2011年02月20日

父のおもしろ軍隊話・・・2(厠)1/2

厠(かわや)、つまりトイレのことである。父の語ったことが一般にどこでも同じであったかどうかは定かでない。特に調べて確認する気が起こらなかったから、あえていまは父の所属した部隊の特殊な事情によるものかもしれない、としておく。
ともあれ、どこでもいっしょだと思うが、軍隊でもとくべつ厄介なのはトイレ(厠)である。いろんな映画や小説でも、そのような位置づけで話の小道具として使われることがしばしばある。それについては次回触れてみたいと思う。
とにかく父の話。「厠に入るのに紙は持っていかないんだ。どうするかっていうとだな」と、父が語ってくれたのは、幼いジージでも「うぇっ!」と目を剥いてしまうような、トンデモ事情であった。
「紙なんかおいてない。持っていかない。それで、やったあとどうするかというと、トイレの中に両端を壁に繋いだ太い荒縄がかかっているんだ。で、兵隊は用事を終えたらヨイショッとそれを跨いでケツの穴をごしごしこすりつける」
「それじゃあ、藁がお尻に刺さって痛いじゃん」というと、「そこをうまくやるのが兵士の心得だ」などと、いいかげんなことをいいながら、父は話を続けるのである。
「縄は汚れきるまでずっと使うから、まずまん中あたりが使えなくなってくる。それで、だんだん端っこにケツを持っていく。最後の方は、全体にこってりとウ○コだらけ。拭きにくいったらありゃしない」なんて言いながら、父はオシリをもぞもぞとやってみせる。聞いているものは大笑いである。
「ついに拭く場所がなくなる。そうすると、裏返して使う。もうどうしても拭くところがなくなると、次の荒縄に付け替えるっていうわけだ」
話を聞いた当時、衛生観念があまりなかった幼いジージでさえ、オシリが完全に拭ききれていないようで、なんだか奇妙な気色悪さを感じたものである。
1月26日付け「映画「網走番外地」からの連想」で書いた非衛生的入浴風景と重ねあわせると、父の軍隊生活がとんでもない衛生環境下にあったことがわかる。もちろん、最初に書いた通り、これがどこまで軍隊内の一般的な風潮でありえたかどうかは判らない。調べる気もないので、いまはこれを父の特殊個別の体験とあえて書いておく。
「で、溜まったものはどうするの?」と聞くと、「もちろん、おれたち初年兵が肥桶に汲み取って、捨てにいくんだ。隊舎の外はものすごく広い満州の野っ原だから、どこも捨て放題。冬なんか、寒くてあんまり遠くへ捨てにいけないので、隊の近くの野原へ捨ててくる。満州は寒いから、ウ○コがすぐに凍り付く。で、あっちこっちに凍ったウ○コの山ができてさ。冬はいいんだけれど、暖かくなってウ○コの山が融けだすと、風にのってくさい臭いが流れてきてたまったもんじゃなかったよ。行軍するときは、きちっと整列した兵隊たちが、ウ○コの山のあいだを、鼻をひん曲げながら、整然と進んでいったというわけだ」
聞いていて、軍隊というものはかなり臭いところであったのだと、ジージはつくづく思ったものである。そして、映画などで関連しそうな場面を見かけるたび、いつも父の思い出話を連想し、そのような場面に限って目を凝らして見てしまうクセのようなものが身についたのであった。
とまあ、そのあたりのことについては、次回まとめて触れてみたいと思う。軍隊映画に見られるトイレ風景などなど・・・。
posted by ガンコジージ at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 記憶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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