2019年04月07日

ミリタリー色でなく緑色のパーカーで

3面「日曜に想う」は「未来人になるスイッチ」。「人口は減り、高齢化が急速に進む。財政赤字が膨らみ続ける。3・11のあとも原子力発電をやめられない。深刻な課題ほど解決が先送りされる。私たち現役世代が子や孫より今の自分たちの暮らしを優先する姿勢から抜け出せないからだ。犠牲になる世代から声が届かないのをいいことに。(略)実は私たちの中には、未来人になるためのスイッチがある。それをオンにすれば、ぜんぜん違う発想が湧いて出口が見えてくる」(本文引用)。「なんだこりゃ?」と思って読み進めると「フューチャーデザイン(FD)」というのだそうである。参考例が示されている。「交通計画について市民から意見を聴くイベント」で、1回目の会合で行政に対する注文の場と思っていろいろ問題点を指摘。2回目もそうかと思って臨んだら、「2060年の市民になって意見を述べて下さい」と言われて戸惑っていると、逆に40年前を振り返るための年表が示され、40年の歳月がかなり大きな変化をもたらすと知る。そのあと、緑色のパーカーを着て40年後の未来へ意識を飛ばす。緑で自然を表しているらしい。自然志向になっていく流れが生まれる。「再開発よりもコミュニティーを大切にするまちづくりに考えが傾いた」「目先の不安より将来の夢から今を考える発想へ」「未来人になると現在への執着が減り、考えが具体的になる傾向が見られるという。『今と未来の自分と社会を俯瞰して考えると、具体的で建設的な提案を出しやすくなるのでは』(略)『考え方が自由で自発的にもなる。うんと未来に飛ぶことで経験不足などを気にしなくなるようです』」「すでに解決策の手がかりを得た自治体も出ている」(本文引用)とある。
今という呪縛を離れて遠い未来から考える。なかなか興味深い発想だ。今日の新聞でいうと、1面トップ「砂漠に『仮想横須賀基地』 中国、中距離弾開発を加速」がある。これを今を起点にして考えるとどうなるか。「中国が具体的にこちらを狙っている。防衛するのが当然じゃないか。先制攻撃だってあっていい」という話になる。これで40年前の過去と40年後の未来をミリタリールックのパーカーで語るか、緑色の軽い服装で語るか。誘導の仕方次第で考え方が自在に揺れ動くことにある種の危惧も感じるが、その恐れを自覚しながら自分の今を振り返る力が備わっていけば、前向きな意識を形成する立派な方法にもなると思った。今の危機を主張してかえって危ない未来に誘導する目論見は、現実の中に色濃く存在する。2面「中国 発射実験を放映し性能誇示」の中に「米『日本にミサイル配備』模索」の項がある。「米軍は、核は搭載しなくとも、中国の『のど元』に攻撃兵器を突きつければ、大きな抑止力が得られると期待する」(本文引用)。配備先として台湾は政治的リスクが極めて大きいと米軍は考え、フィリピンも候補にするが対米姿勢が安定せず不適。グアムは遠すぎる。地理的に日本は最適と考える。日本政府内には中距離ミサイルの日本配備を検討すべきとの意見と、米中軍拡の引き金になる恐れを指摘する声が混在している、と記事は書く。
ここからが世論誘導のあり方が問われる重要な分かれ道になる。ミリタリーパーカーかグリーンパーカーか、未来を見通す立ち位置の違いで心のありようが大きく変わってしまうことの危うさを感じつつ、そんな誘導に負けず、ネガティブに走らずポジティブな認識を確保していける立ち方が、いままさに必要になっている。関連で7面の「リビア武装勢力首都接近 訪問の国連総長説得不調」を想う。「2011年にカダフィ独裁政権が崩壊した後、新政府ができたが、14年に分裂。各地の民兵組織による戦闘も散発的に起き、治安が回復していない」(本文引用)という背景の中、東部に依拠する「リビア国民軍」と西部の「暫定政府」のあいだで深刻な武力衝突が起きているという。カダフィ政権が核を放棄したあのとき、もしもミリタリーパーカーでなくグリーンパーカーで未来予測し、外交の力で懸案を解決していたら。そう主張する人々の声が小さいうちに軍事行動に走ったのはどの国だったか。暗い気持ちになる前に視点の大転換をこそ!
posted by ガンコジージ at 10:23| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする