2021年01月16日

病床足りてるが足りないのはなぜ

1面トップに「コロナ病床増『勧告』可能に 感染症法改正案 病院へ要求強める 拒否なら公表も」の記事。さんざん減らしてきて、去年11月にはもっと削減しようと「地域医療構想」を実現するための「病床削減支援給付金」についての通達を自治体に出し、それでコロナ病床増とはこれいかに。しかも、コロナ患者を受け入れる病床確保のため、医療機関への「協力要請」を「勧告」に強め、応じない医療機関には「機関名を公表」するとか、入院や疫学調査を拒否する人には罰を与えるとか。「地域医療構想」は撤回しないのか。以下には「病床が不足した要因は、国が医療費亡国論のもと、長年にわたり医療費削減政策を続けてきたことにある。1998年から2018年までの間で、全国の病床の総数は約189万2000床から約164万1000床、9210床あった感染症病床は1882床にまで削減」(本文引用)とある。無謬性を誇る官僚だから「地域医療構想」は一時凍結してコロナが収まったらまたぞろぶり返すつもりか。病床数はいまもたくさんあるが、感染症病床は「9210床あった感染症病床は1882床」まで削減される一方、コロナ禍で多くの病院が多大な労力を費やして増やしている現状。これを、コロナを2類から5類に変えればすべては円満に解消すると主張する根拠にしようとしても、問題はいまも続く感染症病床の不足であり、未知の部分が多く残るウイルスであり、治療法が一定の成果を生まない限り、一般病床で済ませられる状況にはない。世界でトップクラスの医療保険制度を持ち、病床数も格段に多いにもかかわらず、感染症病床が足りなくて医療崩壊を起こす国。これの原因はコロナにあるのか、それとも医療制度が根っこから腐っているからか。以下の記事をまた引用すると「日本は人口10万人あたりのICUのベッド数がイタリアの半分以下にあたる5床程度である」「死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想」(本文引用)されるという状況が、その後、若干改善されたとしても昨年4月にはあり、いまでも不足にあえいでいる。その場その場で意味ありげな論拠はたくさんあっても、もう一歩踏み込んだ姿勢を維持することの難しさを知る。
☆「【主張】医療費削減が招いたコロナ禍」東京保険医協会2020年7月14日
https://www.hokeni.org/docs/2020071400019/
以下の記事でも「人口当たりの病床数が世界でもトップクラスで、欧米に比べ新型コロナウイルス感染者数が少ないにもかかわらず、国内の医療が逼迫している」(本文引用「」内以下同様)として、なぜ逼迫するのかを解き明かそうとしている。「経済協力開発機構(OECD)の2019年の調査対象国のうち、人口1000人当たり病床数は日本が13・0床で最多。韓国が12・4床、ドイツは8・0床と続く。米国は2・9床、英国は2・5床」「厚労省の情報システムに登録している7403施設(昨年11月末現在)のうち、コロナ患者を受け入れ可能としたのは1872施設で全体の25%。一般病床や感染症病床は計約89万床あるが、コロナ対応は2万7600床と3%にとどまる」。「一般病床や感染症病床は計約89万床あるが」と書かれ、一般病棟と分離した感染症病床の数が書かれていないのが気になるとして、7月時点の1882床が、いまは2万7600床ある。集計時点のズレはあるかもしれないが、医療機関が最大限の努力をしていることは確かだろう。さらなる努力を押しとどめるのは「受け入れた病院は『数十億円の赤字』」ということ。病床削減の圧迫が底流にある一方で、民間病院に臨時の措置を押し付ける。これではできることもできない。やはり、厚労省自身が<コロナはふつうの季節性インフル>と思い定めていることが障害になっているのか。首相はブルームバーグ記者に「国によって医療提供体制の状況や医療に対しての考え方は違う。比べることはなかなか難しい」と話した。医療制度縮小の意図は、首相の脳裏にもすでにあるということか。
☆「<新型コロナ>病床は世界最多、感染は欧米より少ないのに…なぜ医療逼迫?」東京新聞1月14日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/79752
posted by ガンコジージ at 10:41| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする