2019年03月31日

いよいよ棄民政策の罠が強化されていく

以下の記事を見て唖然とした。「東京電力福島第1原発事故で、避難指示区域外から首都圏などの国家公務員住宅に避難している自主避難者に対し、福島県が今月末までの退去を求めている。引っ越せないと、家賃の2倍の『損害金』も払わなくてはならない。事故から8年が過ぎても、収入が少なく、家賃の高い都会で物件探しに苦しんでいる人は多い。ふるさとを追われた人たちに『本当に寄り添う支援』を求める声が上がっている」(本文引用)。避難区域外から避難している人への住宅無償提供は17年3月に打ち切られている。退去が難しい場合、2年延長し一定の家賃を払う。その後、「(県と避難者が交わした)『国家公務員宿舎セーフティネット使用貸付契約』に基づき、契約終了までに部屋を明け渡さなければ、4月1日から明け渡しが完了するまでの家賃の2倍の額が『損害金』として避難者に請求される」(本文引用)という。退去するまで4月から家賃が2倍になるらしい。打ち切りは国家公務員住宅だけではなく、民間賃貸住宅への家賃補助も対象となっている。なんでいま全面打ち切り?
☆「引っ越さないと家賃2倍 福島県『月内退去を』 国家公務員住宅の区域外避難者」東京新聞3月27日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2019032702000166.html
国と県が進めているのは「場所の復興」=「入れ物の復興」であって「人の復興」ではない。「人」は「入れ物」へ押し込むモノとしての扱いに等しい。まさに「国家には国家の民主主義がある」ということで、「国民の民主主義」とは全く違う施策が大手を振って突き進んでいる。以下の記事に「市民が育てる『チェルノブイリ法日本版』の会」の、具体的で強い主張がほとばしる。「原発事故が発生したら、国は住民に『避難する権利』を認めよ−−。東京電力福島第1原発事故の被災者や、各地の原発周辺の住民にとって、当然の主張のように聞こえるが、チェルノブイリ原発事故が起きた旧ソ連と異なり、日本には『避難の権利』がない。なぜだろうか」「『日本史上最悪のいじめ』というドキリとする言葉が飛び出した。東京都港区のホールで17日に開かれた講演・交流会。福島県からの避難者ら約100人を前にマイクを握った弁護士、柳原敏夫さん(67)は避難者らの声を代弁した。『加害責任を負う日本政府は避難者や残留者の『命の復興』ではなく、経済復興に突き進んでいる」(本文引用)。「日本史上最悪のいじめ」という指摘が心に突き刺さる。「国家は国を守るために全力を尽くすが、国民は守らない」つまり「国民は国を守るための捨て石」であり、いま国民に向けてむき出しの国家意志が襲いかかっている、ということなのだ。
☆「福島原発事故の『自主』避難者ら『アベコベの世界』に憤り 避難の権利、確立を」毎日新聞3月29日
https://mainichi.jp/articles/20190329/dde/012/040/011000c?fbclid=IwAR0ZseBBMqvRBUIVXhZCisUFEjcj-X4O_A48krYfz7nfLchX3BsrTY0-RJU
その国家はいまどんな状態なのか。「国と地方自治体の財政悪化要因を調べた内閣府の分析結果」「健全性を表す『基礎的財政収支』の2020年度の赤字は今年1月の最新試算で10兆1千億円」「高い経済成長率の想定が外れたことによる約5兆4千億円の税収下振れが最大の要因」「楽観的な景気予測は実を結ばず、安倍政権は20年度に収支を黒字化する目標を断念し、25年度に先送り」(本文引用)と完全失敗を認めている。消費増税を再々延期し、総選挙に訴える下工作か。小ずるいやり方に棄民政策の罠が見える。
☆「税収下振れ5・4兆円が最大要因 20年度財政赤字拡大で内閣府」3月29日
https://this.kiji.is/484304970564715617?fbclid=IwAR1jMcKHnLrqeMt6MRojB8cWQBKuLs9f3c6WrEShVl3gYfphBxkmbFqRVa0
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2019年03月30日

時節は流動の予感を秘めつつまだ危うさ満開

1面トップに「佐川氏ら10人不起訴不当 森友問題 検察審が議決」中見出し「大阪地検、再捜査へ」「検察の捜査不足鋭く指摘」の記事。「検審は議決で『本件のように社会的に注目を集めた事件には、公開の法廷で起訴する意義は大きいのではないかと考える』とした」「強制起訴につながる『起訴相当』議決と異なり、再び不起訴とした場合は2度目の審査は行われず、捜査は終結する」(本文引用)とあってちょっと残念。「視/点」では検審の議決書の内容に触れ、かなり厳しく判断していると指摘しており、「特捜部は審査員の過半数が検察の判断に『ノー』を突きつけたことで導かれた今回のメッセージを真摯に受け止め、再捜査を尽くすべきだ」(本文引用)と突く。2面「文書改ざん『言語道断』 市民感覚、検察捜査に不満 検察審査会不起訴不当議決」中見出し「8億円値引き『疑問残る』」「検察幹部、『起訴相当』出ず安堵」「野党『森友終わってない』」があり「『市民の判断も、起訴するべきだとまでは踏み込めなかったということだ』。佐川氏らについて検察審査会の判断が『不起訴不当』にとどまったことに、ある検察幹部は胸をなで下ろした」(本文引用)というから、残念ながらまだ検察が小手先でひっくり返せる余地は残る。ただし2面では、検察の捜査に対しかなり突っ込んだ形で検審が疑問を投げかけていることから、これに検察が本気で答えなければ、「一般市民感情」を納得させることはできるはずもない。それでも再度「不起訴」などとしたら、いよいよ検察不信が強まるだろう。ただでさえ官邸が人事に介入しているとの国民的疑惑が大きいなか、さて検察はどう出るか。
官僚にかぎらず雇われ人は上目遣いが常となりやすい。以下の記事を見れば分かる通り、いくら人事権を握られていようとも、この国はいま凋落の道を一途にたどるばかり。ほんとうならこんな状況を作り出したものたちの足元に這いつくばってなどいられないはず。「89(平成元)年はバブルのピークで、その当時の日本株の時価総額は全世界の半分を超えていた」「89年の世界時価総額ランキング(略)なんと上位30のうち21社が日本企業」「それに対して、2018年のランキング(略)世界トップ30のうち18社が米国、5社が中国。日本はどうしたのかと思えば、辛うじて29位にトヨタが残っているだけ」「CIAの『ワールド・ファクトブック』最新版の世界実質成長率ランキングを見ると、日本は164位で、アジアの中では17位。下にはブルネイ、北朝鮮、東ティモールがいるだけ」「にもかかわらず、総理大臣を筆頭に(略)40年も前の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』幻想にとらわれていて、多くの指標で上位にある近隣諸国に軽蔑の言葉を投げたりしている。これが平成末の『世も末』の姿である」(本文引用)
☆「世界的な波に致命的に乗り遅れて凋落した平成日本の現実」日刊ゲンダイ3月28日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250562
そんなみっともない姿を(国民に)見せたら恥だとばかりに、情報統制の大網をかけて(国民の)目を曇らせようと必死になる。なんともみっともない姿。さらにみっともないのは、そんな権力にすり寄ろうと必死になっている報道機関だ。社内の自由な気風を押さえ込んで権力にすり寄ろうとするが、報道は記事や番組によって己が身をさらすもの。変節は隠しようもなく、変節を社内で導き出したものはだれなのか、衆目から隠せないほど、世間の目は厳しくなっている。それを知らずに社内で権勢を誇っても、時代が変われば指弾されることになるのだと知っておいたほうがいい。永続的に変えようがないほど社会の機構が決定的変節を遂げない限り、と限定をつけても、その時期がいつか来ることは間違いない。場合によったらかなり早く。そのときまた変節するつもりかな・・・?
☆「NHKの政治報道、変だ 『安倍政権寄り』と保守系誌も批判」毎日新聞3月27日
https://mainichi.jp/articles/20190327/dde/012/040/012000c
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2019年03月29日

内心オロオロでも周囲が持ち上げて押し進む

日米通商交渉(FTA)がもうじき始まる。その影響を読んで4月株価大暴落などと危機を煽る論調も見られる。先のことはわからないし経済の専門家でもないから、変な予測をしても始まらない。だが、政府が過敏になっているのは確かなようで、統計の偽装問題で揺れるなか、下記記事によると3月の月例報告で景気の現状について、「『緩やかに回復している』という見解は維持し」「『輸出や生産の一部に弱さも見られる』と明記」(本文引用)する綱渡りを演じてみせた。景気拡大は「戦後最長」としながら基幹産業の「輸出や生産の一部に弱さ」がみられ、でも「緩やかに回復」とはまったく意味不明。「戦後最長の景気拡大」の中身がぶっ飛びで怪しい。
☆「景気判断、3年ぶり下方修正 輸出や生産に『弱さ』」東京新聞3月21日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201903/CK2019032102000168.html
昨日の2面には「消費増税判断ジレンマ 10月実施 世論反発や景気後退も 再々延期 アベノミクス失敗評価」中見出し「打開へ解散カード残す」「野党 増税と『4選』批判へ」がある。首相は19日、都内の高級料理店で会食。消費増税見送り談義で、「東京5輪などが終わった後、景気が落ちてくるのはわかっている。だから、何かしなければいけないと思っている」(本文引用)と語ったという。消費増税延期は14年と16年にすでに実行済み。今回もし「世界経済のリスク」を理由に3度目の延期をしたら、まちがいなく「アベノミクス」は失敗していると批判にさらされる。というわけで2兆円の増税に対して2兆3千億円の大判振る舞いをするという、増税してるんだかなんだかわからないような妙なことをやるという状態。アベノミクスは失敗していないが、世界経済が危なっかしくて・・・という理屈づけに「中国経済」や「英のユーロ離脱」をあげ、短期的株価の乱高下には「そんなのカンケーあるの?」と首をかしげるような理由をくっつけて、前もって逃げ道を作るのに精を出す。「輸出や生産の一部」などとして問題を小さくみせるが、以下の記事では「輸入」にも重大な齟齬が生まれつつあるのが見て取れる。日米通商交渉が始まるというのに、農産品の輸入で米国離れが進んでいるという。政府の対米通商戦略がどうのというが、米が日本の輸出産業に揺さぶりをかけてくるのは間違いなく、日本の農産物輸入についても容赦しないのは目に見えている。これへの対策でまたぞろ大量のポンコツ武器を購入するか、そのうえ対北関係が硬直するなかで米に泣きついて格好がつくのか。みっともないだけでしょ。以下の記事は、いまも「物品貿易協定(TAG)」と書いてFTAと言わないのがご愛嬌。
☆「農産品輸入、米国離れ 牛肉・豚肉のシェア低下」日本経済新聞3月28日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43034550Y9A320C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
おまけで以下の記事を紹介しておく。3月の月例経済報告が信用できず、かえって「アベノミクスカサ上げ」の立証に真実味が増す。3月16日の記事で、時事的にはすこし古めだけれどあえていまになって書き残しておく理由は、16日の時点では単なるGDPのカサ上げだけではインパクトが少なく感じられたからに他ならない。
☆「GDP記録更新中 “アベノミクス以降”を大幅にカサ上げ」日刊ゲンダイ3月16日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/249662?fbclid=IwAR3zEx61Uiye9BLFaCrP7rGYKjn8Q0te7LI-y83joVH5NMxx7TbjWkMt5Q8
ちまたには忖度が蔓延している。裏からこっそり手を回して息苦しさをできるだけ見せずに締め付けるつもりのようだが、ここまでくると隠しようがない。天下の公共放送が恥ずかしい限り。他の報道機関もがんばれ!
☆「『露骨な圧力を見たの初めて』 森友報じた元NHK記者」朝日新聞3月19日
https://www.asahi.com/articles/ASM3J6K4LM3JPGJB00V.html
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2019年03月28日

市民運動に新鮮な概念が生まれつつある

1面「折々のことば」から引用。「『だって敵じゃないですから』本山仁士郎 辺野古埋め立てをめぐる県民投票の全県実施を訴えてハンガーストライキを敢行した青年は、意見が対立しても『別の場所でも仲たがいする必要はない』と言う。関係はどこでも多層的。彼は容認派の人とも直に話せた。そこには、分断に終止符を打ち沖縄の未来をこそ考えたいとの共通の思いがあった。石戸諭のルポ『沖縄ラプソディー』(「ニューズウィーク日本版2月26日号)から」(本文引用)という。以前なら「正面衝突も辞さず」で決死の対決になるところ、よくもこんなに柔軟に対応できると思っていたら、3月26日東京新聞「本音のコラム」の「脱原発ひろば」で同様の記事をみた。鎌田慧氏語る「経産省前テントは、脱原発のひろばだった。廃炉作業もふくめて、どのようにして早く安全に、原発社会から脱出するか。経産省ばかりか、経団連とも日本の将来を巡って話し合う。そんなひろばをつくって、死者たちの想いを広げていきたい」(本文引用)。「ひろば」の考えが広がっていることを示しているのだろう。対立的に向き合うと溝が広がる。そうではなく、少しずつ埋めていき、合意できるところまで行き着く。言うは易し行うは難し。ブログ主自身ときに衝突的な言説を繰り広げる。相手が姑息な形で対抗してくるのに業を煮やしということもあるが、それもブログ主の主観かもしれない。「ひろば」とは、いくつもの言説を平等に扱い、意見に違いがあっても互いに溝を深め合うのではなく、合意点を探るなどしてステップを積んでいく場所だ。その基本が「国会」の場でもしっかり確保されていれば、いまのように最悪の政治が行われるようなことはないはず。
26日の当ブログ「お花畑に咲く権力花の濃密な匂いに惑う」で、当日の新聞から「今国会の安倍晋三首相の答弁姿勢に、3つの特徴が表れている。実行を十分に伴わない『大風呂敷』▽聞かれたことに答えず別の主張を強調する『論点ずらし』▽説明不足を認めない『取り繕い』」「野党は批判を強めるが、首相に改めるそぶりはない」と引用した。これでは穏便に話し合って合意に達するという気持ちの持ちようがない。それでよければオレも、というわけで閣僚が堂々と政治的倒錯をあからさまにする。「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」なんて公言するから、新聞に「ここまであけすけに語るとは」とあきれられる。実のところ、庶民のあいだでも話の通じようがないときに同じ手法が横行する。やはりこれは訓練しかないのだと思う。「ひろば」概念は憲法概念の具体的表現といえる。憲法が危機に瀕しているこのとき、ようやく「憲法を主体的に語り、独立した個人の意志を集合し、総意を形成していく」ための基本の基が一般に合意されるときがきた。空気や水と同じに「あって当たり前」に感じていた憲法がそんなに軽いものではなく、個人が背負うにはかなりの覚悟がいるものだとはっきりしてきた。
思えば、原子力市民委員会の「脱原発大綱」の第1巻目は、市民運動家たちにとってそれほど簡単に読み取ることができない、さまざまな問題提起を含んでいた。その理由のひとつに、「大綱」の真意を伝える対象として、市民運動のみならず官僚や政治家たち、報道や研究者たち、経済界なども含んだ現実に存在する各種階層への綿密な語りかけが含まれていたことを思い出す。それゆえか、市民運動各層にとってかなり理解困難な主張になり、残念ながら深く浸透したとは思えなかった。ただし、その精神には「ひろば」概念が含まれ、たたき台として各層が同じレベルで語れるようにする意図があったことまで否定するのは乱暴にすぎるだろう。
15面「明日を探る」に「『共』の芽 育てる『公』を」がある。「世界幸福度報告」によると日本の幸福度は「OECD36カ国中で下から5番目」「『個』ならぬ『孤』が不自由さにあえぐ姿が浮き彫り」(本文引用)とあり、「公」か「共」かではなく「公」と「共」の関係を「公共」として具体的に創出することの意味が語られている。これも「憲法概念」の具体化といえる。このことを一般に浸透する努力がいま必要になっているのではないか、と思う。
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2019年03月27日

“民”が主体で初めて機能するのが民主主義

1面の「天声人語」で閣僚の発言「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」について「知事選も県民投票の結果も、あくまでよそごと。閣僚がここまであけすけに語るとは」(本文引用)と書く。地域が被る塗炭の苦しみを全国平均でぺたぺた平面化してしまう暴挙である。絶対多数を与えてしまうことの愚を感じると同時に、これにはもっと奥深い根が存在するとも思う。閣僚の意図は「国防のことは国の専権事項だ。地方が四の五の口を出すことではない」との主張というべきか。直近で思い出すのは、イスラエルの女性閣僚が「ファシズム」という名の香水を手に「ファシズムは私にとって民主主義の香り」と言いながらうっとりする映像だ。「なんでイスラエルが」と絶句したと同時に、閣僚の発言の真意がさらに奥深く感じられた。つまり、国家の民主主義は「ファシズム」の香りに彩られる。強大な権力を握ったその瞬間から「ファシズムは私にとって民主主義の香り」に転換を遂げる思考が動き出す。イスラエルの場合は、かつてナチスによる暴虐で受けた民族的打撃の大きさが国家をここまで捻じ曲げさせていると感じ、容認しがたいけれど歴史に刻まれる巨大な悲劇を感じさせるが、こちらの場合はどうか。
過去、国連の人権専門家の主張と日本の対応を述べた以下の記事があったのを思い出す。「福島第1原発事故の直後、日本政府は被ばく線量の許容限度を年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトへ引き上げた。この許容限度を再び引き下げるよう要請が出ているにもかかわらず政府がこれに応じていないことについて、トゥンジャク氏は『憂慮している』と述べ、『日本政府には、幼少期の被ばくを予防し、最小限に抑える義務がある』と指摘した。これについて、AFPの取材に応じた外務省関係者は、トゥンジャク氏の指摘は一方的な情報に基づくもので、『福島に関して不必要な不安をあおる恐れがある』と反論」(本文引用)。他の前例に「報道の独立性に関する驚異」「貧困層の社会保障を脅かす生活保護削減」「テロ等準備罪に関連して『プライバシーや表現の自由を過度に制限するおそれ』」の指摘があったが、つっぱね続けた。「国家の民主主義」=「ファシズムの甘い香り」を想起させる出来事といえる。
☆「福島への帰還、国連が見合わせを要請 日本政府は反論」AFPBBNEWS18年10月16日
https://www.afpbb.com/articles/-/3194891?fbclid=IwAR30ebXYoU7-XNwEhmePyzheZHCx2tYFoge_hPisD-r5luvcEl_co3rQzh4
報道の自由はいまや地に落ちた感がある。以下の記事は東京新聞の望月記者に対する徹底した取材妨害に触れ、さらに「報ステ」の「後藤健二さん見殺し行動」について厳しく裁断する。あのときたしかに後藤さん救出に動いた形跡もないまま中東を歴訪し、IS対策で周辺諸国に2億ドルの援助を約束。イスラエル国旗の前で記者会見をする暴挙に出て、火に油を注いだ。安田純平氏のときも政府が積極的に動いた形跡は感じられなかった。
☆「古賀茂明「日本への信頼を守るため『I am not ABE』と世界に発信する時」アエラAERAdot.3月25日
https://dot.asahi.com/dot/2019032400016.html?page=1
「民主主義香るファシズム」は、エルサレムをイスラエルの首都と認め、ゴラン高原のイスラエル主権承認で中東の混乱に拍車をかけるトランプ氏をノーベル平和賞に推薦する破廉恥行為にまでたどり着く。「ファシズムは民主主義の香り」とは、権力者の無制限な自由を保障する暴虐な思考への傾斜のことで、それは常に自滅の道を進むしかない。これをして「民主主義はダメだ」などと断罪するものはいないはず。民主主義は「民」が主体ではじめて機能するものなのだ。
☆「ノーベル賞さえ取引材料? トランプ氏『安倍首相に推薦された』」毎日新聞3月25日
https://mainichi.jp/articles/20190325/dde/012/010/005000c?fm=mnm&fbclid=IwAR072UZxrMZTVgtu08-MhstZFPAZRPIX40X3kWMQrII-op3DbhNG5yTPr2A
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2019年03月26日

お花畑に咲く権力花の濃密な匂いに惑う

1面に「辺野古 土砂投入域を拡大 政府 県民投票顧みず強行」がある。軟弱地盤は当初の話より広大で、深刻な状況となりつつあり、工事を強行しても、いつ完成するやら、ほんとに完成するやら、総額いくらかかるやら、完全に五里霧中。現実は頓挫したとみて間違いない。3面「『政府、辺野古に固執』沖縄、新たな土砂に反発」では「政府が25日、新たな埋め立てを始め」「『沖縄に寄り添う』と繰り返してきた政府だが、1ヶ月前の県民投票で示された沖縄の民意には向き合わず、埋め立ての既成事実化を急ぐ」「『既成事実を積み重ねることに躍起となっているが、完成は見通せない。政府が辺野古移設に固執し、普天間の危険性を放置することは、決して許されない』。玉城デニー知事は25日、土砂投入を受けて出したコメントで、政府の姿勢を強く批判した」(本文引用)。政府は同じ言葉を繰り返すばかり。岩屋防衛相談:「普天間飛行場の全面返還を1日も早く実現させるため、作業をできるところから少しでも前に進めていきたい」防衛省幹部談:「普天間問題のための対案があるなら、県に出して欲しい」(本文引用)というが、こんな軟弱地盤では工事はほぼ不能。日米両政府の目標である22年度の普天間飛行場返還などすでに不可能なのは間違いない。「沖縄に寄り添って理解を得る」と思うなら、辺野古移設の決着とは別に2022年度の普天間返還をやってみたらいい。これはけっしてできないはずだ。もともと普天間固定、辺野古新基地設置が彼らの本当の目的じゃないのか。だまくらかしもいいところだ。
4面の「首相、批判かわす3答弁」その中身は「大風呂敷『統計解明』招致は小出し」「論点ずらし 別指標持ち出し『プラス』」「取り繕い サンゴ『一部は移植した』」とあり、「今国会の安倍晋三首相の答弁姿勢に、3つの特徴が表れている。実行を十分に伴わない『大風呂敷』▽聞かれたことに答えず別の主張を強調する『論点ずらし』▽説明不足を認めない『取り繕い』」「野党は批判を強めるが、首相に改めるそぶりはない」(本文引用)。これらの事実は、いくら公文書改ざんや隠蔽や廃棄をしても、発達した現在の記録技術で、国民のあいだにしっかりと保存されていく。その場で言い逃れできても、騙しの罪は消えないどころか必ずいつかの時点で厳しく問われることになる。その時期は間違いなく到来すると覚悟したほうがいい。4面にはもう一つの重要な事実が書かれている。「奄美・宮古島に駐屯地 中国牽制 陸自、500〜800人規模」で、沖縄本島の他に奄美大島、宮古島、石垣島、与那国島と、陸自駐屯地が続々と拡大。軍事専門家の見方はどうか知らないが、この流れをみていると、南西諸島の軍事拠点化が本格化し、一帯が針ネズミのようになっていくのを感じ、本土は何をやっているんだ、とホゾを噛む思いになる。こんなことが「大風呂敷」「取り繕い」「論点ずらし」の幼児化した言動しかできない、60過ぎの無能なおっさんに政治をやらせた結果として可能になってしまったのだ。事実、彼にできるのは幼稚なガキがひんぱんに用いる言葉遊びの言い合いだけ。たぶん彼は幼い頃からそんな言葉の用い方を学んできたのだろう。無駄な生き方をしてきたものだと思う。そんな金持ちぼっちゃんの詭弁人生に巻き込まれる庶民は踏んだり蹴ったり。
14面「経済気象台」に「銀行の巨額損失 誰のため」の記事がある。みずほFGの巨額損失計上を引き合いに、「どの銀行も収益をめぐる環境は厳しい。預金に占める貸出金の割合である預貸率は国内114行で過去最低を記録し」「貸出先がないなかで預金を集めても」「マイナス金利政策により、銀行は収益減に直面する」「日銀(略)審議委員は『大胆な金融緩和によって日本経済全体に良いことが起きた。それが金融機関にやってこないというのは妙だ』と(略)語っていた」(本文引用)。記事は、委員には世の中が見えていないと指摘する。金持ちぼんぼんのごたくに心酔した能無し太鼓持ちが、脳内お花畑に咲く権力花の濃密な匂いに幻惑され、何も見えなくなっている、と思えてならない。
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2019年03月25日

無力感を超える方策を独自に模索する若者達

昨日の3面「日曜に想う」は「決めつけ嫌う 18歳の政治観」で、かなり示唆に富んでいる。各地の大学で政治の話をしても、以前は質疑応答で声もなく白けていた。「それが今や、ニュースの背景にあるものをただす声が続き、朝日新聞への注文をぜひとでも言おうものならテャイムが鳴っても挙手は止まらない」「既存の社会の物差しをうのみにせず自分の感性に合った答えを探す。昔のような反体制、反権力でなくとも、若者らしい現状批判の精神は健在だ」「自分たちの世代に対する決めつけにも敏感だ」。高校教員が3年生を対象に政治意識・知識調査を続けている。数字の引用は若干割愛するが、「18歳のリアルは根源的な課題に表れる。『投票に行くことは有権者の義務である』との意見に『どちらかといえば』を含めて『そう思う』が15年も18年も75%程度。だが『自分には政府のすることに対して、それを左右する力はない』には」「『そう思う』が15年は66%で18年は72%」「18歳投票を踏まえて、若者の生活や経済状況が今後どうなるか」「18年は『よくなる』が35%。『悪くなる』が8%、そして『変わらない』が58%だった」(本文引用)。高校教員は若者は義務感と無力感がないまぜになっており、このままではますます政治に冷めていくと嘆く。そして記事の筆者はまとめる。今年は入学・入社式の直後に統一地方選。改元後の夏休みに参院選か衆参同一選がある。政権交代や改憲の国民投票も。「決めつけ型の政治を嫌い、既存の与野党への評価も経済の未来予測もなお態度保留の姿勢が鮮明だ」(本文引用)とこのあたりでせっかくの「現代若者」論考が急ぎすぎる結論に達し、消化不良と化して終わる。まことにもったいない。
冒頭で「既存の社会の物差しをうのみにせず自分の感性に合った答えを探す」「反体制、反権力でなくとも、若者らしい現状批判の精神は健在だ」「自分たちの世代に対する決めつけにも敏感だ」としたあとで「義務感と無力感がないまぜになっており、このままではますます政治に冷めていく」と続く感想が、この世代の心理の奥を垣間見せたと思う。自己肯定と現実の接点が途切れていること。その断絶は何故なのか。結論は出さなくてもいいけれど、断絶の深さを数字以外で見せて欲しかった。それによって読み手は自分なりの考えをさらに広げていけたかもしれない。その読み手が若者や、かつての若者であるとして、「若者らしい現状批判の精神」が紋切り型の「反体制や反権力」でなく、自分たちなりの前向きな価値判断を生み出すきっかけが見通せたら、これは爆発的な力の誕生になるのではないか、とブログ主は思った。ちょうどアメリカの若者たちがオキュパイウォールストリートのたたかいに敗れてのち、地方に移動してサンダース旋風を巻き起こしたのと同じ流れが、いまそこにあるのを感じる。
「反体制や反権力」といったヒロイズムに満ちたやけっぱちでなく、地に足をつけて先を見通そうとする意思がマグマのように溜まりつつあるのだとしたら、この先になにがあろうと、もっと先に力のある世代が生まれてくるのを期待していいと思う。「紋切り型」「決めつけ」世代は、それなりに時代を創ってきた。だからいま、次世代になにをつなげ、なにを生み出すようにタネをまくか、それだけを考えて残った人生を費やしていくのが、邪魔にならない生き方じゃないかと思う。旧態依然とした意気がりだけで運動の先頭に立とうなんて、それはかえって若者の台頭を阻害しかねないものだと知っておきたい。
本日4面「政治断簡」は「首相の『胆力』見せてほしい」で、日本の外交・安全保障が極めて困難な状況にあり、さらに政府債務残高がGDP比240%に達し、先の大戦末期の200%を優に超えたと書く。経済情勢では中国の失速が巷で言われているが、4月は日米通商交渉(FTA)で「為替条項」「駐留米軍経費負担の大幅増額」が俎上にのぼる本当の危機が待ち構えている。それでも「接待ゴルフ」でトランプと立て続けに3回も首脳会談をする「お追従外交」に浮き身をやつす「外交巧者」。少なくとも、これらの出来事を若者は記憶していて欲しい。その後に来る事態を判断する素材として。
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2019年03月24日

言い訳不能で居直るしかない人の末路

今日の我が家購読紙には、ひとつだけ書きたい記事がある。でも、よく考えながら書きたいので、本日は別の記事を書く。
モニタリングポストはなんのためにあるか。以下の記事によると「原子力規制委員会は『線量が十分に低く安定している』として、同県内の八割に当たる約二千四百台の撤去方針を昨年三月に決めた」(本文引用)という。「安心と安全」を確保するのがモニタリングポスト。安定しているなら「安心のため」、安定していないなら「安全のため」設置しておくもの。放射性物質が漏れたら、「安全」確保のために速やかに「緊急対処」する。そのための常時監視は絶対に必要なはず。
☆「モニタリングポスト撤去 福島の母親65%反対」東京新聞3月14日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019031402000159.html?fbclid=IwAR0IUhYvr6h1CInt7gE9CkpV724WmTWS4FkUTF888LSWnNtqu261S3qmkAQ
隠す根拠は以下で明らかになる。「工程表では、事故後30〜40年で廃炉を終える。デブリの取り出しを始める21年から廃炉完了まで、具体的な工程は」(本文引用)ないのに21年に何を始めるのか。安全確認せずに敢行するため、モニタリングポストの設置数を大幅に減らすのか。「石棺化」は事故の初期に語られたが(原子力村が)無視。16年の廃炉プランでも言われたが批判相次ぎお蔵入り。記事ではデブリ取り出しを先送りして石棺化方式を採用したら廃炉は2050年が目処になるという。英国の「(現セラフィールド)原子力施設は、放射線量が下がるまで待ってから施設を解体、廃止完了は100年後」(本文引用)というのにだ。
☆「福島第1、見えぬ廃炉の最終形 当面先送りも選択肢に」日本経済新聞3月17日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42513120V10C19A3TJM000/?fbclid=IwAR3734qFD2zoxtU6VvJbdzuPoNHJ5-gICLNRHFNjqwuPYrXkVvoVt7KaSjA
廃炉作業の費用は膨らむばかり。一方、除染事業はこれまで3兆円が投じられ「役員報酬77億円…従業員100人の除染会社」(本文引用)がある乱脈さ。従業員100人の会社で8人の役員報酬が77億円にな不可解。記事によると元請けは清水建設。最悪の人間崩壊行為がこの国を蝕む!
☆「【独自】『お金ならなんぼでもある』除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇」プライムニュースデイズ3月12日
https://www.fnn.jp/posts/00435790HDK
トップのデタラメがこれらの事態を呼び起こす。第1次政権のとき、閣僚たちの不祥事続出で退陣を余儀なくされた首相は、今度は何があっても退陣させず、自分は責任を取らない姿勢を貫く。その結果、すべてがデタラメにまみれ、言い逃れできず居直るしかなくなっている。彼の天下はいつか終わる。そのあとの彼は国民からどんな使いを受けることになるだろう。無残だろうな。
☆「また偽装発覚・・・安倍首相が施政方針演説で巧みな“錯覚工作”」日刊ゲンダイ3月16日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/249793
デタラメが極限に達し、県民の怨嗟の声が充満している。軟弱地盤のエリアは調べるほどに拡大。自民党は彼の退陣後いよいよ潰れていくのではないか。というより、政党政治そのものが壊れていくかもしれない。
☆「作業場予定地にも軟弱地盤 辺野古埋め立て ケーソン仮置き場」琉球新報3月18日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-890145.html
以下は対露交渉だが、日米通商交渉や日中・日朝首脳会談も芳しい成果はない。そんななか五輪組織委は日本独自の制裁を盾に、北にIDを提供しない。それで日朝交渉やる気あるの。4月訪米して根回しするそうだけど本気かな。いく方向は西のはず。逆だよ!
☆「平和条約交渉、プーチン大統領『失速している』と発言か 地元紙も『ロシアは島を引き渡すつもりはない』」ハフポスト3月16日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/putin-peace-treaty-japan-and-russia_jp_5c8c9b83e4b0d7f6b0f3bfad
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2019年03月23日

呉越同舟からの脱出はなぜ難しいのか

1面トップに「原発支援へ補助制度案 経産省 売電価格上乗せ」がある。7面にも関連「『原発安い』矛盾あらわ 補助制度案『支援ないと継続困難』」。複雑かつ巧妙を極める仕掛けが顕在化しつつある。シロウトにはわかりにくい制度を細かく実施する方式で、全部まとめてようやくその目標が何なのかわかるという戦略。「政府は30年度の電源構成に占める原発の割合を20〜22%に引き上げる目標を掲げており、特別扱いしてでも原発の競争力を維持する狙いがある」「30年度から、電力小売り事業者に原発や再生可能エネルギーなどの『非化石エネルギー源』の電気を販売量の44%にするよう義務付ける。小売り業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度は買わざるを得なくなる可能性がある」(1面本文引用)という。再エネを名目的に含めた処置が多いが、九州電力がすでに実施しているように、再エネ出力制御はじわじわと拡大中で、最終的に再エネの首は完全に絞められる。細々と生き残る設備はあるだろうが、勢いはなくなる。こうして原発の我が世の春が再来する。温室効果ガスもただの名目に過ぎない。世界は原発停止が前提の対策を主流とするが、日本は原発ルネッサンスにどっぷり首まで浸かって唯一のオバカ国家への道をひた走る。
「経済産業省が原発補助制度の導入を検討していることが明らかになった。東京電力福島第一原発事故や電力自由化を受けて、原発の価格競争力が落ちていることの裏返しだ」「経産省幹部は『再エネがここまで入ってくるとは思わなかった』と誤算を認める。大手電力会社幹部は『原発はリスクが大きすぎる。制度支援がなければ続けることは難しい』」(7面本文引用)。制度のモデルは米の「ZEC」と英の「FITーCfD」で、原発の電気が安売り競争で基準価格を下回らざるを得なくなったとき、基準価格との差額を補てんする仕組みという。英では基準として設定した価格がそもそも高過ぎるため国内で反発が出ており、経産省内には「ZECの方が電力自由化との相性がよく、原発への投資回収が進むという見方がある」「経産省は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を見直す20年度末に合わせて原発補助制度の導入をめざす」(7面本文引用)という。
以前紹介した「高度化法」については、本日1面に内容が紹介されている。これらのほかに、以下で紹介するように「電力容量市場」という不可解な制度が導入されようとしている。次々に打ち出されるプランの巧妙さに、反原発の諸運動はその場限りの反応をするだけで、まったく対応できていない。原因のひとつとして、それが細切れであることがあげられる。同時に、わかりにくい内容であることもあげられ得る。そして今日の我が家購読紙で感じることだが、「高度化法」は「30年度から、電力小売り事業者に原発や再生可能エネルギーなどの『非化石エネルギー源』の電気を販売量の44%にするよう義務付ける。小売り業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度は買わざるを得なくなる可能性がある」というように、報道そのものが細切れで、注意喚起とはほど遠い記述になっている。九電の「再エネ出力制御」は、いまや通年の一般行事になってしまったが、その影響が報道されることはほぼない。
https://youtu.be/xdT37npsJAc
3面「てんでんこ」「電気のあした(10)取り戻し」は、「公民館51%、体育館47%・・・。大幅に安い価格で関西電力が落札していた。」という奇妙な記事。「自由化で奪われた需要を取り戻そうと攻勢をかける大手電力に対し、価格競争を続ける体力を持っている新電力はほとんどない。経営悪化から大手電力の影響下に入る新電力も相次ぐ。このままでは大手だけが生き残り、電力自由化の意味がなくなる。そんな不安が漂い始めている」(本文引用)。豊富な資金力と分厚い国家支援によって、新電力や再エネは潰される。そして野山に再エネの残骸がさらされ、再エネ反対を叫んだ人々と原子力村の凱歌が空しくこだまする。だれが、どのように、残骸を整理するかが課題となる。
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2019年03月22日

月例経済報告が吹っ飛ぶ深刻な事態

「あの新聞がこんなこと書いてる」と評判になっている記事がある。「日本の賃金が世界で大きく取り残されている。ここ数年は一律のベースアップが復活しているとはいえ、過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナス。国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたため、欧米に劣後した。低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない。『貧者のサイクル』を抜け出せるか」(本文引用)とあり、最初に出てくる「最低賃金と生産性(1人あたりGDP)」のグラフがとても象徴的。「生産性」を「1人あたりGDP」で評価すると、仏・英と同じ生産性なのに最低賃金がボロ負け。韓国・スロベニアには生産性で勝っているのにそれでも負けている。次のグラフ「20年間で時給は日本だけ低下」で「長時間労働がはびこった日本はこの半世紀、先進7カ国のなかで最下位」「OECDによると』『加盟国36カ国で20位という低位置は変わらない」「なぜ生産性が上がらないのか。逆説的だが、日本の企業が賃上げに慎重な姿勢を続けてきたことが生産性の低迷を招いたとの見方がある」(本文引用)とまあ、経済界寄りの新聞は、政権寄りの某新聞と一味違うときがあるという証しか。これら統計は悪評高い日本の官庁統計ではなく、歴としたOECDによるものだから、信頼性は格段に高いかもしれない。
☆「賃金水準、世界に劣後 脱せるか『貧者のサイクル』」日本経済新聞3月19日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42616170Y9A310C1MM8000/
同じような指摘は過去にもあった。以下の記事はOECD(経済協力開発機構)ではなく「世界銀行」のデータをグラフ化している。まず最初の論点は、高齢者が多い我が国では生産性を計るために1人あたりGDPを使うと、生産性が過小評価されるという指摘に対し反論している。しかし筆者は高齢者が多いとたしかに日本の1人あたりGDPの押し下げ要因となるが、日本は高齢化だけではなく少子化も進んでおり、経済に貢献しない子供は少なければ少ないほど1人あたりGDPの押し上げ要因になるという。また日本は失業率が低く、一人あたりGDPを押し上げる。「日本は全国民に占める仕事に就いている労働人口の比率が相対的に高いため、GDPを労働人口で割った生産性で見ると、逆にランキングが下がる」「日本は相対的に働く時間が長いので、1時間あたりで計算すると日本の順位はさらに下が(る)」(本文引用)。なるほど統計ではそういうことはありうる。先進国の生産性は1995年以降爆発的に向上していたのに日本は横ばい。で90年世界10位が27位に下落してしまったという。16年末のこの記事では「このままでは韓国に抜かれるよ」と主張していたのだが、19年の統計では確かに抜かれている。多分もっと前からなんだろうなと思う。「生活水準でも負けるよ」とあり、おもしろいこと言うね、と思って著者を見たら、デービッド・アトキンソンと書いてあった。小西美術工藝社社長なんだと。彼は記事の最後で生産性を上げないといけない、と主張していたが、さて2年ちょっとのあいだにどう進んだかというと、先に紹介した日経記事になっちまったというわけだ。わかっていた結果というべきか。
☆「日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれる 生産性向上を阻む『昭和の思考』という呪縛」東洋経済16年12月16日
https://toyokeizai.net/articles/-/149624
昨年から外国人技能実習生問題がいろいろ語られている。この2年のあいだに、国家が進めてきたことといえば、生産性を手っ取り早く上げるために外国から低賃金労働者を集めて酷使し、国内労働市場も劣悪な条件に据え置くという下策。その結果、実習生の失踪や不審死などとんでもない事態を招き、非正規労働の蔓延で国民の労働意欲を減退させた。さらに韓国から「徴用工」問題を突きつけられて「解決済み」と居直るのは、これから同じ問いかけが各国から持ち上がっても、強引に逃げをかますオバカな底意丸見え。結果として外国人技能実習生とは、宗主国に生きる善良な国民の首を絞める罠なのだと知る。
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2019年03月21日

脳内をお花畑化して権力に必死にしがみつく

今日の我が家購読紙1面は重要な記事が3つもそろい踏みだ。まずトップ記事「景気判断3年ぶり引き下げ 政府『輸出・生産一部に弱さ』 『緩やかに回復』維持」が強烈。政府の月例報告についての記事で、いつもの通りの決まり文句「当面は弱さが残るものの緩やかな回復が続く」という文言は残した、という話。「米中摩擦が治れば国内の景気も持ちこたえるとの見方がある。ただ、景気が岐路を迎えていることは否定しがたい」(本文引用)とあるが、米中摩擦が解消されてうまくいくはずもなし。それはきっかけに過ぎない。すべての事象はきっかけなのであって、本当の問題は常に身の内に潜んでいる。午前中のテレビで、FOMCが今年の金利引き上げを停止したと報じていた。いよいよ金融緩和再開か。3面には「『緩やかに回復』不透明感 景気判断引き下げ」中見出し「政府の認識 専門家批判も」「設備投資・個人消費 見通せず」がある。「政府は景気判断を引き下げつつ『緩やかに回復は続いている』と強調する。その認識は妥当なのか、エコノミストの見方は分かれている」楽観派「難しい局面だが、回復が続いている可能性も大いにあり、妥当な表現ではないか。あと数ヶ月持ちこたえれば、景気後退には陥らない」悲観派「主要な経済指標が昨年10月ごろに山をつけている。現状は回復などしておらず、明らかに悪化だ。消費増税を今秋に控える中で判断を変えづらかったのだろう」政府「模擬経済再生相は(略)16年当時とは『状況が違う』と述べた。『内需がしっかりしており、米国経済も堅調』との理由だ」(本文引用)とあるが、株価は昨年10月には2万5千円前後にあったと記憶する。いまは2万1千円台で低迷し、ぜんぜん回復していない。春闘の回答も輸出関連企業で振るわず、政府べったり企業は青息吐息の様相を示す。おかげで経団連会長が年頭に泣き言を公表し、世間が大揺れしたまま、余震はおさまっていない。「緩やかに回復」って、日銀だって青息吐息のいま、どこをみたらそんな見解が成り立つのやら。笑わせるね。
「景気判断」のすぐ下に「首相、4月下旬訪米で調整 異例の3ヶ月連続首脳会談」がある。4月アベシ訪米、5月トランプ訪日、6月G20で再来日。訪米は日本側から求めたそうで、主題は「北朝鮮」関連らしい。行く方向が違うんだなあ。2月の米朝首脳会談のあと、まるで自分がトランプ氏に指示したみたいに成果を誇示していたが、それなら日朝首脳会談くらいに事態が発展しているかといえば実態はまったく進展なし。記事は「さらに」と付け加えて4月に始まる日米通商交渉について語る。「米国の強い求めで二国間交渉に応じることになった日本にとって厳しい交渉となることも予想され、訪米をテコに今後の交渉を円滑に進めたいとの思惑もある」(本文引用)。さらについでにG20に触れて、首相が議長であることだし、トランプ氏が孤立したり対立したりしないよう事前すり合わせをするのだとか。サミット中に日ロ日中の首脳会談もあり、トランプと親密なんだぞ、とまさにトラの威をかるアベキツネ。海千山千の首脳たちに、ベロ出しおぼっちゃまの思惑が、どれだけうまくいくのやら。
極め付けで1面に「自民栃木県連、不適切支出 内部調査で『2000万円』複数幹部証言 県連『調査事実ない』」がある。茂木経済再生相の地元で、なにやら目も当てられない乱脈ぶりが発覚。県連は「調査事実なし」と全面否定しているが、かなり狼狽しているようだ。39面に関連記事「『公表 自民の評判下がる』 県連幹部証言 不適切会計報告時に」中見出し「内部調査『問題点』10項目」がある。県連の複数幹部が証言したによると、いま公表したら自民党の評判が下がるというので、真相を解明せず、問題を公表しなかったという噴飯ものの事態。宛名や説明なしの領収書、二重払い、個人の支払いを計上、領収書なしの支出など「帳簿類の分析を進める中で『金の流れが複雑怪奇だ』」(本文引用)と指摘、それを選挙前に公表したら評判が下がるって、栃木県民のみならず怒らにゃいかん。頭が腐ると全部が腐る。アベシは権力しがみつきのみっともなさ全開中。いまやめたら間違いなく提灯行列だね。
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2019年03月20日

ガラスの天井の向こう側がぐちゃぐちゃです

今日の我が家購読紙にはJOC竹田会長辞任の報がわりと大きく紙面を占領している。平日なのになんだか勢いのない紙面なので今日は書くのをやめようと思ったが、やっぱり書かないとつまらない。で、JOC関連で好きなことを書く。自慢じゃないがブログ主だって勤めていたことがある。しかし、自分の資質として管理職とか人を指導する能力などないと自負していたから、かなり好き放題にやらせていただいていた。世の中には男にも超えがたいガラスの天井があるのを感じていて、それを抜けるには「男社会の論理」を「男」自身が身につけていないと不可能であることも知っていた。大半の男どもはその「論理」を自然に身につけていくが、ブログ主の生家は最初からその範疇に入らない不思議な立場にあり、「男社会の論理」を学ぶ機会がなかった。有り体に言うと、「ハレ」と「ケ」の世界があって、我が家は「ケ」に属し、ご近所や親戚からも排除されていた。ようするに社会として受け入れがたい部類に属する「ただならぬ貧乏」により、世間の諸関係から外されていたというべきか。そのことを背景に1面「JOC竹田会長 6月退任 招致疑惑と関連否定」をみると、写真にある人物が「ハレ」の場でぬくぬくと生きてきて、18年だか19年だか大きな顔をして組織のてっぺんに君臨してきたことが、根っから鼻持ちならなくて仕方なかった。「旧皇族出身」だ「明治天皇のひ孫にあたる」だと、笑わせんじゃねえ。「男社会の論理」を自然に身につけていて「お家柄」がとてもよろしいからってだけじゃねえか。会長とか言いながら「あ、よきにはからえ」なんてやってたんじゃないのかい。そんな手合いは他にもいた。豪雨で交通機関に支障が出ていたとき、むりに記者会見を開いて、現地地方紙以外を選別して嫌なのを締め出し、質問なしで済ませたやつがいたっけな。「男社会の論理」は「お友だち社会の論理」でもあったってわけだ。
2面「竹田会長 耐えきれず 圧力・批判 国内外で噴出 IOCイメージ悪化懸念」「視/点 疑惑解明 終わりにするな」があるが、退任の理由は「『選任時70歳未満』という役員定年規定の存在と、それに伴う世代交代」(本文引用)と言っていたそうな。でも「実際は違う。招致をめぐる買収疑惑が再燃し、続投が基本路線だった風向きが一気に変わった」「竹田氏は仏司法当局に身柄拘束を請求される可能性がある海外渡航を控えるなど、職務にも支障が出た」「今月12日(略)竹田氏擁護で結束してきたはずのJOC内部から、本人がいる場で続投への異議が唱えられ、『(竹田氏は)かなりがっくり来ていた』(略)という」「続投に意欲を見せていた竹田氏の面目を保つため、任期満了まで会長を務めた後、名誉会長に就任する方向で調整が進む」(本文引用)。「面目を保つため、任期満了まで会長を務めた後、名誉会長に就任する方向」などと、いまもって地位に恋々としがみつくその姿は哀れを通り越してすさまじい執念。その執念の寄ってきたるところとは一体なんなのか。自らの出自に関わる執着なんだろうか。「面目」を保ってやろうとけんめいに忖度する周辺の姿も、スポーツに清潔さを装わせるものたちの本心が露呈され、あわれをさそう。
竹田氏の疑惑が浮上して、最終的な結論に近くなってきたとき、ゴーン氏勾留がとつじょ始まった。そしてゴーン氏保釈(3月6日)とあわせるように、竹田会長の辞任(3月12日理事会で流れができ、3月19日辞任表明)が決まった。個人的には、この二つの出来事は重なって見えて仕方ない。どちらにもフランスが関わっている。竹田氏を守ろうとゴーン疑惑をことさら大きく見せ、取引をしようと目論んだものの、かえって日本の社会システムの前近代性が露呈してしまい、司法制度の欠陥まで世界が知るところとなった。その背後にお友達を優遇するあの政権が存在する。すべての原因がそこにあるのだと、世界が否応なく認識していく。政治のボロボロが極限にある。それでもこんなヘンテコがまかり通る社会を容認する、奇妙な国民性が問われている気がしてならない。
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2019年03月19日

思念が及ばなくなっていく不安の自覚

9面「風力発電 欧米から熱視線 出遅れの日本勢 提携模索」の記事。「海の上で風車を回して電気をつくる洋上風力発電の普及が遅れている日本に、欧米の大手風力メーカーが熱視線を注ぎ始めている」「好機を迎えながら、日本勢のメーカーは、風車の大型化競争に出遅れ、自前の製品での参入ができない状況だ」(本文引用)。日立は1月、風車の生産から撤退。提携先の独社製品の販売と保守に専念する。東芝は昨秋から独社の風車を日本で販売。三菱重工はデンマークの風車大手に出資、技術や販売面で支援するという。デンマークの関係者は「他の国でも漁業者や地域住民の方によく説明することで友好的に解決してきた。日本だけが解決できない国だとは思っていない」(本文引用)と話しているという。21世紀が始まる前後、再エネの攻防が最初に表面化したのは風力だった。いろんなマイナスが列挙され、最後に九電や北海道電などの買い取り制限による圧迫を受けて風力は無残な姿を野面にさらした。風力追い出し成功で気を良くした麻生政権は、太陽光の補助金制度を停止。日本の再エネは世界的に遅れたものになっていった。復活したのは原発事故後の再エネ拡大や反原発の世界的圧力を背景にしたFIT制度によるが、風力には陽の光は当たらなかった。ではなぜいま風力なのか。それは太陽光の追い出し策が最終段階に入ってきたからに他ならない。
今年3月には2メガ以下の大型設備の系統連系工事着工申し込み受領期限が終了する。3メガ以上でも9月末には終了となる。太陽光関連各社はこの状況を織り込み済みで、3月4日当ブログ「未来3代にわたる構想が必要なとき」でいくつかの実例について書いたばかり。再エネ関連ではいよいよこの国の施策は撤退の色を濃くしているのだが、海外から熱視線が集中し始めると、簡単に国内市場を明け渡すわけにはいかなくなる。すでに東電は千葉県沖で洋上風力の事業を始めようとしている。だが、国家の政策がここまで捻じ曲がっていると、筋の通った事業を継続しにくい。国策に右往左往する経営陣の姿が垣間見える状況になってきている。こんな状況下、再エネ全面批判の徒たちは、どんな論理を展開していくだろう。国策原子力の尻馬に乗ったまま、原発と再エネをセットにした論理をどう組めるのか。難しいだろうと思う。再エネの主導権を敵に全部くれてやり、再エネを批判する。現状のそれは、再エネそのものが破壊的であることを論理として実証できていない。道具は使い方次第。原発は毒を垂れ流す。再エネ装置はどんな毒を垂れ流すか。環境にどんな害をもたらすか。その弊害は原発に匹敵するか。それとも節度ある使い方をすれば、原発を駆逐する力となりうるか。または絶対になり得ないか。その論理矛盾を抱えたまま、いつまでも再エネ批判と原発批判をセットにしていくのには無理がある。それに気づくべきときが来ている。地方と中央との相克を打破する力はどこから生み出せるか。目先の利害から出発するなかれ。遠くを見はるかし、近くで実践する。その観点のキモを探らないと、早晩、運動は行き詰まる。
2面「汚染水 決まらぬ処分法 保管100万トン到達 来年末にも限界」サブタイ「『地元の理解を』政府、結論時期も不透明」「『漁業に致命的』地元、海洋放出は猛反対」の記事。凍土壁でこれまで1日500トンほどあった地下水流入量は100トンに減ったという。でも汚染水は増え続け、ついに100万トン到達。20年末には上限の137万トンになるという。凍土壁という愚策をやるべきではなかった。「復興」なんて暗愚を最優先すべきではなかった。むりやり燃料取り出しまで狙わず鉄板壁を作り、内部を粘土壁とし、別の排熱方法で300年の安静保管ののち、さらにきちんと廃炉を進めていく。その間、原発政策の「負のモニュメント」として残すべきだった。目先の弥縫策でこと足れりとしたツケが、いま究極の愚かさを露呈している。政府は当面、地元に寄り添うなどと言い繕いつつ、時期が来たら辺野古のように「国策」を強力に押し付けるのは明白。被害は地元を超えて本土全体に及び、世界を汚染していく。反原発の性根が試される現在!
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2019年03月18日

国家は今なにをやろうとしているのか???

午前9時、株の専門家がTVで日銀の政策について解説中。06年の日銀の失敗が響き、13年には大規模な量的金融緩和が始まり、アベノミクスは現状失速中。06年は第1次安倍政権が始まった年だった。米やEUと日本を比較して、物価上昇は米が1・8%でEUが??%、一方で日本は0.2%(だったかな?)。いま米もEUも再び金融緩和に舵を切ろうとしているが「日本は現状維持といっても、これじゃあねえ」と苦笑いしつつ否定している。さらに消費税増税でいよいよ家計支出が絞られたら、物価上昇どころかデフレに逆戻りでしょ、と言う。ちょい見の記憶語りだから不正確だが、この解説者はアベノミ礼賛ではなかったかな。年頭は中西経団連会長が悲鳴を上げていた。14日の春闘記事で輸出産業の低調さが際立った。昨年末の臨時国会で、なにを思ったのかやたら多方面にわたる規制緩和関連法を成立させた記憶が浮かび上がってくる。臨時国会でこれだけやらなければならなかった。しかも、肝心の統計資料がめちゃくちゃなのに突っ走る。ようするに突っ走るしかないのだろう。でないと経済界との関係が怪しくなるのかも。中西会長に対しては、世耕氏が「もうすこし頑張って」となだめたのが昨年11月19日。臨時国会のあとも対応に忙しいんだろうな、と思う。
以下の記事ではモウロク大臣アソウ氏が「(目標に)こだわっているのは記者と日銀であり、国民で『2%上がらなかったから、けしからん』と言う人はひとりもいないのではないか」(本文引用)と言ったとか。身内からアベノミ批判めいた言葉が出る状況に当の大将はどんな顔をしていたやら。アベノミはいまや出口なし。「気分はもう戦争」しかない現状。4面「改憲念頭に『環境整える』 首相、防大卒業式で」の極小記事で、アベッチの遠吠えが響く。「政治も責任を果たさなければならない。自衛官が強い誇りを持って職務を全うできるよう環境を整えるため、全力をつくす」「新しい防衛大綱の下、宇宙、サイバー、電磁波といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、次なる時代の防衛力の構築に向け、今までとは抜本的に異なる速度で変革を推し進めていく」(本文引用)と、口先だけは勇ましいが、出口がなくなった政権の「戦争」頼みが覗く。「このまま続けば、国民生活は奈落の底だ」(下記記事本文引用)がいよいよ現実味を帯びる。今のままでは、国民は国家の荒廃を一身に負わされるしかない。背負わせたやつらはぜったい安全なところで高級ワインなどを飲みながら、次のもうけ口を探しているというのに!
☆「『物価2%』にダメ出し 麻生財務相アベノミクス“敗北宣言”」日刊ゲンダイ3月16日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/249795?fbclid=IwAR3amYqGFiRKORO9Gfj_LnNkYcMAxc8UUyXBEZgsMscpQaZK10pFo_edFXs
一方で以下のような事態が巧妙に進行中。「18年10月に施行された『新PFI法』(PFI=(略)民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)には、自治体に対する2つのインセンティブと手続き上の緩和規定が盛り込まれている。自治体が民間企業に『水道事業の運営権を売却するコンセッション契約』を急増させるため、同法には『3つの変更』が盛り込まれた」(本文引用)。改正水道法は昨年12月から1年以内に施行。新PFI法は10月施行。さらに「自治体向けのインセンティブ」が8月施行。「安倍政権は、オリンピック閉幕後の2年先までにコンセッション事業が生み出す市場目標額7兆円を公言」(本文引用)している。その巧妙さは目を見張るばかり。細かく説明するのが困難で、本文を読んでもらうしかない。気をつけないといつのまにかみんな毟られている。早急に研究しないと間に合わない!!!
☆「【水道民営化】安倍政権、自治体・議会の承認なしで運営権売却&料金値上げ可能に」ビズジャーナル3月12日
https://biz-journal.jp/2019/03/post_26984.html?fbclid=IwAR3EJ54YG13MV8smive3lk3_w0m3rEc1ndUOuie5qX2H5u-MQZBqFVBBcOY
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2019年03月17日

国民含めて世界から不思議がられている国

7面「沖縄の県民投票」の記事に注目。「『辺野古』県民投票の会」代表が「本土」の我々に呼びかける。「みなさん一人ひとりがどうするかをぜひ考えてほしい。沖縄は反対の声をあげたが、他の都道府県の人は何も言わない、と政権から見透かされている。それでいいんですか」(本文引用)。政府は15日に約1万頁の調査報告書を国会に提出した。だが、移設全体の工期や総事業費を明示しなかった。下の記事は「報告書は地盤沈下を『供用開始から20年間で40センチと推定』と記した。同様に海上を埋め立てた羽田空港(D滑走路)の地盤沈下は100年間で69センチと予測」「沈下が進めば対応するための総事業費が膨らむのは確実」(本文引用)と指摘。沖縄県は「自治州的一国二制度」に言及している。それほど国家が沖縄に加えた傷は深い。3月3日当ブログ「歴史の傷は消さずに継承すべきものだ」で「沖縄処分」について触れた。本土の意識では唐突に思える「自治州的一国二制度」の主張だが、歴史を見れば、出てきて当然の主張だとわかる。「薩摩侵攻を『第一の琉球処分』、明治政府による併合を『第二の琉球処分』、沖縄戦→施政権譲渡→米軍占領を『第三の琉球処分』、民意を無視した軍事基地つきの沖縄復帰を『第四の琉球処分』と呼ぶ」「そして自民党政権の沖縄基地容認・日米地位協定容認政策を別の琉球処分ではないかという議論」があることを、本土の我々はうかつにも知らないでいる。我々は「新たな琉球処分」を自覚することなく、かつて独立国だった琉球の窮状を放置している。沖縄は捨て石とされ、いままた捨て石の運命を強制されている。本土の我々は、捨て石の上にあぐらをかいて眠りこけている。「自治州的一国二制度」を認め、米軍基地を本土に引き寄せ、そこから「基地撤去」の国民的運動をはじめる覚悟があるか。沖縄の苦境を思うと、そんな選択肢が目の前にあるのを感じる。
おなじことは福島の汚染土問題にもつながっている。どこかで不都合があっても、いつも眉をひそめる程度の反応で済ましてしまう我らの度し難い心情は、某所で発生した不都合のとばっちりが我が身に降りかかりそうになると大きな声で反対し不都合を退けるが、その不都合が元の地方に戻って該当する地域を苦しめても、自分のところへやってきたときほど本格的に騒ぐことはない。そして苦境は地方に押し付けられ、適切に対応しなかった不都合の元はぼろぼろと巷に垂れ流され、いつか大厄災となって我らに降りかかり、身辺にいつのまにか漂い流れてくる。そんなことでごまかされて平和だと喜んでいる我らの日常が、不都合を押し付けられて苦悩する地方を押し潰し、同時に我が身をも滅ぼす。
☆「辺野古報告書、総事業費示されず 野党は反発強める」毎日新聞3月16日
https://mainichi.jp/articles/20190315/k00/00m/010/286000c
6面「社説」の「北朝鮮決議案 場当たりでは道開けぬ」は興味深い。「日本政府が過去11年間、国連人権理事会で続けた行動を今年はやめるという。北朝鮮に対する非難決議の提出である。日本は、一貫して拉致問題の解決を訴えてきた。提出を見送るのは、この問題で北朝鮮の前向きな姿勢を引き出すための方針転換だという」(本文引用)。米朝会談の事実上の決裂で北朝鮮は日本に接近してくるかもしれない、なんて期待しているようだが、そんな小手先のことでうまくいくわけないだろ、というのが「社説」の論調だ。トランプ政権が表向き圧力路線でいながら水面下で対話の窓口を開いていたこと。その一方で日本はトランプの「表向き」路線に丸乗りし「必要なのは対話ではない。圧力だ」(本文引用)と硬直した姿勢しか示さなかった。そのツケがいまこの国を縛る。国内はそれでごまかせても国外はそうはいかない。視点を国内からぐるりと転換し、外からの目でこの国を見直してみたら、いかに幼稚な外交手腕しか持ち得ていないかわかるはず。「おそまつ」かつ「みっともない」の極致。「人権という普遍的な価値の問題を、政治的な駆け引きに利用する行為とみられても仕方あるまい」(本文引用)。いや、とっくに見られているでしょ。政府のみならず我らもまた。
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2019年03月16日

公文書焼却と責任回避で逃げ算段の惨状

9面「日銀 海外の減速警戒 緩和『維持』総裁、なお強気」の記事。「海外経済の減速に引きずられ、国内の景気が腰折れすることに日本銀行が警戒を強めている。日銀は15日の金融政策決定会合で政策の『現状維持』を決定。景気の基調判断も『緩やかに拡大している』と変えなかったが、輸出や生産で影響が出ていることに懸念をにじませた」「日銀は景気の全体的な見方は維持したが、個別の項目では『弱気』な表現をあちこちにちりばめた」「総裁は会見で『海外経済がさらにどんどん下振れする可能性は非常に薄いのではないか。年後半には、減速している中国や欧州は回復していくのがメインシナリオ』と強気」「一方、民間エコノミストは(略)中国に関しては『過剰債務などを恐れ、即効性のある政策は期待できない』(略)。すでに米欧の中央銀行は金融引き締めから緩和方向に軸足を移している」(某証券関係者は)「『現段階では明確に判断できないとしたが、どうみても(実質的な)景気の下方修正』とし、景気動向次第では『将来の政策変更につながる可能性もある』とみる」(本文引用)という。4月1日に日銀短観が公表される。この動向にも注目したいが、基本的にこの国のエライ人たちはいつも、責任を関係ないところへおっかぶせて逃げるのがクセになっている。「海外経済の下ぶれ」とか「年後半には減速している中国や欧州は回復していく」とかは、なにがあろうと海外の問題で国内は関係ないかの言い方。「回復」していくとアテにしていたのに狂ったら、「海外がこれでは対応の方法がない」と責任回避する目論見鮮明。ホントの問題は「すでに米欧の中央銀行は金融引き締めから緩和方向に軸足を移している」のに、日銀には新たな「金融緩和」策強化の原資がほとんどないこと。官制相場も昨年10月暴落し年明け2万円台を確保、いまやっと2万1千円台まで戻したが、かつての力強さは皆無。
14日我が家購読紙1面に「ベア 前年割れ相次ぐ 労使のこだわり後退 春闘の帰路」がある。この記事のキモは、「電機や自動車など輸出産業を中心に」「ベア前年割れ」が鮮明になっていること。同日11面には関連記事「輸出産業 ベア低調 春闘運送は大幅アップ」がある。輸出産業が前年割れする一方で、「人手不足が深刻な運輸や外食といった産業では大幅な賃上げも見られた」(本文引用)とあり、大幅賃上げしている業種でもその内実は必ずしも好景気だからというわけではないのが知れる。さらに中西経団連会長(日立会長)の年初発言を思い出す。あれほどあからさまに政府に泣きつくとは、経営者としての能力を疑いたくもなるが、ともあれ彼らの危機感がどうもハンパじゃないことが見えてこないか。
今日の12面「社説」の「米軍駐留経費 同盟軽視の分担構想だ」には、この春に日米外務・防衛閣僚会議(2プラス2)が開かれるとあり、「近く始まる日米通商交渉で、日本の譲歩を引き出すディール(取引)に使うとの観測も」(本文引用)ある、と書かれている。ポンコツ兵器の大量購入の前科があるアベ政権のことだから、日米FIT交渉でなんとか成果をあげようと、米軍駐留経費で大幅に譲歩する可能性は大きい。ようするに、見栄っ張りの継ぎ接ぎだらけが丸見え状態。そんななか、1面には「辺野古地盤改良『3年8カ月』 政府普天間22年度返還不可能」の記事がある。日銀が海外に責任転嫁する一方、政府は「始めたら後戻りしない」という愚かな習性ゆえに完全に暗礁に乗り上げた辺野古新基地建設につき、その責任は沖縄県にあると言いたげな「地盤にかかる設計・施工の検討結果」と題する「全9969ページ」の報告書を国会に提出。なんと膨大なページ数であることよ、と驚かされる。わかりやすくしようなどという気持ちはないのかね。これはまさに沖縄いじめ、野党いじめ。徹頭徹尾姑息なやり方だ。そして公文書の中身が問われる政治の末期にあって、1面には「『平成』考案者記録なし 今回は公文書に記載へ」のゲス記事。すでにこの国はまともであろうとする精神など壊滅状態なのか!
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2019年03月15日

油を用意していないあかりの運命は

1面「天声人語」に俳優のピエール瀧が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたと書かれている。ピエール瀧がどういう人物かはまったく知らない。しかし、「出演した作品にまでフタをするのは行き過ぎではないか」(本文引用)と書かれていたことについては「そうだよな」と思った。連想したのは戦後の出来事だ。映画界では監督他が公職追放になり、彼らの作品も含めてしばらく世間から姿を消していた。一方、俳優は追放されず、戦後の映画隆盛を背景に、銀幕を華やかに彩ったものだった。国策の一端を担ったという意味では監督も俳優も一緒じゃないか、という気がしたが、今度の件で思う。昔は敗戦の責任を背負って公の場から姿を消す対象が選ばれたけれど、今回はいっそうあいまいな社会道徳という通念のもと出演作品が消され、また出演シーンが撮り直しになる。ぜんぜん評価基準が違うけれど、今回の対応が適正かどうか疑問に思う。記事末尾に「作品の魅力は、分けて考えるべきではないか。見続けたい作品かどうかを決めるのは視聴者である。NHKや映画会社ではない」(本文引用)とある。33面にも「滝容疑者のシーンをカット」の極小記事があるが、「天声人語」がなければ大方の人が気にしなかったかもしれない。
つまんないことで大慌てで自粛行動に走る大放送局の姿勢を笑おうとしたら、33面「立憲・小川氏、NHK報道批判 統計不正追及『野党の主張取り上げず』」には、NHKのニュース番組が、統計不正に関する国会討論を意図的に切り張りして、視聴者の受け取りが逆転するような報道をしたというではないか。笑うどころではない。そういえばネットでは貴重な良心的番組が終了させられると指摘されていた件を思い出し、我が家購読紙にもその件について書かれていたと思い、探したら以下の記事があった。「ETV特集」や「ハートネットTV」などの番組は継続することに決まったようで、世間にはミスターモミイの記憶がまだ生々しいのだから、疑われても仕方ないようなことをするんじゃない、と思ったものだった。33面の「ニュース番組」報道は、国営放送局面目躍如の不信感を増大させるだけ。「忖度はない」と弁明するより、「忖度してないなあ」と視聴者に舌を巻かせる番組を作った方がよほど人気を博すでしょ、と思ったわけで・・・。
☆「NHK会長、政権に忖度『一切ない』 制作局の組織改編」朝日新聞3月7日
https://www.asahi.com/articles/ASM375RHQM37UCLV00N.html
33面に「東海原発廃炉 5年先延ばし 解体に必要な装置設計遅れ」がある。記事によると「01年に始まった廃炉作業は、当初は17年度の完了を目指していた」「(原電)は14日、2025年度としてきた廃炉の完了時期を5年先延ばしすると発表した。新年度から始める予定だった原子炉などの解体に必要な装置の設計が遅れているためという。完了時期の先延ばしは3度目」「規制委が廃棄物処分の基準作りを進めており、原電は『基準の策定状況も踏まえて設計する』と遅れの理由を説明している」(本文引用)。新年度から最終段階の原子炉内部の解体を始める予定が、低レベル廃棄物を運び出す装置や廃棄物処分用容器の設計に時間がかかっているというが、そのうえ規制委の基準作り待ちという説明をかぶせるとなると、先延ばしに底意が隠れているのかと疑いたくなる。原電はこれまでいろいろと物議を醸してきた。日本原電は日本初の商用原子炉を運転させた、設立が1957年の老舗だ。ぐずぐずしていたら、国内すべての原発保有電力会社が同じ道を辿っていくだろう。年初の中西経団連会長発言には、国策民営をやめて国策に徹するようにしてほしいという本音が滲み出ている。昨年11月8日当ブログ「『先送り』で硬直しているのは・・・」の冒頭「『マタイによる福音書(新約聖書)』から『思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった』」が現実味を帯びる。先のことは国(その向こうにいる国民)に任せればいいというのが本音であり、彼らはその準備を着々と進めている。油を持たない国民はどうするか。独自の構えが必要な気がする。
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2019年03月14日

すでに崩壊したこの国の政治の哀れな姿

1面トップ「ベア 前年割れ相次ぐ 労使のこだわり後退 春闘の岐路」は「いざなぎ越え」とか「戦後最長の景気拡大」などとこの国のトップが胸を張って主張していたアベノミ自賛がもののみごとに経済界からひっくり返される悲喜劇露呈。関連で11面に「輸出産業 ベア低調 春闘 運送は大幅アップも 郵政非正社員にも扶養手当」がある。政権肝いりの輸出産業が政治に物申しはじめたか、言うことを聞いていない状況ありあり。日米通商交渉がひどい結果に終わるかも、という焦眉の課題がある。「為替条項」が首を締めにかかるとき、アベノミは力を発揮するどころか、デタラメこいて見栄を張るくらいが関の山。それより他できるわけがない。
4面「北朝鮮非難決議見送り 政府 拉致交渉見据え」では「拉致問題の解決に向けて北朝鮮から前向きな対応を引き出すため、国連人権委員会に11年連続で提出してきた非難決議について、今年は見送ることに決めた」「首相は『次は私自身が正恩氏と向き合わなければいけない』と述べてきたが、このままでは進展が見込めないと判断」「外務省幹部は決議案見送りと独自制裁の継続について『矛盾しているように見えるかもしれない』と認める一方で、『今のままでは事態は動かない。北朝鮮の変化をつくるため、チャンスがなければ作り出す。リスクを冒しても試す価値がある』と語った」(本文引用)。求められている「過去の清算」を横に置いて、「決議案見送り」だけで交渉に応じるかどうか、そりゃ難しいだろう。
3面「てんでんこ」の「電気のあした(3)切り札」は「人口が減り、税収が減り、地域が縮む中で、選択肢がほかにあるだろうか」と書く。「電気事業はますます厳しくなる」「ドイツのシュタットベルケは戦前から築いた地域基盤を継続してきたのに対し、日本では地域の中小電力が大手に統合され、現在も大手の影響力が支配的」「電力自由化といっても、地域新電力はゼロからのスタート」「電気を売ることが目的ではない。エネルギー事業を通じて地域の課題を解決して住民の信頼を獲得する。それが私たちの仕事」(本文引用)とあるように、地域新電力の前途はかなり危うい。政府の進める「電力自由化」は大手電力を温存し、新電力をいいように操るのを目的に、着々と進められている。それに対して「反原発」の対抗的動きはそうとう鈍いと言わざるを得ない。かえって足を引っ張るような風潮さえあるのをどう考えたらいいだろう。移住者には独特の脳内ユートピアが頑固に存在するような気がする。地方を再生する力は旧弊を極める地方の中から自発的に生まれるのがベストなのかも。
33面「辺野古 止まらぬ現実 土砂投入3カ月」には、着々と進む埋め立て工事のむごい写真がある。水面下90メートルに達する軟弱地盤を無視して建設する頑迷さは、やり出したら止められない権力者たちの蒙昧さを映し出す。こうなると、たとえ地球の裏側まで通じる穴が空いていても、埋め立て工事を止めないのではないか。首相は県民投票の結果を「真摯に受け止める」と述べた。彼のやり口がデタラメであることは、すでにはっきりしている。彼の脳内には、どんな論理矛盾があってもそれを矛盾と認めない独自の回路が出来上がっているのだろう。自己崩壊を食い止めるために心の弱いものが常用する強制遮断の壁が強固に存在する。だが、通用するのは彼が権力の中枢にいる限りにおいてであり、中枢から離脱したら彼の論理自動遮断回路は崩壊し、精神的に自滅するしかない。
16面「ザ・コラム 兵事係と自衛官募集 また市町村に担わせるのか」には、自民党大会の首相発言を発端に、自民党は「自衛官募集に対する地方公共団体の協力に関するお願い」の文書を所属国会議員に配ったとある。「安倍さんに聞きたい。状況を変える、とは何か。詰まるところ、兵役を臣民の義務とした大日本帝国憲法に等しく改憲し、市町村に戦前同様、兵事を担わせる国へ、状況を変えることではないのか」(本文引用)。彼の脳内は自己の強烈な思い込みでいっぱいになっており、それを食い止める力は彼の周辺にはなく、あるのは陣笠議員か本音の軍国主義者だけなのだろう。
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2019年03月13日

書き残した最近記事の総集編

まずは以下の経済関係の動きからはじめる。「世界の株価が再び試練に直面している。欧米の株安の流れが日本に波及し、8日の日経平均株価は前日比430円安となった。世界の中央銀行はハト派路線に傾くが、投資家は強気に転換しきれない。その背景には世界経済の『驚き』が消えたことがある。経済指標が振るわず、年初からの株高で改善してきたはずの市場心理が再び陰りはじめた」(本文引用)とある。株価は目先の利益に敏感で、長期的な観点で考えることはない。
☆「『驚き』消えた株式市場、指標の下振れ、株安招く」日本経済新聞3月8日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42197400Y9A300C1EN1000/?n_cid=NMAIL007
以下の記事は「TAG」を「FTA」であると首相自ら認めてしまい、米が「為替条項」をごり押ししてくる局面に至ったと書く。円安誘導政策が標的になる。株の乱高下を米中貿易戦争に求めるなど、経済面での報道は国民の関心が日米FTAに向かないよう勤しんでいるが、高額のポンコツ武器を大量購入し「これで勘弁して」と頭を下げる政府が「トランプ政権との交渉テーブルに着いた途端、円相場は逆流し、輸出企業には円高地獄が到来。一枚看板の異次元緩和を失えば、いよいよアベノミクスも終焉を迎える」(本文引用)となるか。本当の経済危機は国内発だ。
☆「米朝対談不調で成果渇望 トランプが狙うは日本の円安政策」日刊ゲンダイ3月5日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248769?fbclid=IwAR0ILzYaPpbaW_gX6P6xWUPS0Bk55gGnqopVPv-4_2d77oN4DEDz720xeZs
以下の記事では沖縄県知事が本土に厳しい問いかけを発している。「自分たちのところで引き受けられるのか、国民の皆さんにまず考えてほしいんです。引き受けられないのであれば、なぜ今まで沖縄に押し付けてきたのかということを意識してほしいのです。沖縄県外の人にも問題の本質と県民の思いを共有してもらいたいのです」(本文引用)。もう一つの記事では「『自治州的な一国二制度』がベスト」(本文引用)との認識を示す。
☆「米海兵隊には『出て行ってもらう』のではなく『移ってもらう』 玉城デニー沖縄県知事が提案する新たな政治的アプローチとは?」アエラ3月6日
https://dot.asahi.com/aera/2019030500077.html?page=1&fbclid=IwAR12vCK1yU7rX7zqAl7FVLV3B_zNK8eQw-gMQG6Q3wtlIoKfhL5PBdXwMo0
☆「玉城デニー知事が描く沖縄『自治州的な一国二制度』とは?」アエラ3月5日
https://dot.asahi.com/aera/2019030400061.html?page=1
辺野古は原発事故汚染土に直結する問いかけを含む。玉城知事が「自分たちのところで引き受けられるのか、国民の皆さんにまず考えてほしい」と問う。16年に国は「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」する方針を進めようとしたが、そのとき反対の意思表示はあったものの、県内で再利用となったときにどう運動を展開するかの考えは反対の側に浮かばなかった。
☆「福島汚染土、県内で再利用計画 『99%可能』国が試算」朝日新聞2月26日
https://www.asahi.com/articles/ASM2T4T7TM2TUGTB00B.html
ブログ主はかつて、全国の自治体の公共施設の玄関にコンクリート製のモニュメントを作り「汚染土」を厳重に格納して、表に「愚かな行為の記憶のために」と書いて、訪れる人の気持ちを引き締める記念碑とする、と主張し、猛反対された。しかし「反対」だけでは風化に逆らえず、沖縄と同様に福島に苦難を押し付けるだけだ。けっきょく我々は沖縄と福島から「一国二制度」の厳しい問いかけを迫られることになる。そしていまだ有効な答えを出せないまま、みずから風化の波に押されて、「目覚めない民」を批判することになる。それではなにか足りないと思う。
☆「『お金ならなんぼでもある』除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇」プライムニュースデイズ3月12日
https://sp.fnn.jp/posts/00435790HDK
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2019年03月12日

まずステップの重要性を認識したい

4面に「原発ゼロ法案 審議されず 野党4党国会提出から1年 与党審議入り拒否 政権原発推進に固執」がある。世間の関心が薄くなっていることが気がかりと同時に、かつてのことを思う。「2012年、当時の民主党政権は討論を通じて意見の変化をみる『討論型世論調査』を実施。それをもとに30年代に原発をゼロにする政策を掲げた」(本文引用)とあるが、あの当時は「即ゼロ」が大方の意見で「そんな先のことではダメだ」という声が、いかにも「30年代」の軟弱さを格好良く吹き飛ばすのに大きな役割を果たしたものだ。当時の野田政権では「ゼロ」を掲げたものの、いつなんどき「ヤメタ」となるか分かったもんじゃない風情があり、「即ゼロ」が通用する素地はあった。だが、「30年代ゼロ」はあの時点での市民運動をはじめとする反原発勢力の到達点でもあった。力不足を認識し、そこで一歩前進を確保し、次の段階へ進む意図が鮮明にあったら、「民主党政権はダメ」などと言わず、疲弊した政権をさらに鼓舞して「30年代ゼロ」から次の段階を目指す方法があったのではないか。
市民運動的スローガンというものはいつも感覚的に鋭くなる。なりすぎて遠い目標の美しさに幻惑され「これが途中のワンステップ」を想いの外へ押しやってしまいがちになる。「即ゼロ」といっても、「全部停止」からゼロへ至るまでに長期的な工程が必要になるのだから、そのあいだ不断の監視と目標の強化が行われていけばいいのだが、この国の市民運動はそういった連続性を体得するところまで成熟していない。まとまった政治勢力として大きな力を発揮するほど持続した組織を創れていない。過去の一揆的蜂起の経験から抜け出ていないか、抜け出ないように権力者がうまく誘導してきたか、誘導などではなく激しい弾圧で制圧してきたか、社会そのものが持つ抑圧機能が持続性を分断するのか。その原因はわからないが、「段階を踏んで持続する」試みは育っていない。
原発ゼロ基本法案の概要が記事に示されている。「●法施行後5年以内に全原発の運転廃止 ●2030年までに電気需要量を10年比で30%以上削減 ●30年までに再生可能エネルギーの電気供給量に占める割合を40%以上に ●廃炉作業を行う電力会社や立地地域の雇用経済対策について、国が必要な支援をする」(本文引用)。エネルギー基本計画でベースロード電源としたものの新規制基準で再稼働できた原発は9基。核燃サイクルの肝心カナメであるもんじゅは廃炉決定。原発輸出は全滅。経済界で原発推進のトップに立つ日立の中西経団連会長は困難な状況に悲鳴をあげながら、自分で世論を動かす意欲はなく、国が率先して「国民」を推進に誘導せよと泣き喚く。1月の談話では「再エネなんかイヤだ」ともおっしゃっていたが、「即ゼロ」を主張していた「脱原発」の運動家たちはおめでたくも、「原発推進なのに再エネ批判してる。なんで?」などと首を傾げていた。「即ゼロ」が問題解決を無限遠方に押しやってしまったように、「再エネ全面否定」が原発推進と「呉越同舟」になる原因が自らの論理矛盾として浮かび上がったことに当惑するばかり。「核兵器廃絶」を掲げながら「核兵器禁止条約」には目もくれないアベ政権の基本姿勢が参考例としてあるのに気づかないでいる不思議。
遠い目標を掲げ、近いワンステップを軽んじる傾向は、以外に経験豊富な政党にも見られる。この矛盾を克服しないと、なるものもならないのではないか、と思わざるを得ない。地方においても、まず初めに目指すのがハードルの高い条例であるのはなぜか。全部を獲得しようとして、最も必要なこと、つまり日常的に住民が参加し発言できる仕組みを創る試みが育たない。住民一人ひとりが「参加」して「意見」を述べられる場が常設されていれば、日常的問題を論議し、個別の問題点を整理し、さらに条例などへまとめ上げていくプロセスが自ずと具体的に見えてくるはず。市民運動は即決の条例に固執する前に、民主主義を訓練する場の整備に目を向けるべきではないか。地方で具体的に民主主義を発展させ、国政と具体的に向き合う方法を探る。そんな道筋を育てる必要がある。既存条例を精査すれば、利用できる条文は必ずある。
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2019年03月11日

国の仕組みを相当変えなければいけない現状

3月11日らしく、新聞の基調は東日本大震災一色となっている。「地域再生」と「心のケア」がメインテーマで、地域と人の復興が語られ、原発廃炉や避難の記述は少ない。2面「大熊再生へ 響く槌音 今春にも避難指示一部解除 『不安でも戻る。古里だもの』 『新しい町』廃炉作業と歩む」・「解除後なお避難 1万人超の見通し」があり、これも「地域再生」と「心のケア」が記事の主体となっている。いや、よく読めば少し違う事情が織り込まれているのに気づく。記事には微妙な色合いがあり、8年のあいだに少しずつ状況認識が変化したのを痛感させられる。「3月12日、大河原地区から10キロの第一原発1号機で水素爆発が起きた。14日には3号機、15日には4号機で爆発」(本文引用)とあるが2号機の記述がなく、4号機を「爆発」と書いているのが時間の流れを感じさせる。2号機は「爆発」で、4号機は「火災」ではなかったか。当時の混乱の中で諸説が飛び交ったが、いつのまにか修正されていたらしい。一方で、ブログ主自身の意識が希薄化している表れでもあるようで、時の流れに逆らいきれていない自分の薄弱さを感じ、悔しい気分にもなった。
大熊町は「JR大野駅を含む町中心部を特定復興再生拠点として整備を進め」「27年までに帰還住民約1500人に新住民約1100人を加えた計約2600人を呼び込む考えだ。『新しい町』を想定せざるを得ない背景には、原子力災害がもたらした長期間にわたる重い課題がある」(本文引用)。ひとつは大熊・双葉の中間貯蔵施設で21年度までに東京ドーム11個分が最長45年まで保管され、一方で廃炉作業は数十年の歳月が想定されている。8年の間に生活の拠点が避難先に移ってしまった町民も多く、住民意向調査では「戻りたい」が約1割、「戻らない」が約6割という。この記述には重要なことが含まれている。町は国策によって一部が避難指示を解除されるが、特別復興再生拠点の整備で考えているのが2600人(内訳は帰還住民1500人と新住民1100人)で、記事が暗示するように、町再生のかなりを新住民が担う構図になっている。これは苦しい決断といえる。町の形は再生できても、人の再生は容易ではない。というより、人の気持ちは「町の再生」にとって重要な要素となり得ていない。「いつでも帰りたいと思った時に帰れるような仕組みを行政として作っていくことが大事」「長い目で見る必要がある」(本文引用)と町長は語るものの、再生された町がかつての「故郷」とは確実に様変わりする可能性は否定できない。「避難解除」を急ぎすぎることの結果が、こういった矛盾を生む。ならばどうすればいいのか。
チェルノブイリの事故でチェルノブイリ法と呼ばれる法ができたように、この国にも新しい試みが必要なことは確かだ。でなければ、「町の再生」はあっても「人の再生」は置き去りにされ、無慈悲な国策が怒涛のように推し進められるだけだ。「人を翻弄する再生」であってはならない。本日の我が家購読紙には、そんな視点はほぼなかった。あえていえば4面の16行極小記事に「枝野氏、地域経済訴え」があり、「地域の経済や雇用を支える農業や水産業といった第1次産業のあり方を訴える考えを示し(略)『お互いに支え合う社会を作り上げていく。国の仕組みを相当変えなければいけない』と主張。農業や水産業の分野について『地域の事情に合わせた持ち味をしっかりと活かし、地域の暮らしに即したお金の使い方や政策を進めていかなければならない』と語った」(本文引用)と、いささか隔靴掻痒の感が否めない内容の中に、未来志向の視点がようやく小粒ながら見えてきた。この国の政治は世界的に骨董品の部類に入っているのだろう。張り巡らされた国策の縦糸横糸が、新しい動きを阻害している。政治経済的に行き詰まった現状では、それはこの国の権力を握るものたちにとっても桎梏となっているのに違いない。「大規模規制緩和」の大波は彼らの焦りが焼結させたものであり、その一方で対決する側に有効な方策が見出せていないことの証明でもある。「国の仕組みを相当変えなければいけない」現状があるのだと思わざるを得ない。
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2019年03月10日

「風化」を狙って「風評」が蔓延する

8面「社説」に「原発被害からの復興 福島の『いま』と向き合う」がある。「福島県で今も、人々の心に陰を落とすのは、放射能をめぐる『風評』と『風化』の問題だ。原発周辺は住民の帰還が進まず、難しい課題を抱える一方、それ以外の多くの地域では放射線量が平常の水準に下がっている。食品の安全対策も効果をあげている。だが県外を中心に汚染の被害や健康への悪影響についての誤解、全体的に不安な印象などは消えていない。福島の現状は十分知られておらず」「地元では苦悩や葛藤が続く」「原発の敷地にたまり続ける低濃度の汚染水をどうするか。県産米の『全量全袋検査』をどう縮小していくか」「福島への関心が時間とともに薄れる中、なんとなく悪いイメージがうっすら固定化した人は、かなり分厚く存在するのではないか」(本文引用)などとある。ここまで読んで、「風評」と「風化」は二律背反の関係にある、とブログ主は思ったものだ。これの同居が事態を複雑化している。記事では触れていないが、3面「原発事故の費用『最大81兆円』民間シンクタンク試算 経産省試算は22兆円」の中に「『石棺』方式は、かつて『復興やふるさとへの帰還をあきらめることにつながる』などと問題になった」(本文引用)と記されている。最も効果的であり得た核物質の閉じ込め方式が、「復興」「帰還」のかけ声のもとに葬られた事実がある。「安心」「安全」より先に「復興」「帰還」が必須条件として設定され、それの進捗が半ば強引と思えるかたちで進められた。汚染水の海洋放出や、除染土の再利用。山林の除染は手付かずで、セシウム関連の減少だけが汚染の目安とされ、他の放射性物質は一般の目に触れにくい。住民の健康調査、被曝調査など軽く見積もられ、検査自体が縮小される現状がある。「風評」への配慮が「風化」を促進させる。政治に「放射線被害」の可能性が少なくなっているという言説は、「忘れさせる」ことに直線的につながる。「復興」優先はもともと「風化」優先なのだ。
政府や東電はいつも「引き加減」を見ながら事故処理に対応している。先に紹介した3面「原発事故の費用『最大81兆円』」は、経産省の試算を22兆円とおよそ4倍の開きを明示する。民間シンクタンク「日本経済研究センター」がどんな組織なのか知らないが、2年前には「総額70兆〜50兆円」と試算していた。その後、汚染水処理や除染などの状況を含めて再試算し88兆円。「石棺」方式を採用すると廃炉・汚染水費用51兆円が4・3兆円となり、総額は半分以下の35兆円。いますぐ「石棺」化しても事故対応費用は大幅に減る。最初の設定がズレていて問題が大きくなり、「心配」「不安」が余計な「風評」として蔓延し、「風化」「忘却」狙いが遠ざかるという関係になっている。さらにいえば、ここにも政府統計のインチキがもぐりこんでおり、庶民の感覚がほんものの「安全」「安心」から斜めに身を置く傾向を助長している。庶民感覚的には「風化」へひた走りながら、「風評」としての忌避感覚を募らせていくという自己矛盾にぶち当たっているというべきか。
「社説」に戻ると、「事故の被害をめぐっては、『放射能が心配/気にしない』のほかにも、『避難を続ける/地元に戻る』『原発はなくすべき/必要』など、多くの分断の軸が交錯する。ネット上では激しい攻撃の言葉が飛び交う。多くの人にとって『ややこしそうな』テーマとなり、日常の中で話題にしにくい空気は地元にもある。この状況は、数十年かかる廃炉などの後始末や、住民が散り散りにになった地域社会の再生をいっそう困難にしている」(本文引用)。地元で原発事故を話題にしにくくなっていることの背景に、「風化」を急ぎ、「風評」を恐れる政治的意図の誤算がある。この風潮の蔓延は、「原発やめろ」側の誤算でもある。そして翻って沖縄の現状を考える。いま沖縄では「本土が基地を受け止める意思はあるか」を問う声が大きくなっている。そして本土では「福島を福島以外で受け止める意思があるか」と福島から問われても、「原発やめろ」の側からその意思が広がる可能性はいまだ不在だ。本土の運動の質が2つの地域から問われている。
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2019年03月09日

米が「裏庭」でやっていることを知ろう

1面「『私たちを見て。これは人道危機』ベネズエラ ルポ」と2面「ベネズエラ 激しい貧富の差 妊娠中の妻と残飯あさる 月給より高い料理店盛況」「原油埋蔵量世界一の国なのに 80年代から負の連鎖」がある。中南米を自国の裏庭と看做してクーデターや経済制裁などで政情不安を演出し、政権転覆を計り続けてきたアメリカの姿がみえない記事になっている。2面に「米国は今年1月末の経済制裁で、国営石油会社の米国内の資産を凍結し、同社との取引を禁じた。これによりベネズエラは年110億ドル(約1兆2200億円)の輸出収入を失い、経済はさらに悪化する見通しだ」(本文引用)とあり、この部分だけが米の関わりを示す。1面の「経済破綻 細る母 薬ない子」の「人道危機」に米が絡んでいることを、たったこれだけの記述からでは読み取れない。「人道危機」の元凶はどこにあるか。長年にわたる米の政権転覆工作がなぜ語られないのか。天下の大新聞がこれでは恥ずかしい。
「ベネズエラのための緊急声明2019 主権尊重・悪意ある制裁の解除か、米国の軍事介入か?」というHPで、「ベネズエラ情勢に関する有識者の緊急声明 〜国際社会に主権と国際規範の尊重を求める〜」という表題の文章をみつけた。ベネズエラにチャベス政権が誕生したのは1999年。2002年に米はチャベス「独裁」を批判するという形で財界人を押し立てた軍のクーデターを演出して政権転覆を目論んだが、大群衆が「チャベス奪還」を叫んで立ち上がり、企ては失敗した。この時だったか、内部で呼応するものをあてにして米軍艦船が大出動していた。今度の事態も同様な方向へ進もうとしている。グアイド国会議長が1月23日の街頭デモの中で「暫定大統領」を宣言し、米とEU諸国がただちにこれを承認。一気に二重権力状態を作り上げた。前回の失敗を教訓にしてか、経済封鎖を含めて無数の策を講じており、ベネズエラにとって命綱である石油の価格が暴落し、経済が大混乱に陥っているという。経済制裁は激しさを増し、いつか全面破綻する危険がある。現状はブラジル、コロンビア、アメリカの軍が3方からベネズエラを包囲し侵攻の機会を伺っている。「声明文」は最後に以下のように記し、メディアの正確な報道を求めている。
*******呼びかけ*********
わたしたちは、本声明をもって日本の市民と政府、とりわけメディア関係者に以下を呼びかける。
▼ベネズエラの事態を注視し、独立国の主権の尊重と内政不干渉という国際規範に則った対応を求める。
▼国際社会は、ベネズエラが対話によって国内分断を克服するための支援をすることを求める。(メキシコ、ウルグアイ、カリブ海諸国、アフリカ連合等の国々の仲介の姿勢を支持する)
▼ベネズエラの困難と分断を生み出している大国による経済封鎖・制裁の解除を求める。
▼メディア機関が大国の「語り」を検証しつつ事実に基づいた報道をすることを求める。
******呼びかけ終了*******
我が家購読紙は大手商業紙の中でまだ頑張っている方だと思うが、ふにゃけた記事しか書けていない。以下はこのサイト「緊急声明2019」で紹介されているビデオ映像で、ブログ主自身まだ見てないものもあるが、しっかり参照して、自分の気持ちをはっきりとさせておきたいと思っている。サイトのてっぺん3行目は「最新情報」「『声明』+通信」「メッセージ」他へ移動する目次欄になっている。映像も文章も参考になる。
*******参考映像*********
☆「ベネズエラ危機2019 平和と安定のために(映像ドキュメント.com制作)YouTube」
☆「解説付きで2月1日のイシカワ駐日ベネズエラ大使の記者会見【山田厚史の闇と死角+映像ドキュメント】」
☆「参考までに:ドキュメンタリー『隠された動機』」(2017)
*******参考映像終了*******
☆「ベネズエラのための緊急声明 2019」
http://for-venezuela-2019-jp.strikingly.com/
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2019年03月08日

「魔の2015年」が行き着くところ

1面トップ「景気すでに後退の可能性 1月動向指数 判断引き下げ」の記事。「景気動向指数の1月の基調判断について内閣府は7日、これまでの『足踏み』から『下方への局面変化』に引き下げた」「1月より数ヶ月前に『景気の山』を迎え、すでに交代が始まっていた可能性が高いことを示す」「08年に始まった基調判断で『下方への局面変化』としたのは、これまでに4回ある」「2回は後退と認めた」(本文引用)という。3面「中国減速 日本を直撃 景気すでに後退の可能性 家電に半導体 生産休止工場も」が詳しい。「国内の景気が、すでに後退しつつある可能性が浮上してきた。中国経済が変調した影響が本格的に及んできたからだ。日本はこのまま不況に入るのか」(本文引用)。過去4回の下方修正のうち2回は11年の東日本大震災と14年4月の消費増税落ち込みのときで、一時的だったので後退とは認めなかった。08年のリーマン・ショックと12年9月の欧州債務危機については景気後退期間とした、とある。3面の添付グラフを見ると、民主党政権はリーマンから東日本大震災、欧州債務危機と、大きな節目をなんとか克服してきたのがよくわかる。その一方、アベノミクスがフル回転中の14年4月消費増税後の落ち込みは、必死の下支えにも関わらずなだらかに下降線をたどり、16年にようやく上がりかけて18年から緩やかに下ブレして同年後半、急激に落ち込んでいく。16年とはどんな年であったのだろう。
参考になるのは4面の囲み記事で「国民民主党・大塚耕平参院会長『官邸全体で慢心』」に「魔の2015年」との言葉が出てくる。大塚氏は「この時に(統計問題や森友学園問題など)いろんな事案で官邸の意向が強く働いたのではないかと思われる、いくつかの状況証拠がある」(本文引用)と指摘。なるほど、GDP計算法を財務省が言い出した時期を当ブログで調べたら15年12月9日の記事に「麻生太郎財務相は(略)『統計の取り方をもう一回しっかり検討しないと』と苦言を呈した」と書いている。景気動向指数が16年からだらけ気味な上昇基調になるのも、なにやら関連がありそうな気がする。3面の折れ線グラフのピークは14年4月に消費増税する直前のことで、そのあと急な落ち込みがあってからは、このピークを越えられずにいると見ることができる。そればかりではなく、必死で下支えしたあげく麻生氏の「統計の取り方をしっかり検討」発言で何かが変化し、だらだらと方向感の乏しい展開が続き、今回の下降局面に至ったといえそう。「魔の2015年」が背景にあるとしか言いようがない推移ではないか。
08年の落ち込みのあと、さらに2度の激しい経験をしながら奇跡のV字回復を続けてきたのが消費増税で帳消しになり、アベノミクスそのものがネックになって、まるで砂地に水を撒くような底なし地獄へ突入していったというのが真相か。経済の底力をつけるような健全なやり方を目指せばいいものを、なんとかミクスなんて気取っているうちに、後戻りできないところまできてしまった、失政の結果が現在というべきか。15年の魔の一声によってだら下がり瀕死状態にあった景気動向指数をやっと持ちこたえているように見せかけることができたが、デタラメでごまかし続けた結果、いまになって正常化する方法がなくなったのだろう。昨日の当ブログで触れたように、甲府市で講演したリフレ派日銀審査委員氏が、会場とバトルを展開したのも、彼らの末期症状を示している。
本日9面には「欧州中銀、資金供給議論へ」がある。ユーロ圏経済も減速懸念が強まりつつあるが、欧州中央銀行はいったん終了した量的緩和策を一転、ふたたび緩和方向へ転換するという。「民間銀行に低利の長期資金を貸し、企業が銀行からお金を借りやすいようにする」(本文引用)というが、日銀にはその余力がすでにない。中国経済の減速にも日米FTA交渉にも、打つ手がほぼなくなっており、経済界の危機感は強まるばかり。株価は昨年10月時点の水準に戻れないまま、いまや下落の真っ只中。欧州中銀のような対抗処置もできずにいる。4月の中西発言はどうなるか。健康に悪い緊張の日々が続く!
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2019年03月07日

地銀中心に再編・統合の動きがあるのかな?

本日の我が家購読紙は昨日と違ってメリハリがある。というか、ブログ主好みの記事がたくさんある。なかでも注目したのは9面で、「みずほ、損失6800億円 利益は予想より9割減 3月期決算」が筆頭か。「3メガバンクの一角、みずほ(略)FGが、2019年3月期決算で約6800億円もの巨額損失を計上すると発表」「純利益は従来見通しの5700億円から約9割減の800億円となる。人口減や超低金利で従来の銀行業は厳しい。旧来店舗の追加削減やシステム統合費を一気に前倒し計上することで、今後のIT投資などを加速させる」「みずほFGの純利益は、リーマン・ショック直後の09年3月期の赤字以来の低水準となる」「三菱UFJと三井住友FGは、28年4〜12月期決算で業績目標の9割超を達成したが、みずほは7割だった」「メガバンクでも地方店舗が多いみずほは銀行業の比重が大きく、『収益構造はメガバンクでも地方銀行に近い』」「今後も超低金利は長引く見込みで、従来型の銀行業の大幅な回復は見込めない。かつて収益の柱だった市場部門も国債取引は超低金利で厳しく、海外投資も米中貿易摩擦などで世界経済の不透明感が強まる」(本文引用)とある。ブログ主は、今年の焦点は地銀の統廃合かなと思っていたが、「メガバンクでも地方銀行に近い」収益構造を持つみずほが、3メガのうちで唯一大幅損失を計上するという話が浮上し、矛先をちょっとずらされた感じがした。だが、少し考え直して「大筋はやはり地銀の経営悪化が顕著になり、統廃合がはじまるのか」と推測を立て直した次第。
関連で、たとえば日経の記事で興味深いものがある。「政府は地方銀行や地域乗り合いバスの統合基準を見直す。地域サービスの存続に着目した新法制定などで独占禁止法の審査に例外規定を導入し、地域シェアが高くなっても統合を認めやすくする」(本文引用)というもので、「地銀やバス」という括り方が奇妙に感じてメモしていたが、改めて記事を読むと、記載された円グラフで疑問の一端が示されていた。「連続赤字の地銀が増えている」として、2017年度106行中黒字は52行、残りは赤字で、5期以上連続赤字なのが23行もある。「人口減で地銀やバスの経営基盤は年々弱まっており、統合による効率化が必要との指摘は多い。金融庁によると17年度は全国の地銀と第二地銀の約半数の54行が本業で赤字を計上」(本文引用)と書かれている。バスとセットで語るところがニクい演出といえる。原因は人口減であると言いたいわけか。そこで独禁法に例外規定をつくり「5〜10年の時限措置とし、期限後に見直す案が出ている。期限を区切ることで地銀やバスの早期の再編を促す狙いがある」「2020年の通常国会に提出を目指す。20年には新基準による統合審査を始めたい考え」(本文引用)という。
☆「地銀やバス、統合促す 独禁法審査に例外規定」日本経済新聞3月4日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41997420U9A300C1MM8000/?n_cid=NMAIL007
上記は来年度の実施になるというが、事態はそこまで待っていてくれるかどうか、予断を許さない。我が家購読紙9面には「みずほ」巨額損失の記事に続いて、表題を含めて1段組わずか26行の記事で、「銀行経営悪化『妙だ』と反論 緩和巡り日銀審議委員」がある。日銀の審議委員が甲府市内で講演し、「『大胆な金融緩和によって日本経済全体によいことが起きているのだから、それが金融機関にはやってこないというのは妙だ』と述べた。日銀の金融緩和政策による超低金利で経営が悪化している、という金融界の批判に反論」「『金融緩和がなければ、金融機関経営はもっと悪化していた』との論陣を張った」(本文引用)という。「金融緩和がなければ経営はもっと悪化していた」というのは、基本的に反論とはいえない。重大な責任を負わされ追い詰められた日銀リフレ派があげる、断末魔の金切り声に聞こえてしかたない。この国では、上へ行くほど責任を取らなくていいシステムが遠い歴史の彼方から連綿と続いているから、彼ら中堅はいま土壇場で責任のあまりの重さに慄いているのかも・・・。
posted by ガンコジージ at 10:43| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月06日

重たい記事が多いのに全体に散漫とは

平日というのに一点注目記事がない、不思議な新聞紙面に当惑。とりあえず4面の記事を中心にあっちこっちから刈り集めて読む。まず、「『隠蔽』否定 監察委に批判 統計不正 野党『勝手な定義』」から。「毎月勤労統計の不正調査問題について、厚生労働省の『虚偽』は認めても『組織的隠蔽』を否定した特別監察委員会が(略)野党の批判の的」「監察委(略)委員長は独自の『隠蔽』の定義に当たらないとの説明を繰り返し」。福山氏質問:「真実に反することを認識し虚偽の申請を行ったことは隠蔽ではないか」。樋口委員長反論:「虚偽申述と隠蔽行為は異なる概念だ」(本文引用)。「うそ」はついたが「隠す」はなかったという詭弁。「では、なんのために『うそ』をついたか?」と問うのが普通だ。背景的意図がない「うそ」ということは、「ただの冗談」ということになるのか。「詭弁論理学」という本があるそうで、その著者曰く。「『虚偽』は簡単にいえばうそで、『隠蔽』はそれを隠すこと。今回はうそをついて隠しており、両方成立している」(本文引用)というが、背景的意図がない「うそ」はガキの戯言くらいしかない。国会で「ガキの論理」が展開するマカ不思議。こんな詭弁が通るのは、政権トップが率先して「ガキの論理」を繰り返すようになってからだろう。ワルは・・・あいつ!
上記記事のとなりに「菅長官会見 改めぬ姿勢 『あなたに答える必要ない』『取材じゃない』 『簡潔に』催促も 報道室長」がある。「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム(スメアゴル)と、いよいよ酷似していく長官殿の「すれっからし」顔が、彼の肝の小ささを彷彿とさせる。記者クラブで記者の質問に丁々発止で答える力量がないゆえの態度か。こんなつまらん人がこの国の中心であぐらをかいている。行き着いた先のお寒い極北的風景に、自民党内部でもねじれた本音が浮上し始めている。「ポスト安倍『菅がいいじゃないか』」なんてほぼ放言だな。スガ総理大臣なんて冗談、というよりやけくそ。アベシ以上に力量不足なのを知っているのにあえて言う自民党内の重苦しさに寒気がする。
☆「ポスト安倍『菅がいいじゃないか』権勢誇る二階氏の深謀」朝日新聞3月2日
https://www.asahi.com/articles/ASM2W5745M2WUTFK012.html?iref=pc_ss_date
今年はいよいよ日米FTA交渉が始まる。円安ドル高を嫌う米は、日本の「意図的な通貨安誘導」を阻止する「為替条項」を要求するつもりでいる。政府は大量のポンコツ兵器を買い入れるなど、必死に媚を売って防戦に努めているが、たぶん功を奏さない。新聞論調は国際経済の不安定要因を米中通商戦争としているが、それは確かに重大な要因であると同時に、日米FTA交渉の行方が与える影響はさらにシビアだろう。1面「中国経済『試練増える』 6〜6・5%成長に引き下げ 全人代開幕」、3面「中国経済 内憂外患 想定超す成長鈍化■米との通商紛争」、4面「日中経済対話向け河野外相が訪中へ 来月中旬 周氏来日へ調整も」、10面「中国 売れない作れない 対米紛争響きニット工場閑散」「庶民の不安解消測る」「総合対策『不十分』の見方」、14面の社説」の「中国全人代 危機感を改革に向けよ」など紙面は全面的に米中に注がれ、(中国は)「危機感を改革に向けよ」と息巻いているが、その指摘はまずこちらの国内事情に向けるべき。打つ手をなくした国内事情が国際的な激動にのたうちまわる可能性を否定できない。11面「正恩氏、成果なき帰国 米朝会談不発 中韓ロ接近も」と「反政権グアイド氏堂々帰国 ベネズエラ出国禁止令破る 空港に各国外交官」「逮捕なら抗議激化・欧米反発」「見送れば政権の威信揺らぐ」の記事。両方にボルトン米大統領補佐官の姿がちらつき、記事もその辺りに寄り添っているのがみてとれる。以下の記事にも注目!
☆「米朝会談破談の“黒幕”はボルトン…突如ハノイ交渉出席の謎」日刊ゲンダイ3月2日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248648?fbclid=IwAR00tc-7aJg_jOciVAZs48EIImWWzWCnZ5TWCnDk0EfMBJXm3tyHWzmhRhM
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2019年03月05日

現在がこれだから過去を清算できない

1面トップは「日立と系列10社 勧告・指導 技能実習生の業務巡り」の記事。「日立製作所とグループ会社10社の計11社12事業所が昨年4〜9月、国の監督機関『外国人技能実習機構』の実地検査で、技能実習適正化法違反があるとして改善勧告や改善指導を受けていたことがわかった。朝日新聞の取材に日立が認めた。実習での必須業務を技能実習生にさせていないなどの違反が指摘されていた」(本文引用)という。特定の技能を習得する目的の実習生に対して、必須業務をさせていなかったとか、最低賃金に満たない賃金しか払っていなかったとかが指摘されており、「おいおい、天下の日立がなにをやっとんじゃ」とあきれてしまった。日立といえば経団連会長の中西氏が会長を務める超大企業。それがなんとまあセコイことをやるではないか。さらに呆れたのは、技能実習適性化法違反で実習計画の認定を取り消された会社に三菱自動車やパナソニックもあるということ。これはもしかしたら、日本の大企業様たちの内情はもっとサンタンたる状況なんじゃないのかね、と思ったわけで。38面には関連記事「日立 最低賃金届かず 実習生『必須の業務一切していない』」がある。「計11社が」「数々の技能実習適正化法違反を指摘され」「グループで30万人を雇い、経団連会長を出した日本有数のグローバル企業の足元で、実習生を不正に働かせていた実態が明らかになった」「11社に実習生を紹介したのは『協同組合フレンド日本』(略)実習を監査する管理団体だが、朝日新聞が入手した録音記録によると、実習目的と作業内容が一致していないことを訴える実習生に対し、説得に回っていた。FNの担当者は『全然違うじゃないかというのは分かる。ただ、みんなの思っていることをクリアさせてあげるのは現実的に難しい』となだめていた」「管理団体としては最大手の一つだ。国はFNが適切に実習を監査していたかどうかを調べた上で、処分を検討している」(本文引用)という。「数々の」というのは尋常じゃない。管理団体が適切にやっていたかどうかもちゃんと解明する必要がある。それにしても技能実習の闇は深い。発覚しなけりゃ底なしになっていた可能性が強い。いやすでに底なしと言うべきか。「実習不正があると見る国は、笠戸での実習計画や実習生の査証(ビザ)更新を認めず、日立は昨年10月から計99人の実習生を相次ぎ解雇」「中西宏明会長は(略)『(実習生の)ビザが変更されたので、就労させると違法になる。違法を避けるため、とりあえず解雇した。(笠戸での技能実習に)違法性はないと信じている』などと説明していた」(本文引用)。対象となる30万人全員の調査が必要で、損害賠償問題でもある。
技能実習では、以下のような実態が浮かび上がっている。昨年の臨時国会で問題が発覚したとき、「『失踪技能実習生の現状』を聞き取った調査票の集計方法について問題があることが発覚、野党合同ヒヤリングなどで厳しい追求がされ』『野党議員による調査(調査は法務省が複写を許可しなかったため、議員自らが交代ですべての個票を『手書き』で書き写し、再集計)の結果、調査項目にある、『低賃金』『低賃金(契約賃金以下)』『低賃金(最低賃金以下)』にチェックが入ったものすべてが、『より高い賃金を求めて』失踪したとまとめられていたが、実際は、全体の67%にあたる1939人が『最低賃金以下』であったことが明らかになりました」(本文引用)。「最低賃金以下」=「より高い賃金を求めて」か。とうぜん、同じはずがない。写真を見る通り「黒塗り」も極まれりである。自衛官が自治体の名簿を手書きで写すのがかわいそうと言う前に、これをなんとかすべきだろう。「徴用工」の問題を「解決済み」として放置する現状に、過去から連綿と続き、改められることのない同質の問題をみる。この国の宿痾というべきか。
☆「【お知らせ】『失踪技能実習生の現状』調査票が全面黒塗りで開示されました」SMJ移住連3月2日
http://migrants.jp/news/jouhoukaiji-result/?fbclid=IwAR2fjLjZc2sQUWmENn4qqxMLzh68BXRIIc929kicIAJANRovYJb276kVYdE
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2019年03月04日

未来3代にわたる構想が必要なとき

先日、太陽光発電の乱立で反対運動を展開しているリーダーに会って話をした。そのとき私見として、国内のパネル販売はかなり低迷してきており、もうじき国内的には大手は畳んでいく方向ではないか、と話させてもらった。だが、リーダーは「そんなことない」と自信を持って反論してきた。まさか、反対運動をリードしている人が現状認識を間違えるはずもないと思い、そこであらためて調べてみることにした。最初の資料として以下の記事が参考になったので紹介。「太陽光パネルの国内出荷量は、前年度比17%減の524万キロワットとなり、3年連続で前年度を下回った。ピークだった14年度の921万キロワットから40%縮小」「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が起爆剤となった需要拡大が終わり、縮小に歯止めがかからない」(本文引用)。京セラやパナソニックの販売実績低迷、国内生産拠点の縮小など語られている。やはり大手が縮小傾向にある。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。反対運動するには認識甘くないか」と思わざるを得なかった。
☆「太陽光パネルの国内出荷量、縮小に歯止めがかからない」日本工業新聞18年5月25日
https://newswitch.jp/p/13063
上の記事は昨年5月のもの。次の記事は8月のもの。2016年に新設された発電事業者は29%減、2年連続で前年割れとあり、太陽光パネルの出荷量も住宅用は2011年並みの水準まで低下しているという。さらに太陽光関連事業者の倒産も急増し、2017年は9月までで過去最多を更新と、すごい勢いである。世界的には中国とアメリカが牽引中で需要は絶好調、「両国は2012年まで年平均2割の成長が続くと予測されて」(本文引用)いるのに、日本だけが雨マーク(極端にしょぼい状況)という。「原発の下請けに成り下がっている」とリーダーはおっしゃっていたが、下請けとしてはあまりに非力。引き立て役にもなっていない。
☆「日本だけがガラパゴス化? 縮小が進む国内の太陽光市場【エネルギー自由化コラム】」エネチェンジ18年8月13日
https://enechange.jp/articles/solar-power-decreased
以下は上記2つの記事の流れを受けた昨年11月末の記事。京セラがジリ貧状態にあるという。「05〜08年、米ヘムロックとその子会社との間で太陽電池セルの材料となるポリシリコンの長期購入契約を4回にわたって結んだ。このうち最長で20年まで続く予定だった複数の契約を見直し、購入義務を解消した。これに伴いヘムロック側に支払った前金を放棄するほか、ポリシリコンの在庫をヘムロックに代物弁済する。京セラとヘムロックは15年から日米の裁判所で契約の有効性を巡って争っており、和解金も支払う。代物弁済しない一部在庫に関しては評価損を計上」「太陽光発電関連を含む生活・環境事業は、19年3月期の部門損益が720億円の赤字(前期は554億円の赤字)となる見通し。今回の見直しで今後は割安の原料調達がしやすくなり、来期以降の採算改善につながる可能性がある」(本文引用)
☆「京セラ、太陽光事業で損失511億円 19年3月期」日本経済新聞18年11月28日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38286240Y8A121C1TJ1000/
このような情勢を考慮したら、現状で収束を前にして利益確定に走る企業側との時間を掛けた戦いになるのではないか。彼らは逃げ得を図ろうとしている。そのあとで、大枚叩いて粗悪地にパネルを設置した人たちの苦闘が始まる。そのとき必要なのは、重たい苦悩を抱え込んだ人たちを救う方策を提示できるかどうかではないか。そこまでやらなければ、荒れるに任せる森林や耕作放棄地などに悩む農山村の人々との心理的溝は埋まらない。かえって怨みを買うことにもなりかねず、未来3代にわたる禍根を残すこともありうる。いまが最も心してかからなければならない正念場ではないか。本気で自然豊かな山野を子孫に残すというのなら、「いまからどうするか」の構想が必要と思う次第。
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2019年03月03日

歴史のキズは消さずに継承すべきものだ

1面に「被災の記録 残らぬ恐れ 42市町村の過半数 既に廃棄も」の記事。29面には関連で「震災記録保存 市町村任せ 失われた 避難所日誌も 大川小児童の聞き取りメモも」がある。個人的な思いとともにここへ記録しておく。「ひとつの解決策が電子化だ。岩手県では久慈市と野田村、普代村が14年度に『震災アーカイブ』を整理、震災公文書など計約9万件を電子化し、永年保存した。一部はインターネットで公開している」(本文引用)。被災地にとっては苦しい思いもあるだろうし、物理的に保管が難しいこともあろう。だからいまは、後々、ブログ主自身が何かの思いから参照したくなる時のために、上記3市村の努力を書き残しておく。
9面週刊誌「AERA」広告に「玉城デニー沖縄知事単独1時間『一国二制度を目指す』 国民投票で7割が辺野古埋め立て反対『ウチナーンチュの思いがしっかり出た結果』 提言 @日米両政府と沖縄で作る新しい協議機関の設置 A将来は自治州的一国二制度がベスト」がある。これは「AERA」を買って読まなくちゃならない、と思った。地方をここまでコケにする政治が横行する。ただ単に「地方」というにとどまらない。明治維新まで沖縄には約500年続いた琉球王国があった。「琉球新報」から「琉球処分」に関する記述を引用すると、「明治政府による琉球藩設置から分島問題の終結までをいう。明治維新にともない、1872(明治5)年、明治政府は〈琉球国〉を廃して〈琉球藩〉とし、廃藩置県に向けて清国との冊封関係・通交を絶ち、明治の年号使用、藩王(国王)自ら上京することなどを再三迫った。が、琉球が従わなかったため、79年3月、処分官、松田道之が随員・警官・兵あわせて約600人を従えて来琉、武力的威圧のもとで、3月27日に首里城で廃藩置県を布達、首里城明け渡しを命じ、ここに事実上琉球王国は滅び、〈沖縄県〉となる。華族に叙せられた藩王(国王)尚泰は東京在住を命じられた。しかし琉球士族の一部はこれに抗して清国に救援を求め、清国も日本政府の一方的な処分に抗議するなど、問題は尾を引いた。外交交渉の過程で、清国への先島分島問題が提案され、調印の段階まできたが、最終段階で清国が調印を拒否して分島問題は流産、琉球に対する日本の領有権が確定した」(本文引用)
以下に「薩摩『琉球侵攻』、明治政府の『琉球処分』を振り返る」という詳しい記事がある。「薩摩侵攻を『第一の琉球処分』、明治政府による併合WP『第二の琉球処分』、沖縄戦→施政権譲渡→米軍占領を『第三の琉球処分』、民意を無視した軍事基地つきの沖縄復帰を『第四の琉球処分』と呼ぶ議論、そして自民党政権の沖縄基地容認・日米地位協定容認政策を別の琉球処分ではないかという議論が相次いだ」(本文引用)とあり、その記述はとても重い。いま自民党政権が強行していることが、過去の政治が続けてきた過酷な施策の紛うことない延長線上にあることを痛感させられる。以下のURLに「琉球処分」関連の一覧表があり、下から2番目に上記紹介記事があるので参照されたい。なるほど、玉城デニー知事が「自治州的一国二制度」をベストと語る理由がはっきりとわかる。やはり、現政権はいわゆる「戦前」を目指しているというより、根本で第2の明治維新を狙っているのではないか、と思わざるを得ない。それなら、我々は植木枝盛が考えた「第2の改革」を掲げて、明治の自由民権が果たせなかったその先を、いまこそ成し遂げる途上にあると考えるべきではないか。自由民権家を東京から追い出して挙行した明治憲法発布の大ちょうちん行列は、現在なら20年の東京五輪にあたる。逆転した歴史の歯車の向こうに、そんな政治の底意がのぞいている。
☆「−薩摩の『琉球侵攻』、明治政府の『琉球処分』を振り返る−」:一人ひとりが声をあげて平和を創る メールマガジン「オルタ広場」の記事一覧の下から2行目参照
http://www.alter-magazine.jp/index.php?word=%E7%90%89%E7%90%83%E5%87%A6%E5%88%86&type=OR&cmd=search&encode_hint=%E3%81%B7
posted by ガンコジージ at 11:56| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月02日

辺野古県民投票のその後の動き

7面に「日米+沖縄県で協議を 玉城知事提案 首相はゼロ回答」がある。「沖縄県民投票の結果を受けて1日、安倍晋三首相に『辺野古移設NO』の民意を伝えた玉城デニー知事。沖縄の基地負担軽減策をまとめた日米特別行動委員会(SACO)のような日米の協議に県を加える新たな枠組みを求めたが、政府は取り合おうともしていない」「提案したのは『SACOWITH沖縄』(SACWO)」「だが、首相は『日米合意から20年以上が経過する中において、もはや先送りすることはできない』と強調」「官房副長官も(略)『普天間飛行場の危険性除去といった米国との交渉は、政府が代表して行うべきもの』と構想に否定的な考え」「示されたのは、『ゼロ回答』」「『民意を顧みない政権』という世論が醸成されることに期待をかけている」「米国の世論に訴えかけようと、昨年11月以来の訪米も検討している」(本文引用)
14面「声」欄に「『国民主権』なら強行せず議論を」がある。憲法について習っている真っ最中に政府がその原則を踏みにじる。おかしいじゃないか、という真っ当な意見が掲載されている。ブログ主の意見も交えていうなら、地方が一丸となって意見を表明した。それは「地方の民意」だが、国政に関わることは政府がやるというので論理が通じるわけもない。現に、「地方」をないがしろにする政治の論理が、さまざまな無理難題を含む法を成立させながら、地方を疲弊させていく現状がある。「地方の民意」は国政を担う政府にとってお荷物なのか。それは、「声」の投稿者が学んでいる「憲法」とまるで整合性がない。地方には適当にカネをばら撒き、儲ける奴を仲間に引き入れておけばそれでよし、というのが本音で、あの石原伸晃が奇しくものたまったように、「カネでしょ。カネ」というたぐいの観点しか持ち合わせていない。カネで抑え込める段階まで県民があきらめてしまえばこっちのもの、とタカをくくってきたのが歴代の自民党のやり口だった。それが面従腹背の腹芸で「民意をうまく操縦」する奸策に長けた自民党老獪政治屋たちのやり口だったが、今の政権は「面従腹背」の策謀術を見失い、「真摯に」「寄り添う」「話し合う」などと綺麗事を言うそばから本音を丸出しにする。対応に苦悩するフリもできない稚拙な政治しかできなくなっている。これじゃあいくら庶民が「心優しく」ても、見抜かざるを得ない。いつかはしっぺ返しが来ることを、彼らは覚悟していない。
県民投票で新聞報道はどうだったか。35面に「沖縄県民投票 割れた見方 辺野古『反対の民意』『投票率『広がり欠く』」の記事がある。朝日、毎日、日経、読売、産経の記事を比較し、前3紙が「反対の民意」が示されたことを伝える一方、読売と産経は投票率が低かったこととか、全有権者のたった4割しか「反対」しなかったとか、否定的内容であったと書かれている。産経の「有権者6割『反対』せず」という記事があったというのは驚き。いつの国政選挙だったか、たった25%の得票で最大多数の議席を確保していまや驕り高ぶりの絶頂にある政党があるが、その場合だと、「有権者のたった4分の1の得票しかなく、75%が『支持』せず」ということになる。批判各紙はそれをどう書いたのか気になるところではある。読売社説は「県民投票で是非を問うのはなじまない」「複雑に利害が絡む国政の課題は、有権者に直接問うのではなく、国政選挙で選ばれた国会議員に委ねるべきである」(本文引用)。産経社説は「今回の県民投票はその内容にかかわらず、民主主義をはき違えたものである」「(移設は)県民の『直接の民意』だけで左右することはできない」(本文引用)と書く。日経は「『県内移設はやむを得まい』とする一方、『一方で必要なのが、基地負担が減っていくと言う実感を沖縄県民に与える努力だ』と説いた」(本文引用)。近ごろ報道の責任が問われることが多くなったが、政府広報誌にだけはなるまいよ。そうなったらおしまいだ。と思っていたら、上記のうち某紙は、なにやら店じまいか経営縮小か、ややこしい事態に追い込まれている模様。やはり政府広報は、庶民的に嫌われるんでしょうかね。
posted by ガンコジージ at 09:27| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする