2019年04月18日

新たな「徴用工」問題を生み出していないか

1面「原発に特定技能外国人 東電 福島廃炉に受け入れ」の記事。「4月から始まった新しい在留資格『特定技能』の外国人労働者について、東京電力が、廃炉作業の続く福島第一原発などの現場作業に受け入れることがわかった」「元請けなど数十社に周知した」「『建設』『産業機械製造業』『電気・電子情報関連産業』『自動車整備』『ビルクリーニング』『外食業』が該当すると示した」「柏崎刈羽原発でも受け入れる方針」「放射線管理対象区域では『放射線量の正確な理解、班長や同僚からの作業安全指示の理解が可能な日本語能力が必要と考えられる。法令の趣旨にのっとってください』と伝えたという」「法務省は(略)事業について『全て廃炉に関するもので、一般的に海外で発生しうるものではない』とし、『国際貢献』という趣旨から不可としてきた。だが特定技能について東電は、法務省に問い合わせた結果、『新資格は受け入れ可能。日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる』(東電広報担当)と判断した」(本文引用)という。3面にも関連記事「『福島廃炉に特定技能外国人』被曝管理 日本語の壁」があり、その背景には東京五輪の影響による人手不足があるとする。これまでにも外国人労働者を受け入れていたようで、「『国際貢献』という趣旨から不可」という記述とどういう関係になるのか、記事からはわからない。しかし、放射線管理対象区域外とはいえ確認が不十分だったと認め、実習生に必要な情報を与えないまま除染作業をさせていた建設関連会社が処分されてもいる。除染作業で従業員100人の会社の役員報酬が77億円というぼったくりタコ部屋が横行する世界だ。言葉の通じにくい実習生たちが、金に群がる亡者たちの犠牲になっていることに目を向けず「平安な日常」を送るなど、我等自身無意識の犯罪に加担しているのではないかと思う。
「東電によると、国外の原発で働いて被曝したことがある場合、被ばく線量は労働者が自己申告することになっている」(福島廃炉作業の経験者は)「日本人ですら被曝による労災申請の方法はよくわからず、ためらう。外国人ではなおさらではないか」(本文引用)という。EU加盟国間では被曝線量を一元管理することになっているが、フランスでも多くの外国人労働者が働いており、制度はあっても一元管理されておらず、知らずに線量限度を超えてしまう恐れを訴える声が労働者からあがっているという。もともと妥当とはいえない国策で無理を重ねる廃炉作業の過酷さに加えて言葉の壁、闇企業の暗躍が重なり、とんでもない労働環境が横行している。この国はまさに国際的闇市場を抱え込んで、泥沼へ深々とはまり込んでいく途上にある。識者は「日本で実効性のある、国境を越えた一元管理の制度を早急につくるべきだ」「第一原発での作業について『防塵マスク以上の装備が必要な現場がほとんどだ。小さなミスや突発的なトラブルの際に瞬時に言葉が理解できないと、大きな事故につながりかねない。(略)』と懸念する」(本文引用)と語る。下請けというシステムは、トラブルなどの責任を下へ下へと押し付けるようにできている。請負の構造が多重になるほど責任の所在が曖昧になり、「国境を越えた一元管理の制度」を自動的に拒むシステムといってもいい。それが従業員100人で役員報酬が約80億円という暴利を許す温床になる。そんな実態を残したまま、「特定技能」に関する協力覚書を5カ国と結び、さらに4カ国との締結を目指している。これは新たな「徴用工」問題を生み出すもとにならないか。すでに過去に同様の経験がある以上、私たちは「知らなかった」では済まされない立場にいると自覚しなければならない。
☆「【独自】『お金ならなんぼでもある』除染で“利益率”5割超…“国民負担”3兆円の闇」プライムニュースデイズ3月12日
https://www.fnn.jp/posts/00435790HDK
☆「『なぜ?』相次ぐ技能実習生の死 ベトナム人尼僧の嘆き」朝日新聞3月30日
https://www.asahi.com/articles/ASM3Y54MRM3YUTIL026.html?fbclid=IwAR2ARZMMZ_AkjVuyAh--ByzbAOwqAZ3U9PgDk_A3Ee62lqbktaMXPiCMHkM
posted by ガンコジージ at 11:22| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする