2021年03月05日

兵を語る準備をして敗軍の将となる

31面に「島根知事が五輪に異議 広がる反響」がある。「新型コロナ対策が不十分だとして、島根県の丸山達也知事が東京五輪の聖火リレー中止を検討すると表明し、2月下旬に上京して政府などに説明して回った。五輪開催にも反対だという。感染者が少ない島根がなぜ東京の五輪に異議を唱えるのか」「東京では冷淡な対応も受けた。丸山知事はコロナ担当の西村康稔経済再生相らへの面会を希望したが、省庁で会えたのは副大臣や担当課長ら」。(知事は)「『五輪開催に反対せざるを得ず、プレイベントの聖火リレーにも財源や人員を充てられない』(略)東京の感染対策が不十分で、五輪をやれば感染が再拡大する。また緊急事態宣言が出れば、疲弊している島根の経済にも深刻な打撃を及ぼす。島根のような宣言外の地域に国からの給付金の支援がないのは不公平ーーといった論法だ」(本文引用)。地方はバブル崩壊より厳しく深刻な不景気に直面している。コロナそのものが原因というより政府のコロナ対策が、いつものトリクルダウン期待に偏っており、きめ細かな対応になっていない。資本主義社会とはいえ、こんなときには意図して計画的に経済運営を試みる必要がある。大きなところを潤せばトリクルダウンで恩恵が下へ染み渡る、などの幻想で人心を操ろうとしても、世界に急拡大した疫病下で、そんな呑気なことをしてはいられない。知事の腹の底には、五輪なんかに金を使うくらいなら潔く中止し、その金をコロナ対策に使うべきだという思いがあるんじゃないか。ズルズルと引っ張っていって、どうにもこうにも止めざるを得なくなってから止めても、損害は拡大するばかり。いまとなっては『できるだけ早く辞めて損失を少なくしておく』のが最適解というしかない。「27日の全国知事会の会議では、岩手や秋田、滋賀、嵯峨野知事らも飲食業の窮状を訴え、知事会は実効性のある経済雇用対策を公平に講じるよう求めた」。(県幹部は)「知事は本気だ。具体的な改善が示されなければ、100%中止するつもりだろう」(自民党系会派会長は)「いわば国民の総意として開く聖火リレーを島根県だけが中止し、ぽっかりと穴をあけることができるのか」(組織委幹部は)「政府や都への不満は理解するが、これでは聖火リレーが人質にとられたようなものだ」(本文引用)。「聖火リレーが国民の総意」か疑問だし、これに盾突くのは民主主義の大切な権利。知事は国や都の出方待ち。「国威発揚」を錦の御旗に掲げて推し進めようなんて時代おくれの圧力には負けないでほしい。
3面に「延長2週間 見えぬ根拠 首相周辺『1週間は短い』」「送別会・桜・・・『1カ月必要』」がある。首相が2週間の宣言延長を記者団にぽろっと漏らしたのは3日。今日、延長を正式決定する。昨日の参院予算委で根拠を問われ「もう一度2週間程度、国民に協力いただければ終息に向かうのではないかと思った」「4都県の知事から『状況を聞き、専門家にも様子を伺っている』とも語ったが、(略)尾身会長とは『話していない』とした」(尾身会長は同委員会で)「基本的には適切だと思う」(これに対して首相は)「『大変心強い』と語ったが、根拠を明確に示すことはなかった」(本文引用)。要するに根拠などない。官邸幹部によると、3日の関係閣僚会議では、1カ月案も出たがそれでは国民の心が折れるなどとあり、また逆に1週間では弱すぎるという感覚的なもので決めたようだ。最終的には小池都知事が2週間としているのを聞き及んで便乗。聖火リレーが25日にスタートすることから、それ以前に終わらせる日程を考えたら2週間が適当と決まったらしい。新聞には疫学的な考慮はどこにも書いてない。まるでコロナが政府の日程に従って動く、という前提に立っているようだ。積極的疫学調査を軽視し、PCR検査を縮小し、みせかけの終息に自ら踊り、ワクチンを全国民に接種できなくても変異ウイルスを膝下に押さえつけたつもりになり、懸命にやってる感を出せればそれでよし。もちろん疲弊する国民生活など眼中になく、全国的な医療システムを構築するなど、めんどうなことはいっさい行わず・・・挙げればキリのない無能ぶりを、中身抜きの「大決断」でやり通す。まさに大日本帝国の末期。「敗軍の将、兵を語る」の図がみえてくる。
posted by ガンコジージ at 11:21| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする