2019年02月28日

被災地から見放される運動にならないこと

3面「復興『道筋ついた』52% 福島県民世論調査初めて半数超える 放射性物質『不安』60%」に注目。12年調査7%、16年36%、今回52%とある。「大いについた」はまだ3%なので、「ある程度ついた」の増加と「あまりついていない」の減少が数値に影響を与えているのだろうか。「県全体で、元のような暮らしができるのは、今からどのくらい先になると思うかを聞くと、『20年より先』が最も多く56%。『20年ぐらい』18%、『10年ぐらい』15%、『5年ぐらい』4%」。放射性物質への不安は「大いに」19%、「ある程度」41%の計60%。「原発事故被災者への国民の関心が薄れ、『風化しつつある』と思う人は78%にのぼった」(本文引用)。全国世論調査では「風化しつつある」71%とあるが、「被災県民に対する国民の関心」か「被災者への自分の関心か」という違いがあるので単純な比較はできない。国民の関心が希薄になっていく中で、いよいよ県民自身で受け止めていくしかないという孤立感の表れではないか、と思った。これは県民の意識が希薄になっているというのではなく、国民の中に蔓延する「無関心」への「不信感」が分厚くなってきていることの証しではないか。
16面の政治マンガは辺野古新基地反対の強固な抵抗の上に、政権の虚しい言葉「真摯」がやたら降り積もる様子を描いて、「南の島に雪が降る? 『しんし しんし』と降り積もる雪じゃあるまいし」と痛烈な言葉を重ねている。政府・政権は「沖縄」「福島」とも同じ手口で収束・隠蔽を急ぐ。被害を直接受ける場所の実態を隠し、強権で黙らせ、外に向けては情報を統制し、いかにも誠意をもってコトに当たっているように見せかけ、中身抜きの空論でまとめあげていく。どちらにしても「あきらめ」の構図に仕上げ、雪のごとく降り積もる「真摯」を実態として成り立たせ、直接の被害者たちの本音を押さえ込む。辺野古反対の意志が圧倒的多数を占めた県民投票のあと、「次は本土が応える番だ」との文字が紙面にあった。その言葉と同義の語りかけがあってもいいはずなのに原発事故ではそれが出てこない。大きな問題点なのだと思う。新聞紙面に出る以前に、福島県外で「原発」反対を主張する立場から、その言葉はいち早く生まれるべきなのだが出てこない不思議。ローカルな立場から考えると、先に発生した課題の熱が冷めるにつれて、次々あからさまになる重要課題に気分が圧倒されていく傾向があるような気がする。「熱が冷める」のは「自分自身の内部の熱が冷める」のが原因なのに、「世間の熱が冷める」に原因を転嫁してしまう。そして「熱から熱への転移」が始まる。
ブログ主自身の気持ちで思う。この問題を個人で構えて持続させることは、孤独な作業であり、至難の技というしかない。でも、始めた以上、その孤独は引き受けなければならない。誰のせいでもなく、自分自身の立場の問題としてそう思う。「福島県民」も「沖縄県民」も、内心では「県外の人々」「本土の人々」に不信感を持っている。自分のいるところで、自分自身の課題で、「原発について」「基地について」どう向き合うか、問われている。7面に「除染土再利用『反対』61% 処理水海洋放出『反対』65% 押し付け繰り返すな」がある。記事中に、県民の原発再稼働は賛成13%、反対68%、全国調査では賛成32%、反対56%とある。福島県知事が福島第2原発の「廃炉の正式決定」を国と東電に要請したのは昨年11月のこと。東電はその5ヶ月前に「廃炉方針」を表明していたが、これを受けて今年1月、福島第2原発の廃炉を「スピード感を持って検討を進めていきたい」と語ったという。第1原発と併せて計10基の廃炉が進む。我らは最低限でも「原発再稼働についての全国世論調査」で「反対がはじめて50%を切った」などという結果がもたらされないようにする責任を背負っている。そのために、当初は熱によって始められた運動でも、時が経つにつれて合理的認識に裏打ちされた運動に変換していく必要がある。何人も熱だけで持続することはできない。公害反対運動で、先人たちがよく勉強し、納得して運動したことを思い出す。
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2019年02月27日

危機が本人の内部から溢れ出している

14面の政治漫画は、菅官房長官らしき人物が「上げ底景気」と書かれた額を掲げている下に、「『戦後最長』とやらの景気拡大期の命名もよろしく」(本文引用)と皮肉たっぷり。「空っぽ景気」や「スッカラカン景気」とかの言葉が即座に浮かぶところに、現状の嘘寒さが漂う。できれば長官の表情を、いかにも本人らしく、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に出てきたゴラム(スメアゴル)と言ったか、あいつみたいな人相にしてくれたら、いっそうリアルになってよかった、と思う。このところ政権の一番番頭としてイヤな顔ひとつせずに徹底的に下卑た振る舞いをし続けている。以下の記事では東京新聞の記者に、最悪の態度で権力風を吹きまくる。「菅義偉官房長官は26日の記者会見で、事実に基づかない質問を繰り返しているとして首相官邸が対応を求めている東京新聞記者の質問に対し、『あなたに答える必要はない』と回答を拒んだ」(本文引用)。「あなたの見たくもない顔を我慢しているのにその言い草はなんだ」と言いたくなる。これがいまの政治の極北化した姿。それを最先端で推し進めることになんの疑問も持たないイカレ具合が哀れ。歴史の教科書に稀代の悪政を支えた愚人として記録される運命は間違いない。それにしても記者クラブっていつからこんなに腑抜けになってしまったのかね。
☆「菅官房長官「あなたに答える必要ない」=東京新聞記者の質問に」JIJI.COM/2/26
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190226-00000107-jij-pol
他社の同様の質問については以下のように答えているから、東京新聞記者の質問だけ気に触る理由が、彼個人の主観的意図に基づいている気がしてならない。もっとも、辺野古関連回答は、普天間の危険除去と固定化を避けるというように、いつものごとく「論点ずらし」や「丁寧に説明」など、詭弁に満ちたものでしかないのだから、本音は一緒なのだ。普天間返還が長引くのを沖縄のせいにして、自分は「丁寧」とか「真摯」とかの空文句で切り抜ける。まさに「空っぽ景気」「スッカラカン景気」を平気で成果と掲げる強心臓だけが取り柄のゴラム(スメアゴル)。あの、邪悪に取り憑かれた生き物の姿が彷彿とするばかり。彼の蔑む目つきが実に醜悪。
☆「普天間返還 菅氏『代替案示せ』 知事姿勢を批判」琉球新報2月23日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-879643.html?fbclid=IwAR1CxMK_QCY6DM7yxkVekyCUltuHQ4u9JRydSbSPDkPyJI8ukSwxPuojVrU
本来なら彼のような人物が政権の前面に出てしゃべりまくることなどあり得ないはず。出てきても、抑制した姿勢を保とうと腐心したに違いない。抑制がブチ切れてしまったのは、やはりトップがトップだからだろう、と思わざるを得ない。以下の記事でその実感が強くなる。「やはり、安倍総理という人は、あまりに単純な思考力しか持ちあわせていない人間なのか、そう残念に思ったのが、18日の国会答弁だった」(本文引用)。トランプ氏をノーベル平和賞候補に推薦した件につき国会で質問されて、「『いま、同盟国の大統領に対して口を極めて批判をされたわけでございますが、米国は日本にとって唯一の同盟国であり、その国の大統領に対しては一定の敬意を払うべきだろうと、私はそのように思うわけであります』。さらに(略)『まあ、御党も政権を奪取しようと考えているんであれば、ですね』」(本文引用)。たしかに驚愕の発言だ。一定の(つまり限定的な)敬意は払えばいいさ。でも、ノーベル平和賞に値するかどうかは別次元。「政権奪取を考えているかどうか」も無関係。奇妙というより壊れた答弁と言うべきか。すでに彼の脳内では「一定の」判断力が壊れているらしい。危機が本人の内部から溢れ出している現状か。
☆「トランプ大統領を完全にバカにした安倍発言『米国大統領に敬意を払え』に驚愕!」Yahoo!ニュース2月21日
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20190221-00115679/?fbclid=IwAR0ynNWmD-BrI8gR8okWYtWAHXSBvzGQs71fmid3DWlUICq3nMsHaXkT_fc
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2019年02月26日

まず徹底的に自問したい

1面に2つの重要記事「福島の汚染土再利用計画 『最大99%可能』国が試算 地元住民の反対受け難航」と「沖縄の民意『無視』鮮明に 政府、埋め立て続行」がある。沖縄と福島で同時に民意無視が顕在化。思い出したのは地域の反原発運動で「福島返せ」という主張について議論があったとき、ブログ主は「賛成」すると同時に「この言葉は我々の性根を問う」と主張した。最終的に「福島返せ」は外され、ブログ主は自分の性根のなさを感じて忸怩たる思いに駆られたものだったが、新聞記事からなんでそんなことを思い出したかというと、「『福島』が被った未曾有の大災害にどんな向き合い方をしているか」が問われているいま、我らを蝕んでいる時の流れを痛感したからだ。放射能汚染土の処理処分については発災当初から議論があった。まず沿岸部から逆流した有害物質を含む震災がれきの議論があり、含まれる放射性物質も考慮して、海岸に大規模なコンクリート収納施設を作って適切な処理処分の方法が見つかるまで保管しておく案や、海岸に自然植栽による堤防を作ってその内部に簡易保管する方法などの提案があった。その後、各地の下水道脱水ケーキや生活廃棄物の焼却灰などから高い放射性物質が検出され、全国的な最終処分のずさんさが発覚した。
そのころ「1ベクレルも許さない」と息巻いていた人々は、当初「東電がすべて引き受けるべき」とのもっともらしい主張を掲げていたが、自分たちの身近で出てきたものをどうするかという喫緊の課題に直面して絶句してしまった。ブログ主は主張した。「各自治体の全施設の入口にコンクリートの震災モニュメントを作り、未来への警告のために『ここに原発事故で飛来した放射性物質が眠る』と書いて収納するべき」と主張したが、全然受け入れられなかったことを思い出す。それは小出助教が発災当初提起した「○禁」の主張と同じで、放射性物質に対する皮膚感覚での嫌悪に押しのけられてしまったと言える。その後どうなったか。身近な農地に降った放射性物質の存在は、どんどん耕すことで薄められ、ゴミ焼却場の焼却灰や飛灰は他県で埋め立てられ、下水脱水汚泥の行方は不明。いまは1000度以上の高温で溶融ガラス化して廃棄されている。これが本当に安全なのかどうか。放射性物質の多くは高温で蒸発し、冷却水のシャワーを通り抜ける過程で回収されるが、そこから先どこへ行くのかは不明なまま。もはや追求するものもいない。「福島の汚染土」に話を戻すと、これも「福島」から遠く離れたら、切実なスローガンとはなり得ず、若干の反応とともに、世間から忘れられていくのではないか。そして環境省の試算で「1400万立方メートルのほぼすべてが再利用でき、最終処分すべき汚染土は全体の約0・2%、3万立方メートル」(本文引用)の通りに実施され、その結果として放射性物質汚染は薄く広く全国へ拡散していく。やんぬるかな。性根を問われて答えられない、罪深き我らよ!
そのことは「沖縄の民意『無視』」にもさっそく現れる。2面「首相・政府の言葉 むなしく響く沖縄」中見出し「『投票の結果を真摯に受け止める』言ったその日 進む工事」「2014年『5年以内に普天間運用停止』 不履行 地元に責任転嫁」は、見出しだけで首相・政府の決定的不実をあぶり出す。彼らが「沖縄」と「福島」で民意など斟酌しない強引な手法をとるのは、一地方の大騒ぎなんぞ絶対に全国的な声にならないと見切った上でのことだ。首相は昨日、「投票の結果を真摯に受け止め、基地負担軽減に全力で取り組む」(14面「社説」引用)と述べた。彼流にその言葉の整合性をどう整えているのか。「全力で取り組む。邪魔しているのは地元であって自分ではない」ということか。今後ともあらゆる局面でこんな言い換えが横行していく。そして、全国に薄く広く、おなじ要領の「真摯」がばらまかれ、「うまくいかないのは反対する奴らのせい」という言説が垂れ流される。不満が全国化しても、横に繋がることはないのか。地方の声に応える力を持っているか。我らの思考と行動の緻密さが問われている。まず徹底的に自問したい。悪しきポピュリズムにまみれた我らの性根!
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2019年02月25日

遠い遠い過去から脱出すべきときなのか

辺野古移設についての沖縄県民投票は、最終的な数はまだわからないものの、反対多数の結果が出た。国が「安全保障は政府の専権事項」といくら主張しても、「安全」の解釈と「保障」の仕方をめぐる違いは常にある。外交こそまず第一義的に優先せねばならない「安全」のための手段。「保障」の最も重要な方法であるのは異論の余地がないはず。「武力」を「外交」に優先させるような政治は、「外交」の敗北を最初から認めたやり方だ。「そんな安全保障は不要だ」との意思表示を尊重しない政治は強権政治というしかない。2面に「本土に住む人が考える番だ」の記事がある。記者は取材で「将来、子どもたちに『県民投票のときにお父さん、お母さんはどうしたの?』と聞かれたら、堂々と答えられるようにしたい」(本文引用)と何度も聞いたという。この結果を「本土に住む人」(我々)はどうとらえ、どう応じるべきか。まず「国民主権」とはなんであるかを考える必要がある。いま本土で投票をすれば、「どちらでもない」の比率が大きく膨らむだろう。「安全保障」のためには「基地が必要」という意見が急上昇するかもしれない。「外交」の大切さを自らないがしろにする政治が横行しているとき、「外交なんか頼りになるか」という意識が生まれる。しかし「頼りになる」かどうかの判断は、「お頼み民主主義」が根付いている証拠でしかない。「国民主権」の理解が「お頼み主権」の程度にしか発達していないこの国のありようが見えてくる。
江戸時代、百姓一揆が盛んに起こったという説が揺らいでいる。庶民が専らとしたのは、「請願(上訴)」がほとんどで、百姓一揆は最後の最後に登場する暴発みたいなものだったという。幕府は一揆を徹底的に弾圧し、「お願いでございます」との訴えには一定の道を開いた。そしてよく考えてみると、現在のこの国の基本的政治スタンスは、なぜか徳川幕府のやり方に酷似していることに気づく。個人的にいま明治の勉強をしているのだが、そこで痛感するのは、明治維新が社会全体の大変革だったのではなく、支配上層部である「武家社会」の内部変革ではなかったか、ということ。地方の大反乱は鎮圧し、小規模なお願いは「聞いて遣わす」という姿勢は、徳川から明治に移行してもなんら変わることなく続けられた。その方策は成功裏に進み、先の戦争で大敗した結果、「外圧」によって若干の変更を余儀なくされたものの、崩壊の危機を免れた「支配階層」すなわち「封建遺制を温存させた圧倒的上層部」は、伝統的支配の方法を巧妙に持続させるのに成功した、ということではないのか。
ようするに、現状は、民主主義の皮を被って生き延びた「封建遺制」とその「信奉者層」が政治・経済の大失策を契機に、先の戦争に続く第2の敗北に瀕し、ついに本音をあからさまにせざるを得なくなったということではないか。正直なことを言えば、戦後の70数年において「徳川260年」と「明治150年」を併せて計410年に渡る「支配上層」と「被支配下部」の関係がいま極度にシビアな状況に至ったのと裏腹に、「被支配下部」の「総合的民意」は、いまだ「封建遺制」の呪縛から脱出しきれていないというべきかもしれない。辺野古移設の県民投票が本土の庶民に影響を与えることを徹底的に嫌悪する政府のありようは、過去の亡霊と見紛うばかりの醜さに満ちている。彼らの脳内にくすぶるのは、本土への影響をどう切り抜けるか、という強い危機認識だろう。
対抗するように、「女川原発県民投票」がすでに宮城県議会の日程に上りつつある。原発立地各県では一筋縄ではいかない動きが広がりつつある。昨年末の臨時国会で最後の悪あがきを示すように地方を痛めつける各種規制緩和関連法が成立した。「請願(上訴)」ではなく、確立された「国民主権」による運動が目覚め始めている。先に「410年」と書いたが、もしや平安朝崩壊で武家主導の社会が誕生し、天皇親政が形骸化しつつ奇妙に温存されてきた遠い過去から、「支配上層」の内部変化だけが時代を創ってきた、というべきかもしれない。いままさにこの国の歴史を転換する正念場なのか。だとしたら、我らはとても重い時代を背負っている!
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2019年02月24日

足をバタバタ、ヤダモンヤダモン

朝日新聞GLOBEの「公文書でもたらした正義」は「ニューヨークタイムズ・マガジンから」の翻訳記事。日本軍の真珠湾攻撃による報復で日系米人がマンザナー収容所に送られる。アイコ・ヨシナガは戦後、公文書館で関係資料を探し8000件の文書を集める。そして陸軍省が「当初の報告書をすべて破棄するように命じていた」(本文引用)との情報を得て、運良く残っていた一部を発見。文書には鉛筆による書き込みもあった。「戦時民間人再定住・抑留に関する委員会」で文書は有力な証拠となり、レーガン大統領は謝罪し、生存者に補償金が支払われた。辛うじて残った文書が過去の過ちを証明。隠滅を免れた文書で正当な人権の回復が速やかになされた。幼いころに観た米映画「日本人の勲章」と「二世部隊」を思い出す。日系人部隊の戦いを描いた作品で、その当時から見直しの機運はあったということか。また、題名は忘れたが、日米開戦で日本に置き去りになった米人外交官家族の苦難を描いた作品もあった。朝鮮戦争との関わりもあるので単純に礼賛はできないが、それでも現在の日本政府の公文書改ざん・隠蔽や統計データ不正の犯罪性と比較して思う。現在の日本政府のそれは敗戦直前の日本軍の有り様に等しい、と。
いや、軍のみならず、戦争に加担した多くの組織で、文書の隠匿や焼却が行われ、戦後かなり経ってから隠蔽を逃れた資料の断片が出てきてようやく歴史的検証をするという羽目に陥ったが、国家の責任追求まで及ばず、いまも政府の関わりは薄い。現在の日本政府のありようは、敗戦直前の慌しささながら大揺れに揺れており、トップリーダー自らむちゃくちゃに動揺している。彼の発言は荒れ、うろたえているのが明らかで、まともな答弁とは言い難くなっている。森友・加計・自衛隊日報その他モロモロが、悲願の改憲の前に立ちふさがる。その焦りゆえか、総理大臣席からの薄汚いヤジが目立ち、品性を疑う薄笑いが日常化し、都合の悪い答弁をする閣僚には座ったまま背後から「いったん戻れ」などと命令。言われた大臣もこれまた素直に「いったん戻ります」と言ってスゴスゴ引き下がる始末。むちゃくちゃの極地で、わがままなお坊ちゃまが、国会の床に寝転んで足をバタバタ、「やだもん、やだもん」と叫び、周囲が持て余しているという悲惨な様相を示す。
☆「安倍首相が統計不正の証拠メールを突きつけられ大慌て! 答弁中の根本厚労相に『いったん戻れ』」と前代未聞の指示」リテラ2月21日
https://lite-ra.com/2019/02/post-4560.html
今日は沖縄で辺野古埋め立てについての県民投票が行われる日だ。一国の総理が国会で「足バタバタ、ヤダモン」大作戦を展開しているとき、権力忖度の大波が以下のようなみっともない恥を世界に晒す。年に数回来日し長期滞在している梶原氏に対し、これまで経験したことがないほどの足止めを食わせたという異例の入管審査が発覚。それは官房長官の記者会見における東京新聞記者に対するいやがらせ、権力的抑圧の構造とぴったり重なって、いますでに末期にあるこの国の実情を浮かび上がらせる。根深い忖度構造の蔓延は、某放送局の貴重な良心をも侵食する。世界に恥を晒しながら引き返せない究極に向かって突き進むこの国!
☆「梶原さん入国一時足止め 米請願署名呼び掛け人 入管、辺野古やデモ尋問」琉球新報2月21日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-878445.html?fbclid=IwAR1uqxGI-4r8LvEOSuwMeHYIL7HeoF0RU97Xr2XZGoU7mcfLGgKK-CCGsbQ
☆「東京新聞記者への質問制限の実態 1分半の質疑で7回遮る」琉球新報2月21日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-878559.html?fbclid=IwAR3vbj8GMsv_fRhOeWpP_PsHxfbT_kVrKqGn948hbFAucbYdEnp5tq1mHZI
☆「NHK組織大改変で“反権力”職員72名が提出した反論意見書」NEWSポストセブン2月17日
https://www.news-postseven.com/archives/20190217_871306.html
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2019年02月23日

やたら踏み出しすぎて戻れなくなっている

7面「泊原発『活断層否定できぬ』 規制委が見解 再稼働見通せず 北電の反証は難航か」の記事。「規制委員会は22日、再稼働をめざす北海道電力泊原発1〜3号機(略)の敷地内にある断層について、『活断層の可能性が否定できない』との見解を示した。北電が結論を覆せなければ、大幅な耐震強化を迫られる」「審査の長期化は避けられず、再稼働は見通せなくなった」「規制委は、北電の指摘する古い地層の上にもずれが伸び、より新しい時代に動いた可能性があるとして、活断層であることを否定できないと判断」「規制委の判断を受け入れた場合、『Fー1』断層が引き起こす地震に備える必要がある。北電が泊原発で最大の揺れと想定する600ガル(略)の見直しを迫られる」「原子炉建屋などの直下に活断層があれば廃炉を迫られる。北電はFー1断層の上に重要施設はないと説明」(本文引用)。新エネルギー基本計画で30年のエネルギーミックスを再エネと原発で約44%とする目標に向けて、いよいよ国策原発が自縄自縛の罠に落ちて行く可能性が強まっている。2月4日当ブログ「経済同友会代表の発言に関連してちょい考察」に書いた「高度化法」の規定が重しになる可能性が出てきた。2020年に取引が始まるとされる「非FIT非化石証書」がその皮切りとなるか。大手電力が保有する大型水力や原子力が圧倒的に有利に働く法のはずだったのに、いよいよ原発を締め付けはじめたか。
2月2日当ブログ「経済界の危機感はハンパじゃなさそう」で紹介した週刊ダイヤモンドの記事中に「原発はアンタッチャブル」の項がある。「安倍政権はエネ基を見直す気はないようだ。目下のところ、現政権の悲願は憲法改正。政権支持率を下げる不人気な政策の筆頭格である原発政策を真正面から取り上げるはずもない。しかも、今年は統一地方選や参院選が控える“選挙イヤー”。ある自由民主党関係者は『原発はアンタッチャブル』と明かす」「世界のエネルギー政策は急激に変化している。再生可能エネルギーの伸びが著しく、国内では原発と同じベースロード電源(略)に位置付けられていた石炭火力発電が低炭素社会を阻む悪者として退場を迫られている。選挙イヤーはエネルギー政策の在り方を真正面から捉える好機であるはず。原発の議論から逃げ続けるならば、安倍政権はエネルギー政策に汚点を残す」(本文引用)とあり、政権の自縄自縛も相当なものである。再エネが原発に対抗する武器になると証明されつつある。敵に塩を送らないよう、倒錯した再エネ嫌悪に塗れて再エネを敵に献上し続ける行為からの脱出が求められている。
7面には「茨城県知事が『不快感』 東海第二 原電が再稼働方針説明」もある。東海第二は首都圏に隣接する。日本原電は22日、再稼働を目指す方針を地元首長らに伝えたという。県知事は不快感を示し、東海村長も距離を置く。水戸市長は「実効性のある避難計画と市民の理解がない限り、再稼働はない」(本文引用)としている。昨年11月29日の当ブログ「どちらがより多く準備しているか」で若干触れたように、同月の副社長による失言「拒否権なんていう言葉はない」「拒否権なんていう言葉は協定の中にはどこにもない」があって「立地・周辺6市町村の首長は『再稼働の意思を表明せず、なし崩し的に工事をするのは認められない』と申し入れ」(本日7面本文引用)している状況。原電の焦りが招いた窮地が、今回の「再稼働方針説明」につながっている。しかし、県と6市村の姿勢は容易に崩せるものではない。経団連中西会長が焦るのも無理からぬところ。折しもFRBは利上げを休止。緩和策への転換が鮮明になった。昨日の当ブログ「いよいよ濃霧の真っ只中へ迷い込む」では、日銀の「丸腰状態」について触れたが、いよいよ新興国のデフォルトリスクまでが憂慮圏内にはいってきた現状。五輪や万博で民心を誘導しようとしても、それは逆にこの国を奈落へ突入させる罠ともなりうる。改憲まっしぐらの政権だが、トップが金切り声なるのもムベなるかな。彼はいま個人的に人生最大の剣が峰にぶち当たってキリキリ舞いしており、周囲が総出で忖度し守り抜こうとしている。そして危機はいっそう深まっていく。
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2019年02月22日

いよいよ濃霧の真っ只中へ迷い込む

9面「資産縮小終了 来月公表か FRB『緩和』への転換鮮明」に注目。「(FRB)が景気過熱を抑える『金融引き締め』から、景気減速に配慮した『緩和』方向へ転換したことが鮮明になってきた。1月末には約3年間続けた利上げの休止を決定。その会合の議事要旨が20日公表され、保有資産を減らし市場に流すお金を絞る政策も、今年後半で終える」「米中貿易摩擦や、世界経済の不透明感が増したことが背景にある」「早ければ3月19〜20日のFOMCで、資産縮小終了を公表」「20年代初めまで続ける予定だったが前倒し」「景気次第で年内の利上げはなくなり、利下げの可能性もある。ただ議事要旨では多くの参加者が(中略)利上げの可能性は残されている」(本文引用)と、我が家購読紙はいつも素っ気ない。2月5日当ブログ「首をすくめるだけが庶民の知恵か」では日経記事を要約引用「要約:“FRBが利上げの停止を打ち出したことは、世界の市場参加者に好意的に受け止められた。しかし、なぜか日銀は浮かない顔をしている。それは日銀の『金融政策運営が抱える難しさが一段と増しているからだ。FRBのスタンスは今後ジワジワと円高圧力を生みやすい一方、日銀側は効果的な追加緩和手段が乏しい「丸腰」に近い状態』」「米経済がさらに減速するならFRBはハト派姿勢をさらに強めそう」「米市場などは歓迎するかもしれないが、日銀にとってはむしろ状況がさらに厳しくなる」(本文引用)と紹介したばかり。本日報道の素っ気なさとは一味違うものがある。
そして20日の以下の記事も同様の傾向を示す。「金融市場が再び『緩和相場』を試し始めた。米国の利上げ路線修正を起点に緩和的な金融政策が広がり、資金の調達環境が緩んでいる。マネーが再び新興国国債や低格付け社債など高リスク債券に向かい、発行も急増している。景気鈍化で低金利環境になる中、利回りを求める投資家は歓迎するが将来の債務不履行(デフォルト)と背中合わせ。景気後退期にリスクを増幅しかねない」「実体経済はグローバルの製造業購買担当者景気指数(PMI)が1月に50・7と1カ月連続で悪化し、2年半ぶりの低水準にある。景気減速が鮮明になれば、低格付け社債の債務不履行や新興国からの資金流出のリスクも再び高まる」(本文引用)。いかなる激変があるにせよ、日銀は「効果的な追加緩和手段が乏しい『丸腰』に近い状態」ゆえに、打つ手がほとんどないということか。
☆「マネー再び『緩和モード』 新興国債などに流入加速」日本経済新聞2月20日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41487940Z10C19A2EA2000/?n_cid=NMAIL007
どんなにあがいても、日銀の操作によらず、すべては海外の事情によって決まる。以下の記事は(近ごろあやしさ充満でトンと信用できない)官庁の貿易統計速報に関する報道だが、対中貿易の落ち込みの激しさは隠しようがない。「中国向け輸出では、電気回路などの機器が約39%、半導体製造装置が約25%、それぞれ大幅に減少した。アジア全体への輸出も13・1%減少した。米国向けは自動車や機械などの輸出が伸びたが、欧州連合(EU)向けは船舶などを中心に輸出が減った」(本文引用)とあり、中国を敵視していてもしょうがない現実が鮮明になっている。
☆「1月の対中輸出17%減、2カ月連続 貿易統計」日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4149407020022019000000/
そこへきていまだに数字操作で国民をたばかるしかできない無能政権の現状が以下の記事で明らかになる。GDPが「国際基準に合わせて」変更されたのは2015年。あたかも経済政策の成果であるように胸を張るのは、現実離れとしか言いようがない。わけのわからない「お坊っちゃま語」で言い逃れても、その煽りで庶民が塗炭の生活苦を味わうかもしれないことなど、彼の脳中にはピリッとも浮かばないんだろうな。
☆「安倍政権にGDPカサ上げ疑惑 600兆円達成へ統計38件イジる」日刊ゲンダイ2月19日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247804
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2019年02月21日

いよいよ明らかになる彼らの内部矛盾

経団連の中西会長の発言(日立製作所会長)が波紋を呼んでいると、8面「経団連会長の原発発言波紋『原爆と頭の中で結びついている人いる』」にある。「原発と原子力爆弾が頭の中で結びついている人に『違う』ということは難しい」「浜岡原発(略)を視察した際に」「『原発の再稼働への理解が深まっていないようだが』との記者団からの問いかけに答えた」(本文引用)。原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟による公開討論会の申し入れを、エネルギー政策の提言をまとめているところ、という理由で経団連は拒否した。4月に経団連として出す予定の「提言」を念頭に置いているのだろう。その提言が出てくる端緒は、以下のところに詳しい経緯が語られている。「2018年11月19日。中西は東京・霞が関の経済産業省を訪れ、経産相の世耕弘成(略)に切り出した。『このままでは事業を続けられません』。世耕は『もう少しがんばってください』と応じたと関係者は明かす」「日立だけではない。東芝の英国事業や三菱重工業のトルコ事業。日本の官民が挑んだ海外計画は軒並み頓挫した。このままでは国内原発の再稼働や廃炉に必要な技術や人材の維持も危ぶまれる。IHI横浜工場。原子炉圧力容器や格納容器の製造が主力だった建屋内にいま横たわるのは、トンネルの掘進機だ。ピーク時に約600億円あった原子力関係の売上高は半減した。工場長の丸山隆行(略)は『従業員のモチベーションをどう維持するのか悩む』と話す。原発産業は存亡の岐路を迎えつつある」(本文引用)
☆「民間に限界、万策尽きる 消えた原発輸出(ルポ迫真)」日本経済新聞2月14日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41217510T10C19A2EA1000/?n_cid=NMAIL007
4月の提言がどうなるか見ものだが、「どうせ原発推進側のゴタク」などと捨ておくのが適当かどうか、そこはかなり考えものだと思う。すくなくとも彼らの内部で悲鳴が上がっていることは間違いない。その悲鳴を高見の見物できるほどこちら側が力関係で優位にあるなら話は別だが、現状これを好機ととらえないのは、「脱原発」のスローガンを放棄することに等しい。強がりのつもりが「敵に塩を送る」ことになるとしたら、何をか言わんや。「バカバカしくて付き合ってられねえ」である。まして経団連の発言に合わせるように、同友会からの発言がある。こちらは明らかに「脱原発」の意図が表明されている。「高みの見物」しかできなかったら、同友会の一定の見解もゴミ箱行きになるのか。そりゃねえだろ。「あんたがた本音ではどっちを向いているの?」と言わざるを得ない。このところそんな人たちが身辺にいるのを見るのが煩わしい。
そんな動きがある中で、30面の「原発避難4・2億円賠償命令 横浜地裁 国・東電の責任認定」に注目。「福島第一原発の事故の影響で、神奈川県に避難をした60世帯175人が東電と国を相手取り、計約54億円の賠償を求めた訴訟の判決が20日、横浜地裁であった」「判決は、東電が国に対して、東北地方を襲った貞観地震(869年)に関する津波評価を報告した2009年9月の時点で、原発の敷地高を超える津波が到来して全電源を喪失し、放射性物質が放出されることが予測できたと判断。原発設備内の電源設備を移動すれば事故が防げたにも関わらず怠ったと述べた」「賠償は、国が定めた原発賠償の中間指針と比べ、軒並み増額された。国の指針では、『ふるさと喪失慰謝料』は高い放射線量を示した帰還困難区域だけが対象とされたが、横浜地裁は避難指示が出たすべての区域に適用。避難期間の長さに応じて、段階的に慰謝料を算出した。局所的に高線量となり、国が避難を『勧奨』するだけだった住宅(特定避難勧奨地点)にも、一人約600万円の慰謝料を認めた」(本文引用)
さて、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長に関わる東電刑事裁判はどうなるか。昨年12月には35回公判で論告求刑。36回公判で被害者遺族代理人による意見陳述があった。その推移に要注目!
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2019年02月20日

遠い昔からボタンのかけ違いがあるような

1面に「大熊町避難指示一部解除へ 4月にも 立地自治体で初」の記事。「原発事故で全町避難が続く福島県大熊町で、避難指示の一部が4月にも解除される見通しとなった」「解除の対象は町の西側にある大川原地区と中屋敷地区。町面積の約4割を占め、町民の約4%、140世帯374人(略)が住民登録している」「昨年4月から帰還に向けた準備宿泊が始まっており」「20世帯46人が生活している」「大川原地区には特例として東電の社員寮が建設され、廃炉にあたる社員ら700人が暮らす」「同地区で帰還住民約1千人、町外からの住民約2千人が居住する計画を描く」「住民意向調査(速報板)では『戻りたい』が約1割、『戻らない』が約6割」「大熊町は(略)全住民約1万1500人が県内外に避難」「第一原発が立地する双葉町は20年春ごろに町内の一部、22年春ごろに特定復興再生拠点で避難指示の解除を目指している」(本文引用)とあり、いよいよオリンピック前後を目処に、全面解除に向けた動きが加速する。と、これを批判するのはたやすいが、「避難を継続すべき」と主張する場合、ブログ主には何かが欠けているような気がしてならないのである。
かつて阪神大震災発生の折、ブログ主は大阪府と兵庫県の境目に住んでいたが、ちょうどそのとき、琵琶湖沿岸へ引越する準備が完了したばかりだった。さて次は最後の決断で自宅を売りに出すか、というその朝、地震は起こった。家は潰れなかったが、かなり損傷を受けたため売り出しを中止した。損傷した家を売るなどできなかったからだ。琵琶湖の家は準備してあり、完全股裂き状態で引っ越すべきか否か、迷って1年延期にした。しかし1年後、まだ混乱の続く被災地から引っ越すことのつらさは例えようもなかった。まさに断腸の思いで決断したものの、心は地震被災地に残したままで、心的外傷後ストレス症候群のキズが深々と刻まれた。ひるがえって原発事故被害者の心情を思う。彼らもまた、断腸の思いで避難を決断したのだと思う。しかしたぶん、去りがたい気持ちも強烈だったはずだ。それは第1の傷として残ったと思う。次に避難者の背にのしかかってきたのが、避難先での調子っぱずれの視線だったのではないか。原発事故からの避難者は、地震被害に放射能被害が重なる。放射能被害に対する国家の恣意的な対応が鮮明になるにつれて、避難先で避難者に向けられる視線は、微妙に変化していく。そこに被災地に残った人たちの視線が加わる。さらに家族や親族内部での葛藤が増幅される。まとめると、放射線への危機感、国家による帰還圧力、被災した故郷への去りがたい気持ち、冷たい避難先の環境、被災地からの視線、家族や親族との軋轢。避難者は6つの方向から重荷を背負わされ孤立状態に陥る。そして実のところ、単純な「避難すべき」論はこういった複雑な葛藤をよそに、「まだ危険」「避難すべき」と一方からの主張を浴びせる。もしやこれは7番目の重荷になる可能性をはらんでいないか。
避難者を受け入れる側にいて、避難者が現に受けている理不尽な軋轢に気づかない。そのことがすでに、避難者を袋小路に追い詰めていないか。避難家族や児童へのいじめがあった。そのとき声高に何かを批判する前に、どうしたら避難者の傷ついた心を癒せるか、それに想いを馳せる必要があった。原発事故からの避難は、事故の収束がはっきり見通せるようになるまで果てしなく続く。そのためにあるべき社会的システムの確立をないがしろにして、「避難すべき」というのは「帰還促進」を政治的目標に掲げるのと同じくらい危ういことではないか。
そして思う。わたしたちは原発事故発災当初からボタンのかけ違いをし続けていないか。震災瓦礫の受け入れ拒否。福島県産の農水畜産物拒否。車両拒否。エトセトラ。そのためかえって巷に溢れる放射性物質に気づかないふりをしている欺瞞。これは本土における基地反対闘争の不十分さが、沖縄に堪え難い重圧をかけた責任を忘れているのと同根だ。いま「避難すべき」だけで押し通すのは、自分たちに欠けている何かを模索する可能性を狭めていることに他ならない。ブログ主もまだしかるべき結論に至れないでいる。
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2019年02月19日

我儘坊ちゃんは追い詰められて暴走する

18日朝日新聞ネット版に「首相『コメント控える』 トランプ氏をノーベル賞に推薦」という記事がある。コメントできないようなことでもないはずなのに、なんでコメントしないのか。この答弁からうかがえるのは、首相のキモの小ささだ。トランプ氏がノーベル賞にふさわしい人物だと本気で思うのなら、「推薦したかしなかったか」くらいは述べればいい。推薦理由にあたる答弁を「『北朝鮮の核・ミサイル問題に果断に対応し、歴史的な米朝首脳会談も行った。またその際、拉致問題について私の考え方を直接金正恩(略)委員長に伝えていただいた』と『実績』を強調した」(本文引用)のだから、「ノーベル委員会の方針に従い、コメントは差し控える」というのは矛盾も甚だしい。そんなことだから本日12面「社説」の「平和賞推薦 対米追従が過ぎないか」で、「首相は本気で、トランプ米大統領がノーベル平和賞にふさわしいと考えているのか。外交辞令では済まされぬ、露骨なお追従というほかない」(本文引用)と書かれてしまうのだ。トランプの歓心を買うように大枚叩いて運用に入る頃にはすでに骨董品にる運命の武器購入をし、国内的にはやたら危機を煽る。そしてノーベル平和賞推薦。まったく記事の通り、「国際社会の目にどう映るだろう」というしかない。
17日7面に15行の小記事「天皇陛下の謝罪求めた発言 韓国『撤回要求はない』」がある。そして18日2面に「謝罪と撤回『対応を求めた』 韓国議長発言 日韓外相会談で河野氏」がある。同面「平和条約交渉『期限設けない』 外相会談 ロシア、日本にクギ」があり、対ロ交渉にも暗雲が漂う。本日の「社説」に戻ると、被爆国のトップなのに核兵器禁止条約やICANが平和賞を受賞したときも、そっぽを向いて、ひたすら米に従う姿勢を示した。いったいどうなっているのか。歴代自民党は面従腹背の姿勢を貫いてきたが、その党是も踏襲しない。つまり、良い悪いは別にして腹芸ができないらしい。沖縄に「寄り添う」という言葉の使い方も、建前として使用することをやめたらしく、今回の施政方針演説では消えてしまった。めんどくさくなってきたのだろう。辺野古建設の賛否を問う県民投票の結果に背を向け、軟弱地盤が基地建設の無謀を実証しても構わず、ひたすら本音丸出しで突き進む。たぶんいま、彼は剣ヶ峰でじっと堪える踏ん張りができなくなっている。本音丸出しで居直りするしか無くなっている。本来なら周辺も、「やってられない」と諌めるところ、あまりにみっともないうえに、すでに彼のやってきたことが取り返しつかなく、その後の政権運営が過酷を極めると予測できるがゆえに、手をこまぬいて見ているしかないのかもしれない。いっそ野党政権にもう一度譲るか。それも危険すぎる。周辺は内心、焦っているのではないか。そんな気がする。
☆「首相『コメント控える』 トランプ氏をノーベル賞に推薦」朝日新聞2月18日
https://www.asahi.com/articles/ASM2L312SM2LUTFK007.html?fbclid=IwAR32CYWatZP48pe_o0KLpz7_a7H8XERbYz2CZR8Dzgp6qXukaEqG1hm1adg
9面「中国『量子の父』米ビザ発給せず 学会不参加に 知財問題影響か」の記事。「量子力学の原理を応用した世界初の衛星暗号通信を成功させた中国のトップ量子物理学者(略)が、米政府からビザが発給されず(略)ワシントンで開かれた学会に参加できなかった」「16年に中国が打ち上げた世界初の量子通信衛星『墨子号』プロジェクトの中心人物」「量子科学は」「技術流出の懸念から、米商務省が検討するハイテク製品の輸出規制の14分野にも含まれている」(本文引用)という。いまや技術分野での中国の伸張は著しいものがある。日本はとっくに後塵を拝している状況だ。そして最近の米中経済摩擦では、米中どちらが動揺しても、こちらは大揺れに揺れる。昨年10〜12月の株価暴落からいまだに抜け出られず、年金運用失敗で15兆円が消えたことを思い起こせば、このまま再び巨額が消えたらどうなるか。日銀の債務超過とGPIF損失が重なったらどうなるか。ワガママ坊ちゃんの専横を許した後のことを他人事でなく想定しておく必要がある。
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2019年02月18日

「本邦的ポピュリズム」克服こそ最優先課題

31面「文化・文芸」欄に「左派ポピュリズムという希望 欧米で存在感 正義と平等訴え」がある。「ポピュリズムに対しては、『大衆迎合主義』と(誤って)翻訳されることが多いせいか、本邦ではことのほかネガティブな印象が強い。これが喚起するイメージといえば、デマゴーグによる人気取り政策。あることないこと放言する民主主義の腐敗、おおかたそんなところだろう」(本文引用)とある。かなり前、某集まりでポピュリズムについて本来の意味での発言をしたら、「上から目線」と言われたことがあった。批判者は「誤った」理解を深い考察もせずに振り回していてそう理解したのだろう。そのとき、サンダースやポデモスなどをどう捉えるのだろう、と首を傾げたものだった。欧米で極右ポピュリズムの台頭が先行し、世界的に目立っていたこともあっただろう。それを既存の中道的政党がポピュリズム一般として定義し、本来なら含まれる左派的ポピュリズムもまとめて否定し尽くそうと試みた結果、「本邦では」望外の成功を収めた経緯があるようだ。だから「ポピュリズム」という言葉を肯定的に使ったときブログ主を「上から目線」と批判した人物は、どこからか広がってきたネガティブキャンペーンに、手もなく引っかかってしまったというふうに思うばかり。
言葉が巷に流布し始めたとき、まずは「いったいそれはどういう意味なんだ?」と調べる意欲があるか否かだけなのだが、なかなかそうならない。日本では「最近研究者らを中心に『薔薇マークキャンペーン』という運動が始まっている」(本文引用)とあるが、これが一向に広がりを見せていない。「そもそもポピュリズム戦略が有効なのは、左右の対立軸にかわって、上と下、つまりは持つものと持たざるものとの対立が先鋭化したからだ。だとすると、同じ状況の産物である左右のポピュリズムには、本来的に双子のようなところがある。そのようなリスクは常に存在すると思った方がいい」(本文引用)とあるように、すでに大きな誤解の渦に飲み込まれている「本邦」のポピュリズムは、右のポピュリズムに対して有効な威力を発揮できない状況になっているのではないか。それゆえ「薔薇マークキャンペーン」がなかなか浸透しない状況になっているのではないか。正当左派のつもりで運動し、「いっこうに目覚めない」庶民にイラつき、ついつい批判してしまうなんぞは、良かれと思ってやっている自らの運動が、底の浅いものであることの証明であると気づいていないのではないか、とあえて思わざるをえない・・・。
「元来ポピュリズムとは、既存の政党政治からこぼれ落ち、疎外されてきた人々を、ひとつの政治勢力としてまとめ上げる、そのような政治手法を指す言葉である」(本文引用)という理解に立つと、現状の運動が抱える矛盾はいっそう鮮明になり克服の可能性が見えてくる。「既存の政党政治からこぼれ落ち、疎外されてきた人々を、ひとつの政治勢力としてまとめ上げる」ためには「大衆迎合」ではなく、綿密に練り上げられた現実的な戦術戦略が大きな前提になるということが、まず理解される必要がある。「左右の対立軸にかわって、上と下、つまりは持つものと持たざるものとの対立が先鋭化」したことを運動の展開軸の中心に置き、「保守」「革新」を問わず「疎外されてきた人々」をひとつにまとめあげることが可能となるようなスローガンを打ち立てる。これは突っ込んだ検討が必要な、困難な作業だ。それを抜きにして「いっこうに目覚めない」庶民にイラついても、詮無いことだし、行き着くところは、本邦で否定的に語られているポピュリズムになるしかない。「再エネは原子力の下請けになっている」と短絡させる前に、いま全国的に行われている「大規模規制緩和」の大波が地方をどのように疲弊させているかの考察があって然るべきなのと同じことだ。原子力につなげても庶民には響かない。だが、「大規模規制緩和」批判は、間違いなく有効な政治的スローガンとなりうる。その一点を際立たせ、「目覚めない大衆」論から一刻も早く脱出することこそ、いまやるべき最優先課題だと思う。
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2019年02月17日

脳内幻想から抜けて自らの未来をつかむ

中西経団連会長が原発と再エネに否定的ともとれる発言をしたことで、再エネを原発の下支えとみる反原発人士たちには、複雑な感情が走ったことと思う。原発をやめる真意は無いと推測することにやぶさかではなかったようだが、それと再エネ否定との間にある論理矛盾には違和感を禁じ得なかったはずだ。その後、彼らの側からどんな解釈が生まれたのか漏れ聞こえてこないのが残念なところである。当ブログではそのあたりのことを、何回か書いたのでいまはあえて触れないが、やはり興味津々「再エネ=原発下支え」論のその後は聞いてみたい。以下の記事では、経済界がかなり切羽詰まっていることは明らかにされている。だが、なぜか再エネに関する記述はない。中西氏は4月に改めて見解を公表する予定という。楽しみに待ちたいと同時に、脱原発の好機が訪れつつあるいま、ブログ主自身も熟考し、従来の思考から抜けた方向性を確保したいと思っているところだ。
☆「民間に限界、万策尽きる 消えた原発輸出(ルポ迫真)」日本経済新聞2月14日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41217510T10C19A2EA1000/?n_cid=NMAIL007
本日の我が家購読紙3面「日曜に想う」は「沖縄の現実は沖縄だけのものか」の記事。今月8日から3日間、東京で「沖縄県知事 翁長雄志の『言葉』展」という催しがあったという。「沖縄について考えるとき、哲学者カントの『人間を目的として尊重し、単なる手段として利用してはならない』という名高い倫理観が胸に浮かぶ。沖縄において、とりわけ年配の人々の胸にわだかまって消えないのは、『手段』とされ続けてきたことへの憤りにほかなるまい」(屋良朝苗氏は)「『沖縄が歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除し(中略)新しい県づくりに全力を挙げる』と決意を述べ」(た)「先の戦争では本土防衛の『捨て石』とされ、戦後は日米安保の『要石』に供せられた歴史を踏まえてのことだ」(太田昌秀氏は)「沖縄は手段あるいは政治的質草にされ、利用され続けてきた」「そしてこんな言葉が残された(略)。『われわれがどう話しても、大きな力が押しつぶして、通り過ぎていく。国家の品格を信じられなくなるくらい寂しいことはない』」(本文引用)と、怨嗟の声は続く。
しかし、「沖縄の民意や声に今ほど聞く耳を持たなかった政権はあるまい」「辺野古への土砂投入」「もはや空念仏さながらだった『沖縄の気持ちに寄り添う』は、今国会冒頭の首相の施政方針演説からなくなっていた」「演説から『寄り添う』が消えたのは県民投票の結果への予防線でもあろう」「国はいよいよ突き放しにかかった」(本文引用)。今日の記事は激しく政権を弾劾する。引用されたラテン語のことわざ「平和を望むなら戦争を準備せよ」は、政権の本質をついている。「寄り添う」という言葉の安易さが、いまほど鮮明になったときはない。沖縄を平気で踏みにじる政権の冷酷さが極まっている。「寄り添う」なんて、いくら破廉恥な首相でも歯が浮いて使えなくなったのか。はたまた「いつか必ず至る『あきらめ』の境地に寄り添う」と決めたのか。沖縄は剣が峰に立った。原発も剣が峰に立った。さらに勤労統計のインチキが表面化し、ついに国会答弁を乗り切ることができなくなって首相の発言は狂気の領域に踏み込み始めた。野党からGDP改ざんの可能性を詰め寄られ、自衛官の子どもの事例を問われ、子どものケンカ並みの意味不明答弁に陥る。そして恥じらいもなく「改憲」に突き進む。観念の制御ができなくなったものに政治のトップを任せることができるか。彼がやったことの後始末をだれもつけられなくなっているがゆえに、彼がやるに任せるしかなくなっているとしたら、この国の未来は激しい混乱に見舞われることを覚悟しておくべきだろう。我らは沖縄県民の覚悟を共有できるか。それがいま万民に問われている。
☆「アベノミクスの徹底検証が急務 幻想の中にいる国民の悲劇」日刊ゲンダイ2月6日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246993/1
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2019年02月16日

原発維持政策に暗雲が漂う

14日の新聞に原発関連記事がいくつか載った。まず5面「原発のトラブル 東電が報告放置 火災など 規制委、詳細調査」は、「東京電力の柏崎刈羽(略)、福島第一、福島第二(略)の3原発で起きた火災などのトラブルについて、東電本社が原発側からの報告を放置し、予防策を検討していなかったことが原子力規制委員会の検査でわかった。規制委は13日、保安規定違反があったとして、詳しく調べる方針を決めた」「東電は『処理する期限が明文化されておらず、先延ばしにした』と説明している」(本文引用)。福島第二で昨年11〜12月に4件、柏崎刈羽で過去3年間に17件、福島第一で5件。次に書いてある「本社内のトラブル報告でも7件あった」(本文引用)の意味は不明。さらに不明はラストの「処理する期限が明文化されておらず、先延ばしにした」という意味。「保安規定に書いてないから先延ばし」と読めるがその意味かどうか、記事では判読できない。東電は柏崎刈羽再稼働を焦っている。再稼働できないまま時間が過ぎていくと、それだけで機器が劣化するなど問題点が積み上がり、いよいよ再稼働が難しくなる。動かさないのにゼニばかり食う、お荷物と化す可能性が高まる。そんな思惑が「先延ばし」の奥にほのみえる。柏崎刈羽の配線トラブルなどは全長数十キロという配線の総点検につながる可能性もあり、再稼働がさらに遠くなることを懸念したのかと思うが、そんなことしていると、点検やら対策やらで念願の再稼働もできなくなるよ。
29面には「溶けた核燃料に接触 福島第一2号機 装置で持ち上げ成功」がある。写真では、マジックハンドで燃料デブリをつかんでいる。小石状のデブリなどは持ち上げることができた。粘土状デブリは持ち上げられなかった。砂状とか固形でも壊れやすいものもあるんじゃないか。最大15メートルまで伸びる伸縮式アームというから、致死性の放射性物質にかなり近距離まで近づいて作業することになる。やはり作業員は現代の特攻隊員なのだ。ほとんどの国民は、彼らがそんなことをせねばならない理由を考えたこともない。1944年12月に航空特攻を描いた映画が公開され、人々はいよいよ身近になった国民総犠牲の現実に戦慄したという。いま原発事故を「終わったんでしょ?」などとのたまう庶民は、まだ自分の頭上に危機が訪れていないのをいいことに、自分だけの「平和」に浸っている。それは戦時の銃後の国民と同じだ。燃料デブリは取り出さないといけないものか。即死しかねない放射性物質の安全な保管方法も確立されていない現状、作業員に死の危険がある作業を強制するより、発災当初に言われていたように、原子炉建屋を頑丈な壁で覆い尽くして地下水の流入を防ぎ、吸熱素材として鉄や鉛などの金属を投入して空冷処置を施し、現場で石棺化することがやはり無理のない安全な方法ではなかったか。建前として作業員たちの被曝状況はそれほどでもないように見せているが、実態は健康管理から漏れ落ちる現場環境が、様々なかたちで今も横行していないか。
それほど無理をするのは、国家による原発維持政策が強引に続いているからだ。6面には「玄海2号機廃炉決定 九電 安全対策費の回収困難」の記事がある。事故前54基あった原発がいまや30基という状況。再稼働しているのは9基のみ。2030年度には全発電量の20〜22%を原発が占めるようにするというが、そのためには30基の再稼働が必要となる。2月4日の当ブログ「経済同友会代表の発言に関連してちょい考察」で書いた「高度化法」は、大手電力が電力市場で有利になるように目論んだ法だったが、その思惑が外れ、いまやギブアップ状態の企業側には足枷となりつつある。中西経団連会長は4月にはきっちりした見解を表明するという。いまが彼らの剣が峰だ。脱原発の勢いを維持することで未来が開ける可能性は高まっている。
☆「廃炉、原発全体の4割=計24基、政府目標に暗雲」時事ドットコム2月13日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019021301311&g=eco&fbclid=IwAR05KGFi72jFdZJ2P4sC0QjohEG8qsffiHISQ_X-T5LViZRKdUGhJrBdkOI
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2019年02月15日

失敗を山と積み上げてしがみつくいじましさ

政府の統計データ偽装・隠蔽について当ブログはあまり触れていない。なぜなら、個別のことに目がいって全体が見えなくなってもつまらん、と思っているからだ。政府の病巣は全身に及んでいて、個別にはさらに次々に出てくる気配濃厚になっており、追いかけているヒマがあったら全体にはどうか、と考えたくなる状況だからだ。庶民的にはそれで十分のはず。全体が崩壊状態だから、あっちでもこっちでもめちゃくちゃが噴出しているということに気づきたい。全体がぶっ壊れているとなると、その責任は政権の体質そのものにあるということ。こんな政権に見切りをつけないと、この国はどこまで堕落していくかわからないほど酷いことになる。そのことに気づくべきときが来ている。2017年4月6日の当ブログ「メチャクチャでもまだ突進したがるやつら」を読んで、そんなことをつくづく思った。政治の質の低下はまったく無残極まる。1面「勤労統計『問題意識』伝達 元首相秘書官が答弁拒否」など政府・自民党の語るに落ちた茶番劇。首相の意向が働いたかどうかについて問われた中江氏は「『昨年7月に首相秘書官の職を辞している。本日は関税局長として出席しており、所管外のことは答えを控えたい』と、現職でないことを理由に答弁拒否を繰り返した」(本文引用)。これなんぞはモリトモの国税局長をなぞったみたいなものだ。
1面トップは「辺野古埋め立て問う 3択 県民投票告示」の記事。自公系のゴリ押しで「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択になったが、改めて紙面で見ると、新たに加わった「どちらでもない」の狙いがあからさまだ。2面「民意 知事の頼みの綱」では、自公は「盛り上げない戦術」で臨むそうな。投票そのものを減らして県民投票の信頼性を落とし、反対票が伸び悩むことを期待する。そして結果がどちらになろうが、あくまで工事は航行するという腹が読み取れる。県民世論が「どちらでもない」と「あきらめ」に傾くのを狙っている。執拗に「あきらめ」が増えるのを待ちながら工事を強行していく。「あきらめ」こそ彼らにとっての民意なのだ。彼らはこの民意に「寄り添い」、失意を後押しするようにカネをばらまく。本土ではこの作戦で多くの反対を押しつぶしてきた。持続的抵抗は、周囲の「あきらめ」によって孤立していった。彼らの成功体験はそうして作られている。まず周囲が引き、その引き潮に「寄り添う」嫌なやり方だ。辺野古埋め立てはどこまで強行できるか。水深最大90メートルまで杭を打ち込める船は、日本にはないという。なによりそんな大工事は前代未聞という。しかも8万本近くの杭を打ち込む超難事業だ。そこまでしてやり抜くべきことか。官房長官は東京新聞記者の質問に「正確な事実に基づかない」などとクレームをつけ、発言自体を妨害する。海水面が赤く染まる砂利とはなんぞや。それを法外な値段で買い込む。事実に基づかないのは誰なのか。
そういえば、3面には「自衛官募集の協力要請文 自民、所属議員に配布 首相発言を後押しか」もある。先の首相発言は間違いだった。しかし、その間違いを糊塗した発言に沿う文書を自民所属議員に配布とは、つまらないことに精を出す自民党こそ哀れなるかな。4面「首相発言 与党からも疑問の声 自衛官募集と改憲『直結せぬ話』」は、自公から疑問の声が漏れてくるお粗末。それ以上に、「自衛官募集の協力要請文」は徴兵事務を担わされた過去の地方自治体のありようを彷彿とさせ、庶民の心胆を寒からしめるものであることに気づきたい。死期が迫った政権は潰れながら、外交の失敗も含めて、いよいよ乱雑さを極めていく。
☆「浅瀬も くい1・3万本 軟弱地盤工事 計7・6万本 防衛局報告書で判明」琉球新報2月9日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-873407.html
☆「笑い交え1票呼び掛け 沖縄県民投票14日告示」琉球新報2月13日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-874646.html#prettyPhoto
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2019年02月14日

悪魔が降臨して笛を吹き鳴らす

近ごろ思う。文書改ざんやデータ破棄は戦時の文書焼却と同じ行為じゃないか、と。もしかして政権は末期に来ているのか。自分が去ったあと、とんでもないウソのカタマリがこれでもかとばかりに飛び出てきて、国家による犯罪と認定されることにならないよう、いよいよ隠蔽、破棄、焼却で走り回っているのか。そんな気がしてならない。首相の居直り方もついに倫理観をなくして暴走し始め、とどまるところを知らない状況。小ネタになるが、昨日の4面に「民主党政権は悪夢」と発言したことについて立民会派の岡田氏の抗議に、子どもの言い訳じみた言葉を返して反省なしだった。同面に「自衛官募集 自治体の対応 9割近く 台帳閲覧など協力」があり、首相発言は「間違い」と断定されているが、今日の新聞では、4面「自衛官募集の自治体協力 首相『誠に残念』」があり、紙や電子媒体で速やかに提出していないので、自衛隊員が止むを得ず閲覧や書写しをしているとし、さらに合憲とする憲法学者が少なく、それを根拠に自衛隊に対する協力に抗議運動を展開する動きがあるなどと答弁。自衛隊を憲法に明記することで「空気」を変える必要性を主張したという。ようするに事務を自治体がちゃんとやっていれば、自衛隊が書写しなどしなくて済むという主張で、その先に自治体が徴兵事務を担った過去の記憶が、彼の脳裏に当然のごとく思い浮かんでいる様を見て取ることができる。12面「社説」の「自衛官募集 改憲の理由にはならぬ」では、当然ながら、そんなちっちゃいことで「改憲」とは片腹痛い、と指摘される始末。「今年に入って安倍首相が言い出した改憲の根拠は、事実を歪曲し、論理も破綻している。首相の改憲論の底の浅さを、改めて示したというほかない」「改憲で『空気』を変えようという発想は極めて危うい」(本文引用)。「事実を曲げる軽々しい改憲論」と書くが「事実を捻じ曲げる痛々しい改憲論」という方が正解だろう当。徹頭徹尾論理性を欠き、支離滅裂の極みにあるとしか言いようがない。
それでも権力にしがみつき、周囲は「ここまで来たら、すべて彼がやるようにやるしかない」と言わんばかりに、狂える権力者にべったりとへばりつく。総裁4選は以前から可能性が言われていた。しかし、以下のように表立った発言が漏れてくるのは、自民党がそこまで落ちたかといわざるを得ない状況にあるのを示す。「『17年の党則変更の際は、多選制限を撤廃する案もあった。もう一度党則を変えるなら、今度こそ多選制限撤廃になるだろう。党内世論の行方を決めるのが夏の参院選です』(自民党ベテラン議員)」「参院選で自民党が圧勝すれば、安倍終身総裁もあり得る。まるでどこぞの独裁国家。それこそ悪夢」(本文引用)とある。狂った政治の暴走を内部で食い止めなかった結果が、こんな状況を招く。独映画「ヒトラー最後の12日間」で、取り巻きの誰も彼を止めることができず、見境ない暴挙は総統が自殺するまで続き、そのためベルリンは廃墟と化し、無数の犠牲が積み重なった。いま自民党内では、彼を交代させたあとで誰が火中の栗を拾うか、みんな恐れおののくばかりで、手の打ちようがなくなっているのではないか。石破氏は圧倒的少数派であり、アベノミ崩壊の後始末なんぞをまともにやらなくて済むまで、じっと情勢を見ているだけで、棚ボタを狙っているのかもしれない。4面「自民・渡辺美氏、参院選不出馬へ」があるが、ブラック企業と言われたワタミの社長の発言「公約の『財政再建』『原発ゼロ』は(略)『何一つ力を発揮することができなかった』(略)安倍政権の財政政策に対する批判も展開」「安倍政権が掲げる『経済成長なくして財政再建なし』との発言に触れ『経済成長しなかったら、国は破産していいのか。そんな崖っぷち経営をすべきではない』と、持論を展開した」(本文引用)がすごくまともに見えてしまう、悪魔の風景が続く今日この頃。
☆「二階幹事長『安倍4選』仰天発言 記者クラブ“箝口令”の姑息」日刊ゲンダイ2月12日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247336
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2019年02月13日

いよいよ混沌を増す19年情勢

以下の記事は、2月10日、都内のホテルで開かれた自民党大会で、二階幹事長が「安倍4選」を匂わせる発言をしたというもの。あとでこの発言について「完全オフレコ」の要請があり、「『“党幹部”などと発言者をボカして引用することも厳禁とのことでした』(取材した大手メディアの記者)」(本文引用)。参院選後に改憲をどう進めるかで政権の安定維持が難しい局面になる、と問われて二階氏は「こっから先はちょっと書かないでもらいたいですが、私はね、総裁にさらに頑張っていただきたいという声がね、出てくると思うんだ。その時に国民のみなさんのご判断を謙虚に伺いながら対応したいと。過ちなきよう期していきたいと思ってます」(本文引用)と語ったという。自民党ベテラン議員の中には、次の党則変更は多選制限撤廃だろう、と話しているものもあるらしい。
☆「二階幹事長「安倍4選」仰天発言 記者クラブ“箝口令”の姑息」日刊ゲンダイ2月12日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247336?fbclid=IwAR0CcVs3TCyvqSlQLqx2BoAFcV7tYvPe8j1Sc7RNOksztYh_UF8c8bhR8V0
終身総裁(終身総統)とはねえ。あまりゾッとしない話だ。まあしかし、いまやめちゃくちゃになったこの国の政治経済。ここで退陣されると困ったことに、彼の悪行の結果を他のものが背負わにゃならない。そういえば彼は、「悪夢の民主党政権」なんてことを言っていたっけな。悪夢を準備したのが自民党長期政権であることなんか、まるで念頭にない発言だった。いま、世界経済がとても不安定な状況にある。足腰が脆弱になった日本は、その激動にとても太刀打ちできない。彼がいま退陣して悠々自適なんぞになると、いったいだれが責任を担う。最悪の結論をただずるずる先延ばしして、最後の後始末は他人にやらせて勇退かい。なんだか、しっくりこない。早く退陣させて、速やかに彼の罪状を明らかにし、罪を償わせる処置をしないと、それこそ「悪夢のアベ政権時代」のツケを払わなければならなくなる。
1面に「沖縄 3択に示す民意は 辺野古巡る県民投票 あす告示」の記事がある。関連39面「自民県連、静観の構え 県民投票『辺野古ノー』強調警戒」では、地元自民県連はほぼ投げやり状態。「ある県議は『どうせ「反対」ばかりが多くなる。自民にとって「勝ち」はない』と苦々しげ」(本文引用)というが、1面記事では「橋本氏は民主主義の原則を踏まえようとしていた。安倍政権は沖縄の『民意』に関心があるふりすらしようとしていない」(本文引用)と話している。以下の記事では、「これまで最も厚い軟弱層の深さは水深約70メートルとされていたが、防衛局が追加で調査したところ、さらに20メートル深い層が見つかった。鎌尾彰司日本大理工学部准教授(地盤工学)は政府が計画する地盤改良工事について『水深90メートルまでの地盤改良工事は知る限り例がない。国内にある作業船では難しいのではないか』と指摘している」(本文引用)とある。
後戻りできない、あと戻り困難、みるも無残な大惨事の山だ。彼がいなくなれば簡単に後戻りできる事態があるとしたら、どんなものがあるのやら。「悪夢のアベ政権時代」のあとには「無残なアベ後政権時代」が待つしかないような、恐ろしい現実がいまここにある。なにが4期目だ、と言いながら、4期目を阻止してのちになにをやるか、いまから考えておいたほうがいいのではないか。
☆「軟弱地盤、最深90メートル 辺野古新基地・大浦湾側 識者『改良工事、例がない』」琉球新報2月7日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-872176.html
4面「国民・自由 協議入り 合流に向け 原発政策、焦点」では小沢的撹乱工作が順調に進んでいる模様。国民を抱き込もうとした自民の裏をかいて、効果的に弱点を突いている。ミイラ取りがミイラにならないように、小粒でもピリリと辛い山椒の味を発揮し、野党共闘の側面援護になっていると思う。我らは細かいことを言うよりも、まずは自力をつけよう!
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2019年02月12日

富裕層が121.7万世帯とはこれいかに

2月5日の日経「社説」に「原子力の『負の遺産』処理で国は説明を」の記事。商用原発では電力会社の積立金があるが、研究施設では積み立ての仕組みがなく、廃止には税金を当てるしかない、という。まず疑問を持ったのが、商用原発では総括原価方式で電気料金にこれら費用が上乗せされるから、費用が嵩んでもその分は総括原価方式でふくらますことができる。けっきょく国民がそれぞれの電力会社ごとに負担するんじゃないのかい、と言いたいわけで、研究開発施設だけみたいな言い方はどうかねえ、と思いつつ、そんなカラクリなんぞ、一般庶民でもすでに周知の事実のはず、知らない奴は居るまいよ、と嘯いて、少し過大評価かもしれない、と思い直す今日この頃・・・。
「対象となるのは、高速増殖炉もんじゅ(福井県)や使用済み核燃料を再利用する東海再処理施設(茨城県)、プルトニウム燃料施設(同)など」「施設をもつ日本原子力研究開発機構は2018年末、廃止費用は70年間で1兆9千億円にのぼると試算した。これには廃止までの維持管理費は含まれず、総額はさらに膨らむ公算が大きい」「もんじゅのように頓挫した例も多く、むしろ『負の遺産』といえる」「施設の解体によって生じる放射性廃棄物も、管理の基準づくりや処分場選びはこれからだ」「使用済み核燃料を再利用するサイクル政策は、プルトニウム管理のあり方や経済性への疑問から岐路に立っている。研究施設の廃止を機に、サイクル政策の進め方も再検討すべきだ」(本文引用)という。文章の端々に気になるところがあるけれど、おおむね廃止に伴う費用がこれから国民の肩にのしかかってくることは間違いない。ここで、「やらなきゃいかんのだから、仕方あるまいよ」などと達観している一方で、借金全部を肩代わりさせられ、儲け追及が命の政治がこれからも平気な顔して推し進められるなんぞじゃたまらんなあ。それでも「仕方あるまいよ」というのであれば、達観できる人だけでやっとくれ、と言わざるを得ない。
以下の記事には「金持ちを優遇し、庶民はイジメ抜く。アベ政治の薄汚い本性が透けて見える。株式の売却益や配当に対する金融所得課税について、政府・与党が2019年度税制改正での引き上げを見送る方針を固めた」(本文引用)とある。昨年の記事だから、もしや「やっぱり課税することにしたよ」などと殊勝なことを言っているかもしれない、などチラリと思ったが「ナイナイ、あの人のことだから」と考え直した。「野村総合研究所(略)の調査によると、2015年時点で純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の『富裕層』、5億円以上の『超富裕層』は121.7万世帯で、13年と比べて20%、35.2%それぞれ増加。『富裕、超富裕層』の純金融資産保有額は、全世帯合計分(1400兆円)の2割近くの272兆円に上り、13年から実に31兆円も増えている」(本文引用)。なんで「富裕、超富裕層」の金融資産が増えたのかというと、野村総研の見解ではアベノミによる株価上昇が原因なのだそうな。アベノミの恩恵でいくら儲かっても税金は2割負担でいいってか。その金の出どころには年金機構もあるんだぞ、このヤロ!
☆「安倍政権また金持ち優遇 『31兆円課税』見送りのデタラメ」日刊ゲンダイ18年11月2日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240748
しかし富裕層が121.7万世帯とはねえ。こいつらが今年あるかもしれない経済大混乱で一気に超貧乏に成り下がるのをみるのが楽しみになってきた。いやいや、悪運というのはマジにあるもので、経済恐慌は意外な方法で乗り越えられていくかもしれない。そんな場合でも、泣かされるのは「仕方ない」とタカをくくって足元をすくわれる庶民ということか。庶民にもコス辛いやつがいて、悪どいことをして富裕層のオコボレをもらって生きるやつもいるからご用心、ご用心! 本日は我が家購読紙が休刊日のため、他紙から記事を頂戴した。悪しからず。なんだか頭が痛い本日の朝!
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2019年02月11日

長すぎた驕りのツケが露呈しつつある

8面の「社説」は「自民党大会 いつまで『安倍一色』か」の記事。「憲法改正については、持論である9条への自衛隊明記に引き続き意欲を見せたが、党内の機運はすっかりしぼんでいるのが実情だ」「先の総裁選は、『安倍一強』の弊害が明らかになっていたにもかかわらず」「自由闊達な党内論議が影を潜め、単色に染まった自民党の現状を如実に示した」「今の自民党に、政権を内側から厳しくチェックする役割を期待することはできない」(本文引用)。首相は個人的願望から「改憲」だけに目標を絞っているが、たとえ「改憲」に成功して彼だけご満悦になっても、そのあとも自民党は続く。「モリカケ自衛隊公文書改ざん利益誘導・統計不正・アベノミ偽装・異次元緩和失敗・年金株投資失敗・世界恐慌共倒れ・対北蚊帳の外・対米対中対ロ対韓対欧外交すべて失敗・原発輸出全部失敗・再稼働進まず・原発事故収束進まず・オリンピック賄賂地獄・農水林大規模規制緩和・地方疲弊・経済界離反」考えるほどに彼がやったことの悲惨が見えてくる。かろうじて「改憲」に成功し、彼が満足げに勇退したとして、自民党の誰がその後始末をつけられるだろう。党が生き残れる可能性があるとしたら、彼の責任をしっかり追求し「ダメ時代を創ったダメ総理」として歴史に刻むしかないが、それは苦難の道になる。
本日紙面はアベ政治批判一色。4面「政治断簡」の「『3分の2』の呪縛解けるか」も、「自民党が描いていた夏の参院選までに憲法改正を国会で発議するとのシナリオは、実質的に破綻した」「最近、国会内で聞かれるのは、『そもそも3分の2なんて、実体のない幽霊みたいなもの』という声だ」「『3分の2は失った方がむしろ議論は進む』と見るのは自民の閣僚経験者」「党の条文案は『歴史的文書』に棚上げして、与野党で一致できる点をもう一度探ればいい」「3分の2(略)その呪縛は解けるのだろうか」(本文引用)と書く。これらの記事を裏付けるのが2面「時々刻々」の「自民、亥年の気がかり 党大会 統一選・参院選へ決起 首相『12年前の惨敗 忘れない』」中見出し「地方に漂う『安倍離れ』」「改憲 参院選後に照準 『国民民主の取り込み困難に』」の記事だ。首相は党大会で(いよいよ改ざん疑惑濃厚となった)GDPなどを根拠に「民主党政権時代を『悪夢』と呼んで」(本文引用)成果を誇ったがいまさら身内だけの場所で虎の威を借りてもみっともないだけ。昨年の国会で彼は何をしたか、思い出したらいい。災害を横目に国会論議や総裁選を逃げまくる一方、地方の大規模規制緩和を強引に推し進め、田畑を荒廃させ、森林やさらに種子まで民間企業のほしいままにさせ、水産業や水道事業にまで手を伸ばし「民間、民間!」と叫びまくった結果、この国は原発事故を筆頭に惨憺たる状況に突入している。労働環境にも規制緩和の手を伸ばし、外国人技能実習生を奴隷としてこき使う法や、怪しいデータを駆使して裁量労働制などまで強行成立させるめまぐるしさ。地方の疲弊、労働環境の劣化は目を覆うばかり。彼がここまで焦って規制緩和に走ったのには訳がある、とみるべきだろう。
アベ自民は「3分の2」にすがる。そしていまだに奸策を弄して勝ちを探る。2面記事では、国民民主の取り込みを図るなどのつまらない細工仕事に精を出し、自由党の小沢一郎の巧妙な妨害作戦に屈した裏事情がそれとなく書かれている。なるほど「壊し屋」と異名をとるだけあって小沢一郎の動きはあなどれない。放っておけば自民党になびいてしまったかもしれない国民民主をかろうじて野党にとりこんでいるのは、いまのところ「アベ的政治」阻止の有効な時間稼ぎになっている。ちょっと違和感が出るとすぐに「こんな奴ら切り捨てろ」などと騒ぐ市民運動の一部の意気がりは、当面の獲得目標においてさえ逆効果しか生まない。それは数年前の都知事選でも経験したことだ。せっかく長年月かけて準備してきた宇都宮陣営を強引に降ろさせて、けっきょく惨敗に終わらせるなど、愚かしい経験の繰り返しに明け暮れるなかれ。一歩一歩、勝ちを積み上げていく以外に、有効な戦術などない。「安倍離れ」が今どんな形でどこに生まれつつあるか、心眼を開いて見極めることが重要だ。同じ負けを繰り返すな。意地をはるな。ただそれだけを心がけたい!
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2019年02月10日

歴史改ざんは不可能なことを知るべきとき

3面「日曜に想う」は「桂太郎を超えるのなら」。この2月、首相の在任期間は吉田茂を抜き、残るは同じ長州山口閥の伊藤博文、佐藤栄作、桂太郎だけとか。ブログ主はこの10行を読んで想った。明治維新って武家社会の中心が江戸から長州へ移動しただけじゃないのか、と。江戸時代が終わって長州時代になる。そのとき、新しい武家社会を創るのには旧体制を一掃せにゃならぬ。古いものを押しつぶしてしまうには、江戸に新政府を開くことが一番。というわけで、江戸に新政府の中心を移した。そうすれば、山口に持ってきたときに起きるだろう、薩長土肥の権力争いが幾分か回避できる。なんてことを考えたんじゃないか。首都機能は江戸の方がすでにきちんと整備されているから整えやすい。徳川旧体制に納得させやすいから江戸城無血開城もワリと簡単に行われた。西南戦争は九州で起こった反乱で、新首都東京から遠く、いかなる激戦があったとて、情報過小の時代だから鎮圧が一層容易かったと言えるかもしれない。しかし、西南戦争は明治新政府の国庫を空っぽにするくらいの打撃を与え、屋台骨が大きく揺らいだ。戦費を外国から借金して調達したが、唯一の輸出産品は生糸しかなく、それが価格暴落で経済危機に見舞われる。続く全国的な飢饉によって新政府は重大な局面に立つが、すべてを庶民の肩に担わせ、この時期、国家財政の飛躍的回復に成功する。飢餓に陥った庶民の救済にはすこぶる冷淡、困民党などの運動には弾圧で報いる。現在の政権が躍起になって遂行しようとしている政策の数々が、ぴったり当てはまる構図。明治憲法下で初代首相となった伊藤博文の姿が、いまの首相の脳裏には、くっきり浮かんでいるのではないか、と思うほどだ。
「日曜に想う」に戻ると、記事の流れは現在憲政史上最長を誇る桂太郎の末期は悲惨だったとの記述につながっていく。首相が目指すのは桂太郎を抜くことなのだろうが、皮肉なことに「1913(略)年2月の第3次桂内閣の末期は悲惨だった。長州の元老山県有朋の策略により内大臣として宮中に押し込められ」「奇策を用いて復帰」「第1次護憲運動の高まりに抗せず内閣は60日余で倒れ、桂は病魔におかされ10月に急逝した」(本文引用)。そして記事は、桂太郎の意外な側面を展開する。「歴史に『もしも』はないが」とはおきまりの文句。その「もしも」が現政権の歩み方と違うことを指摘する。もしかしたらシビリアンコントロール(文民統制)をシステム化させた可能性があったと書き、「だが軍部の暴走を権力の内から止める桂、児玉、山本の後継者を日本はついに持つことが出来なかった」(本文引用)とする。まさかアベシはこのことまで見据えて「文民統制」ならぬ「文民暴走」を強化しているのだろうか。その延長線上に、「次の戦争は絶対に勝つ戦争」でなければならない、という彼流の悲願があるような気がしてくる。
記事は「首相は4年前、自ら戦後70年談話を発表した。戦前の日本を『進むべき進路を誤り、戦争への道を進んでいきました』(略)『日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった』」(本文引用)と示す。ここでブログ主は考える。彼の特性であり、いまや並み居る忖度大臣や官僚が常用している「ご飯論法」を想う。彼の胸中には、「ぼくちゃんは平和を願っているんだよ。だけど、あいつらが戦争を仕掛けてくるんだもん、しかたないじゃん」的な発想が隠れているような気がしてならない。「絶対に勝つ戦争」を仕掛ける。主戦派を取り込めなかった桂内閣の悲惨な末路にならないことを、彼は今の時点で既に算段していないか。しかし、そんな計算があったとしても、足元はすでに崩壊寸前。2面に「森友への値引き 解けぬ疑問」の記事がある。彼が首尾よく何かを成し遂げたとしても、彼の政治が何をやったのか、歴史はどう進んでいったのか、厳しい判断の下されるときがくる。そのとき彼は「モリカケ日報統計改ざん隠蔽忖度ご飯論法言い逃れ」その他でたらめの数々によって庶民に塗炭の苦しみをもたらした元凶として、歴史に刻まれることは間違いない。
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2019年02月09日

固い頭だから誘導される

4面「北方4島『答え控える』」は、表題を入れてわずか15行。「政府は8日、北方4島を『日本固有の領土』と考えているかを問う質問主意書に対して、『ロシアとの今後の交渉に支障をきたす恐れがあることから答えは差し控える』とする答弁書を閣議決定」「小西洋之参院議員(無所属)の質問主意書に答えた。『竹島は日本固有の領土と明言するのに、なぜ北方4島については明言しないのか』との質問に対しても、『差し控える』とした」(本文引用)。この記事のとなりにもうひとつ短小記事がある。「和歌めぐり政府反論」で、首相が施政方針演説で明治天皇の和歌を引用したことの答弁書で「指摘は当たらない」としたという。和歌は明治天皇が日露戦争の戦意高揚のために詠んだもの。首相がこの和歌を選んだ理由に北方4島に重ねる底意があるのでは、と思うのはあながち邪推とも言えないような気がする。こういう微妙な言い方で、ややこしい内心をそっとのぞかせるのが日本語の扱いにくいところ。関連で6面の「グッチのセーター『黒人差別』批判 黒のタートルネック販売中止」に想いが飛んだ。グッチが販売する黒いセーターが「黒人差別」と指摘され、「不快な思いをさせたことに深くおわびする」(本文引用)と謝罪したとある。日本の政治家たちはこんなとき、もっと曖昧な表現をするなあと、妙に連想したわけで。「そのような誤解を与えたとするなら謝罪する」なんて発言は、ほぼ日常的に聞こえてくる。まず「誤解」である。「とするなら」は仮定である。「誤解であって、こちらのその意図は全然ないが、相手が不快と思うんなら(しかたない)謝罪しましょ」というたぐいの「相手が間違って聞いている可能性がある」とする(自分擁護の)意図が濃厚に漂う発言。ズル汚く逃げるための言葉に転換されてしまっている。グッチの謝罪はもちろん日本語じゃないので、原文はどうなっているかよくわからない。まさか「日本式」曖昧表現じゃないだろうね。などと、つまらない感想を持った今日の新聞だった。
グッチ記事のすぐ上に「不動産投資ブーム 減速鮮明 融資不正後の監督強化影響」と「スルガ銀 長引く混乱 経営陣内で原告と被告に」の記事。「日銀の大規模緩和下で起きた不動産投資ブームの減速が鮮明になってきた」「金融庁は不動産融資への監視を強化」「投資物件の価格も一部で下落」「好況に沸いた不動産市場は『スルガ・ショック』に揺れている」(本文引用)とあり、我が家の近くでも「こんなところに新築の貸家?」などと首をかしげる状況が少し前まで見られたのを思い出した。ブームに沸いているのは首都圏だけかと思っていたが、首都圏は余っている土地がほぼなくなり、いまは閑散とした駐車場があちこちにいっぱいあるらしい。そして地方に移ってきた不動産投資の甘い罠が、「スルガ・ショック」でいま顕在化してきているというわけだ。マンションやアパートの平均価格は「17年末前後から下落基調」「市場価格が下がれば、保有物件を売って借金を返すのは難しくなる。多額の借金を背負う個人投資家の破綻リスクは大きくなり、貸し付けた銀行などにも影響が及びかねない」(本文引用)という。この流れは、当ブログではかなり前から触れてきた。19年は中小地銀・信金が大量倒産する恐れがあると指摘してきたが、いよいよそれが顕在化する可能性が濃厚になってきたというべきか。「スルガ銀問題はアベノミ崩壊の扉をひらく最初の出来事だったと知る時がくる。地銀の倒産と吸収合併」は昨年11月9日の「金持ちに甘いのはこの国の度し難い体質?」の記述。「スルガ銀行後に全国の地銀が陥っている地獄の経営」「一気に破裂するときが、いつか必ず来る」は同年10月3日「重要記事多いが読み込みにくいのが玉にキズ」にある。
異次元緩和の副作用が根源で、太陽光乱立も「緩和」の掛け声のなせるわざ。「原発」の補完物としての特性が太陽光施設にあるわけではない。「設備」なるものは扱い方次第で良くも悪くもなる。そのことに思い至らず、ひたすら局所の迷路に迷い込むと、いつのまにか国策に囲い込まれる。問題の根源は、耕作放棄地や放置山林に悩む農山村の苦悩につけこんで、民間参入の罠を仕込んでさらに農地山林を荒らした国策にある。中西経団連会長発言が矛盾に見えた時点で「原発の補完物」論は破綻していることを自覚すべきだ。責任を持って固い頭を切り替えよう!
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2019年02月08日

短期的現象にとらわれずに観る未来は

本日は経済関係から始める。3面「上場企業3年ぶり減益へ 3月期予想 米中摩擦が影響 中国減速 電機・車を直撃」と、9面「日銀緩和 ペース急落 資金供給より金利 鮮明に」が惨憺たる現状を物語る。まず3面を見る。「18年4〜12月期決算を発表した企業の14%」「110社が純利益の予想を下方修正」「米中貿易摩擦が実体経済に及ぼす悪影響が目立ち」「とくに電機・自動車関連メーカーの業績にブレーキ」「中国では消費の減速を受け、工場の設備投資や部品の調達を控える動きが広がっている。『これまでの経営経験で見たことのない落ち込みだった』(略:日本電産会長は)18年11〜12月の中国での需要急落の影響について、こう口にした」(本文引用)
そして9面の「日銀緩和 ペース急落」に移る。「日本銀行の黒田東彦総裁が2013年4月に始めた大規模な金融緩和。大量の国債を買いお金を流して景気を支えてきたが、最近、お金を流す量の増加ペースが急激に落ちている。2%の物価目標が達成できずに金利操作に軸足を移して2年余りで、政策の変質ぶりが鮮明だ」「大規模緩和は、マネタリーベースの増加が政策の前面に掲げられ、14年には年80兆円に拡大。だが物価目標は達成できず、16年9月に金利操作に重点を移した。今は長期金利を『ゼロ%程度』にすることが柱」「マネタリーベースは500兆1千億円、前年比23兆4千億円増」(本文引用:「マネタリーベース」=市場への資金供給量)。日銀は国債の4割超を買い占め、「国債取引は乏しくなり、金融機能が低下する副作用も目立つ」(本文引用)という。
そこに難題がぶち当たる。3面に見る通り、昨年後半から株安(「というか暴落ですな」とブログ主)、円高ドル安が進み、1月末のFRB利上げ休止を受けて円安ドル高になりにくくなった。「こうした中、日銀の資金供給の低下で、『緩和縮小が市場に意識されれば株安・円高が進む可能性がある』」(本文引用)。昨年10〜12月の大暴落のあと、今年になって株式市場は2万4千円台へ戻る気配がない。かろうじて2万円台をキープする動きしかできずに2月へ入ってしまい、「お金を流す量の増加ペースが急激に落ちている」のが鮮明だ。これはまさに経団連や同友会の危機感の背後にある現実を示している。原発関連企業を抱える経団連は、国家主導でじゃんじゃん再稼働せよと主張し、再エネ電源なんぞは邪魔だと言い募る。2月4日当ブログ「経済同友会代表の発言に関連してちょい考察」で触れた「高度化法」は、もともと原発有利にと願って作られた法だが、再稼働が進まないと原発が再エネ電源に負けてしまい、結果として庶民に再エネ優位の意識を植え付けてしまう。そうはさせたくない原発推進勢力の危機感が「国家主導の原発再稼働」と「再エネ電源締め出し」の主張となって浮上する一方、経済同友会には原発や大規模水力などの設備を保有する企業はなく、原発へのしがらみがそれほど多くない。そこで危機感の受け止め方に大きな違いが生まれる。「第2の敗戦」論を背景に、無駄な原発信仰から距離を置き、再エネ電源への傾斜を前面に押し出す見解を持つことができる。危機感への対応の違いがここまで鮮明になるというのは、よほど今度の危機が深いものであることを暗示しているのだろう。
ところで、此の期に及んで「再エネ」全面否定の罠に溺れて情勢を読みきれない市民運動が散見されるが、もうすこし視野を広げる勇気を持たないと、いよいよ原発推進の流れに呑み込まれていくしかなくなる。全面否定に陥る人の思考は、情緒的な嫌悪や忌避感の囚われ人である自覚がない。自然を守れというとき、耕作放棄地を抱え、森林が荒れ放題になっていくことに苦悩する農地や山林の所有者たちの心情を汲み取らず、空論的に「自然を守れ」と主張するばかり。ひたすら地元と新住民の対立関係を助長し、狭量な正義の押し付けをするのは避けたい。それは運動というよりただの足引っ張り。自然林と天然林を区別する知恵を持ちたい。闇雲な「自然を守れ」は、地元住民の首を絞める言葉でしかない。共存共栄の方向を探らねば未来はない。
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2019年02月07日

全体の流れを把握できないことの不幸

1面トップ「トランプ氏譲歩の可能性 米朝会談 27・28日ベトナムで」中見出し「見返り提示の指摘も」に奇妙な感触。「譲歩の可能性」という語が気になる。トランプ氏が一般教書演説で第2回目の米朝首脳会談開催を表明。昨年6月「朝鮮半島の非核化」で合意したが膠着状態と書き、「1月以降、米側は北朝鮮への人道支援を許可するなど軟化姿勢を見せており、北朝鮮の完全な非核化の前に『見返り』を示す可能性も指摘されている」(本文引用)とする。すでに歩み寄りの姿勢をみせており、人道支援関連で若干を認めている、とも書く。そしてラスト「首脳会談で非核化に向けた徹底した検証や廃棄の道筋を決められなければ、合意してもすぐに行き詰まるとの見方は根強い」(本文引用)という。なにやら日本政府の立場を微妙に匂わせる書きっぷりである。
それが3面「『北朝鮮の核開発無傷』安保理専門家パネルが報告書」の記事に集約されていく。5000キロワット級の黒鉛減速炉でプルトニウム抽出につながる使用済み核燃料棒の取り出しがあったとか国連制裁決議に反した洋上の「瀬取り」の横行を指摘し、米情報機関筋が「上院公聴会で『北朝鮮は核兵器を完全に放棄する可能性は低い』と証言」「政権内にも米朝交渉の先行きには厳しい見方があるのが実態だ」(本文引用)とする。これは1面にほの見えた「おおかみ来るぞ、こわいぞ」的な感触を後押しする記事にしか見えない。さらに5面「首相、米と事前協議の意向 米朝会談の日程決定受け」中見出し「米、実務者協議の定期化狙う」に、本日記事の流れは進んでいく。2回目の米朝首脳会談が決まったことを受け、「首相は6日、トランプ氏と事前に電話で協議する考えを明らかにした。米国は日本政府に対し、北朝鮮との実務者協議の定期化を目指す意向を伝えてきている」(本文引用)。首相はいつも通り、「『あらゆるレベルで核・ミサイル、拉致問題について緊密に方針をすり合わせたい』と表明」(本文引用)。新聞論調では米朝会談で日本が主導するかのような書き方になっているが、対北朝鮮の対話の回路がまったくなく、日朝首脳会談が見通せないことを考えると、外交的には「米にすがりつく」くらいしかできない現状が浮かび上がる。
12面の「社説」で「米朝再会談へ 真の成果へ結びつけよ」も、日本外交は今どこにいるんだ、と首をかしげるばかり。「韓国政府は、朝鮮戦争の終戦宣言を出すことも、北朝鮮を動かす要因になりうると訴えている」「しかし、宣言を大義名分として、在韓米軍などの軍事力の削減や制裁緩和を一方的に求めるようであれば話は違ってくる」「日本や韓国との緊密な調整の上で取り組むべき問題」(本文引用)というけれど、日本は打ちつづく外交の失敗ゆえに蚊帳の外に置かれっぱなしであることが、記事からは見えてこない。この国はいま、もつれきった糸をほぐすために、外交姿勢を本格的に変える努力をしなければ、孤立化の道をたどる以外にない。と、ここでもし超タカ派路線が批判されて国連で制裁決議なんかあったら、「瀬取り」でもなんでもいい、協力してくれる国があるのかな、と妙なことを思ってしまう今朝の我が家購読紙であった。
拉致問題で北との交渉チャンネルを持てず、徴用工問題で韓国の世論を敵に回し、かつ文在寅氏からは「付き合ってられない」といった雰囲気しか伝わらなくなった現状。北方領土ではプーチン氏に辺野古の工事強行を引き合いに出され手玉に取られ、いつもなら「内政干渉」と息巻くところグウの根も出ない。官邸主導の偽装統計発覚で、アベノミクスの虚偽があからさまになるおそまつ。昨年末の臨時国会で規制緩和関連の法律が大慌てで採決された背景には10月から年末にかけての株価大暴落が背景にあったか。そしてついに経済界が危機感をあらわにする。6月のG20で議長国になるというが、落ち目の政権がなにをしゃべるやら。「こんな人」に「森羅万象」を任せるわけにはいかない。その一方で、最も危機を感じるべき庶民は事前には動かず結果が出てから嘆く算段か。危なくなればなるほど身を縮める習性は、いつから培われたものなのだろう。根は深そう!
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2019年02月06日

政府は次のリーマンを期待してないかい?

このブログで最初に「第2の敗戦」と書いたのは2011年7月21日「66年目の第2の敗戦」かな? 原発事故が発生してかなり早い時期に、そんな印象を持つようになっていたらしい。さらに実感を強めたのは、2011年10月16日「放射能観測日記(その1)」を書く数日前、郡山へ線量測定のために出かけたとき、途中の三春町で赤ん坊を背負った若いお母さんが小雪の降る坂道を下ってくるのに出会ったときだ。赤ん坊は小さい口を開けて、スヤスヤ眠っていた。お母さんは雪が降る中を自失した表情で下りてくる。そのときブログ主は思った。「この雪には放射性物質が入っているかもしれないのに、いいのかな」と。そして自分の頭にも降っているのを感じながら実感したのだった。この国はいま福島を最前線にして敗戦に向かう戦争の真っ只中にいる、と。放射性物質という見えない焼夷弾がとめどなく落ちてくるこの場所で、福島県民は過酷な犠牲を強いられている、と。そのときから「第2の敗戦」という認識が、ブログ主の胸の底に実体となって居座ってしまったのだ。そのころ巷で語られていたのは、「まるで戦前だ」といった認識ではなかったかと思う。いや、2012年以降だったかもしれない。瀬戸内寂聴氏の発言から始まった記憶がある。そこでブログ主が「いやちがう、いまは敗戦直前。例えれば硫黄島陥落でいよいよ沖縄戦が始まる前くらいのときだ」と言ったものの、しょせんは名無しのゴンベー。見向きもされなかったけれど、あれから7年か8年か、ようやくこれを言う有名人が出てきた。ゴミみたいなブログ主の発言とは違って、影響は大きいはずだ。そして、もし彼の発言が庶民の間に浸透しなかったとしたら、残念ながらこの発言が出てくるのは遅かったと言うしかない。しかし、それでも人は生きていく。だから大敗北の後の世をいまから構想し、真っ向から向き合っていくことからしか、この国の明日は来ないのだと思う。黙っていれば、敗戦の荒野をしぶとく生き抜くのは、いまこの国を牛耳ろうとしているヤカラ達しかないだろう。先読みはできるだけ早い方が有利のはず。少なくとも彼らは彼らなりに、それほど遠くなくなった未来を読んで策を練っているはずだから。
☆「『平成は日本敗北の時代』同友会代表幹事、発言の真意は」朝日新聞1月30日
http://news.asahi.com/c/aphGa6bm2Olymxae
遠くない未来を読んで策を練っているとはいいながら、以下のような姑息な手段で現在を取り繕っていればいいなどと思う心根の浅はかさも目立つ。実体なんか誰にもわからんのだから、適当に数字をごまかして煽るだけで庶民なんぞは簡単に騙せるさ、という観念があまりに露骨すぎて言葉を失う。政府発表の「好景気」の裏付けとなる資料がデタラメとはこれいかに。それを基礎に、まことしやかに国会の場で成果を誇る。3面「実質賃金再計算及び腰 厚労相 野党の悪化指摘は追認」中見出し「統計担当者の招致 軒並み拒否 政権、解明後ろ向き」では、「野党試算の妥当性について問われ、『機械的に計算すればおっしゃる透りだ』と述べた」(本文引用)とあり、下記記事では首相が「GDPのかさ上げについて、『目標(達成)は、跳躍して進んでいくということだ』と言い繕った」(本文引用)と珍妙な答弁で逃げまくる。
☆「勤労統計と手口ソックリ 安倍政権から膨れたGDPのカラクリ」日刊ゲンダイ2月5日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246916
巷では別の実感が広がっている。我が家でも週1回の食料品購入の折に「値段が上がってる気がしないかい」とつぶやくこの頃。黒田緩和の目標が「物価上昇2%」なら、とっくに達成しているんじゃないかというのが正直な庶民感覚。達成されているならいよいよ出口戦略に移行すべきところ、もしかしてこれも偽装して、出口なしの事実を隠し続けるしか無くなっているのか。いまや政府自体が次のリーマン・ショックを内心期待しているんじゃないか、という気がしてならない。
☆「政府の統計以上に物価は上がっている〜実質値上げラッシュで国民はますます貧乏に=斎藤満」MONEY VOICE:2月5日
https://www.mag2.com/p/money/632715/1
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2019年02月05日

首をすくめるだけが庶民の知恵か

以下は最近の経済情勢についての興味深い記事。まず要約:“FRBが利上げの停止を打ち出したことは、世界の市場参加者に好意的に受け止められた。しかし、なぜか日銀は浮かない顔をしている。それは日銀の「金融政策運営が抱える難しさが一段と増しているからだ。FRBのスタンスは今後ジワジワと円高圧力を生みやすい一方、日銀側は効果的な追加緩和手段が乏しい『丸腰』に近い状態」(本文引用)。FRBは保有資産縮小の終了も前倒しする考えを示し、これは新興国の市場にも好材料。こんなFRBの「優しさ」を日銀は警戒する。円高は日銀の鬼門だ。「問題はその円高を防止する有効な武器が日銀に乏しいこと」「米中貿易戦争の激化や英国の欧州連合離脱をめぐる混乱など、世界経済にはリスクが多い」「米経済がさらに減速するなら、FRBはハト派姿勢をさらに強めそうだ。それを米市場などは歓迎するかもしれないが、日銀にとってはむしろ状況がさらに厳しくなる」(本文引用)”:要約終了。
G20が6月に大阪で開催される。このとき日本はなにを世界に発信できるか。思い出すのは2016年のG7伊勢志摩サミットだ。出所不明の文書で各国の首脳に財政出動の重要性を説いて沈没。16年6月10日当ブログ「激動の瞬間が近づきつつある」は「世界の顰蹙を買った発言『リーマン・ショック前の状況と似ている』を自分以外の誰かの失言に転嫁して収束を試み、資料の出所そのものが財務省官僚をして『まるで怪文書だ』と言わしめる低次元の攻防。『政府内のどこで作成されたかわからない』という驚くべき答弁が外務省から飛び出す始末。『経済分析を担当する内閣府も「(資料を事前に)見たこともない」』という酷い有様のまま、うやむやにコトをすませてしまおうと(している)」と書いた。ブログで紹介した3つの記事はいまも読むことができ、現在の状況を的確に予測していたのがわかる。いまは不確定な将来予測というより、「目の前にぶら下がった危機」というところまで来てしまったようだ。もちろん、未来はいつも複数の可能性が同時に存在すものだが、そのうちの最悪のものが目の前にぶら下がっているということに注意を払いたい。いや、注意するのはすでに遅いのかもしれない。いよいよ「てんでんこ」での自衛を意識する必要があるかも。しかし、どんな自衛がありうるのか。この危機はどれだけ続くのか、その深さはどのくらいになるのか、皆目わからない。経団連や経済同友会が彼らなりの積極さで政権に注文をつける理由は、こんなところからも観察することができる。きびしい状況にどう対処できるか。あらゆる存在が知的で動的で現実的な対応を要求される、そんな緊迫した瞬間に佇んでいる。今日の我が家購読紙7面には「市場変調 金融業績に影 4〜12月期 減益相次ぐ」があり、メガバンクや証券大手の業績悪化が書かれている。経済界の危機感はかなり強い。そしてアベ政権はいま火の車だ。それでも改憲を最優先に突破しようと突っ走る姿は、終末を迎えたこの国の姿を暗示して恐ろしい。
☆「『ハト派』FRB 歓迎の市場、警戒の日銀」日本経済新聞2月4日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40853190U9A200C1EN2000/?n_cid=NMAIL007
ここから、2016年当時の経済関係の注目される記事の紹介になる。すでにわかる人たちはわかっていたということか。さらに近くへ来た(現在の)危機を予測している。
☆「『アベノミクスは大失敗』と言える4つの根拠 今すぐ総括を行い経済政策を修正すべきだ」東洋経済オンライン5月31日
http://toyokeizai.net/articles/-/120362
☆「いつから『リーマンショック前に似た』状況?」エコノミックニュース5月28日
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20160528/Economic_62220.html
☆「明確な黒田総裁への反旗(三菱UFJ銀行)」GLOBAL EYE (GlobalEye-worldのWEBサイト)6月8日
http://www.globaleye-world.com/2016/06/1518.html
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2019年02月04日

経済同友会代表の発言に関連してちょい考察

昨日一昨日の当ブログで、経済界と政府とのあいだに吹いている隙間風の可能性について書いた。今日はそれの関連で、あまり一般に知られていない事項について若干書く。まず以下の記事。「高度化法」や「非FIT非化石市場」など聞きなれない言葉が出てくる。「『高度化法は大変なことになると思った』大手新電力で電力取引を統括する幹部は、4年前、一律44%の非化石電源を小売電気事業者に課すことが決まったときのことをこう振り返る。それが今、2020年に取引が始まるとされる『非FIT非化石証書』を巡る議論の場で現実のものになろうとしている。『制度設計を誤れば新規参入者は壊滅する』(有識者会合の委員)ことが次第に明らかになってきたためだ。ここでいう非FIT非化石とは、FIT(固定価格買取制度)を利用していない大型水力や原子力などの非化石電源のことをいう」(本文引用)。ここまで読んだだけでも、あまりにも聞きなれないことが進んでいるようで、たぶん面食らう人は多いだろう。ブログ主も同じだった。さらに言えば、この先の記事を要約することの困難さを感じて怯んでしまった。
「高度化法」とは「エネルギー供給構造高度化法」のこと。2016年に根本的見直しが行われ、エネルギー基本計画が2030年のエネルギーミックスを再エネと原発で合計約44%に決めたのを受けて、非化石電源比率の目標が「2030年に原則44%以上」に改訂された。その結果、新電力には大幅に不利な一方で、「大手電力には棚ぼたで資産が増える」(本文引用)というシステムができあがることになった。大型水力や原子力が大手電力の持ち物であるということが、圧倒的に有利に働くシステムだからだ。「高度化法は大手電力10社のほか、年間の販売電力量が5億kWh以上の比較的大手の新電力が対象になる」(本文引用)。しかしこんな大手新電力でも、非化石電源を持っている企業はほとんどない。昨年11月12月に行われた有識者会合でも疑問が噴出したが、経産省は見直しに難色を示したという。
☆「新電力の利益を吹き飛ばす高度化法 非FIT非化石市場の設計で問われる公平性」日経エネルギーNext1月22日
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/031400070/012200090/?P=3
以下、細かいことがずらずら続くが、ぜんぶ省略する。とにかく、経産省は原発や大型水力を保有する大手電力会社を優遇するのに躍起になっており、いまやほとんどなりふり構わないまでになっている。なぜここまであからさまに片一方を優遇するのか。その背景を探る上で、国民から見えにくいところで着々と進む、エネルギー基本計画の中身が重要になってくる。ほかにも2021年に旧型の石炭やガス火力が耐用年限に達し、次々に運転停止に至るというオマケもついている。大手電力で経営に赤信号がともりそうなものは、東電の他に北海道電力の名があがる。そんななかで、エネ基が2030年を目標とする原発比率22%は、このままいけばほぼ不可能に近い。それゆえ政府・経産省は、当面は「改憲」を最優先としつつ、原発再稼働を次の目標に掲げ、その邪魔になる新電力や再エネ関連発電を前もって潰しにかかっている。
経団連と同友会幹部の語る言葉が巷間でさまざま言われているけれど、その微妙な違いはたぶん、両組織の構成企業の違いにあるのではないか。大水力発電や原発を保有していたり、設備建設や維持にかかわる業界は、いうまでもなく経団連の方が多いはず。一方で大電力から距離を置く新電力大手は同友会に多いのではないか。前者は総括原価方式で守られた巨大設備を保有する国策企業。後者はいま冷や飯を食らう立場で、その関係はこれからも変わらないだろう。経団連の姿勢はこれまで書いてきた通り。そして、同友会の姿勢はそれと距離を置く立場に踏み込む。相互の立ち位置に違いが出てくるのは当然のことと言える。水面下で行われる政府の陰湿な電力再編構想の真実を見抜かないと、脱原発の世論は最終的に太刀打ちできない。いまこそふんどしの紐を締めなおす時期だと思う。
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2019年02月03日

「経済」に打つ手なく「改憲」も退路なし

3面「ミサイル競争引き金 INF条約 米離脱宣言」中見出し「ロシアも対抗 履行停止 新型開発を承認 欧州へ警戒心」「対中国 巻き込まれる日本 配備なら『相手の標的』日ロにも影」の記事。以下要約:“米が中距離核弾頭(INF)全廃条約からの離脱を表明。ロシアもすぐ条約履行停止を宣言、「我々の回答は対照的なものでなければならない」「地上配備型中距離ミサイルの開発」「海上発射型ミサイルを地上配備する対抗手段を承認」「実際に配備するのは米国の出方次第」(本文引用)などと述べた。米も離脱通告後、新型ミサイルの研究・開発を明言しており、対立は激化している。記事では欧州配備のイージス・アショアをロシアは懸念しているという。アベ政権が導入しようとしているのはこれと同型で、ロシアは日ロ平和条約交渉の過程で懸念を表明。米は日本を含む東アジア地域に新型ミサイルを配備しつつ、将来的に米中ロ3カ国による、次のミサイル制限条約を構想している”(要約終わり)
日本が財布を叩いて米から購入した「イージス・アショア」は、まさにこの構図の中に位置付けられる。で、米中ロ3カ国の「新たなミサイル制限条約」の持ち駒になる。いや、それ以上に緊張の種となっているとみていいかもしれない。米政権内では、「核を搭載しないミサイル」の極東配備を検討中。それでは日本が米中衝突の最前線になる。いやいやその前に、日ロ平和条約とか2島か4島の返還交渉なども、この流れの中では暗礁に乗り上げたというしかない。トランプ氏は何をしようとしているのだろう。2020年に迫る2期目狙いのため、片方で緊張を高めておいて、もう片方で最後のどんでん返しを狙っているのだろうか。米中ロと北朝鮮をも含む構想があるのだとしたら・・・なんて思ったりするが、その場合でも日本は蚊帳の外に置かれ、気がついたらハリネズミのように余計なものを全身にくっつけたまま、途方に暮れていたりするのかもしれない。
この国の途方にくれ方をつぶさに見ると、とんでもない状態であることが見て取れる。原発輸出が全部ダメになったことはただの象徴であって、新型石炭火力も総崩れ。これに関連して輸出産業の不振が顕著になっており、かろうじて為替操作で息を継ぐという様相を示している。日銀は米中の経済動向に揺さぶられる株式市場にアップアップしながら、残り少なくい金をつぎ込んでいるが、それが続けばいよいよ債務超過の土壇場に追い込まれかねない。GPIFも然り。官制相場あればこそ全体として儲けを確保しているが、昨年10月の株価下落から現在までに14兆円もの損失が出るという激しい変動を経験している。そんな国内国際情勢に揺れる経済界は、すでに原発を持て余し気味にしている。経団連や経済同友会の首脳が、目指す方向に多少の違いはあれ、原発再稼働に一定の疑念を示す。再エネ発電への捉え方にも、差異はあるが踏み込んだ見解を表明している。どちらにも共通しているのは、アベ政権への注文がほのみえるということだ。「改憲」にひた走る政権に対し、経済が最優先課題だと注文をつけている。日立・東芝・三菱はすでに社内の原子力部門を縮小し、どう転んでも火の粉の影響が少なくなるように身構えている。東電は他電力に管内を食い荒らされる状況にあり、電力大手筆頭の地位を守るべくさまざま画策しているがいまのところ奏功せず、しだいに後退の色が濃くなりつつある。まさかと思うが、東電管内は他電力の草刈り場となる可能性も、あながち否定できない状況といえるか。経済界は本音「改憲なんかより経済をなんとかてくれ」と哀訴しているようだ。
しかし政権にその力はない。政府統計資料をこれでもかというほどひどい改ざんでぼろぼろにして成果を捏造するくらいしか対応できない現状。それでは金が全ての経済界は騙せない。ゾンビ化した3分の2制圧国会を頼みに「改憲」しかやれなくなっているが、タイミングを誤れば彼らにとって最悪の結果が待ち構えており、その後は正真正銘のゾンビ政権となるしかない。彼らには退路がない。そのことだけは明らかといえる。
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2019年02月02日

経済界の危機感はハンパじゃなさそう

まずは「週刊ダイヤモンド」の記事から。以下は冒頭で、「政府が新たなエネルギー基本計画(略)を昨年に閣議決定して以降、電力各社で廃炉検討のラッシュが起きている。東京電力ホールディングスは福島第二原子力発電所の1〜4号機全てを廃炉にする検討に入り、東北電力は女川原発1号機の廃炉を決めた。これに続き、九州電力が玄海原発2号機(略)の廃炉に向けた検討に入った」(本文引用)と書き、原因の一つとして新規制基準に適合させる安全対策に金がかかりすぎることを挙げている。この動きが国のエネルギー基本計画に影響を与えるのは必至で、規制委の安全審査や立地自治体の同意プロセスが長引くと、再稼働が進まず2030年時点での原発比率をクリアーできなくなる。つまり、国のエネルギー基本計画が暗礁に乗り上げる可能性がでてくる。
「それでも現安倍政権はエネ基を見直す気はないようだ」「現政権の悲願は憲法改正。政権支持率を下げる不人気な政策の筆頭格である原発政策を真正面から取り上げるはずもない。しかも、今年は統一地方選や参院選が控える“選挙イヤー”。ある自由民主党関係者は『原発はアンタッチャブル』と明かす」「選挙イヤーはエネルギー政策の在り方を真正面から捉える好機であるはず。原発の議論から逃げ続けるならば、安倍政権はエネルギー政策に汚点を残すことになるだろう」(本文引用)と締めくくり、ようやくこの記事の本音が見えてくる。年頭の中西経団連会長の発言の不可解さは、ここで解けてくる。「週刊ダイヤモンド」の記事も他の記事同様、まさに経済界の危機感から出てきたものであったと感じ取ることができる。
原発比率の30年目標が達成できないと、再エネが優位を占めてしまう。温暖化の切り札として小型原発や石炭火力を進めようと画策しても、国際的な非難を浴びるばかりか経済活動にも差し支える。昨日の我が家購読紙6面には「石炭火力の新設 東ガスなど中止 千葉・袖ヶ浦」の記事があり、世界的な「脱炭素」の動きの中で、今後環境規制が強まれば、省エネ・環境対策などの設備投資などのコストが高騰することは必定。というわけで石炭火力は建設中止に追い込まれた。原発再稼働が進まない一方で再エネの比率だけが先行してしまう矛盾が顕在化すると、いよいよ原発のベースロード電源化は困難になる。これらを背景に考えると、年頭の中西経団連会長の発言が納得できる。15日の再発言と混ぜ合わせても、彼の脳内に矛盾など少しもないのである。「じゃんじゃん原発を再稼働させろ」「国民にしっかり納得させろ」「再エネなんかに圧倒さるな」という結論に至る。九州電が再エネ受け入れ制限を実施しているのもこの文脈の中で筋道が立つ。アベシはことあるごとに「世界で最も厳しい規制基準」と喋りまくってきた。まさに瓢箪からコマと言うべきか。事故当初に後藤政志氏が語っていた、「採算が合わなくなって自滅するように仕向ける」という作戦が当たりつつあるようだ。問題は脱原発の力がいまどれだけ大きく結集できるかだけではないかと思う。
☆「『廃炉ラッシュ』で原発計画頓挫でも議論から逃げ続ける安倍政権」週刊ダイヤモンド1月29日
https://diamond.jp/articles/-/192206
もう一つ重要なことがある。以下の記事は、石油大国アメリカの支柱がかなり揺らいでいることを示している。アメリカはいまシェールオイルあればこその繁栄の中にいる。「原油生産量は、2017年に1000万バレルを超えた。2018年はロシアやサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国になった」「しかし、このシェール効果はほぼ10年間で終わる可能性が高い」「利益を上げられるのはあと数年との見方もある」(本文引用)という。ここでさらに挙げておきたいのが、昨日の我が家購読紙3面「米、利上げ路線を転換」の記事だ。当面は対中摩擦が日本経済に与える影響が問題だが、アメリカの危機がその先に控えている。立て続けに襲いくる危機を経済界は意識し始めたと見るのが全体像を捉える上で必要ではないか。危機は深い。そしてこれは、こちら側にとっては好機ととらえうるものでもある。死中に活を!
☆「脱オイルの世紀 鮮明になってきた米国シェール革命の限界 石油大国・アメリカの裏事情」日経エネルギーNEXT1月29日
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/082400125/012900019/?n_cid=nbptec_fbed_nen
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2019年02月01日

とんでもない「未来」が「いま」という事実

なかなか我が家購読紙では記事にならない出来事があって、いつ載るのかなと思っていたが今日もまだ乗らない。重要だと思うのでしかたなく本日は他紙記事から始める。表題では刺激的な書き方になっていた。「これはアベ政治による不正アクセス行為 不正統計や公文書偽造を繰り返す霞ヶ関官庁が企業や家庭の『IOT機器』に無差別侵入」というもので、ネットで探してもなかなか見つからず、「あなたのPCに勝手に侵入 政府が“違法ハッカー”になる日」の表題にしていたとわかってようやくちゃんと参考にすることができた。「政府は昨年5月に電気通信事業法を改正。2024年3月末までの5年間」「企業や家庭などにあるルーターやウェブカメラなどの『IoT機器』を無作為に選んで侵入。セキュリティー対策に問題がある機器を見つけた場合、ユーザーに注意を促す」「総務省所管の『情報通信研究機構』が調査業務を行う」「機構は『認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会』に業務委託できる」「今月8日に『一般社団法人ICT―ISAC』(東京)が協会認定を受けたばかり。同法人には大手携帯電話会社をはじめ、NHKや民放などがズラリと名を連ねているから、恐らく国内にある『IoT機器』はほとんどが調査対象に含まれる」(本文引用)という親切ごかしの覗き趣味!
記事は「セキュリティー対策を口実にした政府の『不正アクセス行為』」(本文引用)と書いているが、全くその通りと言わねばならない。映画「スノーデン」でCIAが勝手に調査対象のPCに侵入して機器を動かし、内部データや映像や音声を盗み取っていく様が描かれていた。それとおなじことを国家が公にやろうとする。かなり恐ろしいことじゃないかと思う。
☆「あなたのPCに勝手に侵入 政府が“違法ハッカー”になる日」日刊ゲンダイ1月29日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246373
以下の記事は昨日の我が家購読紙のもの。「米軍普天間飛行場(略)の名護市辺野古への移転工事で、沖縄防衛局発注の海上警備を委託された警備会社が、計画に抗議する市民らをリスト化していたことがわかった。約60人分の顔写真や氏名、経歴をまとめ、警備艇に備えていた」(本文引用)。警備艇に貼り付けているという悪辣さ。警備艇が海上に落ちた反対派市民にまっすぐ走って衝突し、乗り上げていく映像も見た。警備が暴力的様相を示していることから、リストを作成して狙い撃ちでもするかのような振る舞いに及ぶのが見て取れ、いよいよこの国は禁断の領域に足を踏み込んでいるのかと思った次第。リストは16年に沖縄タイムスが報道。「政府は『写真撮影やリスト作成、個人情報の収集、報告を政府として支持した事実はない』とする答弁書を閣議決定した。これに対し、毎日新聞が今月、ライジング社の内部文書に『沖縄防衛局調達部次長から作成を依頼された』という趣旨の記述があると報道」「情報公開請求を受けて、防衛局が同社に、警備報告書から抗議船の船長の名前などを削って出し直すよう依頼した疑いがあると報じた」(防衛相)「指示した事実はないし、リストも持っていない」(ライジング社)「リスト作成は『沖縄防衛局の指示ではなく、独自の判断。リストを防衛局側に提出したことはない』としている。内部文書については『そういう文書はない』と否定」(本文引用)。先の「政府が“違法ハッカー”になる日」の記事とまっすぐつながる内容といえる。
☆「辺野古反対市民、リスト化 警備会社 防衛省、関与否定」朝日新聞1月30日
https://www.asahi.com/articles/DA3S13870624.html
これにこのところこればっかりになった感のある「公文書偽造詐欺」事件続報で1面「実質賃金大半マイナス 野党が実態値試算 厚労省認める」を重ねると、この国がいかにボロボロに成り果てているかよくわかる。さらに3面「米、利上げ路線を転換 FRB対中摩擦 経済に不透明感」中見出し「日本経済にも影響」を加えると、場合によったら、この国はとんでもない未来を迎えることになるのではと、本気で危惧せざるを得ない。
posted by ガンコジージ at 12:20| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする