2021年01月15日

こんななかでも彼らは本音を隠し持っている

1面トップに「コロナ 地方でも急拡大 熊本・宮崎・沖縄『緊急事態』並み 病床使用率各地で逼迫」がある。病床利用率で見ると20都道府県がステージ4。39都道府県がステージ3を越えるとか。ステージ3で宣言解除のつもりでいた政府は、3でも医療に重い負荷がかかるため、「解除後もステージ2以下になるまで必要な対策を続ける」(とする一方、感染制御学の専門家は)「政府が手をこまねいているうちに感染爆発につながった」「政治が科学的根拠を軽視し、経済優先へとかじを切ったことが事態を悪化」「一方で、『単なる風邪』などと深刻にとらえずに飲食の機会を通じて感染を拡大させた国民の側にも原因の半分はある」(本文引用)と書く。ついでに書いておくと、若者にとっては「単なる風邪」の場合が多くても、重症化し死亡する例もある。さらに「単なる風邪」でありうるのは若い層だけで、彼らの風邪が高齢者には死に至る病となる。自分たちは平気でも、その「平気」が知らない間に他人を苦しめていることに気づいて欲しい。病床逼迫によってトリアージが現実となっている。若者が「自分たちは安全」と普通に振舞っている一方で、「寿命がきた」として従容と死を選ぶ高齢者も出てきた。そのことを意識して欲しいと思う。なぜこんな状況になってしまうのか。この国が長年にわたって造り上げてきたシステムがいかに過酷なものであったかを示す、コロナが決定打となったことを自覚して欲しい。また、国民の側に緩みはあっても、それを助長しているのは国のふらふらと定まらない施策であって、国民は正確な情報を得られないまま右往左往しているにすぎない。それを国民の責任とするなかれ。それによる政治への反動は、いつかかならず怨嗟の大波となるはず。
2面「感染列島 深刻」には要約3つの中見出し「医療逼迫」と「国の目安異論」と「指標共有されず」がある。どれも重要だが、なかでも「指標の役割 共有されず」には、昨年8月に分科会が指標をまとめたものの、政府のGoToに忖度して指標を機械的に当てはめず、判断を国や都道府県に丸投げし、必要な時に対策が実行されなかった経緯があると指摘。トラベルでは11月下旬から感染拡大したものの政府は判断を知事に委ね、知事の判断は鈍く、国と地方が責任なすり合いで両にらみとなって判断停止状態に陥ったという。このあたりから分科会はオズオズと「政府の英断」を求め、ステージ3の都道府県を名指し。しかし、ときすでにおそく政府と地方と分科会の3すくみ状態は12月下旬までずれこみ感染者急増に至った。専門家は「国と地方の間で、指標の意味や役割が十分にすり合わせられず、宙に浮いてしまった」(本文引用)と指摘するが、分科会がもっと力を持っていたらこうはならなかったはず。国と地方に分科会の及び腰が重なる3すくみが第3波の感染爆発を誘発したとしか思えない。さらにその奥底には、官僚が連綿と続けてきた医療制度の縮小策がコロナ下で身動きならない状況を露呈していることがあり、それが大きな重しとなって存在する事実を忘れてはならない。システムが危機に向き合えないまでに劣化し、この国の医療全体を破壊し尽くしている。第4波が言われ始めているが、ここまで来ると、破壊され尽くした医療全体を立て直すのもままならず、悲惨な状況へ落ちていく道筋しか見えてこない。それを唯一乗り越える方策として、政府はワクチンを待ち望んでいるのだろう。
フリージャーナリスト神保氏の記者会見での質問は、政府の狙いを浮き彫りにした。いまの硬直した医療制度を改めないと、医療の崩壊は起こる。そこへ入り込んでくるのが「コロナはインフルと同じ」「2類から5類に変えれば医療崩壊は解消される」といった安直な発想。正確な情報が消え去り、国が狙っている医療制度の変革の本丸、国民皆保険制度を民間参入に作り変え、この国の医療制度の根幹部分を、コロナ危機に合わせて一掃しようとする。それが神保氏の巧妙な質問で明らかにされたというべきか。そのように理解すると、いよいよこの国の医療制度の劣化が末期にあることを実感させられる。ペーパー棒読み官房長官加藤氏は、4面「国民皆保険『制度は守る』」で釈明しているが、国民は彼らの本音を自ら誘導するなかれ!
posted by ガンコジージ at 11:03| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする