2019年09月30日

報道されることされないこと

4面に「BBCに猛反発 トランプ氏を批判 司会者に『指針逸脱』」がある。「英公共放送局のBBCが、情報番組でトランプ米大統領の『人種差別的な発言』を批判した司会者を『編集指針に違反している』と判断して、局の内外から猛反発を受ける騒動になっている」「『個人体験を話すことは問題ないが、米大統領の発言の意図やその感想などは、視聴者に判断してもらうべきだった』との見解も公表」「これにBBCの記者らが猛反発」「約60人の作家や法曹関係者らが連名で、判断見直しを求める書簡を公開した」(本文引用)。BBCは少なくともどこかの某国営放送局と比べて信頼性の高い報道機関と思っていたが、時代の流れかね。思い起こせば「地球温暖化人為説詐欺」でもキャンペーンを張っていたようで、これをテコに批判をする向きも、こちら側では少なくない。英国自身はいちおうEUの動きに合わせて電力自由化を進めるそぶりを見せたが、自由化発足当初は700を超えた新電力はいまは激減しているといい、大手電力会社はドイツから流れてきた電力会社が参入するなど再編の憂き目にあったとはいえ、けっきょく国策電力の根幹を揺るがすことはなかった。ブログ主が影響を受けた「全球凍結」のドキュメンタリーはBBC制作で、説得力は抜群のものだった。ただし、「温暖化人為説詐欺」を扱ったBBCの番組を紹介したレポートを読んだとき、奇妙な記述が満載だったので、こちらには疑問を感じざるを得なかった。番組紹介でアフリカの映像中に「わたしたちはパネルなどいらない。工業化したいだけだ」との主張があり、さらにレポートした人の選択で諸外国の環境教育の事例紹介があって、アメリカ、韓国、日本を比較していたとか、熱核融合の話がさりげなく挟まれ、いつのまにか人為説詐欺の主張から温暖化そのものが否定されていく過程など、科学的に立証する努力が欠如していて、とても信用できなかったことを思い出す。「全球凍結ドキュメント」と「温暖化人為説詐欺レポート」では、実証の丁寧さで雲泥の差があったと思ったものだった。
BBCの話に戻ると、この放送局がとても力のある報道機関であることは確かだが、やはり公営放送は国営放送なんだと思う反面、「BBCの記者らが猛反発」という点に注目。こちらの某放送局でも現場の制作陣は頑張っているらしく、その真摯な報道姿勢が評判になるときがある。今日のBBC記事で、報道を恣意的に判断することの危険を学んだが、何かを正確に判断したいと思ったら、情報に接したときすぐにその信ぴょう性を確かめるクセを身につけておきたい。でないと愚にもつかないことに振り回されかねない。自己都合で選んだ名のある論者の言葉も、じっくり確かめながら自身の能力の限界を知りつつ受け止めるようにしていきたい。ところで、今朝のTV番組は香港の民主化デモを大々的に報じている。その報道は確かに重要だが、もう一つの大規模なデモについて報じる気配がないのが不思議。以下記事には「検察が娘の不正入学疑惑や家族ぐるみの不透明な投資疑惑などが取り沙汰されている韓国のチョ国(チョ・グク)法務部長官に対する捜査を実施する中、強い権限を持つ検察の改革を求める集会が28日夜、ソウル中央地検付近で開かれた」(本文引用)とある。主催者発表150万人とはすごい。単純にこちら側の人口比で考えると300万人ってことになる。写真が載っているが、別の報道で見た動画はさらに詳しく全体像に肉薄しており、紹介できないのが残念。「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は検察改革実現のために今月9日、チョ国(チョ・グク)法務部長官を任命した。集会の主催側は検察がチョ氏の家族を巡る疑惑に対し、強引な家宅捜索や被疑事実の公表など『改革つぶし』と受け止められるような捜査を行っているとして、抗議の声を上げている」(本文引用)。こちらの報道では、文政権が風前の灯のように描かれるが、なかなかそんなわけにはいかない緊迫した空気が、あちら側には厳として存在する。
☆「検察改革求める集会 主催側『150万人参加_』=韓国」聯合ニュース9月29日
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190929000200882#none
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2019年09月29日

何をやってんだろうね、この国は

2面「台風15号 遅れた初動」中見出し「停電長期化 甘い想定」「千葉通信断絶 県対応鈍く」「直後に内閣改造 野党批判」の記事。紙面を大きく占領して書かれているから、さぞしっかり、と思ったけれど、それほどでもなかった。「千葉県などに大きな被害をもたらした台風15号をめぐって、被災者から関係機関の対応の遅れを指摘する声が出ている。国、県、市町村が被害の把握と共有に手間取り、東京電力の復旧見通しの甘さと広範囲にわたる倒木被害が混乱に拍車をかけた。災害対応の現場で何が起きていたのか」(本文引用)とあるが、中見出しの順番が東電→千葉→官邸となっていて、ドキュメンタリータッチで書いてもこうなるの? 菅官房長官は18日の記者会見で、政府としては「上陸前から迅速および適切に対応してきた」(本文引用)と豪語している。6日に「関係省庁災害警戒会議」を開催、台風上陸の9日に「関係省庁災害対策会議」に切り替えたけれど、対策会議を開いたのは台風上陸から33時間後、11日の内閣改造の日には開いていない。同日の首相動静に台風関連はなく、内閣改造を公表していろいろ挨拶やらなにやらやって後、自宅へ戻っている。12日の新聞は内閣改造ほぼ一色。同日の首相動静は内閣改造とラグビー、なんたらパーティー、その後自宅。13日の動静によると朝9時4分の閣議後に閣僚懇談会で「停電の全面復旧に全力を挙げること」と指示して、あとは改造内閣のご挨拶ごっこ。外国首脳の歓迎接待と晩餐会。12日には事態を軽く見ていた東電から県南の過酷な被災状況が伝わってきて、官邸の空気が変わったというが、首相動静からは変化の雰囲気は読み取れない。「菅氏は17日の会見で『(東電の)見通しが正確ではなかったとの認識を持っている』と発表」(本文引用)。いつものように最後の手段、責任転嫁の意図が覗く。なにしろその後、14〜16日までの連休期間中の首相動静は、17日の当ブログによると、「ずっと『自宅ですごす』。午後には結婚式に出席やら、成蹊大アーチェリークラブでご挨拶やら、拉致問題の国民大集会に出席やらで、ほとんど静養の日々」「22面に17行の小記事で『拉致被害者家族ら集会』があるが、どんなあいさつをしたのか」とある。13日閣議後の閣僚懇談会で「停電の全面復旧に全力を挙げること」と指示したらもう仕事終了か。
推測するに、首相の災害対応は、おしなべてこんな調子じゃなかったのかね。赤坂自民亭がその典型で、激甚災害が連続して発生するこのごろ、災害対策の臨時国会開催をネグレクトし、政府主導の災害対策本部で「しっかりやんなさい」の一言くらいはアリバイで残すものの、ややこしいことは責任を取らず、本気で陣頭指揮なんかした試しはなかったんじゃないかね。新品の作業服で現地視察し、あとは外遊、政治ごっこに勤しむばかり。今回はついに災害対策本部をネグレクト、「災害対策なんてやりたくないもん」とばかりに全面東電まかせ。それでなんでもうまくいくのなら、福島第一原発事故も、すべて東電まかせで良かったというべきか。東電は事故を過小に見せ、建屋爆発も軽微とし、放射性物質の飛散などはチェルノブイリと比べたらたいしたことないと言いまくり、安全保安院も安全委員会もそれを追認する。若干の情報漏れで危機感が巷に蔓延したら、「風評」だ「デマ」だと言論圧殺。原発も次々に再稼働させ、はやばやと事故終息宣言を出していたんじゃないのかな。もちろん県民健康調査なんか実施しない。そのあとはどんな時代が現出していたことやら。強権圧殺を乗り越えて避難する者をさらに抑圧し、「復興」を阻害する要因のひとつとして排除していたのではないか。考えるだに恐ろしい。そんなこんなを背景に、1面「関電会長 13年前から受領 元助役側への便宜否定」みたいなことが連綿と続けられてきたわけか。八木会長は06年から10年までの4年間に金品を受け取り、国税局に調べられるまで自宅で保管していたとか。いつの金沢国税局の調査だろう。今回の調査としたら、受領したがずっと塩漬けにしていたということか。「受け取りを断ると激昂された」とあるが、どういう関係かな。まさかヤッチャンかい?
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2019年09月28日

人類は居ながらにして狂った存在なのか

今日は4冊の本に注目した。まず「隠された奴隷制」から「深刻なのは事実上労働を強制されながら、それらを自らの意志で選んだと考えている『自由な労働者』たちである。彼らは自分を奴隷とは思っていない。が、雇用されて働くしかなく、失業したら生きていけないとあえて『自己責任』で長時間労働を引き受ける労働者は、本当に自由なのか。現代を生きる私たちもまた、『隠された奴隷制』の下に生きているのではないかと著者は問いかける」「『逃げる』ことを含め、『自由な時間』を増やすために自分にできることをする、それが奴隷でなくなるための第一歩であると著者は結論づける」(本文引用)。書評だけでは解き起こせていない何かが、この本にあると感じさせる、そんな書評だった。「逃げる」「自由な時間を増やす」という行為がなにを生むか。それは自分を閉じ込めている固定観念から自分を外す意志ではないか。「逃げる」とか「自由な時間を増やす」は、ただの第一歩に過ぎない。その先に「創る」「対峙する」がうまれるときがくる。自分一人の概念としてでなく、多くの同じようなやり方を志す個人が目立ち始めたら、個別の意志を失わない立ち位置を定め、そこから自分たちを押し込めようとするものに向き合う。流れはこうして大きくうねりだす。または、そこまでいかないとうねりとはならない、ということなんだろうと思わされた。
次に目に入ったのは「月下の犯罪」の書評。ハンガリー貴族の末裔が大叔母の足跡をたどる中で知る、「祖父母や父母の世代を含めた20世紀ヨーロッパの非人間的な光景」「入手した祖母の手記を通して人間の原型図が確かめられる。『我々は、自分自身の身を守るためなら、突然従順になったり、義務を自覚したりしないと言い切れるのだろうか?』。辛い自問である。著者は、ノートに『否』と書いている」(本文引用)。ここには「隠された奴隷制」の悲惨な実例が記されている。「事実上労働を強制されながら、それらを自らの意志で選んだと考えている『自由な労働者』たち」と同じ人物群が「突然従順になったり、義務を自覚したり」して、過酷極まりない時代の大波に酔い、それを甘受し、結果として積極的な意志となって流れていく過程を丹念にたどる。しかも「自分自身を守るため」という「正当な」理由で、自分自身の脳を噴出するアドレナリンで麻痺させ、理非の分別を超えて熱狂する。
3冊目は絵本「父さんはどうしてヒトラーに投票したの」で、「第2次大戦前のドイツの総選挙で主人公の父がナチ党に一票を入れるところから、この絵本は始まる。ナチ党は過半数を取らなかったが、第1党となった彼らは数週間のうちに全権を握る。それをドイツ国民は熱狂を持って迎えた」「このドイツの過去の歩みが今、なんと鮮明に我々の社会と重ね合わされる」「敗戦後の壊滅したミュンヘンへ移動した少年は、最後にこう言う。『ねえ、父さん、父さんはどうしてヒトラーに投票したの?』」(本文引用)。ただひとつ気になるのは、子供向け出版物にいつも出現する「純真無垢な子供」像。こんな問いを発することのできる少年は、過酷な時代にあっても決して汚れることなく無垢でありえた存在だったのか。過去にそのことを問いかけるいくつか作品を思い出す。コジンスキー「異端の鳥」、アゴタ・クリストフ「悪童日記」は小説。映画では「ドイツ零年」や「僕の村は戦場だった」、「さよなら、アドルフ」などが思い浮かぶ。「無垢」を対置する安易はないか。たとえば10代後半まで育った少年の問いは可能か。「無垢」は、現代へつながるきっかけを失わせていないか。「月下の犯罪」の続きで若干の疑問が残った。
4冊目は毛色が変わって、「人体、なんでそうなった? 余分な骨、使えない遺伝子、あえて危険を冒す脳」。野生動物にある機能で人間にはないもの。たとえばビタミンCの合成遺伝子の欠陥。逆にビタミンB12は合成できるが吸収できない。骨格や筋肉は設計ミスや強度不足。勘違いして自分を攻撃する自己免疫機能。「進化は、合理的な目的を持って進むものではなく、その時、その場でうまくいったものが広がるという刹那的なプロセスなのだ」(本文引用)という。人類を文明論で説きおこすのと違い、進化のプロセスから問う。そのとき、人間は大地を歩き始めた瞬間から、自然と相反する存在になることを運命付けられたのだと知る。戦争も然りかもしれない。我ら人類は居ながらにして狂っている。「自然へ回帰する」なんぞは永遠の夢物語と成り果てているのかも。
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2019年09月27日

ゆっくり進めながらとつぜん牙を剥く

我が家購読紙に対するよく聞く批判に「両論併記の二股膏薬」といった表現がある。あんまりいじめちゃいけないよ、という気もするが、ときどき両論併記の弊害が出ているなあと思わされる時がある。1面の「米ペース 貿易妥結 『米産牛・豚輸入TPP並み』『日本車関税撤廃時期先送り』」と、それに続く3・7・12面の関連記事を読んで、たしかに両論併記はふらふらした芯のない主張を感じる。「何を言いたいの」という感じが膨らむ。フワフワ感が押し寄せてくる。一般的印象で言えば、表題ではなにやら日本の成果に見えないでもない。それにちょっと歯止めをかける文言が記事の随所にあるものの、立ち位置不安定な感じが否めない。ラスト「ライトハイザー氏はこの日、来年5月にも『できれば完全なFTA(自由貿易協定)』に向けて議論すると説明。日本は今回、農業分野で主要な交渉カードを使い切った。より包括的な物品やサービスをめぐる交渉に臨めば、さらに譲歩を迫られる可能性がある」(本文引用)と書かれており、一生懸命ここへ結論を持っていく努力が見られるが、ここに至るまでの表現がモコモコ感を免れない。3面「『トランプ・リスク』残る 『貿易交渉 追加関税の回避、明記されず』」中見出し「業界は安堵の声」「数量制限恐れ譲歩」「歯止めにならず」「視/点 『弱点』見透かされ屈した」など、先に「農業や自動車業界には安堵が広がる」と書かれているうえに「どうやら自動車が完敗らしい」「望んだベストではなかったが、『中の上』はとれた」(以上「」内本文引用)などとあり、しだいに丹念に読む気がしなくなったあと、「視/点」の記事に至る。「弱点を見透かされ、結果的に脅しに屈した」「トランプ氏が追加関税を持ち出すと、日本はあっさりと旗を捨て」「交渉は日本の『お願い』ベースとなり」「短期的な視野で日米の『蜜月』の維持を優先したような交渉」(本文引用)とまとめる。おしまいはそれなりだけれど、全体の論調はきっぱりしてない。7面も然りで、もはや引用する気もない。12面の「社説」表題で「日米貿易合意 自由・公正に傷がつく」と書き、やっと本来の報道らしさが戻るが、当初「物品貿易協定(TAG)」と言い張っていた政府がコロンと転んだことに触れつつ、「ウィンウィン」と自賛する首相の自己陶酔の極地を攻めるときのふわふわ感が読むものをとてもやるせない気分にさせる。もっとメリハリを利かせろよと言いたい気分いっぱい!
1面トップは「芸術祭に国補助不交付 『不自由展』運営 申告に『不備』」中見出し「愛知知事、提訴へ」「異例の対応 萎縮懸念 視/点」の記事。これも「萎縮懸念」と書くだけでいいのかどうか。「『手続きの不備』が理由だとしているが、文化庁でも前例を確認できておらず、異例だという」「説明が不十分とは言えない点でも、いきなり全額カットという点でも、乱暴の感は否めない」「一部でも問題視されると補助金や助成金が得られなくなってしまう。今回のことで、文化の現場に萎縮が広がることが強く懸念される」(本文引用)とあるが、この記事関連では「全額カット」か「部分カット」かの問題に矮小化される論の立て方に「?」マークをつけたくなる。2面で「『表現の自由』損なう恐れ 『芸術祭 国が補助金不交付』」中見出し「『手続き理由』前例なし」「官邸 展示にいらだちも」「『全額厳しい』識者」とあり、官邸は文化庁に責任を押し付けて知らん顔。識者の論調は減額が現実的との主張を優先して、「表現の自由」を云々しながら、問題がある部分をターゲットに「減額」という制裁を許す雰囲気がにじむ。そんなことでいいのかね。根っこに何があるかを見る必要はないか。韓国をホワイト国から外す処置も、政府は手続き上の問題と言い張っているものの、その根っこに元徴用工問題があることを否定する論調はほとんどない。それなのに同じやり方が、今回の「トリエンナーレ」に対する処置にもはっきり出てくる。みっともない本音を隠して気に入らない相手を押さえ込む。そんな手口が強権発動される。この世の中は今、どこへどう向かっているのか。我が家購読紙の記事に漂うフワフワ感から、強い危機感を持つ。
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2019年09月26日

なぜ記憶が風化しやすいのか

4面に「福島とソウルの放射線 比べて公開 外務省 韓国に安全性アピール」がある。この記事をどう語るべきか迷う。今そこに住む人たちの気持ちをどう考えるか。いたずらに「危ないから、避難すべきだ」と言いつつ、避難者たちの苦難に対応しきれず、ほとんど放置に近い状態でいる自分の立場が情けない。たとえばチェルノブイリ法は、そこにどんな解決を見出したか。系統的に勉強したわけではなく虫食い的な理解でしかないが、「どこが汚染地域なのか」を定めた「汚染地域制度法」と「誰が被災者で補償を受ける権利があるのか」を定めた「被災者ステータス法」の、主として2法から成り立つのが、チェルノブイリ法という。事故で「まず誰を救済するか」の認識が大きいのに気づく。この出発点からして日本と決定的に違う。「復興」より「危険回避」優先というべきか。「どこが汚染地域なのか」を明確にする試みは、福島では「除染」が絶対の前提であるがゆえに、事故から10年も経たないうちに加速度的に縮小されている。人間が居住する場所に限定した「除染」であり、山間部に降った放射性物質の「除染」は手つかずに残されている。山火事や地下水汚染の可能性が否定できず、大自然の回復力の根気強さに負けて、いつなんどき「取り残した」放射性物質が人間界を襲うかもしれない不安が残る。さらに「除染」によって集められた「汚染土」は沿岸部に山積みされ、風化の脅威にさらされている。その解決策として土木材料や土壌改良材に再利用することまで考えられている。そして、汚染水の海洋投棄も含めて、反原発の運動は対症療法的な対応しかできておらず、事故全体を網羅する法体系に至る道筋をめざす動きは、芽生えはあっても広範な広がりを持てていない。
チェルノブイリ法における「被災者ステータス法」の特徴は「対象の広さ」、「長期的時間軸」、「国家責任の明確さ」において日本のスタンスと決定的な違いをみせつける。その違いは、国家による補償の仕方にも明らかに示されている。「移住権」が認められる一方、「放射能汚染地域」に居住する権利「居住権」が定められ、「被災者が(移住か居住か)そのいずれを選択した場合であっても適切に支援」するものとされている。ところがこちら側では、国家によるあわただしい収束作業が進行し、建前的には事態は収束の過程を着実にたどっているとみなされ、放射性物質が人体に対する影響など軽微なものとする流れが加速している。居住者を中心にした定期的健康診断も縮小の流れの中にあり、すでに30年を経た現在も続けられている彼の地と比べて格段の差がある。もちろん時の流れの中で、チェルノブイリ法にも空洞化の試みが顕著になっているとはいいながら、その精神のあり方にはいささかのゆるぎもない。これら違いのすべては、原発事故の重大さをどの方向から受け止めたかの違いに大きく起因している。片方は国家の威信が崩壊寸前のなか、人々の権利意識が拡大する途上で事故に直面したことが挙げられる。一方こちら側では、すでに20年を超える経済の低迷期にあり、逆の流れが加速しつつあった時期に、国家を揺るがす大事故に遭遇したことが挙げられるだろう。またさらに、反原発の機運が急速に盛り上がったとはいえ、危機感の共有が直感的感覚の領域から論理的に拡大していくには、日本の社会運動の質が決定的に不足したことが挙げられるような気がする。そのあたりの危惧は、福島第一原発の敷地内に貯蔵された汚染水の海洋投棄に対する批判にも色濃くある思う。批判の中心はトリチウムの危険性をあげる論調と、トリチウム以外の放射性物質が残っているとの指摘に集中していると思うが、凍土壁建設を選んだ経過にほとんど誰も触れていない。つまり、民主党政権時代に一度は俎上にのぼった「矢板・粘土」方式が官僚や東電によって退けられた経過に踏み込む論調の不在が大きな問題なのだ。(詳しくは9月11日の当ブログ「反省なく泥縄・高飛車を押し通す魑魅魍魎」参照)。事故から8年有半を経て、運動の側でも記憶の風化が進む。7面週刊誌広告に「韓国は毎日『原発汚染水』を海洋投棄している!」との表題がみえるが、この「汚染水」は同じ質のものか。同じ背景のものか。簡単にマイクロシーベルトの罠にはまってはいけない。
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2019年09月25日

気候行動サミットを考える

1面トップ「温室ガス削減 鈍い主要国 77カ国『50年実質ゼロ』 国連サミット」では「中国、インドは温室効果ガス削減の具体的な道筋を示さず、日米は登壇の機会すらなかった。地球温暖化対策の加速を目指して5年ぶりに開かれたサミットは、成果とともに主要排出国の鈍さが際立った」「日本に30年度の13年度比26%、50年の80%という現在の目標を変える機運はない」「前向きな具体策に乏しいのが実情だ」(本文引用)とある。2013年は原発事故の後で原発がほぼ停止していた時期にあたる。その時期、代替の発電施設は化石燃料を使っていたから、13年度比13%というのは、事故以前に比べると温室効果ガスが増加中で、13年を比較の原点とすると、削減目標は実質かなり年代を逆行させたのと同じになる。これを数字の魔術とするか、それとも原発ゼロを前提とした削減目標とするか。今の政府に原発ゼロなんて当然やる気などない。このところブログ主は「面従腹背」についてしばしば触れるが、これはまさに「面従腹背」というにふさわしい設定といえる。「やる気なんかないけどやる気満々って、どういうことだ」と言わねばならない。広瀬隆氏の主張はこの政府方針に対し、「温室効果ガスなんてインチキだが、原発ゼロにするつもりがあるなら支持してやる」というところか。ついでに再エネ発電について、「そんな不安定な電源は急いで普及させることはない。ゆっくりでいいんだ」と言っているのだと思う。「不安定」というのは、天候に左右され、発電効率が一定しないと言いたいのだろう。また、国の施策が利益優先で拙速なゆえ問題が多いことも、「じっくり決めてやれよ、ゆっくりせいよ!」と言いたいのだろう。
どちらにしても広瀬隆氏は、1)温暖化は温室効果ガスと関係なく起こっている 2)寒冷化説の立場にない 3)再エネ全面否定ではなく、いまはまだ不安定電源である 4)原発ゼロにするつもりなら、政府の諸施策は評価できる。という意味において国の進め方を部分的に取り入れた考え方だろうか。1)については、これを主張するために「温暖化人為説詐欺」にことさら焦点を当てるため、いいように誤解される傾向があり、ブログ主も彼の主張のあまりにエキセントリックなことに辟易するところだが、まあ「その考えはありうる」と、すこしだけ近い距離にいることは確かである。2)については、温暖化説も寒冷化説も科学的に立証され尽くしていないという点で、ブログ主はどっちもどっちという見方をとる。4)については、石炭火力をいうならもちろん脱原発が必須の前提となるが、これを絶対の条件とする状況にない政権の下では問題外。21年には石炭火力を順次停止していき、電力不足を鮮明にしていこうとする意図まですでにある現状、さらに信用できない。 3)の再エネ電源は不安定という指摘は否定できない。ただし、有効な蓄電設備が急速に実用化の域に近づいているとか、リチウムイオン電池の量産体制が整いつつある現状から、「不安定電源」という条件づけは遠のきつつあるように思う。ただし、政治の主流が産業界の利益を最優先にする意図を鮮明にする中で、運用の仕方には十分注意する必要がある。
国連の気候行動サミットが原発ゼロの同時進行を各国の意志に委ねており、他文書で「原発ゼロでいける」と指摘しつつおおむね曖昧にしていることは確かであり、日本などが「温室効果ガス対策」として、懲りもせず小型高速炉や熱核融合炉をあげるのも、それゆえのこと。石炭火力への風当たりが強いのも、化石燃料依存への地政学的問題と重なり批判されるところだが、世界的な脱原発への流れはその延長上で広がっており、さらに広がらせる余地はある。というわけで、「温暖化人為説詐欺」を掲げて気候変動サミットに対立するのが戦略的戦術的に有効な方法でありうるかを考えると、必ずしも頷けない。温室効果ガス削減には、中東の悲惨な状況を押しとどめる外縁の力がある。石油依存からの脱出は、世界戦争の回避につながる。今と全く違う社会を創造することで地球全体の危機を救う可能性は今よりはるかに高い確率でありうる。サミット周辺でアベ政治が非難される現状、サミット否定でこれらの可能性まで弱めることが有効かどうか、じっくり考えたい。
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2019年09月24日

国際社会からつまはじきされている国

1面に小さく「気候サミット 各国に温度差 日米首脳参加せず」がある。「温暖化人為説詐欺」を掲げて「温暖化国際会議」を猛批判する環境運動家たちは、首脳の不参加を見て日本政府の姿勢に多少でもシンパシーを感じるのだろうか。「反原発」の立場から石炭火力の正当性を擁護しつつ、日本政府の「原発ルネッサンス」回帰を批判するのだろうか。ブログ主は「温暖化人為説」詐欺という出来事があったのは事実と思う。さらに、原発ルネッサンスが「温暖化対策」の主柱になったことも確かだが、福島第一原発事故が決定的転機になったのを忘れてはならないと思う。チェルノブイリ事故で肝を冷やしたEUのなかでドイツはいち早く脱原発に舵を切り、「原発なしで温暖化対策はできる」という立場に転じた。その背後にはドイツ緑の党の存在があった。緑の党は組織の躍進とともにメルケルに接近し、首相の立場を政策の範囲内で転換させることに成功した。ドイツが地政学的な理由で化石燃料からできるだけ離脱しようとする意図を持っていたことも利用し、「温暖化」が正当性を持つかどうかの理屈判断はさておいて、できるだけ早急にEUの政策を転換させるきっかけを作った。緑の党の作戦は実に巧妙で現実的だったと思う。「温暖化人為説詐欺」を掲げて「温暖化」「気候サミット」を批判する環境運動家たちはこの動きをみているのだろうか。逆に、国際的な動きを多方面から読み取る柔軟性に欠けていないか。日本政府が推進しているのは、高性能石炭火力発電と高速炉や熱核融合炉をベース電源とした温暖化対策で、これは世界的に批判されている。またCOP21以降、現在に至るまで、日本が温暖化防止の国際会議で次第に存在感を失い、ついに重要な会議でオブザーバー参加となるまでに落ちぶれていることも重要だ。政府はこれまでもこれからも、温暖化対策に、経済的商機以外の価値を見出さない。儲けには食指を伸ばすが、なければ本音を丸出しにする。まさに面従腹背の妙。トランプとの共同歩調も、COP21におけるオバマとの亀裂と重ね合わせれば、決して全面従属などではないとわかるはず。
今回の「気候サミット」における小泉環境相の立場は、かつての丸川珠代環境相のありようと重なって見える。当ブログを探しても見つからないので記憶になるが、たしか丸川氏が環境相になったとき、国際的会合の場で、大臣はなにやら右往左往するだけだった。下記の当ブログ記事は社説を引用「『決意の乏しい日本政府は、パリでほとんど存在感を示せなかった。米国の野心連合参加も寝耳に水だった』『会場の展示で各国は競うように自国の立場をアピールした。だが、日本のブースは四方を壁で囲っただけの空間。世界の流れに目や耳をふさぐかのように、象徴的な造りだった』(本文引用)とあるが、ブースの中身がなんだったのか。『まさか、記事通りただのからっぽ?』」と書いている。小泉大臣はなにをしゃべっているのか意味不明。視線が宙を泳いでいる。3面の「日本 発言機会設けられず 気候サミット 温暖化対策消極的で」に「国連の気候行動サミットで、日本は米国などとともに発言機会が設けられなかった。(略)温室効果ガス削減目標の上積みなどに応えられなかったためだ」(本文引用)。地球温暖化対策の長期戦略は、6月に閣議決定。政府は削減目標引き上げに前向きでなく、石炭火力全廃は産業界の反発で後退し、原発ルネッサンスを忘れられず高速炉や熱核融合炉を前面に据える。そして首相は同じニューヨークにいながら、日程が合わないとして会合にも出ずに逃げまくる。まったくしょうがない人だ。
☆「COP21で日本の姿が見えない件」当ブログ15年12月15日
http://ji-ji-wanwan.seesaa.net/article/431200346.html
☆「あちらの内部はけっこう揺れている」当ブログ4月26日
http://ji-ji-wanwan.seesaa.net/article/465375291.html
☆「『ひたすら聞く』から見えてくるもの」当ブログ6月11日
http://ji-ji-wanwan.seesaa.net/article/467036295.html
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2019年09月23日

実質的に「院政」は始まっていないか

出来事そのものは大きなものばかり。書くべきことはたくさんあるのに、書く気にならない。なぜだろう。考えて思う。あらゆる出来事の奥に、原因の芯が見えないのだ。いや、芯があるのはわかるが、その芯の姿が見えない。芯はいまなにもしていない。いやいや、毎日の動静を見ていると、いろんな人と分単位の面会をしているが、その中身が紙面に出ることはない。Aと会い、Bと会った。結婚式やパーティーに出た。会食し、帰宅した。そんなのばかり。休みの日は終日自宅。なんにもしていない。そんななか、1面トップは「住宅被害9割が一部損壊 台風15号 国支援の対象外 全半壊含め1・3万棟被害」がある。その下に「車関税 日米交渉継続へ 引き下げ先送りの可能性」。2面には台風15号の続きで「一部損壊乏しい支援 屋根崩れ水浸し『修理代ない』」中見出し「被害『実態に合わせ評価を』 過去の災害 自治体の独自補助も」「平等な支援 国の責務」がある。大きな問題なのに、不満のぶつけ先が見えてこない。まるで、下手なことをやるよりやらないほうがずっとマシ、とでも思っているようだ。側近たちはモタモタしながらなにかしているが、「それでいいのかい?」と問いたくなって、ふと思った。これって、いまささやかれ始めている「院政」の試行実験ではないか。なにかやればドジを踏む。矢面に立てば常軌を逸して、みっともない姿を晒す。でも、やりたがっていることの狙いは彼を操るものたちが望むものと一致するから、いっそ表は側近にやらせて、本人は伏魔殿の奥でふんぞり返らせたほうがいい。側近たちは彼の思惑を忖度し、彼は自分の願望を叶える代わりに側近たちに適当な権限を与えてやりたい放題させる。そうだ、その先に見えてくるのは、誰も渦の中心にはおらず、責任を背負うものはいないという、日本的な権力構造。改憲で家父長制国家の頂点に天皇制を置き、すべてを天皇制に向けて収斂させることで最終責任を曖昧化。なにより自分たちへの視線を完全に逸らしてしまうことに成功すれば、なにをしたって安全かつ安泰というわけだ。「院政」は天皇制を頂点とする支配構造の奥で、やりたい放題を可能にするシステムの一つなのかもしれない。改憲を目指しながら、実体としての支配構造を先行して確立していく。改憲は、すでに出来上がったシステムを後から正当化する、最終の儀式として意味を持っているだけじゃないのか。そんなことを、ふと思った今日の紙面だった。
そんな前提で新聞を読み直すと、全ての重要記事が小粒に見えてくる。1面の「車関税 日米交渉継続へ」は、自動車関連の交渉で「早期に関税が引き下げられない可能性が出てきた」とある一方で、「米国が要望した牛肉や豚肉の関税引き下げについては、TPP加盟国と同じ税率に引き下げることが決まっており、今後の自動車の協議が長引けば、バランスを欠く恐れがある」(以上「」内本文引用)とあるように、自動車を守るために農産物を犠牲にしたことが鮮明になっている。連想で、豚コレラのワクチン使用で農水省が「清浄国」維持を目指す従来の姿勢を転換したことや、米国産の飼料用トウモロコシ250万トンの輸入を決めたことなども犠牲の範囲内に入るのではないか、などと推測するわけで・・・。10月に召集予定の臨時国会は、千葉の台風15号災害、日米貿易交渉承認、モリカケ問題追及、日韓関係を筆頭に外交案件、さらに改憲などが論議の俎上に上るだろうが、さて予算委員会は引き続きネグレクトされるのだろうか。その一方で、改憲論議では「議論をしない野党」などと詭弁を弄し、追及を受けるとすぐに奥へ引っ込んで側近の忖度大臣たちのドジを「下手だねえ」などと薄ら笑いする予定なのだろうか。そうこうしているうちに側近たちも詭弁の用い方に習熟してくるか、または院政リーダーのように破廉恥をものともしないで言い切る厚顔になれず自滅していくか。彼らにとって賭けではあるものの、「院政」は着々と完成度を高めていくのは間違いない。権力側の道具は対峙するものたちの隙を突き、繰り出す戦術は一筋縄ではいかない巧妙さに満ちている。彼らのやり方の奥を見抜く力が必要な気がしてならない今日この頃・・・!
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2019年09月22日

操られていると気づかないほど巧妙に・・・

1面「天声人語」は「国の地震予測をもとにした15メートル以上の津波予測が、2008年の時点で東電内にはあった。防潮堤工事も提案されたが、あくまで仮定にもとづく試算だったからという。ことが起きていない以上、すべては仮定のはずだが3人の認識は違うらしい」「3人が無罪になった理由は『事故前の法規制は、絶対安全の確保を前提としていなかった』というものだ。当局も専門家も電力会社も、原子力業界全体が安全に鈍感だったので3人だけを責められない。そんな理屈で責任者を消してしまう手際は手品のようだ」(本文引用)と書く。ここで書き足りないものがあるのに気づく。東電は福島事故の直近2007年に、新潟県中越沖地震で柏崎刈羽事故を経験している。「ことが起きていない以上、すべては仮定」というのは前例がない場合に使う言葉。前例がなく、いつ起こるかわからないことに金をかけられないという発想それ自体が矛盾に満ちているが、東電の場合はさらに、柏崎刈羽の事故が前例としてあって、事故が起これば、事故からの復旧はもちろんのこと、とてつもない事後対策が必要になるとわかっていたのに、なにも手を打たなかった。つまり「柏崎刈羽の前例があったのに対策を立てなかった」という発想が必要なのに「当局も専門家も電力会社も、原子力業界全体が」「事故前の法規制は、絶対安全の確保を前提としていなかった」という前提で、公平であるべき裁判所が「みんな悪くない」という結論を導き出す。この考え方は、戦争をおっぱじめて負けが込んでも、負け続ける理由を深く考えずにひたすら犠牲を積み重ねて大きな損害を被った過去の経験とおなじことをやっているのに過ぎない。ハワイ奇襲攻撃で大勝利したからミッドウェーでも、と仕掛けて大敗北したのに、なんで負けたのか考えもなく突き進んでいっそう手酷い敗北の泥沼に落ち込んでいったのとまったく同じことをやっている。
「なぜ前例を省みないの?」と言いたくなるが、戦前の権力の中枢を握っていたものたちが戦後も生き残り、権力を握り続けたことがいちばんの問題なのだ。彼らはいちおう、勝者であるアメリカに恭順の意を表しながら、その実、いつか必ず過去の自分たちの栄光を復活させる機会を、虎視眈々と狙ってきた。現在の権力亡者たちが、なにをやっても「わしらはだれも悪くない」という意識にまみれているのは、連綿と受け継いできた過去の身過ぎ世過ぎのやり方が、いまも骨肉となって生きているからだ。ただ、いまは「日本国憲法」などというやっかいなものが不自由にするから、彼らはこれを取り除くことに腐心する。日本国憲法制定から70年余、彼らの本音は「憲法」の形骸化の模索というかたちで積み重ねられてきた。そして、表面的には「対米従属」として、国民の批判の矛先が向かう半分をアメリカに背負わせることで、うまく逃げてきたものを、いま大々的に過去の「無謬性の神話」を掲げて本音の支配を遂げようとしている。表立ってあからさまにし、そのまま過去へ戻そうとしている。19日我が家購読紙3面に週刊誌の奇妙な広告がある。「フィクサー・スパイ・暴力団・エージェント・・・戦後の闇に生きた男たち」と題し、「商社会長、政界フィクサー、そしてスパイ 瀬島龍三『大本営作戦参謀』の虚実」「読売新聞・日本テレビのオーナーにして、CIAの協力者 正力松太郎 原子力とジャイアンツ」「五島慶太 渋谷と東急を作った王 別名『強盗ケイタ』」などなど。「ビジュアル版 昭和の怪物 日本の『裏支配者』たち その人と歴史」と題して名だたる人々が列記されている。ただし、これは「裏支配者」の話。裏には表があるので、メンバーはさらに有名人たちの名がひしめくこと請け合いだ。これら面々によって形成されてきた戦後の総決算が、彼らの後継者の手によって完結するか否か。今はその時期にあたる。
3面「日曜に想う」の「嘆くことさえ操られる人形たち」で、「政治の『人形劇』はなにも独裁国家だけで演じられるわけではないようだ」(本文引用)とあるが、いま行われていることは、まさに独裁国家の典型というしかない。独裁国家は空気のように浸透してくる。「日曜に想う」でさえ、気付かないうちに糸につながれている。そして、糸は何本も何本も、気付かないうちに増えていく。
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2019年09月21日

情報過少で事態の全体像が伝わってこない

医療関係者が台風15号で非常な困難に見舞われている千葉県に救援に入った。電気が使えず、物流が途絶え、屋根が吹き飛んだ家屋が多く、いまのところ情報がちゃんと伝わってこない状況にあり、行政の対応も後手後手に回っている。そして自衛隊の活動も本格化には程遠い状態にあり、最大の問題は政府の災害対策の動きがあまりにもひどく、まだ医療関係者の個人情報の段階だが、とんでもない事態がささやかれだした。電気の復旧が遅れがちな地域や個人宅はもちろん短時間でも電気が遮断されたときに重大な事態をもたらすかもしれない重症患者が入院している病院などや、老人施設、介護施設などで大変な事態が発生している可能性があるという。まさかと思うが、その数3桁あるいは4桁に及ぶかもしれない、との情報がツイッターに流れて、ブログ主は驚いてしまった。以下の記事を見たのは数日前。筋萎縮性側索硬化症患者で国会議員の舩後氏は「千葉県で大規模な停電が続いている問題について(略)『とりわけ私のように人工呼吸器を利用している人にとって、電源確保は命の問題だ』と訴えた。東京電力に、呼吸器利用者への情報提供などを求めたことも明らかにした。同県市川市で自身らが開いたコンサートの冒頭で、介助者が文章を代読した。舩後議員は他にも、エアコンが使えないと難病患者や高齢者は体温調整ができないことや、人工肛門などを装着している人には清潔な水が不可欠だと指摘。『病院や施設への一時避難など、柔軟な対応が必要だ』と述べた」(本文引用)。恥ずかしいことだが、ブログ主は迂闊にも、この記事から様々な疾患で電気がないと致命的になる場合が多くあることを連想できなかった。3桁あるいは4桁の人々の苦難が続くことへの思いが浮かばなかった。舩後氏の指摘は、改めてブログ主の胸に深く突き刺さった。
☆「千葉停電『電源確保は命の問題』 ALSの舩後参院議員」中日新聞9月15日
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019091501001852.html
以下の記事によれば、台風直撃から1週間の16日で8万5千戸が停電中。東電は当初、16日までにはおおむね復旧としていたが、一部遅れるところでは「27日まで」と変更している。現状どうなっているのだろう。菅元首相も、あまりにも遅いアベシの対応に業を煮やしたようだ。たしかに15号襲来の前後、首相の関心事は組閣にあった。組閣関連の行事をつつがなく終えてから新閣僚にそれなりの指示はしたのだろうが、その後も災害対策本部を設置するでもなく、淡々と日常業務みたいなものをこなし、連休に入って自宅静養、個人的行事に勤しんでいる。そのせいか、新閣僚の動きは迅速とは程遠い状態にある。これはもしかしたら、政権の命取りになるかもしれない。いや、いまこそ情報統制を徹底して、緊急事態条項改憲に持ち込む魂胆か。20日時点の首相の主要関心事は、どうもラグビーW杯日本大会にあるようで、千葉の重大事態は意識の外。この人が憲法に盛り込む「緊急事態条項」って、いったい何をどうしたいのか疑問に思う現状なのだ。
☆「菅直人元首相 『安倍総理の対応余りにも遅い』・・・台風による千葉県の停電」デイリー9月16日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190916-00000090-dal-ent
☆「菅直人元首相に“逆批判”炸裂! 千葉・台風大停電『初動の遅さ』猛批判するも・・・ネット上では「お前が言うな!』」夕刊フジ9月19日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190919-00000010-ykf-soci
☆「森田健作知事の首相訪問に千葉市長「誰も聞いてない」「一緒に行ければ・・・』」デイリー9月19日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190919-00000078-dal-ent
☆「首相官邸ツイッター荒れる…安倍首相が笑顔でラグビー動画・・・『千葉のこと考えて』」デイリー9月20日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190920-00000074-dal-ent&fbclid=IwAR1Abpn0Ss3v1YLYx151LUQwW7qY_FAoVHYGZTOT0-je7qmRMHUVy_RjhEY
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2019年09月20日

原爆も原発も経営バカも許される「美しい国」

1面トップに「東電旧経営陣3人無罪 強制起訴地裁判決『津波予見は困難』」中見出し「国の予測信頼性否定」があるが、33面「『未来の安全』繋がる判決か」が問題点を最も分かりやすく指摘している。元政府事故調委員長代理の作家柳田邦男氏の寄稿だ。「安全論の逆説的格言に、『法規の枠組みだけで仕事をしていると事故が起こる』というのがある。東京電力経営首脳の刑事責任を問う裁判の判決を傍聴していて、この格言はやはり正しいと思った」「経営陣に原発事業者に欠かせない鋭いリスク感覚があれば、完全な対策は緊急には無理にしても、せめて減災のために、全電源喪失を防ぐ策としての予備電源設備の高台への移設、配電センターや重要建屋の水密化など、もともとあるべきだった安全対策の工事を命じることはできたはずだ。だが、判決は研究の努力を延々と紹介する一方で、経営陣の対処の是非については『責任を負う立場にあったからといって、発生した事故について、当然に刑事責任を追うことにはならない』と断じて結んでいる」「問われるべきは、これだけの深刻な被害を生じさせながら、責任の所在があいまいにされてしまう原発事業の不可解な巨大さではないか」(本文引用)。そして「最大津波15・7メートル」の予測値が経営陣に示される1年前の07年6月、政府の航空・鉄道事故調で福知山線脱線事故の調査報告書が公表されていることに触れ「その中で、リスク評価と安全の取り組みについて、従来の確率論にとらわれない画期的な思想が提起されている」「たとえ発生頻度(発生確率)が小さくても、万が一事故が起きて重大な人的被害が生じる恐れがある場合には、未然に事故を防ぐ対策を推進すべきであるというのだ」「もう一つ重要な安全思想は『組織事故』という事故と安全の捉え方だ。重大事故は現場の作業員のミスだけで起こることはまれで(略)様々なレベルに潜む欠陥や失敗などが連鎖的につながって起こる」「特に重要なのは、経営レベルにおける意思決定や躊躇だ」「判決文では、有罪・無罪にかかわらず、この国の未来の安全と国民の納得・安心につながる格調の高い論述を展開してほしかった」(本文引用)
記憶では裁判はまず福島で提起され、なぜか東京へ場所を移して行われることになったのではなかったか。そのときから、結果は運命付けられていたともいえるが、裁判長に一抹の良心があれば、柳田氏が書くように「この国の未来の安全と国民の納得・安心につながる格調の高い論述」を展開できたはず。それがどうしてこの判決になっていったかは、2面「時々刻々 刑事責任は『門前払い』 原発の停止義務認めず『当時の社会通念』を重視」「個人の責任特定にハードル」「東電の組織的問題『なし』と認定」につまびらかにされている。巨大津波の予見可能性について「結果の重大性を強調するあまり、予知に限界のある津波という自然現象について、想定しうるあらゆる可能性を考慮して措置を講じることを義務づければ、原発の運転は不可能になる」「判決はこう指摘し、原発事故の深刻さにとらわれず、『当時の社会通念』が反映された国の指針などを重視する判断枠組みを示した」(本文引用)。この時点で判決の大筋は決まった。「社会通念」とはなにか。15・7メートルの根拠となった政府の地震調査研究推進本部が「長期評価」の信頼性を「C」と評価。安全保安院はこれを「最新の知見」ではなく「参考情報」とした。他の電力会社も長期評価を採用していないーーなどを列挙。保安院など政府の責任。民間の横並び意識。柏崎刈羽の影響無視などについてメスを振るわない「社会通念」。この「社会的通念」の文言は、他の判決でもよく使われている。ウィキによれば「裁判や法学に関する文章などでは、『社会通念』という言葉は民事法の世界では『慣習』や『取引通念』などと同義に使われ、刑事法の世界では『常識』と同義に使われる傾向がある」(本文引用)と書かれ、判決は刑事法的「常識」の根拠を政府の原発政策や他電力の横並び意識に求めたようだ。東電原発事故の民事裁判で東電は負け続けている。「長期評価」の信用性を認める判決もあり、訴訟30件のうち12件は賠償責任を認めていることから、長渕憲一裁判長による判断の基本が推察できる。海外の反応はまだ少ないが、驚きの声が続発するだろう。原爆も原発も経営者の横暴もすべて認めてしまうこの国の、恥を恥としない文化がいよいよ浮き彫りになる。なんとも「美しい国」であることよ!
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2019年09月19日

袋小路へ突き進んで結局なにがやりたいの?

1面トップ「韓国からの訪日客半減 対韓輸出 食品は4割減」中見出し「訪日客全体も前年割れ」「訪韓客伸び鈍化」があり、いろんな方面への影響が出ており、こりゃ大変なことになりそうだ、という気がする。韓国からの訪問客が半分になり、日本を訪れる外国人の数も前年同月より減っている。一方、日本からの訪韓客は8月の前年同月比5%増。8月までの累計でも前年同時期比22%増だが、8月の伸び幅は鈍化したという。財務省による8月の貿易統計は「韓国向け食料品輸出額が前年同月比40・6%源の26億円となった。世界全体への食料品の輸出量も3・5%減ったが、それを大きく上回る」「輸出の全体額も、8月は前年同月比9・4%減の4226億円」「『フッ化水素』を含む無機化合物の(略)韓国向けの輸出額も8月に68・7%の16億6600万円」「メーカー2社の(略)税関担当者は『8月に入り、輸出管理の影響が本格的に出ている』と指摘」(本文引用)。韓国でももちろんかなりシビアーな影響が出ているだろう。それでも、韓国には自力で跳ね返そうとする余地がある。輸出規制された品目を自国で賄う技術開発に乗り出しているし、数年を経て実現する可能性は高い。文政権はたしかに剣が峰に差し掛かっているが、゙国氏をめぐる疑惑も保守野党による撹乱のなか危うい均衡を保ちつつ、市民の分厚い支持が保たれている。保守の巻き返しに検察が手を貸している可能性が高いけれど、韓国民は過去の経験からその意味をよく知っている。゙国氏をめぐる疑惑がそんな流れの中で生じていることも含めて、より良い方向へ解決されていくはず。そして、このままでは日本の方が振り上げたコブシの下ろし方がわからず、メンツのみで騒ぎ続け、過去の戦争のようにボロボロになるまで勝利を信じて突き進む、世界でもレアな存在になりかねない。そうならないためのやり方は、普通に考えればすぐ見つかるはず。意外に、訪韓客の伸びが「割れ」でなく「鈍化」であることのなかに、解決の目が潜んでいるのかもしれない、とふと思ったわけで。
4面に奇妙な記事がある。「汚染土の県外搬出『実際にできるのか』 前規制委員長の田中氏発言」。氏は汚染土について「『自分たちのところが嫌なものを、他の県に持って行く。実際にそんなことができるのか』と述べた」「大熊、双葉両町の中間貯蔵施設から30年以内に県外で最終処分するという政府方針を説明した上で、『(略)自ら解決、克服していかないといけない』と強調。委員長を退任後、自身が県内で取り組んでいる汚染度の再生利用の必要性を訴えた。汚染度は2015年、中間貯蔵施設への試験搬入が始まった。21年度までに1400万立方メートル(東京ドーム11個分)を搬入する計画で、法律上、45年3月にはすべての汚染土を県外に持ち出すことになっている」「小泉進次郎・環境相が(略)『「30年」、この約束を守れるように全力を尽くします』と話している」(本文引用)。それしかできなくなる状況へゆっくりとコトを進めていき、行き詰まった瞬間に「自分たちのところが嫌なものを、他の県に持って行く。実際にそんなことができるのか」などと言い出す。それはどうかなあ、と思いつつ、少なくとも田中氏は、その是非は別にして退任後も責任を持とうと汚染土の再生利用を県内で取り組んでいる。汚染された大地があり、人の復帰が不動の前提となり、汚染土をそのまま置きっぱなしにできないとなると、彼の中に残った良心のかけらがうずくのか。彼の思考はやむにやまれぬ気持ちで袋小路に陥りながら、大転換をできずに煩悶を続けているようにみえる。その一方で、小泉進次郎新環境相の発言は意味不明だ。「『30年』、この約束を守れるように全力を尽くします」と言われても、「よく言ってくれた」と応えられるはずがない。いまの政治家に「30年」後の責任をまともに考える人物がいるかどうか。具体的方法を示さず、目標に至る方向性も示さず、「全力を尽くします」と言われても、「本気か?」としか思えない。顔つきだけじゃなく本気の獅子奮迅がないと、道はひらけないコトを知ってやって欲しいわけで。考えても考えても、いまの政治は袋小路へ突っ込んでいくとしか思えないんだけどな。ねえ、田中先生?!
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2019年09月18日

行間を読みにくい記事が多くなってきた

3面に「コメ輸入 無関税枠見送り要求 車関連 米側の関税削減は限定的 日米貿易交渉」がある。「交渉は8月下旬に大枠合意しており、9月下旬の日米首脳会談で正式に妥結する見通しだ。米国では貿易協定を締結する場合、事前に通商問題に関する権限を持つ議会に通知しなければならず、トランプ氏は16日、このルールに沿って米議会に報告した」(本文引用)とある。記事だけでは細かいことは全然わからない。「米通商専門家によると」とか「なるという」「見通し」「低く抑える方針」「米国と調整中」「理解を示しているという」などの文言が並び、その主語が日米のどちらかよくわからず、わかっても内容が曖昧。ときに「ほぼ合意した」内容が出てくるが「交渉を進めている」が文章の結論だったりして、どこまで合意しているのかわからない。ラストのシメは「日本にとっては、トランプ氏が何度もちらつかせてきた日本車への追加関税の回避も目標だった。協定や共同声明で米国の将来にわたる追加関税見送りが明記されなければ、日本側が一方的に譲歩した内容となりかねない。自動車分野での成果と農業分野での譲歩のバランスがとれなかった場合にも交渉の結果責任が問われることになる」(本文引用)ということで、記事はトランプ氏が米議会に通知した米側の事情と、なかなか出てこない日本側の情報を探りながらまとめた内容で書かれており、確定的な内容はまだよくわからない。添付イラストでどれだけ理解が進むやら、それもおぼつかない。夏バテでブログ主の読解力が低下しているのかもしれないが。
4面「韓国、輸出優遇から日本除外」では、「韓国政府は18日、輸出手続きを簡略化できる優遇国のリストから日本を正式に外す」「変更の理由について『国際的な輸出管理体制の基本原則に反して制度を運用する国とは協調が難しい』と説明しており、日本の対韓輸出規制への報復措置とみられる」(本文引用)。この件については、他の情報も合わせて読み取ることが必要で、いまは事実を上げておくのみ。記事の横に「IAEA総会 汚染水で日韓応酬 韓国『恐怖を増大』 日本『受け入れられない』」がある。「韓国政府は16日、東京電力福島第一原発で発生する放射性物質を含んだ汚染水の処理方法について、国際原子力機関(IAEA(略))の総会で懸念を表明した。日本はこれに反論し、国際機関を舞台に、日韓が応酬した」「引原(略)大使が」「事故後の対応は評価されていると強調。汚染水の扱いは現在検討中だとし、『韓国代表の発言は海洋放水を前提としており、受け入れられない』と述べた」「菅(略)長官は(略)『事実関係や科学的根拠にもとづかず、いわれのない風評被害を及ぼしかねないもので極めて遺憾だ』と述べた」(本文引用)。日本側の反論は「海洋放出は既定事実ではない」という「事実関係」と、「科学的根拠にもとづかず」という「どういう科学的根拠か不明の根拠」による反論が主体。他に「国際社会に透明性を持って丁寧に説明してきている」「議論の共有を含め、取り組みを継続していく」(本文引用)とあるが、これはアベ流ご発言で信頼性はない。
両記事のすぐ下に、「『建設的な対話』必要性を強調 米国務長官」の短い1行記事がある。茂木外相がポンペオ米国務長官と約20分間電話協議したとあり、ポンペオ氏は茂木氏に「日韓両国の『建設的な対話』を強調した」(本文引用)。茂木氏はポンペオ氏に対し「『安全保障に関わる情報共有が円滑に行われなくなることは重大な問題だ』との認識を示し、ポンペオ氏が『完全に同意する』と応じた」(本文引用)とある。これは茂木氏の口から語られた内容で、会話の結果がこうなるように語りかけただけで、外相就任のご挨拶会話。ポンペオ氏の本音は聞こえない。貿易交渉同様、時が経って全く違う会話だったことがオモテに出るかもしれない。個人的にはどうも米がまともに取り扱いかねている様子が垣間見えて仕方ない。ともあれ、このように記事の行間が読みにくくなっているのを憂慮する。これしか情報源のない庶民が記事の奥にある事実をできるだけ正確に読み取る力を持つことが特に大切ないま、読み取る力を持たなかったら、国家による情報操作で右往左往するしかなくなる。要緊張!
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2019年09月17日

なにもやらないと支持率が上がる政権

1面の記事の並び方がシュール。トップは「気候危機 暑さに強いコメ・果物広がる」。その左隣に小さめの字で「千葉 7・3万戸停電続く」その下に「内閣支持率上昇48% 本社世論調査」がある。「気候危機」は確かに重要だが、文字の大きさ、記事の分量の多さで、「千葉」と「支持率」の合計より多いのが気になる。そしてさらに、台風上陸から1週間過ぎた千葉で、国の対策本部も設置されず延々と続く、ほぼ棄民といえる苦難の日々。その直下の記事で、支持率上昇という不可解。その不可解さの根っこが、「支持率」の記事でちょこっと垣間見える。記事ラストの「カジノを含む統合型リゾート(IR)を自分が住む地域に誘致することには71%が『反対』で、『賛成』は20%だった」(本文引用)というオソマツ。厄災が目の前に来ないと危機感を持たないのが庶民の現実感覚か。その流れは、「アベ政権のもとで憲法を改正することには『賛成』が33%で、『反対』の44%を下回った」(本文引用)でさらに本質をあらわにする。課題が目に見えるほど具体的でなければ、身近でも関心が薄くなる。「改憲」は抽象的かつ非現実と感じているかのようだ。たとえば徴兵制が実施されても、自分のところに徴兵年齢に達している子や孫がいなければ非現実。隣の家が対象になってようやく、声を潜めて噂話に興じる程度。自分が悪いくじを引いたら大いに嘆き、死なない確率も大きいし、なんて思いながら諦めて従容と死地に赴くか。台風が過ぎて少しずつ明るみに出る千葉の惨状も遠いどこかの話。「自分に来なくてよかった」程度の感想にしかならないんだろう。ちなみに未だ災害対策本部を立ち上げないこの国のリーダーは、3面「首相動向」によれば、14日から16日までずっと「自宅ですごす」。午後には結婚式に出席やら、成蹊大アーチェリークラブでご挨拶やら、拉致問題の国民大集会に出席やらで、ほとんど静養の日々を過ごす。22面に17行の小記事で「拉致被害者家族ら集会」があるが、どんなあいさつをしたのかさえはっきりしない。
一方、23面はある種、皮肉めいた記事の並びになっている。紙面右に「傷ついた家 大雨追い討ち 40年住み 修復めざしたが… 床壊れ『どうしようもない』」「屋根のシート張り 転落35件 死亡も」があり、その左隣にほぼ同量で「東電旧経営陣強制起訴 19日判決 『津波15・7メートル予測』対応に過失は 原発事故による被害 刑事責任は」がある。1面「千葉7・3万戸停電続く」の記事を思い出せば、東電の対応のもたつきが被災後の復旧の遅れにつながっていることをしっかり連想できる。照明がつかず、冷蔵庫も冷房も機能せず、水道まで途絶えているところもある。情報の出入りもなく、食料の確保さえ危うい状況で、吹き飛んだ屋根に追い打ちをかける雨が降る。ブルーシートも役に立たず、雨漏りで室内はぐしゃぐしゃになっていく。で、首相はといえば、災害対策本部を立ち上げず、被災現地を気遣う様子もなく、悠々と自宅でくつろぐ土・日・月。昨年の「赤坂自民亭」を思い出す。あれは配慮が足りないなんてものではなく、知っていて「平気だ、とりあえず楽しんじゃお」という感覚だったのではないか。だからこそ、野党による災害対策臨時国会の開催要求に応えず、そんなの関係なしに怒涛の悪法ラッシュをやったんじゃないのか。そのあげく政府統計資料のデタラメさを暴露され、ついに追及に耐えきれず、予算委から徹底的に逃げ回るしかなくなってしまったのではないか。
なにもやらなければ支持率が上がる政権。ということはもしかしたら、憲法審査会を強行し、「改憲」まっしぐらになったとたん、またぞろ魔の支持率急降下に慄くことになるのかも。しかし今度は消費税増税のようにむりにやりきってしまうわけにはいかない。国民投票まで突き進むほど支持率が落ち込む恐怖に遭遇してしまったとき、アベシは精神的重圧を、頑張ってはねのけることができるだろうか。そのときの彼の胸中は、まさに「狂」の文字一色で染められているのではないか。それが怖いといえばいえる現状。最悪の文字がちらつくものの、延命したいなら、改憲を含めて何もやらないで早急に消えるのが彼自身にとっても最良と言っておきたい。
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2019年09月16日

何も知らせないことが最良の策となる末期

これほど政権の動向に関する記事の少ない日々が、かつてあったか。今年1月末から国会が開催されていたのにほとんど記事にならなかった。昨年12月までの大論争議会が嘘みたいに静かだった。いや、静かに感じられただけで、国会は開催されていた。国会は丁々発止の議論があってこそ国会であって、やってるのかやってないのか判らないような、つまり国民に向かって開かれていない国会なんぞ国会じゃないと思うのだがとにかく酷かった。政府の国会関係資料で国会会期の一覧を見ると、第197回の臨時会が昨年10月24日から12月10日まで。第198回の常会が今年1月28日から6月26日まで。第199回の臨時会が8月1日から8月5日まで。このうち197回と198回の最初の頃までが、トンデモ法案がどんどん採決されていき、かつさまざまな問題が噴出し、ついに政府・政権が国民に隠れて悲鳴をあげたか、議論の場である予算委員会を完全ネグレクトして公開の場から逃亡してしまって今に至る時期。第199回の臨時会はたったの5日しか開かれていない。議論すべき重要課題はもちろん基本スルーされた。政権は完全に議論から逃げ、その一方で改憲論議は、以下の記事によれば、「この選挙では憲法改正も大きな争点となりました。街頭演説のたび、議論を前に進める政党を選ぶのか、それとも議論すら拒否する政党を選ぶのか。今回の参院選はそれを問う選挙だと私は繰り返してきた。少なくとも議論は行うべきである、これが国民の審判であります」(本文引用)ということになる。記事は「開票日の午後までは『3分の2』の手応えを感じていた」と書き、選挙結果が出た後のコメントは「3分の2が維持された。改憲への了解が得られた」とでも言うつもりでいたようだ。「求心力低下を避けるには、強気で突き進むしかない」とも書かれており、続く大阪G20で各国首脳にガン無視されるお粗末を暴露、日米貿易交渉は大幅譲歩を余儀なくされ、対露交渉頓挫、対北では6カ国協議から外され、ヤキがまわって対韓経済制裁の真似事をして墓穴を掘る展開。やることなすこと空回りで、強気の発言もどこまで神通力が残っているやら。
☆「安倍首相が改憲論議の詭弁を披露したワケ 『3分の2割れ』は想定外だった」プレジデントオンライン7月24日
https://president.jp/articles/-/29435
本日1面に「千葉停電なお12万戸 台風1週間復旧さらに遅れも」があり、3面「千葉県・国の初動に遅れ 台風15号 職員派遣や被害把握」では、9日に襲った台風への対応が、1週間経ってもまだモタモタ。新経産相は「政府全体として、やることは全て可及的速やかにやってきている」(3面引用)と言うが、「16年の熊本地震や昨年7月の西日本大豪雨には、政府は防災担当相を本部長とする非常災害対策本部を設置したが、今回は設置していない。内閣府によると、明確な設置基準はないという」(本文引用)。たしか「赤坂自民亭」が開催されたのは西日本豪雨の被害が拡大中の昨年7月5日。「野党による被災地復旧に向けた補正予算編成の臨時国会召集要求を延々ネグり続け、やっと10月末の開催に至る」(18年9月25日当ブログ「臨時国会ようやく開催か・・・」乞う参照)。しかもそのときの議論の焦点は災害対策ではなく「外国人就労拡大」だった。先に紹介した当ブログ記事によると、17年の野党による臨時国会開催要求もネグレクト。「『安倍晋三政権は野党の要求に三カ月以上も応じず、昨年九月になって、やっと召集したかと思えば、首相の所信表明演説もせず、衆院を冒頭で解散してしまった』(略)臨時国会逃げ回りは、アベ政権のお好みの手法」(同上当ブログより引用)となったとある。7月16日当ブログ「明治回帰の歴史修正主義」でも書いたが、政権のピークは16年。翌年の森友疑惑以降、長い長い凋落傾向が始まったと見るべきだろう。何もやらないで逃げ回り、威勢のいいことだけ言いまくる。それだけが、いま彼にできる最良のことになっている。あわれなことに。
☆「臨時国会、10月下旬召集で調整 外国人就労拡大が焦点」日本経済新聞9月21日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35578940Q8A920C1PP8000/
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2019年09月15日

彼我の現実を思い、市民意識の違いを想う

3面「日曜に想う」の「忍び寄る『危うい言葉』の支配」が意味深。記事は米国内で連続した銃乱射事件で計31人が死んだことについて、トランプ氏が人種差別と白人至上主義を非難し、「この国に憎悪の居場所はない」(本文引用)とのべたことをとりあげる。米紙ニューヨーク・タイムズは朝刊の早版で、トランプ氏が人種差別について結束を促したと報じたが、ネットに流れたその見出しに対する反発がものすごかった。「大統領の発言の文脈からも、差別と排斥を煽ってきた日頃の言動からも、こんな見出しはあり得ない」(本文引用)というわけで、NYタイムズはすぐに見出しを差し替えた遅版を出して釈明した。紙は数日後、「言葉」についての記事を掲載。右派メディアやコメンテーターのネガティブ発言が容疑者に影響した可能性を検証。「日曜に想う」の記者はここで言葉の恐ろしさに触れた一冊の本を思い出す。ナチス時代をドイツ国内で生き抜いたユダヤ人言語学者クレンペラーが「全体主義に染め抜かれた時代を、こう述べている。『ナチズムはひとつひとつの言葉、言い回し、文形を通じて大衆の血と肉の中に自然に入り込んでしまっているのである』。そうした言葉は本人に成り代わって思考し、精神のあり方まで方向付けてしまうと、彼は言う」(本文引用)。そして記者は書く。「共生よりも、いやなら出て行け。日本でも『市民的抵抗』(例えば辺野古の基地反対運動など)に対して、国家権力になり代わったように叩く言動は後を絶たない。いわゆる『嫌韓』も国民意識によって立ちのぼる見下しの感情だろう」「『歴史は繰り返さないが、韻を踏む』と格言にいう。同じことは起こらなくても、時代に応じた貌で忌まわしいものごとが立ち現れてくる恐れは、いつでもありうる。危うい言葉の群れに時代を支配されたくはない」(本文引用)。含蓄に富む記事だが、その新聞が元徴用工問題に端を発する出来事にフィルター付きの記事を配信する。韓国法相゙国(チョグク)氏をめぐる疑惑を、こちら側で顕在化している同種疑惑より以上に書き募る。゙氏の疑惑の背景を深掘りする記事は、不思議なことに、いまのところ国内報道では見当たらない。似たような疑惑で、一方は11時間質問無制限で記者会見に臨むが、もう一方は「手紙やメモは、文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件の証拠として東京地検が保管」(本文引用)とあるもののその後の進展はどうなったかわからない。3番目の記事に「これ、あっせん利得になっちゃいますよ、代議士」(本文引用)と政策秘書にたしなめられているとあるのに。
☆「文氏側近が11時間会見 質問無制限、不正疑惑は否定」朝日新聞9月3日
https://www.asahi.com/articles/ASM932T4PM93UHBI006.html?iref=pc_rellink
☆「東京医大入試、国会議員が『依頼』 上位を超え補欠合格」朝日新聞18年12月29日
https://www.asahi.com/articles/ASLDY6GBDLDYUTIL01P.html
☆「疑惑政務官・上野宏史氏の『前代未聞』法務省への口利き発覚の直前に美人秘書カラオケバトル優勝」東スポWeb8月23日
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1521630/
こちら側の低劣なスキャンダルと対比しながら9月10日付の以下の記事を読めば、文政権が目指す方向はなんなのか、いくぶんか明らかになる。「韓国では検察などの捜査機関が、独裁政権などによって反対派の弾圧に使われてきた歴史がある。文氏がかつて側近として仕えた進歩系の盧武鉉(略)・元大統領は検察の捜査を受けて自殺している」(本文引用)。韓国民主化闘争の過程で浮き彫りになってきたことのひとつが、ここに控えめに記されている。また、「『1987、ある闘いの真実』」、「殺人の追憶」、「母なる証明」その他の映画で、韓国現代史の闇を支配する者たちの存在が提示されている。文政権はいま、それと闘っているのである。
☆「韓国法相に側近、任命強行 文大統領 疑惑渦中、野党反発」朝日新聞9月10日
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14171237.html?rm=150
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2019年09月14日

ひたすら自らを生き延びさせる道を!

21面の週刊誌広告に「世代間憎悪が止まらない『#老害』で怒りが拡散 東京・池袋の80代男性運転の暴走事故に憎悪の声/成長しない世界に生きる若者たち『リア充のまま死んでいく高齢世代が許せない』/世代の分断線は『大人』と『老人』の間」とある。若者の保守化が言われるこの頃、この見出しは本音だろうな、と思う。「改憲」や「戦争」反対と叫ぶ人たちは、どうも高齢層で厚いようだ。現在の自分の立場を憂慮することなく意見を言える人びと、つまり余裕がある人びとが声を上げているように見える。みんながみんなそうではないのだが、捨て身でやっているように見えない。プチブル的アプローチを感じ、若者の腹の底に溜まる閉塞感が反発する。それはありうると感じる。なぜなら、若かりし頃のブログ主の心情もそうだったからだ。「民主」とか「平和」とかの言葉が好きではなかった。それを軽々しく口にできる人々の安易さを嫌悪した。もしかしたら戦争に駆り出され、死に直面することになるかもしれない身にとって、「戦争反対」を叫ぶことは、戦場における死を意味すると感じられたからだ。「戦争嫌だ」「死にたくない」という気持ちはたっぷりあるが、拒否したままで戦場に立つことはよりいっそう「死」に近くなる可能性を感じさせた。恐怖の剣が峰に立って絶対に持ちこたえる自信がなかったブログ主には、生きるためには困難を極める強い意志が必要に思えた。そんな強さを持たないで唱えているかに見える「戦争反対」は、空虚そのものにしか思えなかった。「『#老害』で怒りが拡散」「『リア中のまま死んでいく高齢世代が許せない』」などの表題を見て、現代の若者たちに充満する不満のありように、若かった自分との接点を感じた。
しかし、一つ例を挙げておきたい。友人の父親は全評(日本労働組合全国評議会)の活動家で、獄につながれたこともあった。そのため徴兵が遅れ、最初の徴兵で送られたのが米軍総攻撃直前の沖縄となり、彼は決意した。「オレは戦争しない。銃をぶっ放さない」。そして「投降運動」を組織する。戦場で生き抜くために狂気の鬼と化す兵士たちを少しずつ説得し、集団自決に追い込まれる住民たちに「死ぬな」と話しかける。激戦の中で成果はゼロではなかった。彼の言葉で命を永らえた者たちがいた。そして彼も生き抜いた。どちらに転ぶかわからないギリギリ剣が峰を、信じることに賭けて生きた。戦後はそれほど安穏とした暮らしではなかったものの、諸般の事情により小さなアパートに住みながら、初志を全うして生涯を終えた。そこで思う。「『リア充のまま死んでいく高齢世代」なんて、たしかに腹がたつだろうが、どうでもいいじゃないか。そんな奴は放っといて、貧しくとも苦しくとも、自分の信念に基づく「リア充」を生き抜こうじゃないか。自分を安全圏に置いて「平和」を叫ぶ、綺麗なおべべを着て食べるに困らず、安穏と眠れる年寄りたちだって、「血を流す覚悟を持つべきです」なんちゃって自分は安全圏で旗を振る政治屋どもよりずっとマシかもしれない。それでも腹がたつのなら、彼らとは別のところで主張すればいい。違う言葉、違うやり方で、「死んでたまるか」「オレは戦争しない」「銃をぶっ放さない」とうそぶいてやればいい。でなけりゃ、そのときまでなんのために生きてたんだか、わからないまま死んじまうじゃないか。いちばん損をする生き方をしない、それだけでも生きた甲斐があるだろ?
15面の出版物広告に「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」がある。「戦場ではない、地獄だ 『これは絶滅戦争なのだ』。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連の血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。想像を絶する惨禍。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す」(本文引用)。第1次大戦で傷ついたドイツは、精神の重たい暗闇を抱えて、第2次大戦に突入した。独ソ戦は最悪だった。極寒に放置された兵士の死体は、ぬかるみをゆく車輪の下に放り込まれ踏み潰されていった。おそらくそれよりさらに凄惨な状況があっただろう。大岡昇平の「野火」はまた別の凄惨を描く。「リア充」プチブルに反感を持つより先に、他人をも自分をも傷つけず、過酷な時代に半歩でも距離を置いて、ひたすら自らを生き延びさせる道を探ろうじゃないか。
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2019年09月13日

『安定と挑戦』、『引き際』と『焦燥』

1面の「天声人語」がおもしろい。「おととい改造があった新内閣のうたい文句は『安定と挑戦』だそうだ。どっしり構えてことに挑む。何ごともそうありたいものだが、ニュースを追っていたら別の言葉が頭に浮かんできた。『引き際』と『焦燥』である」「改造後の会見で首相は憲法改正を『必ずや成し遂げていく』と語った。心中を察するに『焦燥』が募っているのではないか」「拉致問題も北方領土も進展がない。このままでは、ただ長いだけの政権になってしまう」(本文引用)という。昨日のブログで「政権は抱えきれない矛盾を山積みさせ、万策尽きて本人も逃げたくなるような状況に確実に近づいている。院政逃げ込み空元気内閣」と書いたばかり。ほぼ同意見なのにニンマリ。「天声人語」のすぐ上に「停電なお30万戸 千葉」、17面の週刊誌広告には「首都圏クラッシュ 『フォトルポ』台風15号の猛威の前で、日本社会はあまりにも弱すぎた 最大瞬間風速60m、93万戸が停電、成田空港で1万人が足止め」とある。憲法に「緊急事態条項」を加えたいご様子なのに、いま目の前にある「緊急事態」にはとんと関心がない。そりゃそうだ。「首都圏クラッシュ」といっても、彼が求める「緊急事態」とまるで違うから、「そんなのやる気ないもんね」っていうところだろう。いまや本音を隠そうともしない。予算委員会を徹底的に逃げ回ったときから、彼の政権は崩壊への道を一直線。参院選でわずかだが3分の2に届かなかったこともショックだったんだろう。大阪G20では各国首脳から総シカトを食らったのも哀れだった。6者協議から外され、北朝鮮から無視され、拉致問題はぜんぜん解決のめどが立たない。北方領土交渉は進まず、元徴用工問題で対韓輸出規制の禁じ手を使って拳を振り上げたものの、韓国のWTO提訴でヒョコッと手を引っ込めるあわてよう。それ以前に原発輸出が総崩れになって中西経団連会長に泣きつかれたけれど打つ手なし。中西氏も年初の元気は何処へやら。いまや影も見えないテイタラク。消費税増税もやるのかやらないのかわからないようなズルズル感いっぱいで、けっきょく「やらなきゃ格好がつかない」からやっちまう。というより、もうどうでもいいから放り出してるんじゃないか。そんなこんなで「院政逃げ込み」しようといっても、ほんとにできるのかな。自民党総裁の任期はあと2年もある。続けられるのかな。五輪で大失敗したらおしまいじゃないのかい。それよりも、国民投票でずっこけたら「改憲」は大幅に後退する。改憲勢力はヘタに突っ込んでいくよりも、もっと確実な道を模索するんじゃないのかな。エトセトラ、いろんなことが頭に浮かんでくる。いいかげん「ボクちゃん内閣」は潰れるべきだ。しかし、いくら腐っても潰すものがいなければ、潰れないのがこういうヤカラの常。まさかの一発勝負に賭け、国民を引き連れて国家崩壊へひた走ることもないことじゃない。剣呑剣呑!
1面にはさらに「欧州中銀、量的緩和再開へ 米中貿易摩擦が影響」がある。欧州中銀は昨日、昨年12月に終えた量的緩和政策の再開を決めた。マイナス金利政策(ECBにお金を預けるほど手数料を取られる)を拡大することも決めたという。3面「『出口』模索から一転 量的緩和再開 日米に波及も」があり、米中貿易摩擦や英のEU離脱問題などが影響して、圏内の景気減速感が強まったためとある。異次元緩和をやり尽くして打つ手が限られている日銀に、対応する方法は残っているか。また、昨日すこし書いた米のボルトン大統領補佐官更迭は、我が家購読紙では、思いつきに任せたトランプ流外交の加速を危惧しているが、さてどうだろう。ボルトンはガチガチのタカ派。彼の言う「リビア」方式とは、妥協させ、体制保証せず、民衆蜂起とみせて崩壊させる方式のこと。ベネズエラでも「国際的な支持がなくともマドゥロを打倒する」などと公言し、とにかく戦争に頭から突っ込んでいく人物。これと手を切ったことが、トランプ流にどう影響するか。さらに安倍政権にどう影響するか、残り時間が少なくなってきたが、良い方向へ進むことを!
☆「トランプ氏『北朝鮮政策で大きな過ち』ボルトン氏批判」日本経済新聞9月12日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49711090S9A910C1000000/?n_cid=NMAIL007
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2019年09月12日

山のように積み上がる矛盾で瓦解寸前

1面トップに「改憲『必ず成し遂げる』 社会保障『大胆に構想』 首相会見 第4次改造内閣発足」がある。台風15号が関東圏を襲ったのは9日午前。報道からは正確なところが伝わってこないが、千葉県の被害は甚大らしい。その対策はお任せで「改憲『必ず成し遂げる』」と言う。「憲法改正原案の策定に向かって、衆参両院の第1党である自民党は今後、(国会の)憲法審査会において、強いリーダーシップを発揮していくべき」というが、強行採決だなんだと無理押しを繰り返してきた実績があるから、どんな「強いリーダーシップ」を発揮するやら。「韓国の元徴用工訴訟を念頭に『韓国側から日韓請求権協定への一方的な違反行為など国家間の信頼を損なう行為が相次いでいる』と指摘。政府としては韓国側に国際法に基づいて適切な対応を求めているとし、『その方針は一貫したもので、新しい体制でもみじんも変わるものではない』と強調」「社会保障改革では『全世代型社会保障検討会議』を新たに設け(略)70歳までの就労機会の確保や年金受給開始年齢の選択肢の拡大などの改革を進める」(以上「」内本文引用)などなど、消費増税で確保したお金はどこへ消えていくのやら。
1面トップで首相が大見得を切るその横には「韓国、日本をWTOに提訴 輸出規制強化は『差別的』」の記事がある。日本政府による対韓輸出規制強化は元徴用工訴訟の大法院判決に対する報復であるのは明らかだが、政府は別個の問題と言い募り、13面「韓国企業 広がる輸出不安」中見出し「WTOに日本を提訴」「日本『協定違反せず』強調」では、WTO協定との整合性を主張。大人の対応、寛容な対応、などとどこへ向かって言うのか、ごまかすのに懸命だ。しかし「元徴用工問題への対抗措置ではない、と表向きは否定する。だが、7月1日に対韓輸出規制の強化の方針を発表した際には、韓国側が元徴用工問題で満足のいく解決策を示さなかったことを理由の一つに挙げた。韓国がWTO提訴への姿勢を示すと(略)『日本側の主張は不利な証拠として採用されかねない』との懸念の声があがった。その後、日本政府の説明から、元徴用工問題への積極的な言及が減り、『輸出管理の問題』との説明が増えた」(13面本文引用)。挙げた拳を半分引っ込めたというべきか。「一貫」「みじんも」などと格好をつけても、内心ではビクビクものなわけで、みっともないことおびただしい。
関連で示唆的なのは、14面「経済気象台」の「相互依存の兵器化」という記事。「経済のグローバル化に伴う金融、情報、物理的な財の流れ、相互依存の深化・ネットワーク化が兵器化の前提となる。その相互依存構造に力の偏りがあること(非対称ネットワーク)が兵器化を可能にする」「非対称ネットワークの第一は、金融のようなネットワーク構造の結節点をある国が握る場合。第二は、重要な技術や商品、ボトルネックを握る場合」(本文引用)とあり、まさに対韓輸出規制強化がこれにあたる。ただし、兵器化の措置に対抗するため、自国製品の開発などに注力して相手が次第に自立していくのは当然の流れ。それゆえ安易にこれを行使すると、攻撃する側に不利になる可能性が出てくる。米のように強大な総合力を持った国にこそ有効な方法であり、「ここに、中国が対抗措置を躊躇する理由がある」(本文引用)。いま韓国は日本の措置に対して全力で克服する構えを見せている。WTOへの提訴が最終結果に至るまでには数年かかるとみられているが、その数年で、韓国は日本が握る非対称ネットワークの外に出て自立する可能性は否定できない。そうなると、日本の独占的地位は崩れ、落日の真っ只中にあるこの国の産業は、原発輸出総崩れで大痛手を被っている大手輸出産業を筆頭に、いま以上に手酷い打撃を被ることになる。3面の「ボルトン補佐官を更迭 トランプ氏と溝深まる 北朝鮮交渉安易な妥協懸念」には、別の側面から日本に大きな影響を与える出来事が報じられている。大風15号への対応そっちのけで「改憲、改憲」など叫んでいても足元はグズグズ。4面「安定のためのガス抜き内閣」には「『安倍院政』への布石」(本文引用)の文言がある。政権は抱えきれない矛盾を山積みさせ、万策尽きて本人も逃げたくなるような状況に確実に近づいている。院政逃げ込み空元気内閣・・・!
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2019年09月11日

反省なく泥縄・高飛車を押し通す魑魅魍魎

26面「『高校の昼食時、政権の話をした』ツイートに・・・柴山文科相『適切な行為でしょうか?』」の記事。高校生と教師が来年度から始まる大学入学共通テストの英語民間試験についてツイッターでちょこっとやりとりした。教師は安倍政権に投票しないように呼びかけ、高校生は「前回の参院選の際も昼食の時間に政治の話をしていたりしていたのできちんと自分で考えて投票してくれると信じています。もちろん今の政権の問題はたくさん話しました。笑」(本文引用)と応じたという。「柴山氏は8日、高3生の投稿を引用し、『こうした行為は適切でしょうか?』とツイート。高3生は『友達とご飯を食べながらこの政権はあそこはダメ、この党はここがダメと話し合うことは高校生はダメなんですか?』などと尋ねたが、柴山氏は回答しなかった」(本文引用)が、反論が相次いだためか「学生が旬の時事問題を取り上げて議論することになんの異論もない。しかし未成年者の党派色を伴う選挙運動は法律上禁止されている」(本文引用)と書き込んだ。禁止とは何事ぞ。ここまで高飛車に言い募る人物が今の政権のど真ん中にいるということは、これを放置し続けたら次に何が起こるか、おおいに憂慮せざるを得ない。最初は高3生の投稿を問題視し、反論されてだんまりを決め込み、あちこちから反論されたら矛先を教師に向けて、その流れで高3生を巻き込んでいく戦術に転換しているようだ。気分はすでに権力亡者。「下々の者は黙っとれ」式の態度が丸見えだ。これすなわち彼個人の資質はもちろん、それ以前に、リーダーの体質がモロに閣僚全体に浸透していることを意味する。彼の思想的質と、「何を言い散らしても平気」といった風潮の蔓延で、規律も何もなくなっているとしか言いようがない。
同面には「原発汚染水『海に放出しかない』 原田環境相、会見で『意見』 地元『軽率すぎる』」もある。原田氏は環境相兼原子力防災担当相だそうで、その立場の人が、記者会見で「思い切って、(海に)放出して、希釈する他にあまり選択肢がない」(本文引用)などと発言したという。この問題についていつも思うのは、大元の計画の狂いが今の事態を作り出していることへの言及がない、ということだ。まず、1日1000トンに上る地下水の存在は、福島第一原発の建設時から問題になっていた。それを回避する試みなしに約30メートルの絶壁を切り下げ、豊富な地下水の上に原発は建設された。事故が起こったとき、民主党政権は原発建屋周囲に鉄の矢板を打ち込み、流入地下水をシャットダウンすることを考えたが、一私企業に公費をつぎ込む名目がないとして退けられ、同時に東電は近づく株主総会で第一原発の廃炉が確実になれば経営責任が持ち上がるため、巨額の資金をつぎ込めないとして拒否。立ち往生したまま時間が過ぎて、安倍政権発足後、以前から浮上していた凍土壁なら研究名目で補助金がつけられるということで実施に移された。14年6月のことだ。名目も何も、緊急時なんだからなんとかしなけりゃならない、という感覚が官僚にはなかった。東電は株主への配慮と称して経営陣への直接の責任が問われるのを恐れ、解決を先延ばしして現在の事態を作った。凍土壁は建設後もなかなか全体を凍結させられず、最も漏水が激しい箇所には氷やドライアイスを投げ込んだりして完全凍結を目指したが、いっこうに目的を達することができなかった。去年3月の時点で、以下の記事でも「効果は限定的」(本文引用)とされ、降水量が少ない冬場の比較でようやくかなりの抑制が効いているものの、雨季の汚染水急増は止められない状況だった。もともとケーブルや配管を通すトンネルには凍結管が入っていないので、地下水を完全阻止するのは不可能。現在はどうなっているのか。経過をたどってわかるのは、鉄板と粘土で固めた遮水壁がベターだったこと。それを念頭に「汚染水海洋放出」を考えれば、「放出しかない」などとほざくやつらの言い分に、いささかの理もないことは明白だ。トリチウム以前に政権の危険性が語られないと、解決の道はとうてい見出せない。
☆「福島第1原発の凍土遮水壁 費用に見合う対策なのか」毎日新聞18年3月3日
https://mainichi.jp/articles/20180303/ddm/005/070/041000c
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2019年09月09日

価値観逆転して支離滅裂を自覚できない人

休刊日は恒例の漏れ落ち記事を記録保管する日。まずは以下の記事。経済記事はややこしい書き方が多いので読みにくいし、要約しにくい。メールでよくある「これ読め」式の紹介では、紹介してくれた人の理解度が見えない。紹介したことをどう評価し、だからこの部分は支持し、支持できないのはこの部分くらいまで書かないと本当の紹介にならない。というわけで本文を少し引用。「なぜ2013〜2015年の実質賃金が世界金融危機時に迫るほどの落ち込みを見せ、2014〜2016年の個人消費を戦後最長の水準まで減少させたのかというと、同じ期間に名目賃金がまったく増えていなかった一方で、ドル円相場で大幅な円安が進行したことで輸入品の価格が大幅に上昇してしまったから」「円安インフレにより食料品やエネルギーなど生活に欠かせないモノほど値上がりが顕著になったので、多くの世帯で家計を預かる主婦層はそれらのモノの値上がりには敏感に反応せざるを得ず、実質賃金の下落を肌でひしひしと感じながら、いっそう節約志向を強めることになった」(本文引用)。というわけでアベノミクスは国民の目を名目賃金に向けさせごまかしている、との指摘に納得した。
☆「アベノミクス以降の実質賃金は、リーマン・ショック期並みに落ちていたという事実」YAHOO!JAPANニュース2月1日
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakaharakeisuke/20190201-00113252/?fbclid=IwAR2jchsBcDo6QOonFA5zkBKhuxM7gCr0PxMnWr2EKLfQmLCaIFay-QrPT2E
「いま景気はどうにかもっている。だが」「デフレ脱却」を掲げたアベノミクスが想定するプロセスは効いていない」「アベノミクスのもとの『好況』は、円安誘導や赤字財政のファイナンス、日銀の株買いに支えられた『見せかけの景気』」「アベノミクスがあと3年続くと、どうなるか」「異次元緩和にとって金利上昇がアキレス腱」「すでに米国が利上げに転じている中で海外から金利上昇圧力がかかってきて、限界が露呈し」「金利の上昇は財政金融を麻痺させ、ひいては日本経済を著しい混乱に陥れ」「銀行は超低金利が長く続くなかで収益を悪化、経営体力を弱め」「海外の金利上昇圧力を受けて、日本国債離れが進んでいる」(本文引用)と指摘するのが下の記事。失われた年月はすでに20年。それが50年になるかもしれない。現在、アベノミでなんとか持ちこたえている輸出産業は青息吐息。原発輸出が総崩れして、行くもならず、引くもならず。再エネ分野での技術開発は原発執着で世界に出遅れ。ガラパゴス化を強める。いずれ「先端産業で敗北した日本の産業の悲惨な状況が一気に露呈し」「安倍政権は限界まで金融緩和を続けていくだけで、日本の未来のことは何も考えていない」(本文引用)。お先真っ暗である。
☆「アベノミクスがあと3年続けば日本の産業衰退が一気に露呈する」DIAMONDonline18年9月18日
https://diamond.jp/articles/-/179874
そんな中、今や世間は嫌韓まっしぐら。国内の不安は内部で分断対立させるか、国外へ向けさせるのが最良。臨時国会の開催要求をまたもスルーし、成果なんぞまるでない外交、ゴルフなどで暇つぶしする一方、嫌韓をあおり、かつひそやかに「来年の介護保険法の改定での『要介護者切り捨て』」(本文引用)の準備を着々と進める。一定収入以上の高齢者に3割負担を決めたのは昨年8月。その範囲をさらに拡大するという。消費増税前すでに物価が上がっている現状、まだふんだくるつもりなのだ。
☆「嫌韓一色の裏で安倍政権が“要介護者切り捨て”介護保険改悪を進行中! 自己負担を増やし要介護1・2の保険給付外し」リテラ9月7日
https://lite-ra.com/2019/09/post-4951.html
恐ろしいほどの国家・国民破壊行為というべきか。そんな状況をものともせず、いっこうに怯まず権力に刃向かう人がいる。考え方に違いはあれど見上げた心意気だと思う。
☆「法廷で改めて証言「100万円を『安倍晋三からです』と…』」日刊ゲンダイ8月31日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261088
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2019年09月07日

どんどん寒い国になっていく

1面に「技能実習 日立に改善命令 入管庁など 必須業務、2割だけ」がある。「日立がかい?」と思わず目を剥いた。あの経団連会長が君臨する国内電気最大手企業。そんな名門で「フィリピン人43人の実習に違反があり、平均すると、国の基準で必須とされた業務時間の2割ほどしかさせていなかった」「入管庁は日立の違反内容について、『実習計画で必須業務とされた配電盤や制御盤の組立ではなく、別の作業をさせていた』と概要だけ発表し、『詳しい内容は差し控える』と具体的な事業時期を明らかにしなかった」(本文引用)とあるが、法務省関係者がしっかり語る。技能実習の中身は配電盤や制御盤の組立だが、実際は、「新幹線の車両に洗面台や椅子、窓、配管などを取り付ける作業」「同庁は日立本社側の指示はなかったとみている」「この問題は昨年8月、朝日新聞の調査報道で発覚し、同庁などが昨年夏から調べていた」(本文引用)。実習生は不満を持ち管理団体「協同組合フレンドニッポン」に訴えたが、なにもしてくれなかったと証言する。発覚から改善命令まで1年以上もかかる。日立は「すでに改善しておりますが、改めて今回の行政処分を真摯に受け止め、法令順守を徹底して参ります」「必須業務についての認識と確認が不足していたが、意図的な愚生はなかったとしている」(本文引用)という。大々的に報道され、国会でも問題になり、参院選が近くなって「予算委大規模ネグレクト100日超」まで引き起こし、解決したのかしてないのかわからないような結末の、これは静かな幕引きの最後を飾る不祥事か。
2面に関連で「技能学べず『実習』骨抜き 重労働ばかり 国検査後解雇も」中見出し「経団連会長企業 欠いた危機感」があり、「視/点」でも「特定技能にも参入 問われる管理団体」があり、「日本を代表する大企業の姿勢が問われている」(本文引用)。引用すると長くなるので割愛するが、「日本を代表する大企業」がなんとも恥ずかしい所業。経団連会長が君臨する企業だから、なおのこと恥ずかしい。会長は朝日の報道に対して、記者会見で「違法性はないと信じている」「朝日新聞がマニアックに追いかけている話」(本文引用)といった発言を重ねたとある。経団連には「企業行動憲章」という立派な建前があるようで、「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」との原則が盛り込まれているとか。日本国憲法を空洞化する政権とほぼ一心同体だから、「人権」なんてきっと邪魔モノなんだろうね。「経団連は外国人労働者の受け入れ拡大を安倍政権に求めてきた。政権は財界の意向も踏まえ、昨年12月に改正入管法を成立」(本文引用)させた。「新聞がマニアックに追いかけて」いなかったらどうなったやら。国が実地検査に入ったのは昨年7月。朝日報道は8月。その後の「マニアック」発言は軽く考えていた証拠。「経団連が昨年10月にまとめた外国人材に関する提言は、技能実習制度での法令遵守を徹底するよう説いている。その会長企業に改善命令がだされたのは皮肉」(「視/点」引用)。管理団体は企業が違法に実習生を働かせていないかチェックする責任があるという。実習生が実態を訴えても取り合わない管理団体とは、いったいなにを目的に設立されたものやら首をかしげるばかり。改正入管法成立後、管理団体は「『特定技能』の在留資格を持つ外国人労働者を支援する登録支援機関として活動する動きを見せている」(本文引用)という。実習生が不利益を被らないように監視する役目が逆転し、自分が利益を得るために実習生を企業に売り込む、つまり人入れ業みたいなものに堕す団体が横行するとしたら、それは制度の問題。国の責任は日を追って大きくなる。
「予算委100日超大規模ネグレクト」が招いた不祥事山盛りの現状。こんなことをしていたら、そんなに遠くない将来、第2の徴用工問題として、国際的な批判にさらされるだろうな。そのときダレが責任を取るのやら。「私は総理大臣ですから、うそをつくわけがないということを申し添えておきます」と断言したあの人の責任は当然問われるだろう。企業の責任は下請け問題と同様「その件は管理団体に確認してください」などと言い訳して逃げるのかな。寒い国だなあ。
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2019年09月06日

電力改革はあちらの掌中でコロコロと

3面に「電力 集中から分散へ ブラックアウト対策進む 北海道地震1年」中見出し「再エネを『地産地消』」がある。北海道胆振東部地震から1年。1面に「北海道 なお1032人避難生活 地震1年 被災3町、人口減に拍車」があり、28面には「『帰りたい でも家がない』北海道地震1年」中見出し「仮設は買い物不便 グループホームに」「人口減ペース 地震前の2倍」と、いちおう被災者たちの状況を伝える記事群になっているが、今の政治のありようが頭にこびりついているせいか、なんとなく復興のスピード感を強調する記事に思えてならない。東京五輪まであと数ヶ月の範囲になってきて、投入される費用は「安上がり」とアピールしてきた当初の数倍に膨れ上がり、どう見ても安上がりの範疇を超えている。「アンダーコントロール」で大見得切って招致した手前、国家の体裁を考えると「ごめんなさい、開催やめます」というわけにはいかないのか、日本各地に広がる原発事故や地震や豪雨災害の傷を覆い隠し、まるで無いもののように振舞うために巨費を投入する。これは空虚の極みというしかない。北海道地震に話を戻すと、記事の主眼は3面の「ブラックアウト」であることが知れる。「道内ほぼ全域の295万戸が停電したブラックアウト」「一つの発電所に電力供給を過度に頼る『集中電源』の問題があらわに」「北海道電は2月に、新設した石狩湾新港火力発電所の運転を始め、改善を図りつつある。3月には北本連係線の容量が地震時の1・5倍」「社長は『リスクは極少化できている』と話す」(本文引用)。なるほど、苫東厚真火力発電所が止まってブラックアウトが起こった。それゆえもう一つ造ってリスクを分散化したというわけか。ここで気がつくのは、泊原発が停止していたことがどう影響したか。泊原発の近くで地震が発生したらどうなったか。泊原発と苫東厚真火力の両方に影響する範囲の地震であったらどうなるかなどなど。経産省は、広域災害が起これば複数の発電所の停止や送電設備の故障が懸念され「リスクはゼロとはいえない」(本文引用)としている。最大のリスクとして南海トラフ巨大地震を想定しているのが感じられるが、各地域間を結ぶ連係線を増強するために「工事費の一部を全国に利用者の負担する制度」(本文引用)をつくるとある。
ここから中見出しの「再エネ電力を『地産地消』」に記事は移行する。先の泊原発と苫東厚真火力に新設された石狩湾新港火力を加えてリスクを分散化するという大型発電施設の分散構想から離れて、小規模の分散システムを構築する構想が対置される。これのネックはいくつもある。記事で主要に書かれているのは、独立した送電線を確保することの難しさ。「送電線整備は1キロあたり数千万円〜数億円」「点在する民家に新たな送電線を張り巡らせるのは現実的ではない」「大手電力の送電網の一部を独立して使えるようにし、再生エネで周辺地域の電気をまかなう実証実験」「バイオマス発電(略)災害時に避難所となる公共施設などに電気を送る」(本文引用)などなど、風力や太陽光などの電源も加えた構想が描かれている。この考え方に不足しているのは、20年度に実施されるはずの発送電分離がこれにどんな影響を与えるかということ。発送電分離によって、全国に張り巡らされた送電網はどのような組織によって管理運営されるのか。このままでは発電と送電は完全分離されず、せいぜい大手電力の子会社になる以上の改革にはならない。託送料金に原発の廃炉や事故の賠償費用を算入するとか、新電力が電力網を利用して託送供給する場合のペナルティをインバランス清算して徴収するなどが提案ないし行われている現状(ややこしくて頭がこんがらがる)。「地産地消」が一筋縄でいかないことは明らかで、複雑な法が乱立し、個人では追いきれないような難しい施策が進んでいることを憂慮する。興味深い情報に、中国が低価格な蓄電池を市場に供給する話がある。成否・可否を含めて注目。
☆「中国蓄電池、BYDが日本参入 CATLは半値で 」日本経済新聞9月2日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49281160R00C19A9MM8000/?n_cid=NMAIL007
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2019年09月05日

緊張感が薄れる中で何が進んでいるか

3面に「福島原発事故調査再開へ 規制委、線量低下で」の記事。規制委は東電原発事故の調査を再開すると発表。線量が下がって現場に近づきやすくなり、新事実を集められると判断した模様。21年に事故から10年となるため、来年中に報告書をまとめる。2号機はベントが失敗して格納容器から大量の放射性物質が漏れたとされ、ベント失敗の原因を探る。1号機の非常用復水器は、運転員が機能を理解していたか否かが問われる。放射性物質が漏れた経路や炉心冷却機器の動作など基本的調査のみならず「事故前に東電などが取り組んでいた過酷事故対策が『本当にまじめに考えて設置されたかどうか』(更田豊志委員長)についても踏み込む」(本文引用)。東電原発事故裁判は東京地裁で9月19日に判決が出る。裁判の結果が出てから規制委の事故調査の結論が出る。どんな結論が出るにせよ、裁判は地裁で終わるはずがない。「元副社長・武藤栄(68)、元副社長・武黒(たけくろ)一郎(72)、元会長・勝俣恒久(78)の3被告」(以下記事より引用)の責任追及のバックグラウンド資料となるかどうか、規制委は本気でやってほしい。
☆「東電原発事故裁判、9月19日判決 旧経営陣は無罪主張」朝日新聞3月21日
https://www.asahi.com/articles/ASM3D4J0KM3DUTIL011.html
倒壊が危惧されていた1・2号機原子炉建屋脇の排気筒(高さ120メートル)の解体作業が始まったのは8月1日。切断用ノコギリが故障したり、配線が抜けたり、作業員が熱中症にかかったりで難航し、半周を切断したまま作業が中断していた。8月30日に再開して残り半分を切断する予定だったが、9割切断して装置の遠隔操作が不能になるトラブル発生。「午後六時すぎから作業が再開されたが、筒の残った部分に大きな重さがかかるなどの原因で、回転のこぎりがほとんど切り進めない状況が続いた。筒本体は七割以上輪切りにすると、強風や地震による強い揺れに耐えられない可能性が高まり、切断装置を外しての作業中断はできない」(8月31日記事本文引用)というほとんど綱渡り状態。そして9月3日の記事では、「東京電力は9月1日、福島第一原発1、2号機原子炉建屋そばに立つ排気筒(高さ120メートル、直径3.2メートル)の解体作業を続け、筒頂部から本体2.3メートル分を輪切りにして大型クレーンで地上に下ろした。1日で終わるはずだった最初の輪切り作業に1カ月を要した。この間、機器の不具合が頻発。来年3月までに上半分の解体を目指すが、作業工程の見直しは避けられない」(本文引用)という恐ろしく困難な作業に直面している。人間が近づいたらたちまち死に至る高放射線量にまみれたエントツで、錆びついて倒壊が危惧されていたので急いで解体に着手した。だが、1日のつもりが1カ月に伸びる難作業。事故もなく来年3月までに上半分を解体できるかどうか。どれだけ難しい作業かは、記事を読んでしっかり理解してほしい。正直、読んでいるだけで緊張してくる。作業している人たちは、精神的肉体的に、すさまじい圧力にさらされているのだと思う。
☆「福島排気筒、解体再開 トラブル続き難航」東京新聞8月31日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019083102000143.html
☆「1、2号機排気筒やっと切断、『1日』が『1ヵ月』 福島第一原発」東京新聞9月3日
https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/1139
そんななか、4面に「汚染水の説明初公表 政府 各国向け 韓国を意識」がある。奇妙な書き方の記事で、表題には「汚染水」とあるが、文中では「高濃度の放射性物質を含む汚染水を浄化した『処理水』」(本文引用)と書かれている。「汚染水」ではなく「処理水」という、政府の強いこだわりを感じる。「2011年以降103回目」というのも、「ちゃんとやってますよ!」感がいっそう強い。回りくどい表現を透かして読むと、「報道陣への事後の内容説明を始めて実施」(本文引用)というテイタラク。「外務省によると、海洋放出についての抗議は出なかった」(本文引用)と理解に苦しむご発言!
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2019年09月04日

憲法の空洞化でナンチャッテ改憲という方法

12面「社説」に「開かれぬ国会 政権は論戦に応じよ」がある。通常国会が終わってから2ヶ月が過ぎ、政府・与党は夏休みで遊び呆けている。内閣改造・党役員人事は来週。首相の国連総会出席で9月開会は見送り。閉会中審査には応じず。7月参院選後に開いた臨時国会は人事案件だけで審議はなかった。「このままでは論戦の空白は3ヶ月以上に及ぶ」(本文引用)と記事は書くが、先の通常国会中の予算委員会開催完全ネグレクト100日超を加算していない。そのあいだに日韓関係はエスカレートし、アメリカも持て余す状況となる。日米貿易交渉はなにが「大枠合意」したのかまるで不明。このままだと9月下旬に協定の署名が行われた後、開けてびっくり玉手箱になるしかない。モリカケ問題未解明。刑事訴追の恐れがなくなった佐川君が説明を拒む理由はなくなったのだから、国会に呼んで議論せにゃならぬ。消費増税は議論なしで強行か。年金問題は昨日の紙面で官邸主導の社会保障改革に関する会議の新設で、国会の議論なしに突っ切るつもりか。記事はそのほか、厚生労働政務官の口利き疑惑とか「戦争」発言を繰り返す奇怪な議員をどうすべきか、重要案件続出で放ったらかしの状況を指摘する。「国会での説明責任を軽視し、論戦に後ろ向きなのは、安倍政権の一貫した姿勢といえる」「それでいて首相が、憲法改正の議論については、野党に強く協力を求めるというのは、ご都合主義というほかあるまい」(本文引用)と突っ込む。いやいや「ご都合主義」なんて生易しいものじゃないだろう。これは「緊急事態条項」の先取りではないか。去年末の臨時国会開催まで、延々と先延ばしした経験をすぐさま次の国会運営に応用する。憲法なんて弄らないでも中身を空っぽにできると気づいてしまう。これまでならそんな迂回作戦に気づいても、決して実行にまでは至らなかったものを、あえてやってしまう政権に、本来なら庶民は危険を感じないといけないはず。「憲法を守れ」では憲法を守れない。建前のタガを外せば「憲法を空洞化」できる。中身を丸ごと大日本帝国憲法に戻せる。そんな思惑の転換が起こっていないか。首相が執着する「改憲」さえ、すでに空洞化していないか。状況をよく読むことが、いま必要になっているような気がする。
消費増税のほかあらゆるところで、庶民からふんだくる試みが発動されてきた。身近なものでは改正水道法、森林経営管理法や国有林法の一部改正、耕作放棄地への重課税。そして自動車走行税などという奇妙な発想まで登場。3面には「原発賠償金上乗せ『違法だ』 送電線使用料 新電力事業者、提訴へ」がある。「東京電力福島第一原発事故の賠償費用について、送電線の使用料(託送料金)に上乗せして徴収する(略)。政府は当初、原発事故の賠償費用を全国の電気利用者から電気代を通じて集める仕組みを作った。だが、賠償費用が5・4兆円から7・9兆円に膨らんだため、2016年末に託送料金に上乗せして徴収する追加策を決めた。新電力に対しても計2400億円の負担を割り振った」(本文引用)。提訴した新電力事業者は「原発事故に由来する費用を、意図しないのに支払わされるのはとても問題だ。(これを許すことは)結局、原発を温存することにもなる」(本文引用)と指摘。国策を許した責任が庶民にあるとしたら、「もうこれ以上、国策をのさばらせない」という前提があればこそ、その責任を背負うこともありうる。原発事故を含む原子力の後始末には、簡単に「反対」だけではまとめきれない、国民的議論を前提とした、熟考を要する課題が山のように積み上がるからだ。放射性廃棄物処理・処分の問題も、「この地には反対」という主張では「この地」が対象から外れたら沙汰やみになるという地域エゴにつながりかねない。しかし、それでも新電力事業者の主張はいま、この時点で正当性を持つ。これら庶民の生活を真綿で包みながら実施される諸施策の奥になにがみえるだろう。富国強兵で無理な軍事力を持ち、庶民の不満を強い警察力で圧殺してきた歴史への回帰がいよいよ鮮明になってきたように思う。それも現行憲法の空洞化という、邪道ともいえる姑息なやり方でも可能になりつつあることに気付きたい。
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2019年09月03日

平均値・中央値・クラスター分析その他

18面週刊誌広告「年金『積立金がゼロ』『支給額42%減』に! 厚生労働省の試算で描かれた老後危機シナリオ」に注目。同様の指摘で以下のような記事がある。「(GPIF)の最高投資責任者・水野CIOが、米国カリフォルニア州の職員退職年金基金(略)の理事会の席上で語った内容が物議」「GPIFが2018年10−12月期におけるいわゆる分散投資において、すべての資産市場において損失を出し、しかも為替差損の損失さえも被弾するという、GPIF史上過去にも例を見ない大失敗をおかしたことを公表。市場は騒然」(本文引用)という。昨年10〜12月は、株価が大暴落し経団連も真っ青になったとき。原発輸出がオール頓挫した影響も重なり、呆然自失の中西経団連会長は政府に泣きついた。記事は、GPIFを「必ず下値で相場を支えるという特別な存在」「膠着相場で海外勢が誰も買いに来ないという状況においては、自ら相場を買い支えることで株価を持ちあげるという、典型的なクジラ状態に陥っている」「安倍政権における年金の原資はまさにこのどんぶり勘定の域」「国民に対する重大な背信行為」「大暴落などがあれば、今回ばかりはGPIFの原資がとうとう完全に枯渇するという、ダムの湖の底を垣間見ることのできるような状況」「日銀とGPIFをはじめとするPKO軍団の妙で異常な買い支えのおかげで、お盆を過ぎても日本の株式市場は閑古鳥が鳴き、取引ボリュームは日々激減中」(本文引用)と、ここまで読んだら背筋が寒くなること必定。
☆「年金支給は完全終了へ。史上空前の運用大失敗で2000万不足どころの騒ぎじゃない=今市太郎」MONEYVOIC8月25日
https://www.mag2.com/p/money/749654?fbclid=IwAR38OlMMGUJ0OFI3uMpSntwl3tH-UyRDh9XFCKdLKjpWbcCir3Ew9JbhJg4
本日1面トップに「年金・介護・医療 負担増を議論 社会保障改革 政府が会議新設へ 『団塊の世代』が後期高齢者に」の文字。本日は年金・介護・医療が紙面の全体を占めるかと思ったほどで、とにかく政権は、官邸主導の社会保障改革に関する会議の新設を検討しているらしい。どうして負担増を庶民に押し付けるか必死に模索中の様子。官邸主導がミソで、これまで積み重ねてきた社会保障政策の大失敗を、後期高齢者群に丸ごと責任転嫁して押さえ込もうとする意図ありありとなってきた。3面の「社会保障 負担増に課題 厚労省、官邸主導に懸念も」には「検討項目には、サービス利用者に負担増を求めるメニューが並ぶ」「最近は、幼児教育・保育の無償化や診療報酬の妊婦加算の凍結、働き方改革など、社会保障政策で首相官邸主導の色合いが濃くなっている」(本文引用)とある。アベノミクスのキモは、企業や株主に有利な経済政策を進めて経済が好転したら、トリクルダウンで庶民にも金が回り、国内消費が高まって景気も良くなる、との目論見だったはず。それが企業や株主がもうけを懐に溜め込んで放さないから、お金の循環が滞り、日銀の異次元緩和も物価目標2%に届かない現状。変則的な優遇処置を外して政策的にお金を庶民に回せばこんな矛盾は解消されるはずなのに、いったん決めたことを「間違ってました」で引っ込められない倒錯脳ゆえに、矛盾の上に矛盾を積み重ねて今に至る。「老後2000万円問題」は、その矛盾を表面化するはずだったが、「予算委100日超逃亡路線」で逃げ切られ、いまになって残り火が細い煙を上げ始めたというべきか。
13面の「『平均値』を疑え 政府の家計調査 世帯貯蓄の平均に実は2/3が届かず」は「平均値」と「中央値」の比較で問題点を指摘する。ブログ主が地域のお仲間にこれについて問題提起したことがあるが、残念ながら反応は鈍かった。「最大値」と「最小値」しか示されていないデータを簡単に信じ込む市民運動には先を見通す視点は育たない。にも関わらず、そんなデータで自己主張する人々は「中央値」の意味は「むずかしい」の一語で片付けられるしかない。強大な権力は、そんな貧弱な市民運動に狙いをつけて騙しの仕掛けを施し、いつのまにか権力のお先棒を担ぐ先兵に転化させてしまう。権力が複雑な術策で攻めてくることの意味を、身をもって知る必要がある。そういえば金子勝氏の「再配分と新産業の育成」論、かなり納得。れいわのMMT政策の弱点を補完しているかも。
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2019年09月02日

さりげなくさし挟む煽りの意図

4面の「第2次大戦開始80年 ポーランドで式典 ロシア招かれず 歴史認識にも溝」が、いろいろと興味深い。第2次大戦は1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻で始まった。今年の記念式典にロシアは招かれなかった。国際情勢の複雑さをことさら匂わせようとする紙面のあり方が奇妙に思えた。ドイツは大統領が出席。「我々は我が国が犯した罪を忘れず伝えていく」「ナショナリズムの高まりを、人々への憎悪を二度と繰り返してはならない」(本文引用)と語ったことが強調さる一方で、欧州で広がる「自国第一主義」が自国の被害を強調する動きを見せ、「ドイツが過去の協定などで『解決済み』とする損害の賠償を求める動きも、ポーランドやギリシャなどにある」(本文引用)と、さりげなく付け加える。そして、よくみると、ロシアのクリミア半島併合や第2次世界大戦への関わり方について溝が深まっていることに、記事の半分が割かれているのに気づく。「解決済み」問題を含めると、記事は80周年式典を背景として、いま日韓や米中で発生している諸問題へ結びつける意図が浮かび上がってくる。「解決済み」はドイツもそう主張するだろう。しかし、国家間の懸案は解決済みでも個人請求権はあるという認識についてはどうか。式典で独大統領が国家としての決意をきっちりと述べていることは、我が国の対応との根本的な違いとして確認できる。そのあたり確証はないので詳しくは触れにくいが、ブログ主的にはこの記事で詳細に触れない報道の姿勢の曖昧さが、誤解への誘導を狙っているような気がしてならない。
4面には月刊誌広告があり、いろいろ興味深い表題が踊っている。「『平和ボケ』の日本外交 ■安保環境『急変』でも動かぬ安倍政権 安倍が唱える『積極的平和主義』とは何なのか? 北朝鮮のミサイル連射に沈黙し、ホルムズ海峡『有志連合』にも逡巡。日韓対立は北東アジアの不安定化を招くのみだ。米国の『失望』は日本も含んでいる」では、最後の一言「米国の『失望』は日本も含んでいる」が鋭い。昨日までの新聞記事では、米の「失望」はひとえに韓国に集中しているように感じられたが、そんなはずはない。両方への「失望」でなければ、バランスが悪過ぎてまさに米の足腰が定まっていないように受け止められるだけの記事になり、ここにも暗黙の誘導があったと感じた次第。もう一つ大きな表題は、「嫌韓『依存症』の安倍政権 ■外交成果『ゼロ』の焦りゆえ 米中ロは無論のこと、北朝鮮にも強く出られない中、唯一『文在寅叩き』だけが支持者を喜ばす持ち芸に。それが外交・安全保障上の下策だと言う自覚がない。超長期政権にしては威風なき相貌が物悲しい」というもの。「平和ボケ」の表題と並べて見えてくるものがある。よくいう「対米従属」という語句の座りの悪さが、ここに露呈していると言えないか。「米国の『失望』」を招くような行為は「対米従属」の姿勢からは考えられない。ありうるのは、表面の「対米従属」に内面の「従属のフリ」があってはじめて、彼らの自意識は慰められるという構図だ。そんな綱渡りみたいな身過ぎ世過ぎができたのは歴代の自民党政権の巧妙なやり口があったればこそ。保守の先人たちが「悪政」の責任を自分たちから逸らすのに「対米従属」を利用してきた真意を知らずに、右も左も「対米従属」を批判し、「自主独立」をいっしょに主張すると、何が起こるか。右が台頭してきたとき、「対米従属」「自主独立」はすぐに、右のスローガンとして乗っ取られてしまうだろう。その危険を見逃す動きは厳として慎むべきではないか。安保環境の「急変」下で、威風なき長期政権の相貌が巧妙な動きを失いウロウロしている。「面従腹背」でほくそ笑んでいた時代が懐かしいようなモタモタぶりが、世界を呆れさせている。以下のような記事もある。辺野古は、実質的には米の堅い要請ではなく、ひたすら日本の底意の反映であると知る。
☆「グアム移転、24年可能に 米軍、沖縄知事に説明」共同通信8月30日
https://this.kiji.is/540013924214834273?c=39546741839462401&fbclid=IwAR3n4n8ZplKekJICdEdQ5O6TRokjUhyyaNgfak-awNcvOYscwOkV2TJJhQU
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2019年09月01日

簡単に先祖返りできる理由はなにか

1面トップ「消費増税まで1カ月 大丈夫? ポイント還元参加進まず 対応レジ品薄に」があり、関連2面「消費増税 混乱、消費者にも」中見出し「店内で飲食10% 持ち帰り8%」「キャッシュレス決済進まぬ準備 店舗によっては使えず」「『駆け込み購入』目立たず」がある。5年半ぶりの引き上げとなった消費税。どうなるのかねえ。政府は軽減税率の柱として9カ月限定でキャッシュレス決済へのポイント還元を実施する。決済の5%が補助金でポイント還元されるが、ネット通販ではまだ4分の1ほど参加申請しているだけ。それもあるが、決済端末やレジ機器の生産が追いつかず、納期が遅れているという。「外食や小売りは複雑な軽減税率やポイント還元制度への対応に追われ、スタート時に消費者が混乱する恐れも出てきた。前回の消費増税の時に見られた『駆け込み購入』の動きは今のところめだっていないようだ」(2面引用)。前回の増税時は14年度のGDP0・4%減になったというが、今回は影響はあるものの前回に比べて小さいと予測。増税前にあった、住宅や自動車で大がかりな「駆け込み購入」の動きが今回は鈍いとか。来年6月で終わるポイント還元が第2の壁になる可能性も囁かれる一方、消費者態度指数は11カ月連続で悪化中というから、身構えるのが前回より早くなったのかもしれない。もしかしたら「駆け込み」ではなく、とっくに自衛中ということか。上げ幅が前回より少ない2%だし、5年半前より景気悪化の印象が強いから、消費増税以前にマインドが冷えているのか。茹でガエルの習い性が事前に周到に準備して増税ショックを感覚的に緩和するのか。抵抗しない限り税負担は庶民の上に、重たくのしかかる。これで景気が好転すると政府は思っているのだろうか。そんなわけない。これから先、何回も小刻みにあげる予定だから、やはり茹でガエルの習性をアテにしているのだと思う。適当なところで終わってくれるなんて、そんな生易しいことはないんだと覚悟しておいたほうがいい。気がついたら、金持ちと貧乏人の格差が、目も当てられないほど大きくなっている時代を、文句を言う相手が見つからないまま、我々は生きているのだろうな。悲しいことに。
思えば今日の「折々のことば」も高見順特集だ。「この頃。すべてが配給。会話も配給。 高見順 『敗戦日記』、昭和20年6月の記述から。敗戦の色が濃くなっても言論の厳しい統制は続き、8月に入って作家は、『肉体だけでなく精神もまたその日暮らしになっている』と記す。そして新聞には『知りたいと思うことは何も出ていない』と。しばらく前から作家の目はむしろ投書欄に向いていた。浮ついた言葉はやめてくれといった悲鳴や粗末な食事の工夫などが載っていたから」(全文引用)。税金をこれ以上とったら国民が干上がってしまうところまで世の中が進んでしまい、またも配給制度の復活か。食べるもの着るものみんな配給になり、いつしか会話も配給になっていく近未来。「敗戦の色が濃くなっても言論の厳しい統制は続き」とあるけれど、「敗戦の色が濃く」なったからこそ言論の統制はとめどなく増幅していったのだろう。それだからこそ、庶民の細々とした本音が投書欄に現れたのではないか。まさに「細々と」息も絶え絶えに記録されていったのだろう。昨日の続きでいうと、「従順、卑屈」の苦痛から脱出して適正な着地点を見つけるのではなく、より弱いものに向かって「残虐になる」性癖を長い封建制度の中で植え付けられ、明治以降になってもその性だけは強固に維持され続けて究極の「敗北」に至る。しかし、この国民性を編み出したものたちは形を変えて生き残り、与えられた民主主義の底に、この性癖を復活の種として残し続けたのではないか。「子羊のごとく従順、卑屈」でありながら、弱いものには簡単に「残虐になる」特性を持ったまま、戦後の70年を生きてきた自分たちがいる。ブログ主もまた、その忌むべき精神風土から逃れていると自信を持って言えるかどうか。私たちが生きるこの国は、恥も外聞もなく、先祖返りと見紛う歴史の逆行に邁進する。已んぬる哉!
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