2019年04月30日

思考停止から抜け出す道

今日の新聞のなんというくだらなさ。ほぼ全ページがお祭りムードじゃないか。こんなのが10日も続くのかと思うとゲンナリする。こんな紙面ではブログに書く価値のある記事を探すのが難しく、本日はお休みにしようかと思ったくらいだったが、最後にやっと、30面「思考停止 変える力を  作家・高村薫さん寄稿」に出会い、ほっと息をついた。「平成を通じ社会や人間のあり方を問う作品を発表し、時事問題についても積極的に発言してきた作家の高村薫さん。この30年への思いをつづってもらった」(本文引用)と冒頭にあるが、内容はさすがに高村氏だと思った。長いので要約できるところをできるだけ要約し、引用をまとめてみると、“平成は土地投機に踊ったバブルの崩壊で始まったが、90年台前半は国民の多くが「経済はいずれまた上向く」と信じていたし、政権交代をさせるほどのエネルギーは持ち合わせていた。この国がこれまでと違った時代に移行したと思われだしたのは、金融機関の大再編過程が始まって「失われた10年」とささやかれるようになって以降、終身雇用が崩れ非正規雇用が増加。生活にも閉塞感が広がっていく。内向きで刹那的な生き方が蔓延し、阪神大震災も地下鉄サリン事件も自分と無縁の出来事として片付ける風潮が広がる。その一方で爆発的に広がったネット社会の進化は「日常的に接する情報量を飛躍的に増大させ(略)コミュニケーションのかたちを一変させた」「私たちはまさに日常と非日常の境目が溶け出した世界を生きている」「日夜スマホで他者とつながり、休みなく情報を求めて指を動かし続け(略)私たちはほとんど何も考えていない。スマホは、出口が見えない社会でものを考える苦しさを忘れさせる、強力な麻酔になっている」「大都市神戸が震災で火の海になっても、あるいは東北沿岸で1万8千人が津波にのまれても、またあるいは福島第一原発が全電源を失って爆発しても、日本社会の思考停止は基本的に変わることがなかった」(本文引用)”(前半部分の要約)
ここまでの文章で思う。ブログ主自身が「またいずれ経済は復活するさ」程度の認識でいたことを否定できない。自分たちの生きてきた過去から未来を思って、かなり長いこと「いまはけっこう大変だけれど、そのうちなんとかなるさ」と楽観し、細々と生きることに徹してきたような気がする。個人的には21世紀開始と同時に発生した911のWTC航空機突入で受けた衝撃を忘れることはできない。「時代が変わった」との認識はあった。それでもまだ幻想の痕跡が心の底に残っていた。それを根っこから覆したのは311だった。「ついにこの国はこれまでと違う世界を生きなければならなくなった」と本気で思った。その気持ちの奥には「いま変わらなければ、この国はダメになる」という思いがあったのは確かだ。そして8年が過ぎ、原発事故を最後にこの国に残されていた変化するエネルギーは消滅しつつあるのか、と思う。
記事にも同様の指摘を感じる。「持続可能な新しい生き方へ踏み出す意欲も機会も見失って、私たちはいまに至っている」「この30年間に世界経済は激変」「中国のGDPは今や日本の3倍」「お家芸だった製造業の多くは苦境にあり」「世界が猛烈なスピードで変わり続ける一方、この国は産業構造の転換に失敗し、財政と経済の方向性を見誤ったままなおも経済成長の夢にしがみついているのだが、老いてゆく国家とはこういうものかもしれない」「この国にはもはや変化するエネルギーが残っていないのだ」(本文引用)。そして氏は結論する。少子高齢化も貧困と格差の拡大も、破綻した原子力政策も、見て見ぬ振りをし続けた平成30年の結果もたらされたものだ、と。そして「どんな困難が伴おうとも、役目を終えたシステムと組織をここで順次退場させなければ、この国に新しい芽は吹かない」「何よりも変わる意思と力を持った新しい日本人が求められる」(本文引用)として文章を終える。希望はあるか。「土の記」に従えば、人間はまだその段階に至っていない。混迷はなお続き、決定的破局の可能性はいまも目の前にある。そんな気がしてならない。
posted by ガンコジージ at 11:40| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月29日

「夜と霧」「ブリキの太鼓」「愛の嵐」etc

4月28日1面「折々のことば」はフランクルの「夜と霧」から。「異常な状況では異常な反応を示すのが正常なのだ」「ずっとこの酷薄な場を逃れることだけを希っていた」「感情を麻痺させることでしか生き延びられない、極限の状況だった」(本文引用)。これを読んで、凶暴な支配が最も効果的であることの意味を改めて考えた。たとえば独映画「ブリキの太鼓」を見て不思議に思ったのは、ナチスの前身党が産声を上げたとき、からかわれたり石を投げられたりしていたことだ。すこし後に事情が変わり、逆転して熱狂的な風潮が生まれる。価値観が振り子のように大きく揺れる。嬉々として集い、熱狂する人々の様子を描く場面では、舞台裏を歩く主人公が野グソを踏んで顔をしかめる。彼は隠れた汚らしさに直面し嫌悪を催したのだが、しばらくすると汚らしさは大手を振って街路を闊歩するようになる。これが次の逆転で、あとは坂道を転げ落ちる勢いでとめどない深みにはまり込んでいく。「異常な状況では異常な反応を示すのが正常」という流れがどんどん進み、大破滅に至る。映画のラストは、大破滅のあと列車がダンツィヒ(ポーランド名グダニスク)からドイツへ向けて走り去っていく場面で終わるが、その行く手に待ち構えるのは、また「同じことが続く可能性」の予感だった、という話。
たしかにその予感は当たっていた。イタリア映画「愛の嵐」に移ると、ナチの絶滅収容所でドイツ人将校の目に留まり、生きるために必死に求めに応じ続けたユダヤ人少女と将校との屈折した愛が語られる。戦後、ベニスでホテルマンをしていたナチス将校と、いまは裕福な生活をしている女性(収容所の少女)が出会う。そして繰り広げられる自虐的で倒錯した愛の関係。それが延々と繰り広げられる。みていて馴染めない場面ばかりだが、ラスト、「もう一度生きると言うのなら、またこの道を選ぶわ」(記憶なので曖昧)と、ものうげな歌が流れる。さらにオーラスで二人は手を取り合って愛の逃避行を決行。その途上で何者かに撃たれて死ぬ。見終わったあと残ったのは「なんでもう一度こんな愛を生きたいの」という大きな疑問符だけだった。
生煮えの感触が残ったが、つい最近、その答えを得た気がした。イスラエルの女性閣僚が「ファシズム」という香水を手に「ファシズムは民主主義の香り」とのたまう衝撃的な映像を見たとき、疑問が氷解した。イスラエルはファシズムによって激しい傷を負い、ファシズムを身のうちに宿してしまったのだ。極論すれば、シオニズムとファシズムは表裏の関係となり、イスラエルを縛っているということになるだろうか。リリアーナ・カヴァーニ監督は半世紀も前にそのことを大胆に活写していた。相反するものが互いを傷つけあいつつ「倒錯した愛」に絡め取られていく。その悲しくも凄惨な成り行きが、最後の場面で衝撃の結末を迎える。橋の上で射殺される二人に、「もう一度生きるというのなら」の音楽が物憂げにかぶさる。
凄まじいラストだが、新しくひとつの疑問にとらわれる。射殺したのはナチスの残党だったと思う。なぜだろう。「倒錯した愛」は、やはり「ナチス的なもの」によって死をもたらされるとみるのが妥当だろうか。悲しい自滅を表しているとしたら、監督の視点は、すさまじいまでに透徹していたといわざるをえない。ファシズムという香水が本当にあるのか、あるとしたらどこのだれが創って売り出しているのか。ありえない気がする。それこそ当然のことながら、イスラエルは激しく批判するのではないか。批判するどころか、なんでイスラエルの現役の女性閣僚が「ファシズムは私にとって民主主義の香り」なんて発言をして、危険な香水の香りにうっとりするのか。「異常な状況では異常な反応を示すのが正常」という倒錯の心理は、歴史を貫いて何度も立ち現れる。「異常な状況では異常な反応を示すのが正常」という倒錯が、いま私達が住むこの国で立ち現れようとしているのなら、それは延々と続く生活の不安を麻痺させるための生存本能ががもたらした、異常なのだろうと推察するしかない。これに対抗する視点を人々の中に育てることが、残された唯一の方法ではないか。それも早急に。
posted by ガンコジージ at 11:04| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

強者にへつらい弱者で鬱憤を晴らす

1面「貿易交渉『5月末合意も』 トランプ氏発言首相困惑」の記事。26日の日米首脳会談で「安倍晋三首相はトランプ大統領の機嫌を損ねず、蜜月関係をアピールする『抱きつき外交』を展開したが、思惑通りにはいかなかった」「トランプ氏は日米貿易交渉の5月末合意に言及」「日本としては、結論を出すのは最速でも7月の参院選以降と踏んでいた」「会談後、首相は記者団から(略)問われたが」「むしろ北朝鮮問題について議論した内容に重点を置いて語った」「日本政府は『5月の合意はない』(略)などと、火消しに躍起になっている」(本文引用)。2面関連記事「交渉焦るトランプ氏 『5月末』発言 再選へ成果急ぐ」中見出し「『FTA』回避?農産物で譲歩? 日本、利点もリスクも」。このごろの我が家購読紙は、2面でどことなく玉虫色の記事を書く。そこをより分けて深読みすると、日本としては「不利になる結論は今夏の参院選後」に出したい意向のようで、あんまり早いと選挙に影響すると懸念している。選挙の結果が出た後ならなんでも構わないが、選挙前では困ると言いたいらしい。メリットは主張していた「FTAじゃなくてTAGだよ」の見解が瓢箪から駒になる可能性。しかし、「米議会や産業界には、農業や自動車にとどまらない包括的なFTAを望む声が根強い。『5月末』の合意はその選択肢を事実上放棄することになり、最終的に米議会の承認を受けなければならない米政権にとっても難しそう」(本文引用)
8面「社説」の「日米首脳会談 『蜜月』の乏しい内実」では、「首脳同士の親密ぶりを強調されても、難題をめぐる具体的な議論や実際の進展を伴わなければ、虚しさだけが残る」「しかし、伝えられる会談内容からは、首相の強いメッセージはうかがえない」「トランプ氏は、今回も『日本は途方もない数の軍事装備品を米国から購入している』と歓迎したが、兵器を買い込んで米国の歓心を買うのは、健全な同盟関係とは言いがたい」(本文引用)とあるように、やはり首相の切り札は「大量の武器購入」であるようだ。最新鋭ステルス戦闘機F35A墜落の原因が、まさかの操縦士のミスにされそうな気配が漂っている現状、本当の原因は3面「米F35、3割飛べず 昨年5〜11月 必要な部品が不足」なんて記事がある。米政府監査院の報告書によると、「米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35が昨年5〜11月、必要な部品の不足で、3割近くが飛行できなかったことが明らかになった」(本文引用)という。改良のスピードがやけに早く、事前に備品として購入しているものが使えなくなるケースが多いとも書いてある。日本はそれを大量に買い入れる予定だし、そのうえトランプ氏が「今回も『日本は途方もない数の軍事装備品を米国から購入している』と歓迎」しているということから、ポンコツを大枚叩いて買うことで、おとくいの「抱きつき外交」をやる。まさに「強者にへつらい、弱者は踏みつける」の典型じゃないか。「日本国憲法」を「みっともない」などと貶していたが、そんなあなたのほうがよっぽど「みっともない」し、大量のポンコツを無理に使わされてわが身を傷つける自衛隊員がかわいそうじゃないか。そんな「へつらい外交」で、庶民の暮らしをボロボロにしてしまうなど何をか言わんやだ。
以下の記事では、「その後、トランプ氏は報道陣に公開した会談冒頭のように、5月の合意といった極端に短期間の成果にこだわらない姿勢に転じた」「首相は会談後、疲れと安堵の入り交じる表情で周囲に『今日は全部うまくいったね』と話し、メラニア大統領夫人の誕生日を祝う夕食会に向かった」(本文引用)。これもまた、彼特有の口先だけの自画自賛。哀れでみっともない「抱きつき」=「へつらい」外交の真骨頂と言うべきか。
☆「トランプ氏『今回合意できないか』 検証・日米首脳会談」日本経済新聞4月28日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44325780X20C19A4EA2000/?n_cid=NMAIL007
posted by ガンコジージ at 10:51| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

どんなに腐っても倒さなけりゃ倒れない

1面「景気『悪化』の公算大 来月発表の動向指数 6年2ヶ月ぶり」が意図的な扱いかと思うほど小さい。だが内容は刺激的だ。「景気動向指数の基調判断が、およそ6年ぶりに『悪化』となる公算が大きくなった」「『景気は緩やかに回復している』としてきた政府は公式見解を変えるのか」「1月分と2月分は『下方への局面変化』だったが、3月分は最も厳しい『悪化』になる方向だ」(本文引用)とある。3月分は連休明けの5月13日公表の予定なので、そのときの新聞記事を楽しみにして、記事ラスト「16年には、月例経済報告での景気判断を引き下げた3ヶ月後に、消費増税の延期を発表している」(本文引用)ということから、「消費増税延期」か「消費減税断行」に「衆参W選挙」をセットにして毎度の起死回生を狙う可能性がいよいよ大きくなってきた。1面には「首相に『期待』せず57% 政治に『安定』期待60% 本社世論調査」があり、首相への信頼度がガタ落ちの様相を示す。「安定」を望む層が多く、まだ野党の役割への期待は大きくない。庶民のバランス感覚はそんなものらしいが、首相を嫌っても自民党はそれほど嫌わないというのは、いまでは大きな矛盾を抱え込む選択となるしかない。民主党政権を倒してしまった過去の経験は、まだしっかりした総括と共に乗り越えられていない。長く尾を引きすぎている悲劇というべきか。経験を蓄積する運動が求められる。
経済環境は次第に厳しさを増している。7面に「『為替条項』日米協議へ 貿易交渉 米の要求拒めず」があり、17日当ブログ「明るくない未来を明るいと思う人たち」で、「交渉は2段階で進め、第1段階が『日米物品交渉』。初日は『物品』の農業と自動車の議論が、『早期に結果を生じ得るもの』として続いた。第2段階『他の貿易・投資の事項』は、どうも日本側の独自解釈に基づくもののようで、先行きはどう転ぶかまだ不透明。ムニューシン財務長官は『為替条項』について言及しているが、茂木氏は協議するつもりはない、という、だが、そんな言い方で済むはずがない」と書いたばかり。だれもが同じ思いだったはずで、今日の7面記事は「やっぱりそうだったか」というしかないものになった。記事は日本側は抵抗しているように書いているが、17日の新聞で「協議するつもりはない」なんて強がっていた茂木経済再生相の言葉は国内向けの無意味な強がりだったとみることができる。
このところ中西経団連会長のマスコミ露出度が高いが、8面「日立、英原発凍結で減益」を読んで、「これが原因だね」と納得。「日立製作所が26日に発表した2019年3月期の純利益は、前年比38.7%減の2225億円だった。英国での原発新設計画の凍結に伴う2897億円の損失計上が響き」(本文引用)とある。1面の「景気『悪化』の公算大」では毎度のように「中国の景気悪化」の影響が語られていたが、「日米通商交渉」で「為替条項」が確実に俎上に上るのが見えてきた以上、いよいよ輸出産業の危機感は大きくなるしかない。12面「社説」の「脱温暖化戦略 理解得られれぬ密室調整」では、「密室で利害を調整する旧来のやり方で決めた政策では、多くの国民の理解を得ることは難しい」「経済産業省と環境省の合同有識者会議で示された政府案には、鉄鋼や電力など産業界の意向が色濃くにじんでいる。これからも原発に頼っていく方針を明確にし、石炭火力を使い続ける余地も残した」「大胆な対策は盛り込まず、将来の技術開発に過度な望みをかけ」「政権はこの戦略を正式決定して国連に提出」「G20(略)で議論を主導する考え」「不可解なのは、提言になかった原発への積極姿勢だ」(本文引用)とある。提言は「有識者懇談会」が月初にまとめたが、政府案はこれを踏みつけにしたと言える。小型炉や高温ガス炉、高速炉まで明記。「安全性・経済性・機動性に優れた炉を追求する」(本文引用)というのは時代遅れ周回遅れ。G20でこんなことを主張して世界が賛同するはずがない。それでも走るのは「改憲」のためか「アベノミ」断末魔の悪あがきか。いずれにしても現政権の命脈が尽きつつあることは確かだ。ヒトラー最後の12日間!
posted by ガンコジージ at 10:48| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月26日

あちらの内部はけっこう揺れている

24日の新聞に「消えた『石炭火力全廃』 温暖化対策 有識者懇の提言」中見出し「座長案に産業界が反発」「『秘密』会合2度 議事録も作らず」があり、隣に「長期戦略案 政府が公表」が並ぶ。これは20日当ブログで書いた「温暖化の対策案『原発推進』鮮明 政府、国連に提出へ」の関連記事で、表現に微妙なズレがある。20日新聞記事では、「原発は『実用段階にある脱炭素化の選択肢』とし、安全性・経済性・機動性に優れた炉を追求するとの目標」を掲げ、これを軸に長期戦略案を確定し、国連へ提出すると書かれていた。また、有識者懇提言は「原発について省エネルギーや再生可能エネルギー、水素などとともに技術的な選択肢のひとつとし、『安全確保を大前提とした原子力の活用について議論が必要』だとして、推進までは踏み込んでいなかった」とあるのを「長期戦略案では『原発を二酸化炭素大幅削減に貢献する主要な革新技術の一つとして取り上げ、「可能な限り原発依存度を低減する」としつつも、「安全確保を大前提に、原子力の利用を安定的に進めていく」』」「23日に公表し、国民から意見を募った上で6月に大阪である主要20カ国・地域首脳会談(略)までの正式決定をめざす」と書かれていた。つまり、有識者懇の結論よりかなり後退した印象だったが、24日新聞記事「長期戦略案 政府が公表」には、「国連に提出」の記述がない。「原発は『実用段階にある脱炭素化の選択肢』と位置づけ、安全性・経済性・機動性に優れた炉を追求するとし、原発推進の姿勢を鮮明にした」(本文引用)とあるだけで、「G20までの正式決定をめざす」と書かれているが、「国連」と「国民から意見を募る」の文字はない。
24日の記事は、座長案に示されていた「石炭火力全廃」が産業界の委員の発言で消されたことが主題である。提言をまとめた「パリ協定長期戦略懇談会」は首相の指示で設置された組織で、「石炭火力」について座長案は「長期的に全廃」「今後、原則として、公的資金の投入、公的支援は行わない」(本文引用)とあったのを、中西経団連会長が「世界で石炭火力が引き続き受容されている」(本文引用)として反対。日本製鉄やトヨタなどの会長が中西意見に続いたため、後退した文言に収まったという。一方で原発について座長案は、「『気候変動対策としても重要かつ現実的な選択肢』『脱炭素時代のネネルギーミクスにおいて不可欠な構成要素』と位置づけ、推進する表現を盛り込んでいた」(本文引用)とある。これは環境ジャーナリストや河野太郎の意を受けた外務省から異論があって、「可能な限り依存度を低減しつつも、安全性確保を大前提とした活用についての議論が必要」(本文引用)に落ち着いたようだ。この部分に「国民から意見を」との意図が滲んでいるのだろうか。
石炭火力については4月12日当ブログ「時代が大きくうねっているときに」で同日紙面に触れ、「『石炭火力への融資半減へ 三菱UFJ 新設には融資せず』があり、メガバンク三菱UFJが30年度までに石炭火力への融資残高を最大半減するという。思い出すのは昨年の記事だ。『地球温暖化への悪影響が指摘される石炭火力発電への投融資を厳しくする動きが、大手銀行の間で出始めた。海外を中心に高まる石炭火力への批判へ配慮を迫られた格好だ。ただ、日本政府は石炭火力を推進しており、大幅な方針転換は簡単ではない』『3メガバンクグループは、この新指針を今後も定期的に見直し、さらなる厳格化も検討する』」と紹介。これらを見ると、産業界が石炭火力推進を諦めていない一方、3メガバンクはすでに距離を置き始めているのが見て取れる。3メガバンクはこのほか4月4日「地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる」で書いたように、3メガ+日本政策投資銀行が東芝メモリに計1兆3千億円を融資すると報道されたばかり。経済界内部にもズレが見えるというべきか。政治への影響が強まり、それは黒田日銀にも影を落としている。本日7面「動けぬ日銀、苦肉の策『大規模緩和 20年春頃までには』」があり、輸出産業への打撃が懸念される。中西会長の暴走の背景はこのあたりにあるのかな。
posted by ガンコジージ at 11:28| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月25日

責任転嫁は上下前後左右の全方位に向かう

1面「天声人語」が坂口安吾の言葉に託して思いの丈を綴る。「敗戦の年の夏のことを、作家の坂口安吾が苦々しく書いている。『国民は泣いて、ほかならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。噓をつけ!嘘をつけ!嘘をつけ!』。我ら国民は戦争をやめたくて仕方がなかったではないか」「日本人のそんな振るまいを安吾は、『歴史的大欺瞞』と呼んだ。死にたくない、戦争が終わって欲しいと切に欲していたのに、自分たちでは何も言えず、権威の行動と価値観に身を委ねる。自らを欺く行為に等しいと、安吾には映った」(本文引用)とある。「死にたくない、戦争が終わって欲しいと切に欲していた」とあるが、若干疑問に思う。「切に欲する」気持ちを封印して、主観的感覚の外へ放り出しひたすら空襲下を逃げ回っていたのではなかったか。せいぜい「死にたくない、『空襲』が終わって欲しい」と切に願っていたかもしれない。だからこそ「戦争が終わり死ななくて済んだ」と自覚したとき、一種の放心状態に陥り、「生き延びたことに安堵して」戦後を生き始めたのではなかったか。などと斜め見の感想を持ち、そのあとの記述で「力がこもってるなあ」と、ちょい感心した。天皇観が大きく変わったはずの現代にもかかわらず、精神構造は同じ感覚を引きずっていないか、とあるのだ。さらに、天皇の「象徴としての務め」は加害の歴史を忘れない平和憲法を体現する道、と評価しつつ、それは天皇という権威が担えば済むものではないのに、国民は「おまかせ民主主義」に陥っていないか、と問い、「世襲に由来する権威をなんとなくありがたがり、時によりどころにする。そんな姿勢を少しずつ変えていく時期が、きているのでは」(本文引用)と、ラストで締める。限界ある商業紙としてはなかなかな書きっぷりだと思った。
1面には「テロ対策遅れ 原発停止へ 規制委方針 期限延長認めず」という記事も。たしか伊方原発で米軍航空機が原発上空をかすめて墜落したことがあったと思い、探して以下の記事を見つけた。写真入りでわかりやすい。「伊方原発上空を飛行していた米海兵隊ヘリが、同原発から800メートル先に墜落するという事故」「機体は強い衝撃で跳ね返り、山頂を越えて南側斜面を200メートルほどずりおちて大破。乗組員7人は全員死亡」「機体が跳ね返らなかったら、原発敷地内に落ちて大惨事になっていた」(本文引用)とあり、伊方原発上空を通過して送電鉄塔群のすぐそばで山腹に衝突してバウンドし、墜落した様子が示されている。この記事を紹介した「アシュラ」の記事では、さらにいくつもの報道が引用されている。伊方については「航空機にとっては800メートルなど目と鼻の先、まさに危機一髪」「加圧水型よりも頑強だといわれる沸騰水型原発の建屋だが、福島第一原発の爆発でボロボロになり、無様な姿を晒した。最上階はクレーンが移動するため柱が立てられないし、崩落したら原子炉や燃料プールを直撃するので、屋根は厚くできない。ペラペラである。航空機の墜落にはとても耐えられないことは明らかである。伊方のような加圧水型原発はさらに脆弱で、航空機が墜落したらひとたまりもない。東京新聞によると、原発上空は飛行禁止という合意があるにもかかわらず、米軍機は無視して飛んでおり、地元民を不安と恐怖に陥れている」(本文引用)。その伊方で3号機が稼働中。しかもテロ対策施設がまだ設置されていないという。「天声人語」に戻ると、「権威に任せとけばなんとかしてくれる」というのは庶民の専売特許ではなく、国全体に蔓延しているものだと知る。最上位に最終責任転嫁装置たる「天皇元首制」を復活させようとしているのが、この国の宿痾の根源を思わせる。
☆「伊方原発上空飛ぶ危険 オスプレイ 普天間〜岩国間で訓練 88年 間近に米ヘリ墜落」しんぶん赤旗2012年7月22日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-07-22/2012072201_01_1.html
☆「航空機墜落の恐怖 危機一髪だった伊方原発 六ヶ所村は三沢基地からわずか30キロ」アシュラ2014年12月21日
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/448.html
posted by ガンコジージ at 11:03| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月24日

「規制緩和」や「岩盤規制打破」の目的は

再エネ発電は原発の補完物か。まず結論を出しておきたい。原発をベース電源と認める場合には、水力発電も化石燃料発電も、常に補完物になるしかない。出力抑制の難しい原発が発電量の底上げをしていて、これが不動なのだから、他のあらゆる発電は調整電源として位置付けられるしかなくなる。当たり前のことだ。「再エネ発電は原発の保管物だ」という定義は、原発を絶対不動の前提とした場合にのみ「正解」となる。つまり、再エネ発電の位置付けを無理やり原発に結びつける過剰な嫌悪感が、「原発の保管物」なんて位置付けを作り出す。そのことによって原発がいつの間にか容認されてしまうことになると気づかないでいる。それが「再エネ発電は原発の保管物」という見方の落とし穴といえる。再エネ発電は各々の国情において扱いが異なる。森林や山地が多く化石燃料が不足し、水資源が足りないとなれば、むやみやたらな「再エネ発電礼賛」にはならない。そんなときは、家屋の屋根や庭が設置場所となるだろう。他にもいろいろ配慮せねばならない事項はすべてクリアーして実施させることになる。いわゆる持続可能な発展の範囲で語られるべきことであり、過剰な利益追究のために際限なく拡大しない配慮が必須になる。
すべての電源を調整電源と位置付け、適宜その能力に応じて使い分けていくやり方が現実的であると理解する必要がある。おそらく再エネ発電を敵視する人々には、調整電源という発想がない、と思わざるを得ない。また、多くの化石燃料発電が地政学的リスクにまみれたものであることに、思いが至っていないのかもしれない。できる限り化石燃料から遠ざかることにより、中東地域を悲惨な状況から救い出す試みを行うのが、ひとつの重要な要素となるはず。いま我が国ではあくまで原発に依存して「過去の経済発展の夢よもう一度」的発想が、衰える経済力・政治力の現状も顧みず生き続けようと、のたうちまわっている。農山村が狙い撃ちされ、そこに眠る潜在的利益を中央に集めるため、これまでいくらかでも農山村を守ってきた各種規制に穴を開ける試みが進んでいる。「規制緩和」とか「岩盤規制打破」とか呼ばれているが、昨年の臨時国会はそれら「規制」を取り払う乱獲場となった。いよいよ放置森林も耕作放棄地も資本の跳梁に任せる場となり、森林も耕作放棄地も漁場などなにもかもが「国家利益」の「補完物」に成り下がろうとしている。水道事業まで「補完物」になる運命にある。こんな状況を認めず、太陽光発電を「原発の保管物」であると嫌悪する理由はなんなのか。これこそいわゆる「木を見て森を見ない」のたとえそのままの認識ではないか。
推測するに「規制緩和」や「岩盤規制打破」で表面に出る現象を、過小評価しているのではないか、と思う。「緩和」とか「打破」で彼らは何を求めているのか、考えるべきだ。対象がすべてあまりに細かいように見えるので、軽視するのかもしれない。しかしこれは戦後70年が獲得してきた民主主義の成果なのであり、個別の人々にあまねくもたらされている恩恵の数々なのだ。過去の体制はこれらをざっくり掬い上げ、まるごと独占し集中させていたが、敗戦によってもたらされた民主主義は、これらの巨大独占と集中をぶち壊した。典型が農地解放だったのであり、零細農民や小作農として貧苦にあえいでいた人々が権利を得た一方で、大地主が悲哀を味わった。その成果を1世紀も経たないうちに返上させるのが「規制緩和」や「岩盤規制打破」の試みだ。富を吸い取るだけ吸い取って再集中する一方、農民たちは大規模土地所有者(都市的な寄生地主(民間企業))から農地・山林を借りて細々と生きる。それが「規制緩和」や「岩盤規制打破」の行き着く先だ。廃村や限界集落化した地域では、都市から連れてこられた「小作労働者」が「農業」を持続するのかもしれない。しかしそれは「美しい自然」を守る試みなんぞとは異なる。それをして「農業は大規模土地所有の保管物」と言い切ってしまい、「自然のものは自然に返すのが自然」などと合理化はできない。いまはこれを深く考えるべきときなのだと思う。
posted by ガンコジージ at 11:27| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月23日

世界に向けて「ご飯論法」かい?

1面に「政府、WTO判断を誇張説明 『日本産食品は科学的に安全』記載なし 『韓国の安全基準クリア』認定取り消し」の記事があるが、なんともわかりにくい。これを理解しようとする人はどれくらいいるだろう。また、理解できる人はどれくらいいるだろう。「韓国による東京電力福島第一原発事故の被災地などからの水産物の全面禁輸を事実上容認した世界貿易機関(略)の判断をめぐり、政府が第一審の判断を根拠に説明している『日本産食品の科学的安全性は認められた』との記載が第一審の判決文にある報告書にはないことがわかった」(本文引用)。なんのことかよくわからない。菅氏は記者会見で「敗訴ではない」と強調。その根拠は(第二審は「日本産食品の安全」に触れていないので)「日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準を十分クリアするとの一審の事実認定は維持されている」(本文引用)というのだが、その周辺の説明が回りくどく完全に意味不明。7面「WTO『敗訴』原因と影響」にある論評「科学的根拠 立証避けて裏目」を読んですこし納得した。「今回の紛争の本質は、韓国の輸入禁止処置に科学的な根拠があるのかどうかだ。日本はこの『本丸』を正攻法で立証せずに脇から攻め、裏目に出た印象だ」「WTOの国際ルール『SPS協定』は、2条の2で、各国の輸入規制は『科学的な原則に基づいてとること』を求めている。日本はこの条文では訴えず、『同一または同様の条件下にある国の恣意的または不当な差別』(2条の3)と、『必要以上に貿易制限をしてはならない』(5条の6)で韓国を訴えた」「日本が2条の2違反を主張しなかったのは、立証が難しいと考えたからだろう」「『王道』の議論を避けた時点で勝ち目はなかったと思う」(本文引用)とあり、ブログ主の無い知恵絞った解釈は、「日本政府は訴えるとき『科学的な原則』を故意にはずしたから、それについてWTO上級審は判断しなかっただけ。したがって、書いてないからといって『日本産食品は科学的に安全』という政府の釈明は成り立たない。これはいつもの『ご飯論法』の言い回しだ」というもの。
国際的な論議で「ご飯論法」ってのは、まったくいただけない。もうひとりの「国際経済法の専門家」は「法律論としては、今回は『引き分け』との評価が一番妥当だ。ただ、重要な日本の主張が退けられた観点では、日本の事実上の敗訴といえる。今後、原発の事故を理由に日本産食品に輸入規制をかけている23カ国・地域と、日本が規制撤廃を交渉していく上で、痛いつまずきとなった」「日本は今回の判断を契機に、WTO改革を主導していく役割を果たしてほしい」(本文引用)とある。解説には、日本が15年8月に提訴し、第一審で「不当な差別」として韓国に是正勧告。第二審上級委員会が「検討不十分」として破棄。WTOの紛争処理は二審制なのでこれで確定、と書かれている。「科学的根拠」を避けて「勝てる」と判断したのが間違いだったというが、ここで感じるのは、日本が「科学的根拠による主張に自信がなかった」のではないか、ということ。「国際的に自信がなくても、国内的には避難指示解除を強行して『箱としての地域再生』を強引に進め、人をその目的のために『箱』に配置する」という転倒した「復興」施策が根底にあって、「科学的根拠」の主張が不利になると判断したのではないか、などなど。
4月10日の当ブログ「意図せずに自分に仕掛ける自縛の罠」で書いた「人間の復興を考えずに、事故前にあった人間を入れる箱を整備し、『入れ物ができたから帰還せよ』」という国家の視点が国内向けにはあれこれの策を弄して通用しても、国際的に否定されるリスクを見越したら、「科学的根拠」で敗訴するわけにはいかなかったということがあるのではないか、などと勘ぐる次第。いつまでもこんな姑息なことをやっていたら、国民があからさまな矛盾に気づいていつかとんでもないことが起こり、国際的にもさらに孤立を深めていくことになるんじゃないか。そんな気がした今日の報道・・・。
posted by ガンコジージ at 10:39| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月22日

きめ細かな地方政策を練り上げることが必要だ

市民運動の政策の練り上げが大幅に不足している。打倒安倍政権はもちろん筆頭のスローガンだが、地方に根ざしたスローガンをおろそかにして、やたら危機感だけを訴え続けるのは正解ではない。沖縄は米軍基地が地方の切実な問題で、辺野古移設反対が政権の強硬な姿勢と正面衝突する。大阪は地盤沈下が激しく、怨嗟の気分が底辺に満ちている。地域政党の維新が何かをやってくれるという気分を持たせている一方で、維新を批判する側には「なにかをやる」という試みがない。ブログ主が住む農山村都市なら放置されて荒れる森林と田畑が民間資本に食い荒らされていく問題は避けて通れない重要課題で、これはいかなる喫緊の課題にもかならず通じるはず。これに大胆に切り込まないと、都市からの移住者と元からの住民たちの間にある溝は埋まらない。「太陽光で美しい森が失われる」と主張し、「自然のものは自然に返すのがモノの道理」と澄まして言うようでは、納得は得られない。そんなスローガンを背負って「打倒政権・守ろう憲法」と言ったってすれ違いは埋まらない。中央に対しては「攻め」の姿勢で向き合い、地方に対しては「改革」の姿勢で具体的に訴える。それなくして新住民以外の支持を得られる可能性はない。
3面に「政権『常勝』に陰り 分裂選・閣僚辞任・・・『悪い流れ』」がある。これはいい傾向だが、落ち目になった時こそ危険。奇矯な策はこういうときに出てくる。「【特別寄稿】安倍官邸が狙う!?「消費減税」という壮大な「ちゃぶ台返し」!! 衆参W選圧勝!! そして緊急事態条項を含む改憲へ!! 〜永田町の闇の底からのディープレポート」について書いたのは15日。19日にはTBSで「首相側近発言で与野党波紋、消費税増税延期の可能性も?」との報道があった。その後、本人が否定していたが、かえって「消費減税で衆参W選挙」の可能性がジワリと浮上してきた気がする。野党共闘について全国的な議論の場で「共産党は最終的に勝手連になる覚悟はあるか」と問いかけたことがあるが、「そりゃ無理だ」と一蹴された記憶がある。大阪12区の試みは画期的なものだが、まだ身を切る選択に甘さがあるような気がしてならない。大阪の地盤沈下はかなり酷く、地面の底から苦悶の叫びが浮かび上がってくる様相を示している。地域では具体的な構想が練られないと、なにごとも前向きにはなれないと言うことだと思う。落ち目の政権は死に物狂いになるが、潰すものがいなければ潰れない。
☆「憲法審『5月以降はワイルドに』=萩生田氏が発言、野党反発」時事通信4月18日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041801099&g=pol
中西経団連会長の危機感は尋常ではない。腐れ縁ゆえか、政権に泣きつかんばかりの姿や哀れ。いいかげん向き合う先を変えるべきと思うけれど、まだその気がないのは終身雇用の記事に表れている。経済界は悲鳴を上げている。だが、政権にできることは限られている。毎日新聞に「租税回避地 日本の資金63兆円 ケイマン諸島に」という記事があった。こういうことを許したらいけないんだけど、おこぼれ頂戴なんてやつはまだ多い。それを見過ごしているあいだに、新たな「徴用工問題」が生まれつつある。罪を重ねるな我ら矮小国民よ!
☆「経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”」日テレNEWS24
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6320921?fbclid=IwAR3Kvi6_jV4rhGgiYoK8vlodtRlZOc7KCCJe7BOFxPVtihm9eHueRGWCHGE
☆「外国人労働者 共生の保障はあるか」中日新聞4月20日
https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2019042002000122.html
☆「福島第一原発廃炉作業に『特定技能』外国人投入を決めた東電は言語道断。日本社会で責任を持って収束させよ」ハーバービジネスオンライン4月21日
https://hbol.jp/190725?fbclid=IwAR1Kvy9xg1aHz7KdTfpLbO3CxAYLFV7gWDf7ceFC9g5tCG85q9oSBWVsYg4
posted by ガンコジージ at 09:55| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月21日

1段組み記事から大きな真実を読み取る力

このごろ新聞に書きたい材料が少なくなっている。注目する記事はある。しかし表現の奥をじっくり見通す目が必要で、その視点がないと意味が半減する文章が多い。1面「天声人語」はそれに当る。「映画の山場に、流血のシーンがあるとする。観客を驚かせ、怖がらせるには、その場面より前に赤い色を一切使わない」「鮮烈な赤に対する『慣れ』が、見る人に生じないようにするのだ」(本文引用)。そして話を「トランプ疑惑」につなげる。大統領選でロシアと共謀したんじゃないかとの疑惑が浮かび、捜査が始まりいろんな捜査妨害をした事実が、司法省の報告書で明るみに出た。「ひどい言動が続き、そのひどさに『慣れ』」「『慣れる』は『馴れる』とも書く。トランプ氏の言動には慣れても、いついかなる時もシッポを振るほど馴れきってはいない。そんな人が大統領の周囲にいた。今はどうだろう」(本文引用)ここにトランプ疑惑を通じて日本の現状を鋭く突く、深い目論見が隠されている。書かれていない紙面から含まれている意味を読み取り、その奥に潜む警鐘を感じ取る。これは米司法省の抵抗についての言及だが、トランプの支持を聞き入れなかった高官がいて、辞任したり、拒否して解任された人がいた。トランプのアメリカには、いままで骨のある人物がいた。「今はどうだろう」という問いに、2重の意味が込められる。「我が国の今はどうだろう」という読者への問いが内在する。
「記事の奥から記者の真意を探る」そんな試みが育っていく時期に来たというべきか。いや、ほんとうはすでにあるべき筈だったが、「マスゴミ」などと息巻いて「読み取る力」を育ててこなかった責任が、問われている。書かれていない本音をあえて見つけ出す力が必要なのだ。まったくの御用新聞が書く政権よいしょ記事の奥にも論調の変化はある。たぶん、これからこの国には御用新聞しかなくなっていき、提灯記事が増えていく。それを「マスゴミ」などと言って遠ざけたら、必要な情報の半分さえいつか手にできなくなる。「自分にはネットがあるから大丈夫」というのは「自分だけ」の話に過ぎない。新聞やテレビしかみない人たちにも通用する見方を生み育てる必要がある。韓国映画の優れた政治性を見抜く力、かの国の民衆が感じ取る眼をこちら側は持っていない。ヨーロッパ映画の深い含みもほぼ読み取れないまま、海外で広い共感があったという情報だけを頼りに、詳しく知らないまま作品の表層をなぞってみる。そこで納まりかえっている「先進的部分」の知的劣化はかなり深刻だと思う。
お隣の国のことで思う。李恢成の短編「砧を打つ女」だったか別の文章だったか、「我が民は道で出会ったとき、時候の挨拶ではなく政治を語る」といった記載があった。また、最近のネット記事では、かの国の民衆は歴史的事件を数字で記憶する、という論評を見たことがある。たとえば31は31独立運動、518は光州民衆蜂起というように。日本でいえば815になるか。思い出すのはドイツの戦争映画で「0815」というのがあったが、たぶん1945年8月15日を連想させるように考えた日本映画人の良心のなせるワザじゃないかと思う。しかし、日本では民衆レベルでの記憶の継承は育たなかった。東日本大震災・原発事故を象徴する311は、8年を過ぎてほぼ忘れられている。
以下の記事から、かの国の来し方を思う。「彼らは権力で国民の目を塞ぎ、真実を隠しましたが、私たちの新聞人は決して筆を折りませんでした。国民らも私たちの新聞を愛し、信頼しました。権力の検閲で新聞が思い通りに真実を伝えられなかった時期も、国民は一面トップの記事ではなく、片隅の小さな1段の記事からより大きな真実を読み取り、さらには書ききれていない記事の行間から真実を探ったりもしました」(本文引用)。この国の民衆の底力はどうしたら育つか。今日の「天声人語」から訓練初日421を思った!
☆「『新聞の日』に寄せた文在寅大統領演説」コリア閑話4月5日
https://hasabang.blogspot.com/2019/04/blog-post.html?m=1
posted by ガンコジージ at 11:41| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月20日

新規制基準もクリアできないクセに

3面「温暖化の対策案『原発推進』鮮明 政府、国連に提出へ」にびっくり。福島第一原発事故の惨状に直面した各国は、恐れおののきながら事態の推移を見守っていた。その当事国がここまでおおっぴらに原発推進を公言する。「バカじゃないの?」と首をかしげているだろう。「地球温暖化対策の国際ルール『パリ協定』に基づき、政府が国連に提出する長期戦略案」「原発は『実用段階にある脱炭素化の選択肢』とし、安全性・経済性・機動性に優れた炉を追求するとの目標」(本文引用)を掲げるとある。COP21で50年までに温室効果ガス削減の数値目標を各国が出すという提案に対し、日本は抵抗して「数値目標」ではなく「努力目標」に強引に格下げさせた経緯があったと記憶する。「努力目標だから、達成しなくてもいいもんね」なんてはしゃいでいたのもつかの間、たちまち世界から袋叩きにあい、COP22、23と存在感を薄くしていった経緯を忘れたのだろうか。2017年12月4日当ブログ「原子力からの脱出なら温暖化でも寒冷化でも」にあらましを書いているが、当初は最新型石炭火力に露命を繋ぐつもりであったのがそれも各国からの批判を受けて頓挫。ブログは新聞から引用し「高効率を理由に石炭火力発電の輸出を図る日本は、批判にさらされている。『前世紀の技術でしょう』。パリ協定の取りまとめ役だった前条約事務局長のクリスティアナ・フィゲレス氏の厳しい指摘に、日本からCOP23に参加した企業関係者は凍りついた。政府が自国の石炭技術の高さを説明したときだった」「日本気候リーダーズ・パートナーシップ代表代行の加藤茂夫氏は『このままでは、世界から取り残されてしまう危機感を持った』と話す」と書いた。当時の状況はすでに末期的で、ヨーロッパの実情を知った大手輸出企業の社員たちは、あまりの孤立感に涙したとの記事を読んだ記憶がある。
気になるのは2日の政府の有識者懇談会の提言で「原発について省エネルギーや再生可能エネルギー、水素などとともに技術的な選択肢の一つとし、『安全確保を大前提とした原子力の活用について議論が必要』だとして、推進までは踏み込んでいなかった」(本文引用)とある。一方の国連へ提出する長期戦略案では「原発を二酸化炭素大幅削減に貢献する主要な革新技術の一つとして取り上げ、『可能な限り原発依存度を低減する』としつつも、『安全確保を大前提に、原子力の利用を安定的に進めていく』」(本文引用)としていること。有識者懇談会と国連提出案には、若干の隙間が存在するといえるだろうか。「23日に公表し、国民から意見を募った上で6月に大阪である主要20カ国・地域首脳会談(G20サミット)までの正式決定をめざす」(本文引用)とあるように、これが中西経団連会長の「国民的議論」提言に対する政府の考え方だとしたら、経済界の不満が解消するとは言いがたい。隙間拡大を試みる余地が仄見える気がするのは、ブログ主の甘すぎる観測か。「どうせ原子力村の内部事情」などと達観していても事態は前に進まない。というより、後戻りを阻止できない。多少なりとも可能性を見出して隙間をつつくということもあっていいはずと思う。
12面「社説」に「原発テロ対策 期限延長はありえない」がある。この報道は他紙ではすでに散見されていたが、なかなか我が家購読紙には出てこなかった。「なぜかなあ」と思いつつ読むと、「再稼働した原発を持つ関西、九州、四国の電力3社がそろって、『原発のテロ対策施設を期限内に完成できない』との見通しを示した」「3社は今回、6原発12基について、テロ対策施設の設置期限を1年〜2年半ほど超えてしまうと規制委に説明した。工事が大規模で難易度も高いため遅れているという」(本文引用)が、規制委では「見通しが甘い」「延期はありえない」との意見が出ている。記事は、新規制基準のクリアが再稼働に必要なお墨付きである以上、できない原発はいったん止めるべしとし、「暴走し始めると手がつけられなくなる設備を動かしている」(本文引用)そのことを肝に銘じるべき、と主張する。先の国連提出案と重ねて、政府が「国民から意見を募る」ときの参考に、記憶しておくべき一項目と思う。
posted by ガンコジージ at 10:21| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月19日

また奇矯な作戦に出るつもり?

15日の当ブログ「規制緩和は戦後民主主義の全成果を壊す試み」でIWJの「【特別寄稿】安倍官邸が狙う!?「消費減税」という壮大な「ちゃぶ台返し」!! 衆参W選圧勝!! そして緊急事態条項を含む改憲へ!!〜永田町の闇の底からのディープレポート」という記事を紹介したばかり。そのときは「裏情報」的印象で半信半疑だったが、テレビニュースで以下のような報道があり、少し緊張した。「また、消費税率の引き上げが延期されるのでしょうか」「景気の動向を示す日銀短観などの結果次第では、消費税の増税を延期する可能性があるという認識を示したのです。さらに、その場合には『信を問うことになる』として、解散・総選挙となる見通しを示しました」(本文引用)という話。与党や自民党などからは、たくさんの選択肢の一つとか観測気球とかの声が漏れているらしい。
☆「首相側近発言で与野党波紋、消費税増税延期の可能性も?」TBS4月18日
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3651453.html?fbclid=IwAR1E6vTqTTr0YD3Mfh8vwp_BwvwbHnwNDVB9BxvBbLpRxJsIER6irV3Lqdc
以下の記事では黒田日銀総裁が「異次元緩和の一環として実施している指数連動型上場投資信託(ETF)の購入について、『株価安定のために実施している』と言い間違え、直ちに『物価目標の実現のため』として訂正する一幕があった」(本文引用)と「意図的」か「頭がいっぱいで」本音が出たかわからない発言を、衆院財務金融委員会でしている。そういえばこのところ、株価はチマチマとして、じつに「いじましく」「みっともない」動き方をしていた。と思ったら7面に「『緩やかに回復』判断据え置き 国内景気 4月経済報告」があり、政府は4月の景気判断を3月と同じレベルに据え置いた、とある。つまり3年ぶりに引き下げている。「統計の動きから景気の現状を機械的に弾く『景気動向指数』の基調判断は、1月も2月もすでに景気後退局面に入った可能性が高いことを示す『下方への局面変化』だ」「次の焦点は26日発表の3月分の鉱工業生産指数だ。もしマイナスになると、5月発表の景気動向指数が引き下げになる可能性が高く」「『下方への局面変化』から引き下げられれば『悪化』となる。『悪化』に陥って景気後退と認定されなかったことは、基調判断を示し始めた2008年以降では例がない」(本文引用)
☆「日銀総裁、ETF購入『株価安定のため』と言い間違え−直ちに訂正」ブルームバーグ4月16日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190416-84900429-bloom_st-bus_all&fbclid=IwAR3lfKYDQpDp6J1lbsJ6ppKT4PzBi_uqTIcX5lNfJvqKA2ak4irosldCI08
上記記事の下に「2%届かない公算大 日銀 21年度の物価上昇率」があり、日銀は24〜25日(つまり「3月分鉱工業生産指数」発表の翌日)に金融政策決定会合を開いて金融政策を「現状維持」にする見込みという。2021年度になっても物価目標は2%に届かず、さらに長期化するとの見通しに立ったということだ。どこまで続くか「異次元泥沼地獄」。ブルームバーグの記事と重ねてみると、黒田総裁の頭の中はごちゃごちゃになりつつあるのではないかと疑いたくなる。政府も日銀も、景気動向の中心にあるのは「中国の事情」というやつで、あくまで国内事情によるものではないという見方だ。「4月の月例経済報告で判断を据え置いたのは『個人消費と設備等位は堅調だから』(内閣府)」「中国など海外経済の減速で(略)下方修正(略)『緩やかに拡大』との判断を変えなかった」「海外経済は年後半には回復」(黒田東彦総裁)」(本文引用)とまあ、自己弁護に必死の様子。というわけで冒頭に示したテレビニュース「日銀短観などの結果次第では、消費税の増税を延期」「『信を問うことになる』として、解散・総選挙となる見通し」やIWJ裏情報などの「ちゃぶ台返し」作戦の信憑性がいよいよ増大してきたのを感じる。そういえば昨日の新聞4面に「衆院小選挙区『野党候補一本化を』枝野代表が軌道修正」があり、これも「ちゃぶ台返し」作戦の現実味を感じさせる。難しい局面になってきた。
posted by ガンコジージ at 10:04| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月18日

新たな「徴用工」問題を生み出していないか

1面「原発に特定技能外国人 東電 福島廃炉に受け入れ」の記事。「4月から始まった新しい在留資格『特定技能』の外国人労働者について、東京電力が、廃炉作業の続く福島第一原発などの現場作業に受け入れることがわかった」「元請けなど数十社に周知した」「『建設』『産業機械製造業』『電気・電子情報関連産業』『自動車整備』『ビルクリーニング』『外食業』が該当すると示した」「柏崎刈羽原発でも受け入れる方針」「放射線管理対象区域では『放射線量の正確な理解、班長や同僚からの作業安全指示の理解が可能な日本語能力が必要と考えられる。法令の趣旨にのっとってください』と伝えたという」「法務省は(略)事業について『全て廃炉に関するもので、一般的に海外で発生しうるものではない』とし、『国際貢献』という趣旨から不可としてきた。だが特定技能について東電は、法務省に問い合わせた結果、『新資格は受け入れ可能。日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる』(東電広報担当)と判断した」(本文引用)という。3面にも関連記事「『福島廃炉に特定技能外国人』被曝管理 日本語の壁」があり、その背景には東京五輪の影響による人手不足があるとする。これまでにも外国人労働者を受け入れていたようで、「『国際貢献』という趣旨から不可」という記述とどういう関係になるのか、記事からはわからない。しかし、放射線管理対象区域外とはいえ確認が不十分だったと認め、実習生に必要な情報を与えないまま除染作業をさせていた建設関連会社が処分されてもいる。除染作業で従業員100人の会社の役員報酬が77億円というぼったくりタコ部屋が横行する世界だ。言葉の通じにくい実習生たちが、金に群がる亡者たちの犠牲になっていることに目を向けず「平安な日常」を送るなど、我等自身無意識の犯罪に加担しているのではないかと思う。
「東電によると、国外の原発で働いて被曝したことがある場合、被ばく線量は労働者が自己申告することになっている」(福島廃炉作業の経験者は)「日本人ですら被曝による労災申請の方法はよくわからず、ためらう。外国人ではなおさらではないか」(本文引用)という。EU加盟国間では被曝線量を一元管理することになっているが、フランスでも多くの外国人労働者が働いており、制度はあっても一元管理されておらず、知らずに線量限度を超えてしまう恐れを訴える声が労働者からあがっているという。もともと妥当とはいえない国策で無理を重ねる廃炉作業の過酷さに加えて言葉の壁、闇企業の暗躍が重なり、とんでもない労働環境が横行している。この国はまさに国際的闇市場を抱え込んで、泥沼へ深々とはまり込んでいく途上にある。識者は「日本で実効性のある、国境を越えた一元管理の制度を早急につくるべきだ」「第一原発での作業について『防塵マスク以上の装備が必要な現場がほとんどだ。小さなミスや突発的なトラブルの際に瞬時に言葉が理解できないと、大きな事故につながりかねない。(略)』と懸念する」(本文引用)と語る。下請けというシステムは、トラブルなどの責任を下へ下へと押し付けるようにできている。請負の構造が多重になるほど責任の所在が曖昧になり、「国境を越えた一元管理の制度」を自動的に拒むシステムといってもいい。それが従業員100人で役員報酬が約80億円という暴利を許す温床になる。そんな実態を残したまま、「特定技能」に関する協力覚書を5カ国と結び、さらに4カ国との締結を目指している。これは新たな「徴用工」問題を生み出すもとにならないか。すでに過去に同様の経験がある以上、私たちは「知らなかった」では済まされない立場にいると自覚しなければならない。
☆「【独自】『お金ならなんぼでもある』除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇」プライムニュースデイズ3月12日
https://www.fnn.jp/posts/00435790HDK
☆「『なぜ?』相次ぐ技能実習生の死 ベトナム人尼僧の嘆き」朝日新聞3月30日
https://www.asahi.com/articles/ASM3Y54MRM3YUTIL026.html?fbclid=IwAR2ARZMMZ_AkjVuyAh--ByzbAOwqAZ3U9PgDk_A3Ee62lqbktaMXPiCMHkM
posted by ガンコジージ at 11:22| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月17日

明るくない未来を明るいと思う人たち

3面「日米、物品中心に交渉 初会合 農産物関税下げ幅『TPPの範囲内』」に、いかにも幸先のいい出だしであるような文言が並ぶ。茂木氏とライトハイザー米通商代表が話し合い、「まずは農産物や自動車などの物品を中心に交渉を進めることで合意した。日本の農産物の関税引き下げ幅は環太平洋経済連携協定(TPP)の範囲内とすることでも一致」「日本側の懸念がひとまず薄らぐスタートとなった」(本文引用)とあり、FTAではなくTAGの範囲に収まったようだが、実際はどうか。交渉は2段階で進め、第1段階が「日米物品交渉」。初日は「物品」の農業と自動車の議論が、「早期に結果を生じ得るもの」として続いた。第2段階「他の貿易・投資の事項」は、どうも日本側の独自解釈に基づくもののようで、先行きはどう転ぶかまだ不透明。ムニューシン財務長官は「為替条項」について言及しているが、茂木氏は協議するつもりはない、という、だが、そんな言い方で済むはずがない。記事の最後に観測が書いてあり、第1段階の限定的交渉で終わるか、第2段階を終えて包括的協定を結ぶか、まだよくわからないという見方を示す。「仮に対象を絞って早期に合意に至っても、『第2段階』をめぐって紛糾する可能性は残る」(本文引用)という。
トランプ氏は来年の大統領選挙で2期目を目指す。そのため早期に一定の成果を上げておくべき立場に追い込まれている。11面に「ロシア疑惑捜査 報告書18日公開 『内容 大統領に打撃』報道」がある。その他の情勢次第で交渉は千変万化する。「TAG」と限定的に捉える日本に都合のいいように交渉が進むとは考えにくい。最終的に「農産品」で大幅な譲歩をし、大量の「ポンコツ武器」を爆買いして自動車を守り、紛糾の様子を見せながら「第2段階」を引き延ばし、そのあとはまた「TAGかFTAか」の論議同様にお茶を濁し続けるくらいが関の山ではないか。そんな気がしてならない。
7面に「進まぬ財政再建『むなしい』 経済同友会・小林代表幹事」がある。氏は26日に4年の任期を終えて退任するという。最後の会見で「4年間の任期中に訴え続けた財政再建が進まぬ現状に、『むなしい。今さえよければ、自分さえ良ければという考え方が国をだめにする』と訴えた」「氏は、消費税引き上げなどによる財政健全化を提言し」「この間、国と地方の借金は増え続け1100兆円」「『財政出動や金融緩和をやっても、国民は誰も痛まない。だが、それは次の、次の次の世代に大きな負担をかける』と語った」(本文引用)その他モロモロ。経済人だから全体を見ると利益優先であることは確か。政府の通商政策を評価しつつ、「外国人労働者受け入れ」や「技能実習制度の廃止」などに触れる。先の中西経団連会長がコテコテの原発推進を提言する一方、国民目線に近い感覚が見て取れる。とはいえ中西氏の提言にも国の認識とズレが生じ始めていることを感じさせ、それと噛み合わせると、経済界が政権の思惑に丸ごと乗っかっていればいい現状ではないと思わざるを得ない。
同じ感覚は12面「追加緩和を唱える前に」にも色濃い。「日本銀行が掲げた『2年程度で物価上昇を2%に』という目標は、インフレターゲット政策の理論を踏まえたものだった」「この理屈に従えば、物価目標がいまだに達成されないのは、国民が日銀の約束に懐疑的だったからにほかならない。為替市場も異次元緩和の開始当初こそ大幅な円安で反応したが、その後は大きくは動かなくなった」「『2年、2%』の物価目標や巨額の国債購入がなくても、物価0%台、低失業率という現在の状況は実現していた可能性が十分にある。最近は海外景気の鈍化とともに、早くも追加緩和が取り沙汰されている」「異次元緩和はどこで何を間違えたのか」(本文引用)という。こんな状況下で、「TAG」と言い張る交渉が進む。このごろ思う。国会で乱雑に進む「規制緩和」ラッシュは、「改憲」後の国内政治経済状況の綿密な下準備なのではないか。だとしたら「改憲阻止」の試みは巧妙に向き合い方をズラされているのかもしれない。都市ではなく、地方を具体的に見据えた方策がいま必要ではないか、と思う次第。
posted by ガンコジージ at 11:43| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月16日

美しくないしょぼい国になったもんだ

3面に「3号機核燃料搬出開始 福島第一 不具合続き 不安の中」がある。使用済み核燃料プールからの取り出しで、長さは約4・5メートル、重さは約250キロ。水中で専用の金属容器に移し、7体を一組として30メートル下の地上へ降ろし、別の共用プールへ移動する。15日は4体を収容。所長は「『本日はゴールではなく、新たなスタート。2020年度の完了に向けて、責任を持って取り組みたい』と、完了時期を維持する方針を示した」(本文引用)という。まったくあたらしいことをやっているので初動ミスはつきものといっていい。昨年3月以降、細かなミスが続出して経産省幹部も「万全」という言葉は使わなかった。「作業開始がさらに先送りされれば、23年度に開始予定の1、2号機の燃料取り出し工程などにも影響しかねない。準備工事の関係者は『安全優先としながら、工程は死守しろというプレッシャーの中の作業だった』と話す」(本文引用)というから、かなりスケジュール的にきつかったことが感じられる。14日には首相が原発構内に入ったため、これにあわせて日程調整があり、14日夜の作業開始も模索されたらしい。なんだか、安全より忖度が優先されたように思うのは斜め見かな?
首相の原発事故現場視察は4面「首相、福島第一原発を視察 5年半ぶり、桜田氏に言及せず」でさらりと書かれている。「復興より議員がだいじ」で有名なあの失言居士の桜田氏が辞任した直後のこととて、「選挙がだいじ」な首相としては、「アンダーコントロール」宣言の手前もあり、少しアピールする必要を感じたらしい。3面には「輸入規制 解除求める 日本産食品 外相会談で中国に」がある。世界貿易機関(WTO)が日本産食品の輸入規制で韓国の規制を容認するとしたことを受け、中国も規制を強める可能性があるなかでの牽制である。こうなると、対中対韓で目くじら立てている場合ではないのに、大阪で開催される予定のG20首脳会議で文在寅大統領との首脳会談を見送るつもりでいる。外交では緩急自在の対応がとくに必要となってくると思うが、首相にそれを望むのは無理のようだ。記事からは、見事にすれ違った会話のお寒い空気しか感じられない。
3号機の問題に戻ると、使用済み核燃料の移動については各原子炉とも、4年から6年ほど作業工程が延期され最終は24年半ば。まずは20年の東京オリンピックまでに3号機が完了できるかどうか。できれば五輪開催中は作業をストップしていたいだろうな、と忖度するが、これが終わったところで、圧力容器を突き抜けて格納容器も突き抜けているかもしれない溶融核燃料の取り出しはこれ以上の困難を伴うし、半端でない放射線量が予測される以上、現在の使用済み燃料よりさらに慎重な対応が求められる。「スケジュールありき」なんて呑気なことでは済まされない困難さがある。「入れ物を復興させるが人間を復興させる気がない」政治にとって、これはまさに収束作業員を特攻作戦に駆り出す冷血しか感じさせない暴虐といえる。入れ物の復興を目指すために汚染水や除染土を含めて袋小路に陥っていくより、長期的に安全を確保しつつ、「鉄板遮水壁と粘土投入」で全体を「石棺化」するのがより望ましい方法だったのではないか。
沖縄に対して「地方には地方の民主主義があり、国には国の民主主義がある」と豪語したのはだれだったか。福島でも同じ構図が進んでいく。桜田発言でもそうだが、ゾロゾロでてきた他の暴言大臣も含めて、彼らの考え方は金太郎飴。拉致問題政治利用で、いまや日朝会談の可能性も目処が立たず、文在寅大統領と会談する機会も得られないまま、国際的な孤立の淵に立たされている。今日のテレビ報道では日米貿易交渉の推移が報じられているが、「日米物品協定」なんて言葉はどこにもでてこない。「為替条項」とか「自動車」とか「農産物」に言及するあたりに、国策よいしょの報道機関でさえ「TAGではなくてFTA」の構図を描き出す。そういえば「こんな時期に消費増税なんて考えられない」と論評していたのは、どこの国の報道機関だったか。いよいよ孤立し小さくなっていくこの国のしょぼい未来が浮かび上がる。
posted by ガンコジージ at 11:34| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月15日

規制緩和は戦後民主主義の全成果を壊す試み

経団連会長が目一杯の焦りや苛立ちを表して政権よりさらに前のめりの提言を発表してから1週間。世間の反応はあまり芳しくない。経済情勢が急速に切羽詰まってきたとき、政治がそれを受け止めて速やかに動けるとは限らない。経済が切実でも、政治にはタイミングがある。そのタイミングが政権の運営者と国民とのあいだで大きくズレているとき、拙速に動けば、政権にとって望まない結果を招きかねない。そんなとき、いくら凶暴な独裁者のあの人でもすぐには対応できない・・・と思っていたら、いつもとんでもない奇策で突っ込んでくるあの人のこと。どんな強硬策を持ち出すかもわからないからご用心。以下の記事は、中西提言が出てきた事情を詳しく深掘りしている。政権の次の一手も、ここから見えてくるように思う。
「原発輸出」が全面頓挫したことのショックは経済界にとって大きなものだった。昨年10〜12月にかけて株の大幅下落があり、現在も10月以前の状態には回復しておらず、4月6日当ブログ「社会のシステム全体を大きく捻じ曲げる意図」で書いたように、様々な経済指標が「景気後退」を示し、政府や日銀の統計でさえ景気落ち込みを隠せなくなっている。各種論調はアベ批判の外でさえ経済の先行きを懸念するようになった。中西提言は「海外で原発をつくれなくなった以上は、原発事業は日本をベースにやるしかない。そんな原発メーカー側の思いを代表したもの」「ただ、そうだとしても、原発メーカーはそれほど焦る必要はないはずだ。原発事業は、新設の需要がないとはいえ、国内で安全規制の強化を受けた改良工事の受注があり、当面は安定した収益が見込めるからだ」「関係者は『むしろ中西氏のいら立ちは政府に対して向けられたものではないのか』と話す」「“国内回帰”を志向しながら、メーカー側が原発輸出からの『撤退』を明言しないのは(略)(ブログ主注:簡単に『原発輸出失敗』を認めるわけにはいかないという)政府の事情を考えてのことだ」「断念でも中止でもなく、『凍結』。会見でのこの表現について、日立は経済産業省や首相官邸と事前に調整していたフシがある」(本文引用)。英は30年までに14基の老朽原発を止める予定で、原発新設がないと電力供給に齟齬が生じる。その他事情が重なり、日本政府も原発輸出の失敗を認めて国内に問題解決の糸口を探る方が現実的だ、というのが中西発言の中身と記事の筆者は書き、「原発輸出はもはや、メーカーからすれば『疫病神』でしかない。暴れだす前に関係を断ち切りたいのが本音だ。これまで政府と呼吸をあわせて推進を掲げながら、もうからないとなればやめるというのもいささか手前勝手な理屈だが」「政府も『失敗』を認めず、現状からの打開策をさぐろうともしない。原発輸出の皮算用がはずれた中で、官民一体の『原子力ムラ』に亀裂が広がっている」(本文引用)と結論する。
☆「原発輸出『総崩れ』でも手じまいできない日立・三菱重工のいら立ち」ダイヤモンドオンライン4月11日
https://diamond.jp/articles/-/199433?display=b
そして今年はいよいよ政権にとって改憲の最終リミット。ジリ貧に陥りつつある現状を強行突破して道筋をつけ、「官民一体の『原子力ムラ』」の亀裂を修復して彼ら流の壮大な歴史逆転ちゃぶ台返しを成功させようと、破れかぶれの作戦に出ようとしている・・・という不穏な噂がちまたに流れ始める。以下の記事には、その一端が覗く。市民運動は、地域に根付いた緻密な政策を欠いたまま野党共闘に進む。このちゃぶ台返しが現実味を帯びたとき、決定的に必要なのは地域が納得できる具体的施策を準備することだが、その動きは鈍い。あらゆる暴政に彼らがかぶせる「規制緩和」の意味を、まず知る必要がある。戦前回帰の意図の芯はここにある。
☆「【特別寄稿】安倍官邸が狙う!?「消費減税」という壮大な「ちゃぶ台返し」!! 衆参W選圧勝!! そして緊急事態条項を含む改憲へ!! 〜永田町の闇の底からのディープレポート 」IWJ2019.4.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446899
posted by ガンコジージ at 10:52| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

右往左往して犠牲を庶民に強いる

3面「『強調』土台作りに躍起 G20閉幕 日本、初めて議長務める」の記事。「主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議」「各国は世界経済が減速する懸念を共有し、今年初めてG20の議長国を務める日本は足並みをそろえた経済政策を取ることを求めた」(本文引用)という。黒田総裁:「(世界経済は)下ぶれリスクが大きい。貿易摩擦などの不確実性が高い。各国が状況に応じてタイムリーな政策が必要というのは一致(している)」麻生氏:「様々な問題に対しても国際協調を強めなければならない」(本文引用)と語ったそうな。思い出すのは2016年のG7伊勢志摩サミットで出所不明の文書を示しながら「リーマン・ショック前の状況と似ている」と発言し、各国首脳の顰蹙を買ったこと。財務官僚が「まるで怪文書」とつぶやくほどの資料で吹きまくったけれど、メルケル首相から「財政出動ではなく、長期的な視野に立った成長戦略、構造改革を」と言われてしまった。当時と今とではかなり情勢が違うのは確かだが、何年でも言い続けていたらいつかは状況が揺れて、当たらずとも遠からずの言葉になる時がくる。なんてお気楽気分で同じことを言っているのかな。
「08年のリーマン・ショック後にG20での政策協調をリードした米国の指導力は大きく揺らぐ。むしろ、中国へ仕掛けた貿易紛争で世界経済のリスクを生み出している」「懸念がより深まるのは、エンジン役のドイツが失速している欧州」「英国の欧州連合(略)離脱交渉が難航し、域内経済の不透明感を濃くしている」(本文引用)などを理由に、日本は各国に共通課題を示して強調の雰囲気作りを目論んでいるとか。それが巨大IT企業グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル(GAFA)への国際課税(あ、これは一例か)。記事は米・中・独・英などの懸念材料を書いて、次にGAFAに触れ、各国の懸念材料と切り離してさりげなく「一方、巨額の財政赤字を抱える日本には国内の安定した政策運営も問われている。麻生氏は会議で今秋の消費増税を予定通り実施すると確約した」(本文引用)と書く。伊勢志摩サミットのとき財政出動を主張してメルケルから「そんなんじゃないでしょ」と言われたことを彷彿とさせるような発言といえる。流動する国際経済の激しい変化に、一本調子で向き合うだけの日本の姿は、いまどのように各国の目に映っているやら。
日本政府はG20で特に強調したい主要議題として「経済収支の不均衡」をあげている。「日本がこの問題を主軸に据えたのは、『米国の貿易政策がおかしな方向にいっているので、是正する議論ができたらという思いは各国とも共通している』(財務相幹部)との期待からだ。日本も15日から米国との二国間の貿易交渉に臨む。米政権が二国間で強圧的な交渉を進めるのを和らげたい、との思惑がにじむ」(本文引用)とあるように、いよいよはじまる日米貿易交渉でうまく防戦できるかどうか、おそるおそるの外交術が展開されているようだ。G20は6月には福岡で再開されるという。そのとき共同声明で不均衡について盛り込みたい考えというが、実効性を保てるかどうか。高みの見物でいられないほどの妥協になってしまうこともありうる。以下の記事では「トランプ米大統領から押し込まれた日米貿易交渉が15日から本格的に始まるが、案の定、雲行きは相当に怪しい。トランプがヤリ玉に挙げる自動車分野は先送りにされる一方、農産品は狙い撃ちだ。今月下旬の日米首脳会談での妥結に向けて米国は鼻息が荒い。日本の農家にとって巨額の市場開放は大きな打撃になるが、安倍首相は二つ返事でOKしかねない」(本文引用)とあり、かえって懸念が増すばかり。昨日2面の「禁輸容認 まさか」では日本産水産物禁輸で「他国・地域にも規制緩和を求める算段も狂った」(本文引用)とあるのを思い出す。「規制緩和」を国内のみならず諸外国にも広げようとする魂胆。力を過信した「裸の帝王」。それほどこの国は弱体化している!
☆「安倍首相がトランプに献上する4000億円の『農産品市場』」日刊ゲンダイ4月13日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/251872
posted by ガンコジージ at 11:45| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月13日

全体像を念頭に現実を考える

1面トップに「被災地の水産物 禁輸容認 WTO上級委 韓国の主張認める」の記事があり、2面にも「禁輸容認 まさか」中見出し「WTO一転、『審議不足』理由」「各国の基準広く裁量」「『日本の商品は安全』維持」「輸出復活へ目算外れる 日本政府、『敗訴』払拭に躍起」「各国、根強い不安」「被災地落胆 賠償打ち切り・風評懸念」がある。2面記事から集中して読むと、「韓国による日本産水産物の禁輸について、日本政府は世界貿易機関(WTO)の上級機関から事実上の『敗訴』を言い渡された。関係悪化で韓国との協議の見通しは立たず、他国・地域にも規制緩和を求める算段も狂った」(本文引用)。第1審判決を背景に「勝訴」を確信していた政府はかなり驚いたようだ。記事もその線に沿っていて、「覆されなかった第1審の『安全』との認定はそのまま維持され」「ある関係省庁首脳は『判決変更の理由を第1審の手続きの瑕疵に押しつけ、日韓双方に良い顔をするずるい判決だ』と嘆いた」(本文引用)と書く。政府は第1審勝訴を信じすぎ、第2審も完勝と甘い判断をしていた。連続勝訴をテコに各国に規制緩和を求めていこうとしていた。だが、世界的に有名な「アンダーコントロール」宣言は誰からも信じられていなかった。記事添付の一覧には韓・米・香・中・台のほか、シンガポール・マカオ・フィリピン・インドネシア・アラブ首長国連邦・エジプト・レバノン・モロッコ・EU・スイス・ロシアなど16カ国・地域が規制を実施しているとある。
それほど原発事故が世界に与えた影響は凄まじかったということだろう。被害の程度をできるだけ過少に見せて、「もうなんともないよ」と大見得を切っても、世界は信用していないということか。いつかの当ブログでも書いたが、「場所の復興は目指しても人の復興は目指さない」ことがつぎつぎに裏目に出ている。まさに、「場所の復興を見せられたら人の復興は見せかけでいい」ということに他ならない。10日の新聞記事には大熊町の復興について「町は解除後、帰還住民約500人と、東電社員ら新住民約900人を同地区に呼び込む計画を描く」とあった。新住民が圧倒的に多く、元からの住民は「国策復興」に翻弄されるがまま。そして新住民も同じ文脈の中にあるといえる。「被災地落胆」の記事には、「県内のホヤ生産者は東電から賠償を受けているが、20年度で打ち切られる。県漁業協同組合は『禁輸が長引けば廃業する漁師も出かねない』と、賠償の継続を求めていく」(本文引用)と打ち切りラッシュが続く。いったいなにがそうさせるのか。
政府は敗訴したとの印象を打ち消そうと躍起になっているとか。菅氏は敗訴したわけじゃないなどと嘯く。「アンダーコントロール」氏は姿が見えず。ようするに事故の早期収束をどう粉飾するかが目的と化し、中身はどうでも綺麗に着飾ったらいいんでしょとばかりに誤魔化し続けた結果が、矛盾を山盛りにしている。「石棺化」はチェルノブイリのように事故を長く持続的に見える化してしまうため、嫌われ遠ざられけた。凍土壁は完全な遮水に至らず、汚染水タンクはいよいよ満タン。「除染」は早期帰還を促すために山林部を放置したまま進み、いまや除染利権が跋扈する闇の世界になってしまった。事故収束作業員たちの健康状況は、実質がまるで見えなくなっている。県民の健康調査も隠蔽の方向へ誘導され、実態がわからなくなり、さらに、事故の賠償はどんどん打ち切りの方向へむかう。そして事故東電はどこぞに高額なふるさと納税をしていまだに原発に色目を使う。おまけに事故を招いた幹部連中の罪はまだ決着つかず。さらにいえば、庶民レベルの関心の低下から日本的な差別構造が避難者を苦しめ、避難先での生活を困難にする。これらすべてが寄り集まってこの国全体を覆い尽くし、その頂点にある政府は、ひたすら過去の栄光にすがって国内はもちろん、国外に向けても上から目線を持続する。こんなので世界が納得するはずもない。時代錯誤の政治が生き続けるなど、自殺行為に等しい。しまいにはいつか来た道、「日本バッシング」の嵐を、国民一丸となって招き寄せることになるのではないか。
posted by ガンコジージ at 12:02| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月12日

時代が大きくうねっているときに

今日は昨日とは違って重要記事が満載だ。1面「石炭火力への融資半減へ 三菱UFJ 新設には融資せず」があり、メガバンク三菱UFJが30年度までに石炭火力への融資残高を最大半減するという。思い出すのは昨年の記事だ。「地球温暖化への悪影響が指摘される石炭火力発電への投融資を厳しくする動きが、大手銀行の間で出始めた。海外を中心に高まる石炭火力への批判へ配慮を迫られた格好だ。ただ、日本政府は石炭火力を推進しており、大幅な方針転換は簡単ではない」「3メガバンクグループは、この新指針を今後も定期的に見直し、さらなる厳格化も検討する」(昨年記事引用)としていた。今日の新聞に戻ると、日本の銀行は石炭火力への融資額が世界的に突出して多く、1位みずほ、2位三菱UFJ、4位三井住友FG。一方で政府は、昨年決定した新エネルギー基本計画で石炭火力を基幹電源として位置付けている。それゆえ、「今回のメガバンクの方針転換は今後、政府のエネルギー政策にも響く可能性がある」(本文引用)という。この動きに、ブログ主としては、中西提言と東芝救済に動く3メガバンク+日本政策投資銀行の1・3兆円にも注目する。さらに、地銀の危機を独禁法に穴を開けることで切り抜けようとする政府の動きに対する、経済界の警戒感も見逃せない。(4月4日当ブログ「地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる」参照)
☆「石炭火力への投融資、メガバンク見直し 環境配慮迫られ」朝日新聞18年7月25日
https://www.asahi.com/articles/ASL7R5VHZL7RULFA034.html
すべては新エネ基が設定する「2030年の電源構成」(3月23日当ブログ「呉越同舟からの脱出はなぜ難しいのか」参照)に向けての動きだ。「政府は30年度の電源構成に占める原発の割合を20〜22%に引き上げる目標を掲げており、特別扱いしてでも原発の競争力を維持する狙いがある」「30年度から、電力小売り事業者に原発や再生可能エネルギーなどの『非化石エネルギー源』の電気を販売量の44%にするよう義務付ける。小売り業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度は買わざるを得なくなる可能性がある」「再エネを名目的に含めた処置が多いが、九州電力がすでに実施しているように、再エネ出力制御はじわじわと拡大中で、最終的に再エネの首は完全に絞められる。細々生き残る設備はあるだろうが、勢いはなくなる」と書いた状況が近づく。3月12日当ブログ「まずステップの重要性を認識したい」では「2012年、当時の民主党政権は討論を通じて意見の変化をみる『討論型世論調査』を実施。それをもとに30年代に原発をゼロにする政策を掲げた』とあるが、あの当時は『即ゼロ』が大方の意見で『そんな先のことではダメだ』という声が、いかにも『30年代』の軟弱さを格好良く吹き飛ばすのに大きな役割を果たした」と書いたが、一蹴したはずの30年代が具体的に近づいている。軽々に蹴飛ばすのはやはり「近くを見て遠くが見えない」誤謬ではなかったか。直近の出来事に引きずられて根っこの原因を見過ごしてしまう運動は、悪しきポピュリズムの罠に落ちているということか。
時代が大きくうねっているときに、そのうねりに翻弄されて行き先を見失い次々に失敗を重ねていくとき、たしかに自問はするものの、根本原因を大衆の無理解にあると結論してしまい、大衆蔑視に向かうことがあるのは最悪のパターンと言わねばならない。地に足をつけて情報を集め、自らの力で詳しく吟味し、現状のなかに取り込んでいく。それが重要ではないかと改めて思う。7面「FRBへ露骨介入 トランプ氏 G20前、不安要素に」がある。トランプはFRB理事に人事介入しようとしているとある。FRBが世界経済の減速を懸念して利上げの一時停止に踏み切ったが、トランプはそれに不満で、利下げを求めているという。そんななかでG20の議長国になる日本は、日米通商交渉と向き合うことになる。これも経済界と政権との軋轢を増幅する可能性がある。たとえ弱小な市民運動だとしても、これらの要素を念頭に、戦略戦術を練る必要がある。激震を放置したらどうなるか。ツケがみんな自分へ回ってきたときに誰を恨むか。
posted by ガンコジージ at 11:48| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月11日

ダラダラ続く「最後の12日間」のツケは

本日の新聞はつまらない記事ばかり。1面「桜田五輪相が辞任 岩手の議員応援『復興以上に大事』」があり、3面「続く失態 政権に痛手 桜田五輪相、失言で事実上の更迭」と33面「『復興軽視』憤る被災地 五輪相辞任『自覚なさ過ぎる』」「『下関北九州道路』麻生氏側近奔走か 『吉田幹事長引っ張り出した』」。さっさと議員辞職でもなんでもやっておけばいいものを、うじうじ続けさせる官邸の意地汚さが事態をぐちゃぐちゃにする。もう人材がいないんだろう。どこもかしこもお友だちで固めているせいか、週刊誌にも変なのばかりが登場する。10面広告に「『小林よしのり』も呆れた!『伊藤詩織さん』に1億円払えと訴えた『安倍総理』ベッタリ記者」「娘を性のはけ口にした父が無罪というバカ判決『裁判長』」の見出し。11面にも「安倍官邸『最終決裂』 菅義偉『令和の変』が始まった ▽『消費増税は安倍首相のうちに』安倍側近は疑心暗鬼▽『総理の命をちらつかせた』麻生が許せない菅の塚田辞任要求(以下略)」などの文字が踊る。これでも権力にしがみつくか。早く政権を降りた方が身のためだと思うね。
以下の記事は昨日と今日で違うことを言い、ぜんぜん違うことを同時に並べて筋があるように見せる詭弁を弄し、聞いているものが理解できずに首を傾げている間に次の話に移っていくという、詐欺的話術のみで自分を支える国家元首の有りようが、ついに極限まで来たことを示す。日銀の異次元緩和は誰もが知る通り、2年で目標達成できるはずだった。しかしなぜか6年も続き、いまもだらだらと継く。「令和」が発表され意味もなく巷が騒いでいたその日、日銀短観が公表された。「改元ご祝儀相場」に水を差すような結果となり、相場は劇的変化から遠く、その翌日から値動きがほとんどない低調さが続く。「もはやデフレではない状況を作り出すことができた」といいつつ「物価が持続的に下落する状況に戻らないとまで言い切れず、デフレ脱却とは言えない」と付け加えるのを忘れない及び腰丸出しのみっともなさ。押しも押されもしないデフレ脱却などできないことを知ってか知らずか、なにかあったら「異次元緩和」は正しかったが「別の要因」が足を引っ張ったと言い訳を用意するしみったれアベノミ。「原氏の著書『日本銀行「失敗の本質」』では、これらの『あいまいな戦略目的』『短期決戦志向』といった黒田日銀の金融政策の特徴が、“戦争をやめるにやめられなかった”かつての日本軍の組織的な特性と酷似していることを検証」「いま何とかなっているように見えていたとしても、いずれとんでもない重荷が国民にふりかかって」「大増税か、社会保障サービスの大幅切り下げか、政府窓口の閉鎖か。はたまた超物価高によるインフレ税か。どういうかたちであれ、負担は国民にいずれ回ってきます」(本文引用)とあるように、彼らはいつまでも引けない状況にあるのだと知るばかり。これが先の週刊誌記事にある「▽『消費増税は安倍首相のうちに』安倍側近は疑心暗鬼」につながっているような気がしてならない。
☆「黒田日銀の緩和策が「かつての日本軍と似ている」理由」NEWSポストセブン4月9日
https://news.infoseek.co.jp/topics/postseven_1347969
そうしたなかでいま「ポストアベは菅しかいない」なんて奇妙な言説が急浮上している。もしやアベ政治の尻拭いで七転八倒するのをみんな嫌がっているんじゃないか、などと思う。それほどいまこの国の政治・経済はボロボロになってきている。そのオンボロを背負うのは「アベ政治の最側近たる菅にしとけ」と思っているんじゃないか。敗軍の将として袋叩きにし、全責任を逃れ切るための算段が始まっているような気がしてならない。なにしろ菅氏は見るからに汚なすぎる。
☆「記者は『国民の代表』の役割を果たしているのか 溶解する権力と報道の境界、『令和』時代に『平成』の轍を踏むな」ウェブロンザ4月6日
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019040400006.html?fbclid=IwAR3X0PUm9a5zWaLddhfN2T3EnsUiEelo73oR0ZWC2oWfZAmbsedF0gJ2aWY
posted by ガンコジージ at 10:12| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月10日

意図せずに自分に仕掛ける自縛の罠

1面に「大熊町の避難指示解除 帰還困難区域除く 原発立地自治体で初」がある。放射線量の目安はガンマ線だろう。ベータ線、アルファ線核種は存在しないか。国や県は多様な放射性物質について継続的に測り、公表しているか。「解除対象は町西側の大川原地区と中屋敷地区。町面積の約4%、138世帯67人(3月末現在)が住民登録している」「町は解除後、帰還住民約500人と、東電社員ら新住民約900人を同地区に呼び込む計画を描く」「現在も町民約1万人が避難しているが、町内の居住地区の多くは今回の解除対象ではなく、大半の人々の避難生活は続く」「帰還困難区域となっている町中心部は特定復興再生拠点として除染や整備を進めており、22年春の避難指示解除を目指す」「県の11市町村に出された避難指示が全域で残るのは、第一原発がある双葉町のみとなった」(本文引用)
4%を解除する。残り96%がまだ帰還困難という。4%に帰還する人たちは、96%の帰還困難区域を目のあたりにして暮らす。すぐ地続きのところに危険な区域がある。それはつらいことだろう。しかし、つらくても戻る。そこに、遠くから眺めるだけの立場にあるわたしたちの立場を浮き上がらせる、ある種の闇が仄見える。おそらくだれもそんな危険と隣り合わせの場所へ急いで帰る気になどならない。にも関わらず帰還する。ブログ主的に最も切実に感じるのは、放射能の危険と向き合って生きることよりずっと厳しく困難な状況が、安全な外側にあるという冷たい事実だ。ブログ主個人で言うなら、差別というものの厳しさを現実の中で感じるほどに、「戻るも地獄、残るも地獄」の感覚がいや増していかざるを得ない。そして、「安全な外側にある困難な状況」の「生きる実感を失わせる冷たい空気」を甘受するより、「放射能」と向き合う道を選ぶかもしれない。
放射能から逃れて暮らす。そのとき差別のちまたにひっそりと身を縮めて生きるか、たったひとりでもいい、胸を張って声を上げて立つか。それは人それぞれの選択で、精神的に追い詰められた人々にまで直線的に求められるあり方ではない。第1義的に、支える側の有りようが問われる。映画「種まきうさぎ」で女子大生が「わたしはどこにいても福島と向き合っている」と、観客に背を向けて決然と画面の向こうへ歩み去る姿を、「安全なこちら側」にいて画面を覗き見ていた観客たるわたしたちはどう受け止めたか。「食べて応援みたいでイヤな映画」的な受け止め方をしなかったか。その受け止め方の奥に、差別する世間を容認する自分の姿勢を感じなかったか。国や地方が人間の復興を考えずに、事故前にあった人間を入れる箱を整備し、「入れ物ができたから帰還せよ」とすることに反発し、自分たちが存在する場所の差別構造を無意識に除外する。避難者の意識を「戻るも地獄、残るも地獄」の無限ループに孤立させてしまう無意識の包囲の一員となる。いままで触れずにいた問題が浮き上がる。
15面「多事奏論」に「沖縄の嘆き 民主主義 回ってきとらん」がある。直木賞作品「宝島」で主人公が語る。「おれは最近、思うんだよな。ほんとうに目の敵にしなきゃならんのはアメリカーよりも日本人じゃないかって。(略)この島の人権や民主制はまがいものさ。本物のそれらはもうずっと、本土のやつらが独り占めにしてこっちまで回ってきとらん」(本文引用)。他にも重要な言葉があるが、これで十分に足りる。どうもこの国の民(というと「ブログ主自身が入っているのか?」と自問してしまうが、当然入っているといわばならない)は、民主主義が侵害されると、自分のところまで来ないうちに「小さく縮こまって」自己防衛のガードを固め始める習性があるのではないか。ガードが固まった内部に残されたものは幸いなるかな。その外へ自動的に追いやられたものは、矛盾を一身に背負わされ、塗炭の苦しみを味わうことになる。ガードの内部に生きる者は、この塗炭の苦しみに寄り添うことで、自分も苦しむ可能性を恐れて、自分の立ち位置を微妙にずらす。これを国や地方は敏感に察知して巧みに利用する。「自分は差別していない」とは、意図せずに自分に仕掛ける自縛の罠・・・。
posted by ガンコジージ at 11:28| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月09日

中西会長の提言

7面に「経団連『原発運転延長を』 中西会長が主導、提言」がある。改めて提言といっても1月からこれまで発言してきた内容をまとめたというに過ぎない。しかし、彼の発言の真意を十分に吟味して対応する必要があるのはいうまでもない。1月から立て続けに発信してきて、それをまとめるかのようにこんな提言をする。なぜ周到な準備をしなければならなかったか。国民的議論と言いながら「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が申し入れた公開討論を、なぜ「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない」(本文引用)と拒否するのか。この提言は政府が進めている「電力改革」よりさらに強く業界ペースの願いがにじんでおり、このまま通用させるにはかなり強引な手法をとるしかない。改憲を最優先する政権にとって、この重要な時期にこんな強引な難題を振り回されては迷惑になると考えなかったのか。原発輸出大コケのあと、18年11月19日の面談で世耕経産相は、中西会長に「このままでは事業を続けられません」と泣きつかれ、「もう少しがんばってください」となだめた。その経緯を語る下の記事には、「世耕の言葉に中西は複雑な思いを抱いたはずだ。日立と日英政府が結んだ覚書には『日本企業の出資者は日本政府が責任を持って集める』とある。経産省が役割を果たせていないことこそが、中西の悩みの種だった」(本文引用)とある。昨年10〜12月には株価が急落している。そのとき痛手を受けた輸出産業の傷は今も癒えていない。さらに今年の日米通商交渉では「為替条項」が議題に上るのは必至であり、アベノミ「為替操作」にブレーキがかけられたら、いよいよ輸出産業は追い詰められる。その危機感を背景にしないと、中西会長の提言の奥はみえてこない。
☆「民間に限界、万策尽きる 消えた原発輸出(ルポ迫真)」日本経済新聞2月14日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41217510T10C19A2EA1000/?n_cid=NMAIL007
ようするに中西会長の発言は、民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」事務局長が「身内の原発賛成派だけで議論するなら国民的議論とはいえない。経団連会長という立場を使い、自分の会社に有利になるよう『我田引水』型の提案と言われても仕方がない」(本文引用)と、簡単に一蹴できるものに過ぎない。しかし、ここでよく考えてみる必要がある。先に紹介した記事によると、英原発事業への出資について、当初期待された東電は動かなかった。また、経団連会長就任直前の昨年5月、英首相と直談判して「最大限の支援」を約束させたものの、「再生可能エネルギーの台頭で原発の競争力低下が明確になり、日立の取締役会では18年に入って英事業に反対する声が続出した。特に3分の2を占める社外取締役が『採算が不透明な事業にこれ以上、投資できない』と中西を突き上げた。設計や工事の準備で月数十億円がかかっていた。中西は浮いていたと同社関係者は証言する」(本文引用)。さらに中西経団連会長を追い詰めたのは、英原発事業を「日立のプロジェクト」として切り捨てた経産省の非情だ。東芝や三菱の事業も頓挫し、「IHI横浜工場。原子炉圧力容器や格納容器の製造が主力だった建屋内にいま横たわるのは、トンネルの掘進機だ。ピーク時に約600億円あった原子力関係の売上高は半減した。工場長(略)は『従業員のモチベーションをどう維持するのか悩む』と話す。原発産業は存亡の岐路を迎えつつある」(本文引用)という背景が、中西提言の後ろに見え隠れする。
経産省は「日立のプロジェクト」として英原発事業を土壇場で切り捨てた。上記記事の添付イラストには日立と英企業が前向きな中、日本政府・企業の非協力で事業が頓挫した実態が示されている。国に手厚く庇護されてぬくぬく過ごしてきた経済界のあり方が、国の手のひら返しで露呈したというべきか。中西会長は打つ手もなくのたうちまわっている。この状況を「原子力村の悪あがき」と看過するか、ピンポイントの穴が空いたと感知するか、反原発の論理的力量が試されている。前提としたいのは、日本経済が最終段階の危機に瀕しており、政権はそれでもなお「改憲」にしがみついているということだ。
posted by ガンコジージ at 11:12| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月08日

次にくる危機の大きさを探る材料は

このところ地銀関連の記事に目がいってしょうがない。ブログの過去記事を検索すると次々に出てくるし、直近では4月4日、4月6日と地銀がらみ。なかでも4日は「地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる」の表題で、なんとなく臭ってくる政府の焦りのようなものを書いている。政府は何をやっているのだろう。そのことを感じ取るのが当面の危機の実態を探る上で重要な端緒になるのではないか、と思う。なぜ独禁法をいじくり回してまで地銀の再編統合を進めようとするのか。簡単に言えば、日銀の異次元緩和の影響で地銀の経営が危機に瀕しており、今年はそれがついに絶頂に達する可能性が出てきている。だから、先に何かの処置を取っていかないと、政権が持たないという判断があるのではないか。そこで思い出すのが、かつてあったバブル崩壊後の大手銀再編統合の大変化で、以下の記事はそのとき何があったのかを、かなり鮮明に思い出させてくれる。ときは民主党政権の誕生より11年前。「97年から98年にかけて、日本経済が未曾有の金融危機に直面していたこの時期(略)自民党は旧態依然とした銀行界の『護送船団』方式に囚われてほとんど打つ手がなかった」「銀行が次々に金融大流砂にのみ込まれていく危機の中で、1998年7月参院選が告示され、自民党は単独過半数割れに追い込まれた。橋本龍太郎首相は退陣し、代わって小渕恵三首相が就任したが、新金融法案を掲げた民主党や自由党など野党側の勢いが強く、小渕内閣に不信任案が出された場合、政権交代もありうるのではないか、と予測されていた」(本文引用)
最初の金融激震は95年の大阪からはじまった。木津信金と兵庫銀行の破綻といえば、ブログ主にも記憶がある。以下ウィキ調べ:「木津信用組合は預金高1兆円(最大時)を超えるマンモス信組であり、一般地方銀行並かそれ以上の規模を誇っていた。だが、そのほとんど全てを不動産関係の融資で運用したため、バブル崩壊のあおりを受け瞬く間に経営が悪化し破綻した。金融機関という外見こそ持っていたが、その資金運用は山師のそれに近い、無謀な投機そのものであった」(本文引用)とあり、現在でいえば「すがる銀」の破綻を連想させる出来事である。記事の筆者は「大手仕手筋に絡む都市銀行の不良融資や生命保険会社、証券会社の不祥事、ゼネコンやノンバンクの危機、そして長期信用銀行や都市銀行の危機という金融破綻の本丸へ」「私の不良債権報道の中で特に反響を呼んだのは当時の日本債券信用銀行と日本長期信用銀行に関する記事だった」(本文引用)と当時の大事件の核心に迫る。ペーパーカンパニーや幽霊会社などの怪しげな言葉が出てくる。と、ここで無料部分はおしまい。肝心なところは「お金を払ってね」ということなので、以後の経過はわからない。残念!
☆「小沢一郎、金融国会の悔恨 (4)民主党が政局回避した98年、小沢一郎はひたすら自民党との決戦を唱えていた」WEBRONZA:4月1日
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019031800003.html/?ref=fb
中途半端はブログ主の財布の中身が関係しており、まことに不甲斐ない次第。それでも当時の緊迫した状況が伝わってくるし、自民党がモタモタして急速に支持を失っていく様子を垣間見ることもできる。「護送船団方式」という言葉が出てくる。よく調べないとわからないが、今回の地銀再編統合の動きは、襲いくる危機に遅れを取らないよう、彼らなりの対応を急いでいることがうかがえ、それがかつての「護送船団方式」とどんな違いがあるのか、どれほどの効果を見込んでいるのかが、次の疑問としてブログ主の頭に浮かび上がってくるのである。未来投資会議(議長・アベ首相)は「例外規定を盛り込んだ新法をつくるか、新ガイドラインをつくるかなど、具体策を今年夏までに詰め、新たな成長戦略の実行計画に盛り込む」(4日記事)というが、まさか地銀危機は不可避と見て、かたちだけ政府主導で事前の対策を練ったと見せつつ、独禁法を緩めて2弾目の銀行大再編を進めるのが狙いなのか。経済に弱いブログ主としては、ともかく今後の経過に注目していく必要があると痛感しているわけで・・・。
posted by ガンコジージ at 10:02| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月07日

ミリタリー色でなく緑色のパーカーで

3面「日曜に想う」は「未来人になるスイッチ」。「人口は減り、高齢化が急速に進む。財政赤字が膨らみ続ける。3・11のあとも原子力発電をやめられない。深刻な課題ほど解決が先送りされる。私たち現役世代が子や孫より今の自分たちの暮らしを優先する姿勢から抜け出せないからだ。犠牲になる世代から声が届かないのをいいことに。(略)実は私たちの中には、未来人になるためのスイッチがある。それをオンにすれば、ぜんぜん違う発想が湧いて出口が見えてくる」(本文引用)。「なんだこりゃ?」と思って読み進めると「フューチャーデザイン(FD)」というのだそうである。参考例が示されている。「交通計画について市民から意見を聴くイベント」で、1回目の会合で行政に対する注文の場と思っていろいろ問題点を指摘。2回目もそうかと思って臨んだら、「2060年の市民になって意見を述べて下さい」と言われて戸惑っていると、逆に40年前を振り返るための年表が示され、40年の歳月がかなり大きな変化をもたらすと知る。そのあと、緑色のパーカーを着て40年後の未来へ意識を飛ばす。緑で自然を表しているらしい。自然志向になっていく流れが生まれる。「再開発よりもコミュニティーを大切にするまちづくりに考えが傾いた」「目先の不安より将来の夢から今を考える発想へ」「未来人になると現在への執着が減り、考えが具体的になる傾向が見られるという。『今と未来の自分と社会を俯瞰して考えると、具体的で建設的な提案を出しやすくなるのでは』(略)『考え方が自由で自発的にもなる。うんと未来に飛ぶことで経験不足などを気にしなくなるようです』」「すでに解決策の手がかりを得た自治体も出ている」(本文引用)とある。
今という呪縛を離れて遠い未来から考える。なかなか興味深い発想だ。今日の新聞でいうと、1面トップ「砂漠に『仮想横須賀基地』 中国、中距離弾開発を加速」がある。これを今を起点にして考えるとどうなるか。「中国が具体的にこちらを狙っている。防衛するのが当然じゃないか。先制攻撃だってあっていい」という話になる。これで40年前の過去と40年後の未来をミリタリールックのパーカーで語るか、緑色の軽い服装で語るか。誘導の仕方次第で考え方が自在に揺れ動くことにある種の危惧も感じるが、その恐れを自覚しながら自分の今を振り返る力が備わっていけば、前向きな意識を形成する立派な方法にもなると思った。今の危機を主張してかえって危ない未来に誘導する目論見は、現実の中に色濃く存在する。2面「中国 発射実験を放映し性能誇示」の中に「米『日本にミサイル配備』模索」の項がある。「米軍は、核は搭載しなくとも、中国の『のど元』に攻撃兵器を突きつければ、大きな抑止力が得られると期待する」(本文引用)。配備先として台湾は政治的リスクが極めて大きいと米軍は考え、フィリピンも候補にするが対米姿勢が安定せず不適。グアムは遠すぎる。地理的に日本は最適と考える。日本政府内には中距離ミサイルの日本配備を検討すべきとの意見と、米中軍拡の引き金になる恐れを指摘する声が混在している、と記事は書く。
ここからが世論誘導のあり方が問われる重要な分かれ道になる。ミリタリーパーカーかグリーンパーカーか、未来を見通す立ち位置の違いで心のありようが大きく変わってしまうことの危うさを感じつつ、そんな誘導に負けず、ネガティブに走らずポジティブな認識を確保していける立ち方が、いままさに必要になっている。関連で7面の「リビア武装勢力首都接近 訪問の国連総長説得不調」を想う。「2011年にカダフィ独裁政権が崩壊した後、新政府ができたが、14年に分裂。各地の民兵組織による戦闘も散発的に起き、治安が回復していない」(本文引用)という背景の中、東部に依拠する「リビア国民軍」と西部の「暫定政府」のあいだで深刻な武力衝突が起きているという。カダフィ政権が核を放棄したあのとき、もしもミリタリーパーカーでなくグリーンパーカーで未来予測し、外交の力で懸案を解決していたら。そう主張する人々の声が小さいうちに軍事行動に走ったのはどの国だったか。暗い気持ちになる前に視点の大転換をこそ!
posted by ガンコジージ at 10:23| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月06日

社会のシステム全体を大きく捻じ曲げる意図

6面は「『景気後退の可能性』続く 『実質的には悪化』見方も 2月動向指数」中見出し「1月名目賃金18カ月ぶり減 事業所の入れ替え影響か 確報値」の記事に注目。内閣府は2月景気動向指数の基調判断を「『下方への局面変化』で据え置いた。『すでに景気後退の局面に入った可能性が高い』ことを示している」(本文引用)。ケッサクなのは中国の「春節」の影響で中国向け輸出が減り「足踏み」から「下方への局面変化」へ修正され、春節などの季節変化がなくなって輸出が増えて改善したという指摘。対抗心むき出しの一方で景気は中国頼みとは、まるで矛盾している。経営のプロは「実質的にはすでに『悪化』といっても差し支えない状況」「景気はまさに今が分岐点」(本文引用)などなど。10月の消費増税はまちがいなく景気後退要因なのだそうで、追加の経済対策が必要になってくるという。100兆円突破の予算にさらに積み上げなきゃいけない状況がでてくる。また増税延期なんかしたらアベノミクスの大失敗がモロにあからさまとなる。記事は「消費者景況感も悪化」として、日銀が同日発表した「生活意識に関するアンケート」で、消費者心理が落ち込んでいるとした。1年後には今より悪化すると見る割合が一層高くなっているという。同日発表の厚労省「毎月勤労統計」でも、1月の確報値は18カ月ぶりの減少。データの取り方がどうのと言い訳が多く、統計のやり方を変えると数値が増えるというが、総務省も同日に「家計調査」結果を発表しており、消費支出が3カ月連続で増えたとしている。いくら言い訳しても、統計数字は逆の傾向を示す。その上でデータ改ざんがあったとしたら、現状はすでに目も当てられない方向へ粛々と向かっているのかもしれない、と思う。
12面の「経済気象台」は「デジタル化と脱GDP経済」としてザクザクといろんなことを書き連ねつつ後半で興味深い指摘をする。「政府・日銀には、GDP成長や2%物価上昇目標にこだわり、マイナス金利の深堀りなど追加緩和を行うべきだ、とするリフレ派が存在する。しかし超低金利政策で地方銀行が赤字になり、日銀が東証1部上場企業の株式の4%を実質的に保有している現状は明らかに異常だ。こうした政策が長く続くと、株価急落などの混乱を引き起こさずに出口に向かうことがますます難しくなる。将来に禍根を残さないよう、GDPの拡大目標を中心にした金融政策の早期転換が求められている」(本文引用)。ここで注目したいのは「超低金利政策で地方銀行が赤字になり」という部分だ。9面に「地銀の出資上限撤廃を議論 規制改革会議 中小の事業承継限定」がある。4月4日の当ブログ「地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる」で、地銀がいま危機的状況にあることについて触れた。「全国的に経営難が目立つ地方銀行の再編を促すため、政府は3日、経営統合に関する独禁法の審査を見直す方針を示した」その言葉がまだ湯気を立てている中で、「地銀の出資上限撤廃」が俎上にのぼる。「政府の規制改革推進会議」は5日に開催された。先の各種景気統計も5日と忙しいかぎり。会議は「地方銀行が融資先企業に出資する際の上限を部分的に撤廃する議論を始めた。今は原則5%が上限だが、中小企業の事業承継を支える場合に限り、最大100%(全株式)を持てる仕組みに改める」「株の保有は永続的にせず、期間を限定する方針。出資比率の上限を定めた銀行法や独占禁止法を所管する金融庁や公正取引委員会とも調整し、6月までに結論を出して安倍晋三首相に答申する予定」(本文引用)とあり、かつてのような巨大独占体を再構築する準備が着々と進みつつあるというべきか。
経済、教育、軍隊3拍子そろって回帰する先は、やはり明治と見て差し支えなさそうだ。地方の山林や田畑、さらに漁業までも大資本に集約させ、収奪をほしいままにするシステムを準備していく姿が見える。改憲の前に、多様な法体系をいじくりまわし、社会のシステム全体を大きく捻じ曲げようとする意図がいよいよあからさまになってきたと思わざるを得ない。
posted by ガンコジージ at 11:03| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月05日

崩壊の後を考えておく覚悟が必要なときかも

3月30日紙面に以下の記事がある。「技能実習ずさん運用 失踪759人不正は扱い受けた疑い 171人死亡法務省は43人把握せず」中見出し「『日本は働き手に責任を』『死者もっと多い』」で「技能実習制度の運用状況を調べる法務省のプロジェクトチームの調査結果が29日発表され、ずさんな運用の一端が判明した」「調査では、2012〜17年の6年間に亡くなった実習生が171人で、そのうち43人の死亡を法務省が今回の調査まで把握していなかったことが判明した。また17年1月〜18年9月に失踪した実習生5218人のうち759人が最低賃金割れなどの労働法令違反を含む不当な扱いを受けていた疑いがあることも判明」「171人の死因は、実習中の事故28人▽病死59人▽自殺17人」「支援者はこの調査結果にも厳しい目を向ける」「『騒いでいるが、たいしたことはない』と伝える意図を持った報告書」「三者機関が調査しなければ意味がない」「不当な扱いを受けていた人を759人とする調査結果について『受け入れ機関側への聞き取り調査が中心だったことをうかがわせる結果だ』」「この数字はあり得ない。帰国済みの実習生から事情を聴いておらず、本気で調査したとは思えない」「深刻な人権問題が指摘されてきた技能実習制度を引き継ぐもの」(本文引用)と書く。
中見出しの記事は、先に引用した内容を具体的にしている。日本在住のベトナム人尼僧が語る。「昨年1年で約30人のベトナム人を弔った。7割は実習生。20、30代の若者が大半だ。タム・チーさんは『亡くなる人が多すぎる。連絡が入るたび、「また?」「なぜ?」としか言葉が出ない』と話す。法務省の報告書の死者数に『あり得ない。ベトナム人でこれだけ多いのだから、中国や別の国の人を含めたらもっと多いはず』(略)『借金を抱えて来日するようなシステムそのものを変えて欲しい』」(実習先で妻が死亡した男性は)「派遣先がもっと心配してくれていたら、妻は今も生きていたかもしれない。なぜもっと早く病院に連れていかなかったのか」(本文引用)。過酷なやり方を容認しているこの社会のあり方は何に起因するのか。少なくともその底流に政治が横たわっていることは間違いない。徴用工問題や従軍慰安婦問題でけんもほろろの対応をして恥じず、そのため国家間の関係にほころびを生じ、両国の国民感情にも亀裂が入る。それを利用して浅薄な庶民感情が幅を利かせ、自国民でない人々を鴻毛の軽さで扱う視点が蔓延する。国家がしっかりと対応すればこんなにはならないだろうに、国民自身を「愚民」として扱う政治ゆえに落ちる先は果てしなく深く、「愚民」たる国民は、究極のその先で最後の重荷を背負わされることになる。
☆「『なぜ?』相次ぐ技能実習生の死 ベトナム人尼僧の嘆き」朝日新聞3月30日
https://www.asahi.com/articles/ASM3Y54MRM3YUTIL026.html?fbclid=IwAR2ARZMMZ_AkjVuyAh--ByzbAOwqAZ3U9PgDk_A3Ee62lqbktaMXPiCMHkM
昨日11面「真山仁のPerspectives:視線 TOKYO2020」は「続く国難“愚直”な国民は英雄を欲した 秋葉原 露見した支持の軽さ」が、こうした流れの行き着く先を、表現者の研ぎ澄まされた感性で指し示す。「プロローグ この喪失感は何だろうか。それほどまでに、日本が変わってしまったということか」「その萌芽は、バブル経済崩壊の時には既にあった。そして、東日本大震災で、もはや後戻り出来ないぐらい日本が分裂してしまったように思う」「安倍の発言は、日替わりするし、どんどん偽善的になる」「安倍の発言には、大きな特徴がある。全ての発言を“断言する”」「何事においてもきっぱりと断言する」(本文引用)。論理的整合性など気にもかけない。それで「安定」を確保する政治の軽さは、いつか必ず「愚民」以上に愚かな姿を露呈する。じつはそのとき息苦しさを一身に背負わされるのは、定めない方向に引きずり回された「愚民たる庶民」なのだ。「愚」の連鎖の終結点はそこなのだ、ということに気づく。だが、そのときでも、次の時代を切り開く視点を確保していれば、希望はまだ手の届く範囲にあるはず。
posted by ガンコジージ at 11:04| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月04日

地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる

4月に入っていよいよ経済界の動きが鮮明になってきたようだ。1面「地銀再編 政府が促進策 独禁法審査見直す方針」があり、関連で7面に「地銀、政府主導に警戒感 統合のハードルは下がる」中見出し「5期連続赤字2割」も。「全国的に経営難が目立つ地方銀行の再編を促すため、政府は3日、経営統合に関する独禁法の審査を見直す方針を示した。同じ県内など特定地域での貸出金のシェア(占有率)が高くなることなどが統合の支障だったが、特例的に容認し、地銀が統合を判断しやすくなるように改める」「未来投資会議(議長・安倍晋三首相)(略)例外規定を盛り込んだ新法をつくるか、新ガイドラインをつくるかなど、具体策を今年夏までに詰め、新たな成長戦略の実行計画に盛り込む」「18年3月期決算で全国の地銀108行(現在は104行)のうち、54行が貸し出しや手数料収入など本業が赤字」(以上1面引用)。「新方針でハードルは下がるが、行政主導の再編には警戒感も強い」(九州FG社長は)「『独占禁止法のあり様は時代に合っていなかった。(新方針で)地銀の合併が進むかどうかは別の問題で、必要に迫られて(合併が進む)状況になってくる』と話した」「17年度決算まで5期連続以上で本業が赤字だった地銀は全体の2割超。人口減や地元の資金需要減少に加え、日本銀行の大規模な金融緩和政策が追い打ちとなっている」「『収益改善策を見いだせない地銀は、これを機に金融庁から統合を迫られるのではないか』西日本のある地銀頭取は政府主導の再編に巻き込まれる警戒心を抱く」「『競争をなくして統合をどんどん認めることが利用者に本当に良いのか』(略)との声も」(7面引用)などなど。7面添付の表によると、地銀が3行以上あるのは14都府県で計45行。現在104行だから4割以上になる。
当ブログで地銀再編について若干でも触れたのは14年12月16日「兆候は明らかにマイナスに振れている」で、「東洋経済」の記事を紹介した中にあるが、今日の記事に直接関連するのは16年9月15日「無理が無理を呼ぶ展開になりつつある」の記事で、「地銀窮地 再編加速も 人口減と金融緩和直撃 金融庁『地域密着を』 マイナス金利『いいとこなし』地銀協会長」で当日の新聞記事を要約し、全国地銀協会長は「日銀のマイナス金利政策について『地方銀行にとっていいことはない。大きな影響で大変な思いをしている』と述べた」と紹介している。流れから見ると、14年末には経済誌がすでに警告を発信しており、2年も経たないうちに新聞でも指摘されるようになっているのがわかる。さらに地銀の苦境をいよいよはっきりさせたスルガ銀行の偽装融資事件を書いたのは18年6月6日「この政治が終わったあとをどう生きるか」で、こうしてみてくると、14年の時点ですでに経済シロウトのブログ主でも「大変なことが起きるかもしれない」と感じていたのが、およそ1年半の間隔で段階的に明らかとなり、ついに「政府主導で独禁法をいじって地銀再編」にまでたどり着いたのかと思わざるを得ない。
折しも昨日の日本経済新聞には以下のような記事が書かれている。「19年度中の上場をめざす東芝メモリホールディングスの資金調達案が固まった。3メガバンクが合計で1兆円を融資し、日本政策投資銀行も3千億円の優先株を引き受ける計画だ。この計1・3兆円の一部を原資に、米アップルなどの取引先が持つ優先株を買い戻し、既存の借り入れも返済する」「米原子力事業の巨額損失で上場廃止の瀬戸際に立った東芝は、半導体子会社の売却で債務超過を解消した。東芝メモリは設備投資に充てる成長資金を確保するため、19年11月以降に新規株式公開(略)を検討する」(本文引用)という。
官製相場は昨年10月2万4千円台をつけたあと12月末に1万9千円台、現状2万1千円台で低迷しいまだ復調せず。輸出産業不調、日銀短観は悪化を認め、内閣府の景気動向指数の基調判断も、景気は後退局面に入ったとし「戦後最長の景気拡大」に疑惑信号が灯る。アベノミへの怨嗟の声は経済界にも満ち始めているというべきか。中西経団連会長発言の背景にある事情は想像以上に重い。
posted by ガンコジージ at 11:44| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月03日

もうムチャクチャなんだけどなあ

ちょっと前まで以下のような状態だった。対北外交で従来の制裁一本やりのハードルを下げたけれど、米朝首脳会談物別れ以降、困り果てた北が日本に接近してくるかもしれないと期待していた当てが外れ、北からは相変わらず厳しい批判の声しか漏れてこない。首相はトランプ頼みですでに2回、拉致問題を取り上げてもらうようお願いしていたが、さて4月から立て続けに始まる都合3回のトランプ詣で(じゃなくって日米首脳会談)も、課題が目白押しでお願いを聞いてもらえるどころじゃない。「日本政府に北朝鮮とのパイプがなければ、首相の直接会話は夢のまた夢。今さら対話路線に転じても、遅きに失した感はある」「文在寅政権の樹立後、3度目となる南北首脳会談に向け金正恩委員長のソウル訪問の実現を目指すなど、南北朝鮮の両首脳が融和に傾斜するほど、日本の安倍政権だけが取り残されていく構図である」「安倍首相が北朝鮮に直接、乗り込み、金正恩委員長に『拉致・核・ミサイル』問題に対する懸念を表明すれば、どうなってしまうのか。南北朝鮮の反日姿勢の火に油を注ぐこととなり、安倍首相自身はまさに飛んで火に入る夏の虫となる」(本文引用)。記事では中国の立場も考慮に入れて、いよいよ孤立していく日本の姿を浮き彫りにしている。これに対ロ関係を加えると、さらに孤立感が深い。
☆「直接対話を求めたら…“飛んで火に入る”安倍政権の対北外交」日刊ゲンダイ3月29日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250644?fbclid=IwAR1IySZ38NjQyHiWiBkvmkqsn1fm_m7k_FSizN8cgIFWunxpjcwA1AHXEHw
日米貿易交渉(FTA)で思いも掛けない中身が発覚し、経済が大変動をきたす可能性まで囁かれている。3面「日米貿易初会合 15、16日開催調整 交渉の対象範囲焦点」では、「日米貿易交渉をめぐっては、昨年9月に両首脳が交渉を始めることで合意」「日本側は日米物品貿易協定(TAG)、米側は米日貿易協定(USJTA)と呼んでいる」(本文引用)。茂木経済再生相が訪米し、下旬に首相が訪米、トランプ会談となる。外交交渉ではこのところ秘密主義が横行し、中身がなかなか伝わらない。都合の悪いことは「秘密です」となるんだろうけれど、最終的に蓋を開けたらどうなっていることやら。10面の政治漫画は「恐れ入る だれも信用しない秘密主義」とあり、どうも外国記者との会見で政府の秘密主義が追求される状況を笑っているようだ。すでに政権のやり方が国際水準から大きくずれていると、諸外国が見極めてしまったということの証明だろう。信じているのは国内ばかり。
1面に「安倍・麻生氏の地元『道路事業を忖度』 塚田副大臣 発言後に撤回」がある。(首相と副総理の地元事業と紹介した上で)「『国直轄の調査に引き上げた。私が忖度した』」(副大臣室で面会した自民参院幹事長から)「『これは総理と副総理の地元の事業だ』と言われ、『分かりました』と応じた」(と集会で語り)「さらに『総理とか副総理がそんなこと言えません。でも、私は忖度します』と述べた」「塚田氏は2日、文書で『一連の発言は事実と異なるため撤回し、謝罪する』とのコメントを出した」(「」内本文引用)という。これまでなら即刻辞任もの。いまはこんなの当たり前になって「謝罪」でもまだまし。ヤクザなおぼっちゃまが「オラ知らねえよ」とのさばる末期症状。
元号なんかで浮かれまくっていても詮無いこと、と思っていたら、2面「空白の11分 政権、保守派を意識 遅れた発表 皇居へ向かう車 改元巡り支持基盤とあつれき」がある。支持基盤が「憲法違反につながりかねない主張」(本文引用)で政権に圧力をかけ、政権が必死になってそれに応じている姿が浮かび上がる。「実際には首相が何を伝えたかは公式にはわからない仕組みになっている。内奏の内容を漏らすことは、天皇の政治利用を避ける観点からも厳禁とされる」(本文引用)とある。裏工作に継ぐ裏工作で世間を欺く奸策ばかりが横行する。こうして秘密政治の構造が綿密に創り上げられていく。気がついたら「裏ばかり」の政治に成り果て、人々の生活は最悪の道をひた走っている。
posted by ガンコジージ at 09:59| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月02日

日本的慣習の今日的意味についての考察

今日の新聞を見ると、端から端まで元号の記事ばかり。ゲンナリである。ひとつだけ興味を持ったのが4面のわずか11行極小記事「原則西暦表記 外務省が検討」で「外務省が元号を使った和暦の使用を原則的にやめ、西暦を使う方向で検討していることが1日、わかった。これまで外交交渉で西暦を使用する一方、省内の文書は西暦と和暦が混在していたため、読み替えが煩雑で間違う恐れもあった」(全文引用)というもの。個人的には「令」は「命令」を感じさせ、その字の成り立ちも主の前にひざまづく臣民を象形化したといった解説をどこかで見たし、「和」には「調子を合わせる」「集団がまとまっている状態」などの意味があるようなので、なにやら「みんなでまとまって命令に従順に従う」の意を感じて気持ち悪く、非常に馴染めないものを感じた。関連で「和して同ぜず」という言葉を思い出す。論語にあるそうで「人と仲よく交際はしても、おもねって自説を曲げるようなことはしない」という意味だとか。良い言葉だと思う。「仲良く付き合います。しかし、自分を曲げてまで付き合うことはしませんよ」という心意気は好きだ。うーん、かなり妥協的になる傾向はあると自認するが、おおむねそんな感じで日常をやり過ごしているといえるかな。
カレル・ヴァン・ウォルフレンの『日本権力構造の謎』に、以下のような一節があるという。「この態度(日本にある強い自己改善志向という)の特徴は、物事をなすのに、“完璧な”やり方があるという観念だ。技能、特に民族音楽、伝統的な舞台芸術、柔道、合気道、空手を習う際、重点が置かれるのは、師匠のすることを、自動的に、どこまでも、考えをはさまず真似ることだ」「外国人の指揮者や音楽の教師はほぼ一致して、日本の演奏者は技巧面で優れているが、自己表現の能力が相対的に欠けていると言う。これは、部分的には、慣習順応社会の中にいるので勇気を欠くためであり、また留学の経験がない音楽家は、自分で音楽を解釈しなければならないということをめったに教えられないからだ」(引用終わり)。引用といっても、元の引用者が書いたものを引用しただけなので、正確かどうか自信がない。でも、これは重要な言葉なのであえて引用させてもらった。あとで調べてちゃんと確認したい。ともあれ、これに似た例を、たしかに随所で見かけることに気づくのである。チャンバラ時代劇を見て頻繁に出てくるのが、剣の達人が刃を数合交えてそのあとで曰く。「何とか流の使い手だ。〇〇藩の指南役が何とかというやつで、たぶんいまのやつも〇〇藩のものだろう」なんとかかんとか。本物の剣の達人は、それゆえ出自を気づかれないようにするためか、それとも相手の出方に応じた剣さばきで敵と向き合うためか、幾つもの流派の剣さばきを習得する。で、ときどき出てくる超自己流の使い手と向き合うと、通常の武士はたちまち混乱してしまい、不覚をとることもある。先に引用したウォルフレンでは「日本の習得法では、技能や武芸は、絶対的服従を要求する、権威的で前もって決められた存在であるというわけだ。本人の個人的な才能や好みにあった独特の表現を認める余地はない」との指摘もあるという。なるほど、武家社会ではやっとうの技術も絶対服従を習得するためにあるものだったというわけか。たしかにそんな気がする。時代劇を見ていると、様式美が語られていると感じることが多い。しかもその描き方が画面の向こうから茶の間に向けて、じわり忍び寄ってくるのに気づかされる。
武家社会の哀感、町人文化に内在する独特の規律のようなもの。よくみればはみ出すことを許さない空気の存在。村落の在りようを考えると、大きな集落が構えられていることはほぼなく、のどかな田園風景の中にポツポツと散在する、孤立した家々の関係がある。分断し支配する関係が、脈々と続けられてきたといえるのかもしれない、などと空想を逞しくする。この日本的伝統を変えなければ、すべて過去を引きずったまま未来へ続いていくしかないのかと、暗澹たる気持ちになる。新年号の発表を受け止める街の雰囲気を新聞で読んで、「なんでこんなことに冷ややかになれないの?」と不思議に思ったことからの勝手な考察。根強いものだなあ、などと・・・。
posted by ガンコジージ at 09:48| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月01日

芸術が既成概念や因習に囚われたら命取り

28面「卒業式『デリケート』指摘 削除の学生に対し謝罪 秋田公立美大」の記事。卒業生代表の女子学生は「常設型迎撃ミサイル基地の配備計画が持ち上がるなど、在学中に地域住民や大学関係者にとって重要な問題が起こったことも事実。新屋という場所に暮らし、学ぶ学生にとって、こうした問題は決して無視できません」「学生および地域の皆様が平和な生活を過ごせるよう願っています」(本文引用)と書いた。「前日(略)大学事務局へ文章をメールで送信。夜、学生課長から電話で『カットできないか』と言われ、理由を聞くと、『政治的でデリケートな問題』と説明されたという」「大学側は後日、『削除を求めるように聞こえたなら申し訳ない』と女子学生に謝罪した」「『削除して欲しいとは伝えていない。本人の判断』と削除の要請を否定」「学長(略)は『強制的に聞こえたならば申し訳ないと思う』(略)自ら電話で学生に謝罪した」(本文引用)。学校側が右往左往している様子がうかがえる。なんでこんなことで右往左往しないといけないのかわからんなあ。「美術大学」というから「表現」には敏感であるはず。自由奔放こそ芸術表現の真髄と自覚していつも時代の最先端をめざすのでなければ、“芸術表現”も時代に媚びへつらう太鼓持ちに成り下がる。それはつまり芸術の死というにふさわしいのであって、拡大すれば人間の存在意義の否定につながる。いまは「芸術」に限って言及したが、これはあらゆる表現について言えることであり、(奴隷制容認や差別助長、殺人教唆などなど)歴史的に否定された概念を含まず、民主主義の原則を踏まえている限り、全て容認されるのが社会の原則のはず。そんな概念すら失った人物たちが「大学運営」に関わるなど、その見識を疑うばかり。ましてや、ああ言ったりこう言ったりと右往左往するなど、本来あり得ないことと言わねばならない。
と、いきり立っても以下のようなことが起こる現実。「官房長官会見での質問をめぐり、首相官邸側から問題視されている東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者を支援しようとインターネット上で署名活動をした東京都の中学2年の女子生徒(14)が、Twitterなどで誹謗中傷される事態になっている」(本文引用)とあり、中学生は「イジメはアカン。イジメはアカンという人をいじめるのは、もっとアカンと思います」「こんばんは。いじめをやめて、いじめはいけない!と、声をあげた人をつまらない難癖つけていじめる社会。いじめられる方が悪いと言う人たちがいじめをやめてと言う人をいじめ倒す社会は、美しくないよね? 人間としての生き方が問われているんです。いじめをやめよう」(「行替え」「行間」を約めて本文引用)と綴る。他者を貶めるものは必ず自らを貶める、と知ろう。
☆「東京新聞の望月衣塑子記者を支援する署名をネットで集めた中2、誹謗中傷に『子どもが何か意見しちゃいけないんだと感じた』」HUFFPOST3月6日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/isoko-mochizuki-signature-campaign_jp_5c7e9d3be4b0e62f69e6cc5b?ncid=fcbklnkjphpmg00000001&fbclid=IwAR28EZbtpmI_iTyEqwVRMbS4J95EI5riXn0jZCc2w6R3z7efrxmOs8fEJEI
いまや某国営放送局まで政権に忖度し、しっぽを振る浅ましい状態に成り下がっている。自分たちのやっていることが、ちまたにミニ版忖度社会を蔓延させていく。そのことを自覚できないのかと思ったが、いや違う。彼らは自覚的にやっているとしか思えない。「『月刊日本4月号』では、安倍政権に不都合な報道が抑えられ、安倍総理を持ち上げる『提灯報道』一色になり、『安倍様のNHK』と揶揄されることについて(略)報じている」(本文引用)。この記事は3月30日当ブログ紹介の毎日新聞の記事に重なる。言論封じは民主主義を標榜する組織にも忍び寄る根深い悪弊と自覚したい。まず自らが侵食されないために。
☆「なぜNHKは政権による嘘と誤魔化しに加担するのか<永田浩三氏>」ハーバービジネスオンライン3月21日
https://hbol.jp/188405
posted by ガンコジージ at 09:55| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする