2019年04月04日

地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる

4月に入っていよいよ経済界の動きが鮮明になってきたようだ。1面「地銀再編 政府が促進策 独禁法審査見直す方針」があり、関連で7面に「地銀、政府主導に警戒感 統合のハードルは下がる」中見出し「5期連続赤字2割」も。「全国的に経営難が目立つ地方銀行の再編を促すため、政府は3日、経営統合に関する独禁法の審査を見直す方針を示した。同じ県内など特定地域での貸出金のシェア(占有率)が高くなることなどが統合の支障だったが、特例的に容認し、地銀が統合を判断しやすくなるように改める」「未来投資会議(議長・安倍晋三首相)(略)例外規定を盛り込んだ新法をつくるか、新ガイドラインをつくるかなど、具体策を今年夏までに詰め、新たな成長戦略の実行計画に盛り込む」「18年3月期決算で全国の地銀108行(現在は104行)のうち、54行が貸し出しや手数料収入など本業が赤字」(以上1面引用)。「新方針でハードルは下がるが、行政主導の再編には警戒感も強い」(九州FG社長は)「『独占禁止法のあり様は時代に合っていなかった。(新方針で)地銀の合併が進むかどうかは別の問題で、必要に迫られて(合併が進む)状況になってくる』と話した」「17年度決算まで5期連続以上で本業が赤字だった地銀は全体の2割超。人口減や地元の資金需要減少に加え、日本銀行の大規模な金融緩和政策が追い打ちとなっている」「『収益改善策を見いだせない地銀は、これを機に金融庁から統合を迫られるのではないか』西日本のある地銀頭取は政府主導の再編に巻き込まれる警戒心を抱く」「『競争をなくして統合をどんどん認めることが利用者に本当に良いのか』(略)との声も」(7面引用)などなど。7面添付の表によると、地銀が3行以上あるのは14都府県で計45行。現在104行だから4割以上になる。
当ブログで地銀再編について若干でも触れたのは14年12月16日「兆候は明らかにマイナスに振れている」で、「東洋経済」の記事を紹介した中にあるが、今日の記事に直接関連するのは16年9月15日「無理が無理を呼ぶ展開になりつつある」の記事で、「地銀窮地 再編加速も 人口減と金融緩和直撃 金融庁『地域密着を』 マイナス金利『いいとこなし』地銀協会長」で当日の新聞記事を要約し、全国地銀協会長は「日銀のマイナス金利政策について『地方銀行にとっていいことはない。大きな影響で大変な思いをしている』と述べた」と紹介している。流れから見ると、14年末には経済誌がすでに警告を発信しており、2年も経たないうちに新聞でも指摘されるようになっているのがわかる。さらに地銀の苦境をいよいよはっきりさせたスルガ銀行の偽装融資事件を書いたのは18年6月6日「この政治が終わったあとをどう生きるか」で、こうしてみてくると、14年の時点ですでに経済シロウトのブログ主でも「大変なことが起きるかもしれない」と感じていたのが、およそ1年半の間隔で段階的に明らかとなり、ついに「政府主導で独禁法をいじって地銀再編」にまでたどり着いたのかと思わざるを得ない。
折しも昨日の日本経済新聞には以下のような記事が書かれている。「19年度中の上場をめざす東芝メモリホールディングスの資金調達案が固まった。3メガバンクが合計で1兆円を融資し、日本政策投資銀行も3千億円の優先株を引き受ける計画だ。この計1・3兆円の一部を原資に、米アップルなどの取引先が持つ優先株を買い戻し、既存の借り入れも返済する」「米原子力事業の巨額損失で上場廃止の瀬戸際に立った東芝は、半導体子会社の売却で債務超過を解消した。東芝メモリは設備投資に充てる成長資金を確保するため、19年11月以降に新規株式公開(略)を検討する」(本文引用)という。
官製相場は昨年10月2万4千円台をつけたあと12月末に1万9千円台、現状2万1千円台で低迷しいまだ復調せず。輸出産業不調、日銀短観は悪化を認め、内閣府の景気動向指数の基調判断も、景気は後退局面に入ったとし「戦後最長の景気拡大」に疑惑信号が灯る。アベノミへの怨嗟の声は経済界にも満ち始めているというべきか。中西経団連会長発言の背景にある事情は想像以上に重い。
posted by ガンコジージ at 11:44| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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