2010年07月15日

ジージの図書館

学校が終わるとすぐに町の書店へでかけた。目的は書棚に居並んでいた本である。「少年少女世界文学全集」「少年少女空想科学小説全集」(←これ、正式な名称は忘れた)その他の単行本も含めて毎日1冊か2冊、本屋で読破して帰ってきた。
「なんとか全集」の類いはほぼ全巻読み通した。すごい速さである。いま思うと、自分でもびっくりするくらいの速読であった。
雨の日も風の日も、図書館代わりに通い続けた。図書館にも入り浸りであったが、町の書店のほうが種類が豊富でなによりも新しかったのである。
ついには店員に目を付けられる。ものすごく邪険にされる。すると別の書店にシマをかえる。おなじ本がなければしかたなしに別の本を読みはじめる。そして、そこでまた邪険にされる。
ジージの住んでいた町には大きな書店が2つあった。中くらいの書店も2つほどあった。みんな同じ通りとそれに直角に交差する大きな通りに面していた。だから、邪険にされても流れていくところはいくらでもあったのである。
読んでいると、店長か店長代理くらいの偉い人がいらいらした顔でやってきて、どなりつける。雨の日だったらジージの傘なんかを掴んでぽいっと道路へ放り出してしまう。店員はおおむねジージの存在を無視してくれるのに、偉い人たちはだいたいケチくさかった。
まあ、そりゃあそうだろう。買わないでみんな読んでいってしまうのだから・・・。「空想科学なんとか全集」はたぶん、100冊以上が揃っていたのではなかったか。
店に並んでいるあいだに、薄汚いガキがよれよれにしていってしまうのだから、商売にならない。怒って当たり前だったのだ。雑誌の類いでは、ほんとうにヨレヨレボロボロ状態になっていくのもあった。
ジージは本を読んでいるとき、ものすごく姿勢がわるかった。背中が丸くなり、ずっと立ちっぱなしだから、読み終えて書店を出るときには、背中を真っ直ぐできず、さらに足が棒のようになっていて、歩くのもままならないときがしばしばだった。
学校の図書館は利用しなかったのか、というとそういうわけではない。授業のあいだの15分間はもとより、昼食後の遊び時間も図書館に入り浸っていた。
運動が苦手だったこともある。だが、それよりなにより、学友たちに馴染んで遊ぶのが苦手だった。べつにお高くとまっていたというのではない。もっとほかの、むずかしい事情があったのだが、それもいつかはこのブログで書きたいと思っていることで、一筋縄ではいかない話なのである。
個別には学校の図書館は放課後それほど長くいられなかったという事情がある。また、放課後の学校図書館は寂しすぎる、ということもあったと思う。
こうして、ジージは町の本屋さんを専用の図書館として大いに活用したのであった。大学入試の勉強も、ときには店の参考書売り場で立ち読みしながら問題を解いた。いま思えばほんとうに本屋さん泣かせだった。
・・・うん、そうだ、ここまで白状したのだから、ことのついでに謝っておこう。遅きに失した感があるけれど、感謝しておこう。
「本屋さん、どうも申しわけありませんでした。ものすごく役立たせていただきました。ありがとうございました」
posted by ガンコジージ at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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