2020年11月11日

世間はコロナで大揺れだが

いま「日本モデル」なんていう人は、ほとんどいないと思う。あえていえば、コロナ対策でモタモタしっぱなしの政府対応を、「日本モデル」と皮肉を込めて揶揄するくらいか。死者が欧米ほどになっていないことは、新型コロナが日本で特殊な動きをしているということにはなろうが、それは政治の成果じゃない。政治が散々足を引っ張ったおかげで、冬の感染が第3波に突入。東アジアでダントツトップの感染数になり、東南アジアのフィリピンやインドネシアを追いかける体制に入っている。過去には韓国の感染拡大をはるか上に仰ぐほどの不思議国だったが、いまや30数カ国を置き去り、追い抜いて、韓国の状況をはるか見下ろすほどのに達している。この前まで、世界でも異色の独自路線を貫くスウェーデンのすぐ近くに感染者数が近づいていたが、スウェーデンはこのところ欧州第2波の仲間入りをして、死者数はもちろん感染者数もグングン増加中。同国は医療体制全体は充実していたが、高齢者施設の運営が低賃金移民労働者に依存し、過酷な生活環境や労働条件が災いしている。陰謀論ではまるで「コロナは風邪」の理想郷みたいな評価があったものの、そんなことはなく、PCR検査の強化。潜在的陽性者の隔離。集中治療体制の拡充。その他さまざまなロックダウン政策(教育機関・職場・在宅・国境管理)を実施していたが、高齢者施設のクラスターを防げなかったことが明らかになっており、第2波でも同様の傾向を示している。
日本における第3波の感染者数は、東京、大阪、北海道で顕著になっている。3面に「首相、3次補正を指示 コロナなど経済対策」があり「追加予算の財源は、これまでの補正予算に計上した予備費の余りの7・2兆円を活用するほか、不足分は赤字国債の発行で賄う方針」「追加予算を盛り込む第3次補正予算案と来年度の当初予算案の編成を並行して進め、いずれも来年1月に召集される通常国会で早期の成立を目指す」「すでに2度の補正予算で57・6兆円を追加支出して国の財政状況は大きく悪化。財務省幹部は『1次、2次の補正の時とはコロナの状況が違う』と述べ、緊急的な支援策を段階的に縮小していきたい考え」(「」内本文引用以下同様)という。GoToを5月の大型連休やオリ・パラまで延長する意見もあるが、与党の思惑はコロナ対策というより次期衆院選を露骨に意識したもの。財務省は難色を示し、様々な補助、助成金などについて引き下げを検討中。どちらにしてもGoToを軸に、経済をどう回復するかを最優先している。コロナはどう対策したらわからないのが本音のようだ。3面には「『90%有効』ワクチン 米で許可申請へ 新型コロナ、ファイザー月内にも」がある。こんなに急いで大丈夫かね。4面「ワクチン法案審議入り」の記事は小さい。「国民全員分のワクチン接種にかかる費用を国が負担する。ワクチン接種で健康被害が出た場合の損害賠償は政府が肩代わりする」「国民には接種を受ける努力義務が発生する。ただ、ワクチンの安全性や有効性を踏まえ、政令で努力義務を適用しないことができる条項も盛り込んだ」とある。26面には「10月自殺者数昨年比4割増」があり、速報値で2150人、昨年同月比で約40%増という。3面の記事だけではわからないが、これを政府が真剣に受け止めているのかどうか。GoToの視線も、末端の労働者の苦境を素通りしているような気がしてならない。トリクルダウンが夢物語だったのはすでに時代が証明している。「自助」が空論であることも、現状が示している。コロナを「ただの風邪」とし、自殺者の増加を並べて論じる向きもあるが、それもまたコロナの政治利用に堕しているのみ。いま、世間はコロナで大揺れに揺れ動いている。軽々な判断が多すぎる。
☆「コロナ禍 途切れぬベトナム人労働者SOS」朝日新聞9月30日
https://www.asahi.com/articles/CMTW2009300400001.html
☆「景気回復は『W字型』『√(ルート)型』それとも『K型』?」日経ビジネス11月10日
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00096/?P=1
posted by ガンコジージ at 10:51| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする