「法改正が半年遅れれば、万単位が帰ってしまう。我が国経済に深刻な影響を与え、対応は待ったなしだ。喫緊の課題であり可能な限り早急に実施する必要がある」(本文引用)と発言。11月13日当ブログで書いたが、昨年7000人、過去5年で26000人の外国人技術実習生が失踪している。以下の状況を放置しては、万単位の人々が帰国してしまうのは当然。これを見過ごす我々も同罪となる。アベ専制政治を批判することが、自らを断罪せねばならないことになる無惨さの中に、我々自身の立場がある!
☆「指切断に飛び降り自殺も発生、外国人労働者ら“まるで奴隷”の現状」週刊女性11月27日号
http://www.jprime.jp/articles/-/13795?page=1
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2018年11月15日

有利に働かせようと必死の形相アリアリ

1面に「首相、年明け訪ロ 56年宣言基礎に平和条約交渉 日露会談で合意」がある。「あらま、そうなの!」である。9月12日のウラジオストク国際会議でプーチン氏が「あらゆる条件をつけずに年末までに平和条約を」と発言したときは、「あらま、どうするの?」だったわけだが、押され気味のまま年末を迎えるわけにもいかず、反撃を開始する腹づもり? 「日本と旧ソ連が国交を回復した56年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後に歯舞、色丹の2島を引き渡すと明記。2001年のイルクーツク声明ではこの宣言を出発点としたが、今回の合意は基礎としつつも、国後、択捉を含む4島の帰属の問題について首相は記者団に言及しなかった。歯舞、色丹2島の帰属を優先して協議する可能性をにじませたものだ。首相は会談後、記者団に対し、『領土問題を解決して平和条約を締結する』と述べた。その上で『戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意志を大統領と完全に共有した』と述べた」(本文引用)。これまでの日本政府の基本方針と異なる方向を首相が発信したということで、政府内には困惑があるそうな。3面に関連記事「北方領土 緒探る 日ロ両首脳が交渉 首相周辺に『二島先行論』浮上」がある。表題の根拠は56年の日ソ共同宣言に平和条約締結後に歯舞・色丹を引き渡すと明記されており、首相周辺では水面下で「2島先行返還」の検討を始めているとも書かれている。さらに「仮に2島先行返還を容認しても、日米安全保障条約をもとに米軍基地を置くことへのロシアの懸念を払拭できるかは不透明」「16年(略)日ロ首脳会談の前、谷内正太郎・国家安全保障局長がロシアのパトルシェフ安全保障会議書記に原則論として『可能性はある』と答え、交渉がこじれた経緯がある」「外務省関係者は『2島でいいと言ってしまうと「ゼロ」になる可能性もある』と指摘する」(本文引用)とまあ、この「ゼロ」とは何を意味するのかな。だいたい北方4島の問題を速やかに解決できたら、拉致被害者問題の置き去り感がさらに強くなる。北方領土はロシアが電撃提案してくれて一定のパフォーマンスができたものの、拉致では自分の方が電撃提案でもしない限り、歩み寄りは困難な状況。さてどうするのやら。
3面には「災害多発GDP年1・2%減 7〜9月期輸出・個人消費に影 米中対立懸念 先行き不透明」がある。これは昨日の7面「日銀総資産GDP超え 戦後初 5年で3・4倍」の続きのようだ。併せて読むと、日銀の総資産保有額がGDPを超えたように見えるけれど、原因は猛暑を含む災害多発によって、個人消費や輸出がふるわなかったせいだよ、と言いたげな記事だ。おまけとして中見出し「米中対立懸念」で「災害で減速した消費と輸出は、足元では持ち直している。茂木敏充経済再生相は14日の記者会見で『景気は緩やかに回復している、との認識に変わりはない』と話した」「日本の景気回復の長さは、12月に戦後最長の73カ月に並ぶ可能性が高い」「ただ、先行きの不透明さは増している」「中国経済が本格的に失速すれば、日本経済への影響は10月以降の数値で表面化する懸念がある」「好業績が続く日本企業も来年3月期通気の見通しは引き下げるところが少なくない。『日本の景気は天井が見え始めている』と(略)研究員は話す」(本文引用)とダメ押し。まさかと思うが、災害多発による7〜9月期GDPが年率換算で1・2%減というが、ほんとにそんなもんかね。この計算にも手心が加えられているんじゃないのかな、と疑問符。日米FTA交渉の難航も予測され、改憲を含めて前途は多難なご様子。昨日の当ブログで「以下の記事」と書きながら、なんの記事か示し忘れていたので、あらためて以下に紹介しておく。
☆「政府統計、信頼に揺らぎ GDPなど日銀が不信感」日本経済新聞11月13日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37675170S8A111C1EA1000/
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2018年11月14日

政局日程に汲々とする日々か

4面「通常国会1月4日招集案 政府・与党 衆参同日選憶測も 参院選日程で主導権」に注目。この日程の決め方に、いかにも党利党略そのまんまが見える。例年なら1月後半のところ、4日に前倒しすると、参院選投票日の選択肢が増えて、政治日程の組み立てが有利になるそうで。「参院選を控える来年の通常国会は国会法で定められた150日の会期を伸ばすことが難しい」(本文引用)とし、具体的数字をずらずら並べて、7月28日に任期満了を迎える参院選の日程を推測している。1月4日招集なら投票日候補は4回。7〜9日なら各1回になるという。衆参同日選にすると、また違った日程が組めるらしい。1月4日招集6月2日会期末に衆院解散に踏み切ると、公選法の規定により6月30日か7月7日が投票日として選べる。でも、同日選で改憲に必要な「3分の2」を割ったら大変、これは現実的じゃないなどと、なんとまあメンドクセイことよ。
ここで16面「社説」の「来春の10連休 国民の声届いているか」に目を移すと「皇太子さまが新天皇に即位する来年5月1日を祝日とする法案が、きのう閣議決定された。政府は常々、代替わりが『国民がこぞってことほぐ中で、つつがなく行われるようにする』と表明してきた。人々に祝意を強制するような物言いは厳に慎むべきだが、当の政府の対応によって、『こぞって』から遠い状況が生まれつつある。」(本文引用)とあり、来年はなんと5月は10連休になる。普通なら区切りのいい1月にするのが順当と思うが、5月1日に即位と改元を実施すると決めたのは安倍政権で、「年初は皇室の行事が重なる、4月は統一地方選があって慌ただしいなどを理由に挙げた」(本文引用)というが、どうしても4面の政治日程記事と重ねて考えてしまう。ギュウギュウ詰めにして日程を組みつつ、与党のご都合を最優先し、「あーじゃないこーじゃない」と日付をこねくり回しているとしか思えない。さらに、昭和天皇の死について考える。あのとき天皇は、新聞記事だけ見ているだれもが感じたように、年末を超えて1月まで「生きている」かのような延命治療を継続させられていた。あまりの痛ましさに、天皇ゆえの苦悩を感じさせたものだったが、いまも同じような位置付けで翻弄されているのを感じる。ここで言われている政治日程とは通常政治の範囲内ではなく、まさに政局日程。時の政権党がことを有利に運ぶための算段をあれこれ弄くり回す、策謀のひとつでしかない。そういえば、国会は10連休のあいだお休みになるわけか。なるほどね。それで5月の連休は次第に長くなってきてたんだな。しかしまあ、来年の政局日程はギュウギュウだねえ。外遊に外遊を重ねても、ポンコツ閣僚を防波堤にしても、どうなんだろう。逃げ切れるのかなあ。
7面「日銀総資産GDP超え 戦後初 5年で3・4倍」の記事は、この国の経済がものすごいことになっているんだと、改めて思わせる。「大規模な金融緩和で大量の国債を買い続けている日本銀行の総資産の規模が、国内総生産(GDP)を上回った」「総資産は553兆5922億円で、名目GDPの552兆8207億円(4〜6月期、年換算)を超え」「異次元緩和を始める直前の2012年度末の総資産は約164兆円で、この5年余りで約3・4倍まで膨れ上がった」「出口の局面では、日銀にお金を預けている民間銀行などへの利払いが増え、日銀は債務超過に陥りかねない」(本文引用)。そんな背景があるためだろうか。以下の記事では「日本の現状を映す統計を巡り、内閣府と日銀が綱引きしている。国内総生産(GDP)など基幹統計の信頼性に日銀が不信を募らせ、独自に算出しようと元データの提供を迫っているのだ。内閣府は業務負担などを理由に一部拒否しているが、統計の精度をどう高めるかは、日本経済の行く末にも響きかねない大きな問題をはらんでいる」(本文引用)。GDP計算法を財務省が言い出した時期をブログで調べたら15年12月9日の記事に、「麻生太郎財務相は(略)『統計の取り方をもう一回しっかり検討しないと』と苦言を呈した」とある。いままた、矛盾をさらに積み重ねようとするのか。無惨じゃのう!
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2018年11月13日

国際関係がらみだとたちまち最悪に突入する

今日の新聞は国際関係がらみの記事だらけ。まず3面に、「米ペンス氏が来日 貿易協定など焦点 今日首相と会談」。ペンス米副大統領が来日し首相と会談する。「首相とは、自由貿易協定(FTA)や朝鮮半島の非核化について話し合う」「『世界第3位の経済大国である日本と歴史的な貿易協定の交渉を間もなく始める』と言及。すでに韓国やカナダ、メキシコとの協定が合意したことを挙げ、『新たなディール(取引)は米国人の仕事や労働者を第一に考えるものになる』と」(本文引用)記者団に語ったそうな。TAGではなくFTAなんだなあ、やっぱり。そして、麻生財務相との会談は記事には全然書いてない。いまや彼は政権の心臓に食い込んだ強固なガン細胞みたいなものなんだな、やっぱり。おバカで無能な金持ち道楽息子の成れの果てだもんな、やっぱりだよねえ!
4面「プーチン氏案 首相どう対応 前提なし平和条約提案後初あす会談」では、「首相は14日にシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談」「会談は、提案をしたプーチン氏に対して、首相がどう対応するかが焦点だ」「外務省幹部はプーチン氏の提案について『この話は終わった話だ』と話し(略)、14日の首脳会談では議題にならないとの見方を示した」「日本政府が従来通りの交渉をしようとすることにプーチン氏が不満を持っていることは明らか」(本文引用)とあり、これだと14日以降の国内報道は、FTAをTAGに変えてしまうような妙案でも出してこない限り、国内向けにいい格好はできないことになりそうだな。「プーチン説得に大成功〜!」って大見得を切れば切るるほど、本当の結果が怪しくなる。
同4面には「日韓の会合見送り 特許長官 元徴用工判決受け」の記事も。「今月2日に予定されていた日韓特許庁長官会合が見送られたことがわかった」「日本側が延期を申し入れた。判決が出てから日韓関係は悪化しており、今後も両政府で予定されている様々な協議に影響を与えそうだ」「韓国大法院の判決が出た翌日の10月31日、日本の特許庁側が韓国側に『今は両国間の雰囲気が悪いので、延期したほうがいい』と申し入れ」「日本の特許庁は『中止になったかどうかも含めてコメントできない』」(本文引用)とか。次の記事「原告代理人らが新日鉄住金訪問『判決に従って』」は「新日鉄住金は直接対応せず、『判決は日韓請求権協定と日本政府の見解、日本の確定判決に反するもので、きわめて遺憾。今後は日韓の外交交渉の状況を見極めたい』などとするメモを警備員が代読した」「社員が対応しなかった理由について新日鉄住金は『当社の対応に変わりはなく、新たに伝えることはないため』と話している」(本文引用)。国が頑なだと、企業も尻馬に乗って頑なになる。まったく、みっともないですね。恥ずかしいですね。
14面「社説」は「入管法審議へ 政府の前のめりを正せ」の記事。引用せねばならない部分が多くて困る。読んでいると、稀代のザル法じゃないかと思うような法案が、今日から衆院で審議入りする。「改正案には、国会のチェックを経ずに改廃できる省令で、後から定めるとされている事項が極めて多い」(本文引用)という。いやほんとめちゃくちゃ多いのだ。引用していたらあれもこれもそれもどれも、といったことになる。何もかも勝手気ままに省令でやり放題。どうしてかね。めんどうだから、記事を直接読んだほうがいい。これはあまりにも酷い法案だ。
☆「(社説)入管法審議へ 政府の前のめりを正せ」朝日新聞デジタル11月13日
https://www.asahi.com/articles/DA3S13765555.html?iref=pc_ss_date
以下の記事によれば、17年末時点で27万人の外国人技能実習生が日本に在留という。現代の奴隷制度の横行に無関心でいるのは、政府の悪行に加担していることに等しい。新しい植民地主義と言えないか。首相も丸逃げする入管法審議の実態を知ろう。
☆「5年間で延べ2万6千人失踪 ― 外国人技能実習制度は異常すぎないか」YAHOO!JAPANニュース11月6日
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20181106-00103150/
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2018年11月11日

自由民権の継承はなぜ途切れたのか

明治とはなんだったのかと、いま思う。国全体が激しい変化を遂げた時期だった。徳川260年の停滞を抜けて急速に近代化されたというが、なにがどう近代化されたのか、考えてしまう。徳川の治世は、強力な武器を独占した武家階層が独特の権力を持ち、この国の上部に君臨した時代だった。このごろ、その社会構造は根本的に変わったのか、じつはそうじゃないのではないか、と疑問を持っている。基本的に変化したのは、武家階層という上部構造が国際社会の変化と矛盾をきたし、支配する側の論理に変更の必要が生じ、変えるか否かで内部対立が発生したということではないのか、と思ったりする。内部対立が暴力的対立に発展し、ついに下層武士の先鋭的な部分が急速に伸びて、クーデターを敢行。そこへ英米仏の諸国が資金援助するなど暗躍し、内戦に発展したのではないか。時代の変化を学習するきっかけを得られなかった庶民は右往左往するばかりで、ほぼその流れから除外されてきたというべきか。武家社会の内部変化が被支配階級たる庶民にも影響を与えたのは、上部構造の変化だけで近代化は達成できず、被支配階級の変化も必然としたからだろう。
国力の要たる産業の発展には、それを下支えするものたちの育成も必要だったのであり、明治初期にはそれら一切が不足しているがゆえに、諸外国からの借金に頼らざるを得ない状況にあった。内戦が続き、最後の西南戦争で国力が尽き果てたとき、有力な輸出産業といえば生糸しかなかった。その生糸も明治10年ごろまでには急速に不況の波に襲われ、いよいよ経済が混乱に陥る。それにあわせて庶民の中に、自由民権の意識が滔滔と流れ始める。この時期、明治政府は彼らなりの国難に、本格的に遭遇したように思う。武家社会の流動化現象が外部へ漏れ出し、被支配階級の流動化をもたらした。1868年が上部構造たる武家社会の大変化の時であったとしたら、1880年ごろから1890年ごろまでの時期は、変化し続ける時代の流れがついに被支配階級たる庶民のなかにも生まれてきたときだったのだろう。そういう意味では、明治政府をつくった者たちにとっての国難は、この時期に生じた、といわざるを得ない。
伊藤博文は自由民権の運動が全国化していく最中の1882年(明治15年)、10年後の国会開設と欽定憲法制定を目指して渡欧する。時期的にいうと、その少し前フランスではパリコミューンが成立。短かかったが世界初の労働者政権が成立していた。少し遅れたとはいえ、日本にもその影響が伝わってきたのは否定できない。伊藤博文の書簡に、「英米仏の自由過激論者の著述のみを金科玉条のごとく過信し、ほとんど国家を傾けんとするの勢」「青年書生が漸く洋書のかじり読みにてひねり出したる書上の理屈をもって、万古不易の定論なりとし、これを実地に施行せんとするがごとき浅薄皮相の考にて、却って自国の国体歴史は度外に置き、無人の境に新政府を創立すると一般の陋見に過ぎざるべし」(「五日市憲法」岩波新書刊より抜粋)との記述がある。彼は経済の混乱と自由民権派の台頭に挟まれ、劣勢を感じていたらしい。「10年後の国会開設」には10年も経てば世の中落ち着いているわい、という気分があったともいう。欽定憲法は1889年(明治22年)に大日本帝国憲法として発布される。ただし、そのときすでに愚民化政策は功を奏し、大半の庶民は「天子様が絹布の法被をくださる」と勘違いして、提灯行列などで繰り出し、盛大なお祭りをしたという。残念ながら、自由民権の運動は激しい弾圧とともに潰え去る。いま、この時期のことを、痛切に思う。自由民権運動が明確に継承されることはなかった。各地に起こった困民党の運動も、激しい弾圧を押し返すことはできなかった。いま、明治と徳川を結びつける考察があまりに少ないことを思う。明治に異彩を放つ運動があった。そのことをいまにつなげる試みの希薄を思う。なにがそうさせたのか、自分たちの現状に照らして深く省みたい。
☆「<明治150年記念式典>「明治倣い国難対処」首相表明」毎日新聞10月23日
https://mainichi.jp/articles/20181023/k00/00e/010/275000c
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2018年11月10日

ホントこの世はうまくできてるね

12面「社説」に「原発事故裁判 運転の資格あったのか」の記事。「福島第一原発事故をめぐる刑事裁判は、来週にも証拠調べを終え、最終段階の論告と弁論に進む見通しだ」「浮かび上がったのは、巨大津波が襲来する可能性を指摘されながら、誰一人として責任感を持って向きあわず、結果として悲惨な事態を招いた旧経営陣の信じがたい姿勢だ」「検察官役の弁護士の主張は」「津波は予測でき」「3人にも報告があり、対策を進めることがいったんは了承された。だが被告らの判断で先送りとなった」「対策を進めようとした矢先に『先送り』を指示されて『力が抜けた』と、3人の目前で証言した社員もいた」「被告らは真っ向から否定」「武藤栄・元副社長は『先送りする権限は私にはなかった』と述べ、経営トップだった勝俣恒久元会長は、津波対策について報告はなく『関心を持たなかった』と言い切った」「3人が出席したある会議では、目次に津波対策と明記した資料が配られていた。だが3人とも目にした記憶はないという」(津波に関する自分宛メールを武藤(略)は)「『読んでいない(そういうメールがあると聞き)事故後に探したが、なかった』と答えた」「何よりも安全に敏感であるべき原発の運転者として、無責任かつ無能」「刑事責任の追及とは別に、判明した新たな事実関係を踏まえ、事故の全体像に改めて迫る取り組みが必要だ。未曾有の被害を前に、『無責任』の上塗りは許されない」(本文引用)。スルガ銀では創業家の御曹司が責任を取らされるのに、東京電力の旧経営陣は損害が多数の庶民に重くのしかかるのに、法的責任を負わされないかもしれないとなったらまさに「お上理不尽。理不尽なり!」。事態が重大なほど責任があいまいになる。これぞ正真正銘日本的不思議の極地!
4面「憲法審 見通し立たず」には「自民党は」「党の『改憲4項目』を今国会で提示することを目指しているが、審査会を開くめどは立っていない」「自民党からは『臨時国会では最後に(常任委員会の理事にあたる)幹事を選任して終わりではないか』(略)と諦めの声も出ている」(本文引用)。事の重大性を考えたら、こんな事態のまま改憲発議など目指すべきでないくらいの判断があってしかるべきところ、原発事故裁判で見る通り、「事態が重大なほど責任があいまいになる」この国のしょうもない姿が浮かび上がる。同4面「入管法審議 日程綱渡り 首相外遊立て込み 会期延長論も」で、その姿はさらに顕著になる。どれだけ重要な法案だか知らないが「首相の審議出席に与党が慎重なのは、今後首相の外遊が立て込み、審議日程が縛られるという事情がある。首相は14日からシンガポールなどを訪問。30日からはアルゼンチンで主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席し、英国などに立ち寄ることも検討している。帰国は12月10日の会期末間際になる見通しで、与党の想定では参院法務委での審議時期と重なる」(本文引用)。なんだそれは。出入国管理法は13日に審議入り。その翌日に首相外遊。帰国は12月10日の会期末間際。ぜんぜん国会に出る気などないんではないか。4面にはさらに「桜田五輪相 また言い間違い」と「『私の声に近いと感じた』が・・・ 片山氏、疑惑再び否定」が並ぶ。これも責任感ゼロのエライ人列伝。エライ人ほど責任を感じなくてもいいとは、ホントこの世はうまくできている。
33面「海外記者、玉城氏どう見た 彼はクリア■辺野古反対理由伝わらず」では、南ドイツ新聞記者が、「日本の政治家は本音と建前を使い分けるが、彼はクリアだ」「『米国は基地を使っている責任者。県民の声が(日本)政府から(米国に)届けられないのであれば、我々はその声を伝える責任があり、皆さんも聞く責任がある』と述べた玉城氏に納得した」(本文引用)とある一方、4面「辺野古移設巡り 集中協議初会合 政府と沖縄県」では、「粛々と」工事強行下の問答無用協議との、沖縄県の孤独な戦いが進む。どこもかしこも無責任のかたまりだらけ。こうして、先の大戦以来といわれる大崩壊への足音だけが音高く進む。
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2018年11月09日

金持ちに甘いのはこの国の度し難い体質?

4面「日米経済対話 また見送りに 麻生氏の『ヒトラー発言』影響か」の記事を読んで思う。麻生太郎氏は本来ならもうすでに過去の人となっているはずだ、と。財閥の御曹司として生を受け、頭の上には広々とした自遊空間があっただろう。足下から卑屈に彼を見上げる衆生の群を見下ろす優越感はさぞ気持ちよかっただろう。若かりし頃から「くだらねえやつら」などと腹のなかで思っていたかもしれない。年月を経てそれが、自分以外は全てバカ、の心境に確定していったのかも。かつては隠す力があったものを、今になってタガが外れてしまったのか。政治をやるものは、ときに言いたいことを腹に収めてできるだけ穏便に事を進めるもの。そんな微妙な配慮などをすっ飛ばして、本音以外を語らなくなってすでに久しい。麻生氏とペンス米副大統領の日米経済対話が、約1年間開かれていないという。今回の来日の際、首相には表敬訪問するが、麻生氏とは話す機会がないらしい。原因は「ヒトラー発言」。「(政治家は)結果が大事。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメ」(本文引用)この発言をきっかけに、ペンス氏は非公式協議を中止。第2回会合は開かれたもののそれ以降は「懇談」のみで「対話」はない。今回も「懇談」だけになる模様。「米政府筋からは『ヒトラー発言をきっかけに関係が破綻した』と指摘する声も出ている」(本文引用)。開会中の臨時国会では、人を指差して話すのは失礼だ、と語気鋭く、発言者を指差しながら文句を垂れたそうで、ネットでは早速、本人自身による過去の「指差し」映像がてんこ盛りで流されている。ついでに首相の映像もたくさんでているから、指差しオンパレードもいいところ。嘲るような表情も生々しく、失礼の度が過ぎて、下劣の領域と言っていい。先のヒトラー発言を読み直すと、「ヒトラーの動機は正しかったが、何百万も殺しちまったから、結果から判断したら落第」という底意が見え透く。「殺さなければユダヤ人排斥は正しかった」と読める。これは国際的に見逃されるはずのない発言だ。大財閥の御曹司として老醜をさらす。いや、彼はいま、老醜なんて段階にないバカ発言にまみれながら、晩節を汚し続けている。
11面に「スルガ銀 最大900億円赤字 中間決算」がある。「シェアハウス融資で大規模な不正問題を起こしたスルガ銀行(略)が」「9月中間決算で最大900億円規模の純損失を計上する見通しであることがわかった。従来予想の120億円の黒字から、大幅な赤字に転落する」「9月に引責辞任した創業家出身の(略)前会長兼CEO(略)ら旧経営陣に損害賠償を求める準備にはいった。現在外部の弁護士らを中心に、旧経営陣の責任について検証しており、近くまとまる報告書を踏まえ、提訴の対象者や請求額などを決める」(本文引用)。アベノミクスの終了の足音が聞こえる。密やかにひたひたとではあるが確実に近づいてくる。スルガ銀問題はアベノミ崩壊の扉をひらく最初の出来事だったと知る時がくる。地銀の倒産と吸収合併。スルガ銀では創業家の御曹司が責任を取らされる。ここで比較したくなるのが東京電力の旧経営陣だ。彼らは損害が、莫大な庶民の背中に広く浅くのしかかるだけだからか、法的責任を負わされないかもしれない。それはあまりにも理不尽。昨日見た加藤剛主演の「拝領妻始末」で、加藤剛が最後に叫ぶ。「お上理不尽。理不尽なり!」いやまったく、剛さんよくぞ叫んでくれた。しかしその叫びが、どうして庶民一般の心に根を下ろさないのだろう。なにかがまだ足りないというのか。国の金遣いの乱脈さを見ても、怒りが怒涛にならない不思議国日本。以下、ふたつの事例を見て、庶民はなにを思う!
☆「<税を追う>護衛艦や潜水艦 兵器予算を補正で穴埋め」東京新聞11月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018110102000147.html
☆「防衛費リボ払い批判され・・・安倍首相は民主党政権に責任転嫁」日刊ゲンダイ11月3日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240968
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2018年11月08日

「先送り」で硬直しているのは・・・

1面の「折々のことば」は「マタイによる福音書(新約聖書)」から「思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった」の言葉をとる。「先の見えない、塞いだ時代だと人は言う。けれども視界が遮られているのは、未来が不確定だからではなく、目を凝らせばある未来が確実に来ることがわかるのに、すべて先送りにし、その対策に本気で着手できないでいるからではないのか。例えば人口減少、国家財政の破綻、経済成長の限界、放射性廃棄物処理の膠着。聖書のこの一節は私たちのそんな無様を思い起こさせる」(全文引用)。確かにこの通りだと思う。しかし、この「無様」に関わっているのは、先送りすることで利益を得る者たちと同時に、先送りすべきでないと主張する者たちも含まれる、と思えてならない。個人的に「放射性廃棄物処理の膠着」に注目するが、さて、具体的にどうするかとなると、我ながら「無様」にも思考が進まない。前に進まなければならないのは不可避の現実、つまりどこかが引き受けなければならない。にもかかわらず、自分の近くに来てほしくない、という主観が潜在的にある。これの折り合いがつかない。引き受ける場合はありうるか。絶対にあり得ないか。過渡的にはありうるか。あり得ないか。ここまで進んできてしまった最悪の事態に、どういうふうに本気で向き合うか、議論の入り口に立ち尽くしたままだ。たしかに、拙速な議論はとてつもない不利益をもたらす可能性がある。国家に対する抜きがたい不信感がある以上、果てしない長年月に関わる課題を安易に決定できない。しかも原発廃炉は現実の課題であり、プルトニウムの取り扱いも焦眉の問題だ。国家のエネルギー計画を根っこから変える試みにも、できるだけ早く着手せねばならない。その先には国防の問題さえ絡んでくる。こうして課題は果てしなく膨らんでいき、抜き差しならない現実の、大きな選択に近づいていく。もっと漸進的に目標に近づく方法はないか。原子力市民委員会の試みはこの国で唯一、その可能性に肉薄しようとしている。だが残念なことに、これをできるだけ深く身のうちにため込もうとする意欲は、巷に広がっていない。
5面に「再稼働 先行き不透明 東海第二延長認可 6市村の同意必要 那珂市長は反対 存続のカギこだわる原電」と「視/点 老朽原発延長 責任は重い」がある。「折々」で「すべて先送りにし、その対策に本気で着手できないでいる」と指摘される状況下で、この硬直した状況をいいことに、「先送り」を好機と捉えるヤカラたちは、強引に好き放題を実行していく。「硬直」は彼らにとって都合のいい状況といえる。そして「硬直」は直近の視点と長期にわたる視点との関係を切り離し、東電福島原発事故で盛り上がった反原発のうねりを弱める。本来ならこれを全国的に議論し、合意に至らせ、ひとつのまとまったスローガンにし、国民運動化していくことが緊急に必要なのだ。それを可能にする典型的事例として目の前にあるのは、沖縄の基地の問題だろう。反原発と同じ発想で全国的課題とするための総討論が巻き起こるべきであり、その結論を持って具体的スローガンとして結実させていく試みがあるべきだ。幾らかのズレを含みつつ、それでも合意できる範囲を網羅するスローガンができあがり、そのスローガンにもとづいて、全国各地で共通する課題が一斉に立ち上がる。そうなってこそ、沖縄は孤立から抜け出す端緒を得る。
「放射性廃棄物処理の膠着」なる課題も、同様の過程を経て全国的課題として結実するはずだ。原発再稼働がじわじわと進んでいくことに、いつも地元だけが孤立的に声を上げるのではなく、広い範囲から世論を持ち上げていけるはずだ。5面記事にあるように、原電の社長は、「再稼働に反対する自治体について『「拒否権」と新協定の中にはどこにもない』と異議を唱えた」(本文引用)。経営の危機感から再稼働を焦っているのだろうが、ひとたび事故が起こったらそれどころではなくなる。そのときは国家管理で対応する以外にない会社が「先送り」をすることの恐ろしさを、首都圏およびその周辺は本気で考えないといけないし、それはほぼ全国の地域にも言えることのはず。
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2018年11月07日

福島+辺野古+地元を各々の課題で結ぶ試み

こんなお知らせを見つけた。「11/6 日韓プルトニウムシンポジウム in TOKYO 2018 『日韓の核燃料サイクル政策 ―その影響と代替策―』」という。地味だけれど、かなり重要な気がした。「2018年4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談を受けて、朝鮮半島の核をめぐる緊張状況は大きく変わりました。一方で、日本と韓国は核燃料サイクル政策をこの間進めてきました。日本はこの間、使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムを民生利用する計画を進めてきており、国内外に47トンのプルトニウムを保有しています。韓国も、新しい再処理の技術開発を進め、将来的なプルトニウム利用を目指しています。プルトニウムの取り出し技術は核兵器開発にもつながる技術であり、朝鮮半島の非核化を考えるうえでも大きな懸念となりかねません。そこで、このシンポジウムでは北東アジア地域の非核化を巡る動きと核燃料サイクル政策、そして、プルトニウム拡散を巡る状況とプルトニウム処分を巡る国際動向を、日韓米の有識者をお招きして議論します」(本文引用)。
市民運動の一般的欠点として課題がピークにあるときと情緒的に収まってきたときとで、関わり方に大きな差が出てくることがある。それゆえかときに次の課題へ横飛びすることがあるように思う。個人的にあまり好きな流れではない。直近では反原発で勢いづいたあと、時間の流れとともに拡散する傾向が出てきたとき、辺野古新基地問題が大きくなってきた。そこで意識が水平的に辺野古へ移動する動きを示す。なにか変ではないか。原子力資料情報室の催しは、課題から課題へ横飛びなどせず、自らの立ち位置を寸分違えず、国際情勢の流れをきっちり踏まえて、見事に相互リンクしている。この落ち着きが必要なんだと思う。そうでないから、福島の動きともズレるし、沖縄から「本土は何をしているのか」と指摘されてしまう。けっきょく福島も沖縄も、「遠い出来事に関わる」というスタンスが問題ではないのか。
それでいいのかな。福島も沖縄も国家との関係において、置き捨てられ蹂躙される立場に置かれている。彼らの抱える課題は地域に関わる人々の一部の利害に基づいているのではなく、地域全体が納得できる課題として捉えられる普遍性を持っている。その普遍性はこの国に住む人々の普遍性に直接つながっている。そのつながりのなかに市民運動は存在しているか。自らの地域で、普遍性を持ちうる存在となり得ているか。または、その方向性を持っているか。考えたい。農山村都市の課題をきっちりと見据えて、自然が美しい、という前に、その自然と闘って生きた人々がいることを知りたい。そんな彼らの苦闘を利用して、さらに搾り取ろうとするものたちの意図を、必ず念頭に置きたい。その視点を基礎に、日常生起する課題を捉え直したい。
そうしたら、自然を守るなんてノーテンキなスローガンで立つことはできなくなるはず。美しい自然に唾を吐きたくなるほど辛い思いをさせられてきた人々の気持ちとリンクする可能性が出てくるのではないか。ようするにすぐそばにいる隣人とリンクするスローガンを語れる力を持つことが、福島の課題を身近に引き寄せるのだと思う。福島の課題を引き寄せる力があれば、原発事故の避難先からあえて福島へ戻っていく人々の心情をもっと有効に支えられるような気がする。それはこちらが近くなることから始まる。なぜ避難先が居心地悪くなっていくのか。被曝の危険性の残るところへ戻ることが、避難しているより優先されるようになるのはなぜか。その理由のなかに自分たちの立ち位置のズレは位置していないか。自分の周囲をぐるり見回して、いつの間にか変質している自分をさぐり当てる試みが必要ではないのか。そんなことをつくづく思う今日この頃、原子力資料情報室のシンポジウムは、ひとつの重要なヒントを与えてくれたように思う。身の回りから反原発の機運が急速に薄れているいま、他者の責任を問う前に、自分を見直す試みを!
☆「11/26 日韓プルトニウムシンポジウム in TOKYO 2018 『日韓の核燃料サイクル政策 ―その影響と代替策―』」原子力資料情報室
http://www.cnic.jp/8182
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2018年11月06日

どん詰まり感がハンパじゃないんだけど

7面「波聞風問」は「対米交渉 円安はアベノミクスのおかげ?」の記事。トランプ政権が各国に通商ルールの見直し攻勢をかけている。カナダ、メキシコが結んだNAFTAの「為替条項」がワンポイントで、「自国産業のために意図的に通貨安に誘導するのを封じる取り決めだ。貿易協定に盛り込まれるのは異例である」(本文引用)という。米は来年の日米新交渉でこの条項を求めるつもりらしい。それをやられるとバブル経済崩壊の遠因となった85年のプラザ合意の悪夢が一気によみがえるとか。日本政府は意図的に通貨安政策なんかやってないから為替条項なんかいらないよ、といいたいところ「安倍政権も経済界もかねて『アベノミクスと異次元緩和が円安・株高をもたらした』と評価宣伝してきた」(本文引用)し、現に異次元緩和開始の13年春から同年末にかけて、円高は大幅に戻し、輸出の伸びで日本経済は好転。これも「アベノミクスのおかげ、というのが政財界の定説」(本文引用)という。しかしその定説は間違いらしい。異次元緩和がスタートする半年も前に超円高は円安へ転換している。アベノミクスも異次元緩和も、状況が好転し始めたタイミングで登場しただけで、潮目はもっと前、12年7月にすでにあった。転換点はドラギ欧州中銀総裁の決断で、ユーロ債務危機が急速に収束し、世界経済が好転したときだという。「誤った歴史認識のままでは誤った政策対応を繰り返す」「対米交渉に臨む安倍政権」「あくまでアベノミクスの名にこだわるのか。円安に効果がなかったと説明し、見当違いの為替条項を蹴るのか」(本文引用)。どちらにしても、国内への説明は玉虫色になりそう。
続いて6面に「異次元緩和 金融機関への副作用を警戒 黒田総裁 地域金融『大きな課題』」の記事。黒田氏が名古屋で講演と記者会見をし、「金融緩和による低金利で金融機関の貸し出し収益が減り、特に地域金融機関の経営が厳しくなることが今後の懸念材料になる」「金融機関の経営悪化という緩和の『副作用』が、経済全体に影響しかねないことに強い警戒感を示した」「『構造的な対応をしなくてはならない。統合や合併のような話もあるだろう』と言及」(本文引用)したとある。当面は問題ないと言っているが、アテにならない。当ブログではいくつかの記事で地銀の惨状について触れた。10月3日「重要記事多いが読みにくいのが玉にキズ」では「『低金利による銀行の収益悪化といった副作用』の顕著な例が、スルガ銀行後に全国の地銀が陥っている地獄の経営の有様だ。これが一気に破裂するときが、いつか必ず来る。記事には『経団連「消費増税、確実に」』があり、経団連は『行動力のある組閣』『仕上げの内閣』と持ち上げるが、その本心は経済界の危機感の表れとみていい」と書いた。これより前にも地銀の統合や、吸収合併が大規模に起こる可能性を書いた記憶があるが、いままさに、その可能性が公に語られるようになったというべきか。
何が引き金になるかわからない混沌たる世界情勢の中で、2面「『TAG』ずれる日米 首相『3文字で何て呼ぶの』こだわった呼称 米は使わず『貿易協定』 物品限定か対象拡大か」が次の焦点。この記事はもっと大きくに扱われていい。「9月の日米首脳会談で日本が受け入れた二国間の新たな通商交渉とは何なのか。政府が使う『日米物品貿易協定(TAG)』という呼称を米国は使わず、両国の説明にはズレが生じている。5日の参院予算委員会では野党が追求。今後の日米交渉でもズレは火種となりそうだ」(本文引用)とあり、在日米大使館のHPにある共同声明の日本語訳にTAGの文言はなく、ただ「日米貿易協定」。在日米大使はそんな用語は使ってないよ、メディアの造語じゃないのかね、なんぞと言っている。首相は国会で「FTAじゃない」と執拗に繰り返すが、英文本文は「TAG」と訳せる文章と思えない。「政府関係者は『日本としては物品以外ほとんどやるつもりはない』と言い切るが」「別の日本関係者は米側から『えげつない要求』がくることを懸念している」(本文引用)という。海外はどうあれ国内を騙せればそれで良しといけるかどうか。んなわきゃないよね!
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2018年11月05日

根っこから変わる必要がないか

先週の株の動きはすごかった。上昇する要因がないのに上昇し、最終の金曜日には「うそでしょ?!」と驚くくらい上げて終わった。「なぜだろう?」と首を傾げていたら、下記の記事に出会った。「金融緩和で演出してきた『日銀バブル』もいよいよ限界に近づいているのか。たび重なる『世界同時株安』で株式市場が揺れるなか、世界の先進国では”禁じ手”である中央銀行による株買いが」「株価が乱高下を繰り返す裏で」「加速度を上げている」「日銀は(略)リーマン・ショック後の景気刺激策として2010年秋にETF買い入れを開始」「買い入れ額は最大で年5000億円程度」「株買いは非常事態への対抗策だったが、それでも導入時から株価をゆがめるとの批判は少なくなかった。ところが13年春に黒田東彦総裁を担いだ日銀は、“異次元緩和”の名のもとに、国債やJリート(略)に加え、ETFも年1兆円ペースで買い入れを開始。物価目標達成までの2年程度の期限付きだったはずの措置は、14年10月の追加緩和で年3兆円、16年7月には年6兆円と、景気指標が改善する間に気前よく拡大されて5年半超にも及ぶ。そして今年10月のETF買い入れ額は、8700億円に達した。これは単月の買い入れ額としては史上最高額」(本文引用)とある。これが先週のヘンテコな株価の原因か、とほぼ納得。これから景気が後退局面に向かっていくとしたら、日銀の株買いも制限がなくなるのではないか、というのが記事の見立てらしい。記事はさらに「なぜ買い入れ額が漸次的に拡大してきたのか。結果論でいえば、異次元緩和の最大の失敗は、大規模緩和を始めたことよりも、想定どおりに2%を実現するのが困難だとはっきりした14年時点で、日銀や政府が現実を直視せず、緩和を強めれば次こそ実現できるとかたり続け、無理筋の強行路線を推し進めたことにある」(本文引用)とする。これからどうなるか、とにかく、「日銀バブル」は限界に近づきつつあり、解決を先送りするほどに庶民が払わされるツケは大きくなる、とまことに嫌な想定で記事は締めくくられる。この国は、ボロボロになりながら、改憲によってかたちだけ過去の栄光に立ちもどろうとしているのか。そのとき後に残るのは何なのだろう。疲弊し尽くして全てを失った国民と食い散らされた富の残りカスを必死に集めてなお粋がりをやめない1%富裕層間の果てしない格差が支配するだけの荒野だろうか。富裕層の富を守るために、意志を失った国民が奇怪な武器を手にして、「外敵」と死闘を演じている幻影がみえないか。愚かの極みに付き合っているしかなくなった庶民は、たしかに栄光の「大帝国」を守る御盾になっているのかもしれない。それでいいのか。
☆「過去最高の『株爆買い』・・・日銀はどこまで日本株を買い占めるつもりか」現代イズメディア11月2日
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58273
本日の我が家購読紙6面に「タイ軍政 批判ラップ人気 兵士の遊び場になった議会 4年経っても選挙がない」の記事がある。タイ軍事政権を批判するラップがユーチューブで大人気という。製作したのは「独裁に反対するラップ」というグループ。そうか、2014年のクーデターから4年以上たち、軍政下の日常がこれほどまで行き詰まってきているのか、と思う。「歌詞は『議会は兵士の遊び場』『4年経っても選挙がない』と批判。『自由があると言うが、選ぶ権利がない』『警察は人々を脅すために法律を使う』」「軍政下での抑圧的な日常も非難している」(本文引用)。そういえば2014年の当ブログで「映画『ハンガー・ゲーム』12年、米」の批評を書いたことがあった。そのとき引用したのは「タイ軍政へ不満蓄積 クーデター半年 抑圧続き経済も不調」の記事。中見出しに「『3本指敬礼』で抵抗示す」「『政党を弱体化』募る危機感」とあり、「『3本指敬礼』は米映画『ハンガー・ゲーム』に出てくる独裁者への抵抗のしぐさでクーデター直後に流行して禁止されていた」。タイでは反軍政の運動が、いまも続いている。ここにも報道の重要さが実感される出来事が埋まっていた。いつも何年か経てば抵抗が沈静化するこの国のことを思った。
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2018年11月04日

引退後を考えたほうがいいんでないの

34面にわずか11行で「九電、風力発電も抑制」の記事。「九州電力は3日、大停電の回避を目的に再生可能エネルギーの受け入れを一部遮断する『出力抑制』を実施した。先月中旬に離島を除き国内で初めて実行してから通算5回目。過去4回はいずれも太陽光発電のみを抑えたが、この日は風力発電も初めて対象にした」(全文引用)。最初の頃の理由には、晴天が続いて日照時間も長く、太陽光の発電量が過剰になる可能性があり、困難な出力調整をしないといけなくなるってな目的があったと思う。いまは日照時間は短くなり、発電量も前ほどじゃないはず。それなのに、風力発電まで抑制しないと危ないほどの事態があるのかな。「いや、あるんですよ」とか言って専門用語を連ねた反論がありそうだが、詳しい報道がどこかにあるのなら読んでみたい。再エネについて九電は、こうして締め出しをしていくんだなという典型例を、やっているような気がする。なにも手を打たないでいると、再エネは沈没していくしかなくなる。世の中はこうして大きな流れに翻弄されていくようにできているのかな。
35面に「憲法 異論を知る 向き合う」の関連で小記事「下村改憲本部長『安倍色払拭を』」がある。北海道の同党支部研修会で「自衛隊は国民の9割が認めており、合憲化させるべきだ」「憲法はその国の理想を描くもの。当時の憲法は独立国家の憲法ではなかったと思う」(本文引用)と主張したとか。いままで自民党は「合憲」の見解でやってきたし、それで不自由はなかったはず。なんでいま「違憲」状態にあると言うのかな。なるほど不自由な部分があってそのタガを外したいのか。「北海道函館市で記者団に、国会での改憲論議について『安倍政権のもとでは議論したくないと思っている人が多い。自民党全体でしっかり対応しながら、「安倍色」を払拭していくことが必要だ』と語った」(本文引用)。「おいおい」である。「払拭」とは「汚れなどをすっかりぬぐい去ること。除き去って、きれいにすること」と我が家の国語辞典にあった。「安倍色」=「汚れ」かい。正直だねえ。「いや、汚れじゃなくって」と言いたいとしたら、「隠す」ことが本音か。それだったら「姑息」=「根本的に解決するのではなく、一時の間に合わせにする」と我が家国語辞典にある解釈が適当だね。石破茂氏の追加コメントが近ごろの流行で、下村氏が函館で記者団に語った一方、石破氏は札幌で「安倍色を払拭するのであれば誰が責任をもって語るのか。総裁がきちんと党員の前で『自分の考え方はこうだ』とお述べいただかないと」(本文引用)と、いつもの口調で語ったという。党内も、一般世論も、いまやよほどの起死回生策を打たないとジリ貧の様相濃厚だ。世界の動きが彼に味方するか否か、カギは彼を引き摺り下ろそうとする庶民の力にかかっているってことだ。彼らには、3分の2という、いまや内実はボロボロの寄せ集めの数しか無くなっている。
4面に「『リーマン』免罪符 歳出膨張 『財政再建より景気』増税2度延期 『金に糸目つけぬ』15兆円対策」がある。コトここに至るまでの経過はぐちゃぐちゃでわかりにくいが、中見出しの「『何でもあり』国借金289兆円増」には、国際的にみて最も行き詰まったこの国の実態が、克明に描かれている。読んでいて思うのは、自民党麻生政権から民主党政権、さらに安倍政権へと移っていく過程で、民主党の3年間だけまがりなりにも財政再建のための緊縮政策がとられたものの、両側はまるで民主党政権に対抗するかのように、「何でもあり」の経済最優先政策がぶっ通しで続けられた。「財政赤字が続いているのに経済対策を打ち続け、海外のように歳出を減らしてこなかった。日本だけがリーマン後の『何でもあり』の気持ちを引きずっている」「国、地方を合わせた借金残高の総額は1千兆円を超え、財政再建の道筋は見えない」(本文引用)。これでも、追求されたら借金のうち民主党政権の積み残し分がこれだけ、などと言い逃れしようとする。でも、同じ手は自分が下野したあとで使われることを、自覚しておくべきだろうね。
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2018年11月03日

目の前にある異様さに気づかない日々

面白い記事だ。「こういうのを『フェーズが変わった』と表現するのだろう。29日、臨時国会の代表質問がスタート。安倍首相が自民党総裁選で無理やり3選を決めてから、初の国会論戦だが、波乱の幕開けになった。発端は、自民党の高市議院運営委員長が示した国会改革案」「政府提出法案の審議を優先して、議員立法や一般質疑は会期末前に残った時間を充てるなどと書かれたトチ狂ったもので、野党は『立法府が行政府の下請けになると公言するようなもの』と猛反発。当然ながら、高市案は撤回に追い込まれた」「自民党内は、安倍の号令を受け、一丸となって動くムードではない。むしろ、安倍官邸の強気が逆効果を生んでいる」「『もはや1強ではない』『改憲なんてやれるわけがない』と、シラけた空気が漂っているのが現状だ」(本文引用)。首相が決めたことには黙って従う党だったが、政権はレームダック化し、ダッチロール現象が始まっている、と記事は書く。半分は「ほんとかもしれない」と思う。もう半分は、「落ち目の奴がけっこう怖い」という心境。油断したくない。
☆「逆回転の官邸主導 安倍政権は臨時国会を乗りきれるのか すでに退陣の『花道論』」日刊ゲンダイ10月30日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240596
本日4面は、上記を踏まえて読み解くと興味がわく。まず、小ネタづくしで「#政界ファイル」から「首相また『私は行政府の長』」に注目。これまで首相は「16年5月の衆院予算委員会でも『私は立法府の長』と答弁。同月の参院予算委でも『立法府の私』と答えた」(本文引用)という。今回は3回目になる、2日の衆院予算委員会の答弁。支離滅裂というより、もはや確信犯かもしれないと思う。彼の最終目標はもしかしたら、立法府も行政府も一手に握るなんてところにないか。もうひとつは「自民・高村正彦氏、国民投票CM規制『議論を』」で、老残晒す高村氏(党憲法改正推進本部最高顧問)が、国民民主党の(政党によるTVCMを禁じる)国民投票法改正案を出したことについて、早く国会で議論したくてしかたないという姿勢を示した。なんだかこの人が言うと、口から泡を飛ばし、手をぷるぷる震わせながらに思える。麻生氏同様、もう引退したほうがいいのではないか、と言いたくなる。小ネタは続き、表題含め12行の「菅氏『沖縄知事と会う』」には「知事から面会の要請もあり、来週、時間があえば虚心に話を聞いてほしい。聞いてみたい」(本文引用)。「虚心」の置き場所が違うし、まず「聞いてみたい」が先。これじゃあ話がすれ違うだろうな。
「少し大ネタ」に移ると、「石垣島に駐屯地 2月着工へ公告 防衛省、土地造成の入札」に目が止まる。昨日の1面「辺野古月内にも土砂投入 効力停止の翌日工事再開」の記事を思い出す。公明党国交相が10月31日に県の「埋め立て承認撤回」の効力を停止し、その翌日に埋め立て工事が早速再開されたと思ったら、さらに翌2日に石垣島駐屯地着工をめざした動きが加速する。「着工を急ぐのは、改正された県の環境影響評価条例が10月から施行され」「来年4月以降は事業内容にかかわらず、20ヘクタール以上の土地造成を伴えば対象となる。アセス手続きには3年程度かかるため、防衛省にとっては配備計画が遅れることになる。政府関係者は『県がやっかいな条例改正を仕掛けてきたから、無理せざるを得ない』と明かす」(本文引用)とある。沖縄への圧力は増大していくばかりだ。福島も含めて、本土としてなにをなすべきか真剣に詰めないと、大きな後悔の根を残す。焦りすら感じる今日この頃。
小記事で見落としそうになるひとつ。全12行の「補正予算、衆院を通過」で、「災害などの復旧・復興費を柱とする総額9356億円の第1次補正予算案が2日、衆院本会議で採決され、全会一致で可決」(本文引用)とある。10月18日当ブログは、予算案の総額は大きくても個別自治体へ渡る額は大幅減になる、と書いた。沖縄、福島に続きこの国の民の受難は果てしなく、改憲だけが一心不乱に進む。異様な国家が目の前にある。
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2018年11月02日

格好つけているが痛し痒しが本音でしょ

4面「首相『国際裁判も視野』 元徴用工判決 対応を本格化」の記事。「韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決について、安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で『国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応していく』と語った。菅義偉官房長官も(略)韓国の徴用工訴訟に関連する日本企業に説明会を開いていると説明」「日韓請求権協定に基づく協議や仲裁は前例がない。日本外務省幹部は『韓国側の合意が必要で非常に難しい』」「もう一つ考えられているのが国際司法裁判所(ICJ)への提訴だ。(略)ただ、提訴には韓国の『同意』が必要(略)これもハードルが高い。(略)韓国政府の対応によっては、問題の長期化」(本文引用)もあるとか。
以下記述参照。「1991年8月27日の参院予算委員会では、当時の柳井俊二・外務省条約局長がこの日韓請求権協定について、『両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決した』(日韓請求権協定第二条)の意味を、以下のように答弁(略)『その意味するところでございますが、日韓両国間において存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません』」
以下のところにはかなり詳しい年次的な記述があり、「『「完全かつ最終的に解決」と書いてあるから完全かつ最終的に解決済みだ』で済むほど問題は単純ではない。なぜなら、他ならぬ日本政府自身が、『「完全かつ最終的に解決」とは個人の権利の消滅を意味しない』と力説してきた歴史があり、『国家間の合意を無視する』ような解釈の大転換を行ったのも日本政府だから」(本文引用)と、上記の引用に重なる。「2015年末に日本軍『慰安婦』問題について日韓両国政府が合意し、この問題は『最終的かつ不可逆的に』解決されたとの声明が発表された。合意内容については様々な意見があろうが、従前の大法院判決の論理からみて、日本軍『慰安婦』被害者個人の賠償請求権(実体的権利)がこのような政府間の行政協定により消滅することはありえず、『最終的かつ不可逆的に解決』との文言は韓国政府の外交保護権放棄を意味するに過ぎない」(本文引用)は説得力がある。論文要旨4の記述が、先の引用を指していることは疑う余地がない。「国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応していく」という根拠が変遷しており、「毅然」とは程遠い姿勢がにじみ出ている。仲裁委員会の仲裁や国際司法裁判所への提訴には韓国政府の合意とか同意が必要というものの、ほんとうはどちらが引き延ばしを図っているのやら。両方かもしれず、国内向け2枚舌を考える日本政府が、とも言える。シベリア抑留を言いたい意図がある一方、アジア全体の賠償請求拡大も困るし・・・。
☆「日韓両国政府の日韓請求権協定解釈の変遷」法律事務所の資料棚
http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
1面「辺野古月内にも土砂投入 効力停止の翌日工事再開」を読むと、いずこも同じ2枚舌と言おうか、10月24日の所信表明演説で「沖縄の皆さんの心に寄り添い」と発言した舌の根も乾かぬうちに、この所業である。選挙がすべてとか言いながら、「沖縄の皆さん」は今回の選挙結果は考慮外。強引に進めていればいつか沖縄は孤立し、辺野古容認の知事が選出されるときが来る。そのときの「沖縄の皆さん」の選択が、「沖縄の全て」であると言いたいようだ。公明党は沖縄の結果をどう考察したのやら。県の「埋め立て承認撤回」は8月31日。知事選で勝利すれば簡単さ、とタカをくくっていたが当てが外れて仰天。政府は敗北後の17日に「埋め立て承認撤回の効力停止」を申し立て、公明出身の石井国交相が30日「効力停止」を認め、31日に撤回の効力停止。その翌日、工事が再開されるという電光石火。公明党も反省がない。沖縄の学会員を見捨て、権力亡者に成り下がったとしか思えない!
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2018年11月01日

冴えない記事ばかりの朝でも

このごろ我が家購読紙が不調だ。朝起きて「さて、今日はどんな記事があるかな」と紙面を見てもさっぱりで、こんなんじゃあ他紙に乗り換えようか、という気になる。しかし、志が高かった時期もあり、バッシングに耐えて孤塁を守ってきた誇り高い新聞社の面影は捨て難く、それを簡単に見限るのは愚かな気がする。意気軒高な時期に戻る道筋がまだあるのにすぐポイ捨てするのではなく、ふにゃふにゃであっても、その文章の奥から真実を探り出す眼力を読者が持たないことには、世間が退潮し、情報が限られていくときでもなんとか未来を感じる方法を失なってしまう。どんな下劣記事も読み方次第。かの有名な政府広報よいしょ新聞3Kでも、その偏りの奥から逆照射される真実を読み取れるはず。「この新聞がこんな書き方をしている。これを逆さ読みしたら違う真実が浮かび上がる」的な努力も必要だ。書かれていないことには、判断を左右する重要な内容があり得るから、それがないために状況分析が甘くなることはある。しかし、そうなっても世の中はよほど酷い方向へきているらしいとの憶測はできる。判断はそこからでも広がるはず。
本日の我が家購読紙6面に「TPP 12月30日発効 5億人・GDP10兆ドルの経済圏」がある。「米国を除く環太平洋連携協定(TPP11)が今年12月30日に発行することになった。参加する11カ国のうち発行に必要な6カ国目の国内手続きが31日に終わったためだ」「11カ国で域内人口約5億人。GDPは世界全体の13%に当たる約10兆ドルの経済規模」「日米両国が年明けから始める日米物品貿易協定(TAG)にも影響しそうだ。米国は日本に輸出する牛肉などの農産品で、TPP11加盟国の豪州などよりも価格競争で不利になるため、TAG交渉で市場開放を求めてくるのは確実とみられる。日本としては、譲歩してTPPで認めた水準以上の関税引き下げに応じれば、国内農家の反発だけでなく、TPP11加盟国の不満を呼び起こしかねない」(本文引用)
TAGというフェイク言葉をこの新聞も使い始めたか、と嘆くなかれ。10月15日当ブログ「長く続けて虚言強権悪徳にまみれ退け時を失う」で「政治断簡」の「牙むく米国 造語にこじつける日本」の記事から引用するまでもなく、我が家購読紙にはTAGをこじつけ造語と指摘する記者がいる。今日の6面の記事を変節の最終形と思わず、内部のせめぎ合いを想え。「TAG交渉で市場開放を求めてくる」とあるその裏には、書かれていないFTAへの日本の全面屈服の可能性が含まれている。そのことを読みとりたい。以下には、そんなことの予測が書かれている。消費増税からみた日米関係の分析だが、大枠でいいところを突いていると思えてならない。(1)は国内の選挙事情に関わる分析で「そんなもんだ」と浅読みし、(2)に移る。(トランプは)「日本の消費税は輸出産業への補助金だと見なし」「アメリカが日本に対して貿易赤字を抱えているのは、日本が輸出産業に消費税という名の補助金を出し、消費税のないアメリカで有利にクルマなどを売るからであって、日本はダンピングしているとさえ言っています」(本文引用)。これは輸出業者に消費税が還付される「消費税還付制度」のことを指し、トランプはいくつもの会社が払ってきた消費税が、最終的に製品を輸出する企業に還付される仕組みを「輸出を促すための不当な補助金」とみなして非難する。外交巧者を自認するアベシが、これに逆らえるか否か。本日6面記事では農産物に限って指摘しているがそんな甘いものじゃなさそう。関連して4面月刊誌広告に「『安倍不況』がついに始まる」とある。ちかごろ、この指摘が増えてきているのに要注目。
☆「来年の消費増税、見送りの可能性(1)…安倍首相、再び選挙のカードに利用」ビジネスジャーナル10月19日
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25182.html
☆「来年の消費増税、見送りの可能性(2)…輸出大企業に6兆円還付、米国が強硬に反対」ビジネスジャーナル10月19日
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25185.html
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