2019年04月12日

時代が大きくうねっているときに

今日は昨日とは違って重要記事が満載だ。1面「石炭火力への融資半減へ 三菱UFJ 新設には融資せず」があり、メガバンク三菱UFJが30年度までに石炭火力への融資残高を最大半減するという。思い出すのは昨年の記事だ。「地球温暖化への悪影響が指摘される石炭火力発電への投融資を厳しくする動きが、大手銀行の間で出始めた。海外を中心に高まる石炭火力への批判へ配慮を迫られた格好だ。ただ、日本政府は石炭火力を推進しており、大幅な方針転換は簡単ではない」「3メガバンクグループは、この新指針を今後も定期的に見直し、さらなる厳格化も検討する」(昨年記事引用)としていた。今日の新聞に戻ると、日本の銀行は石炭火力への融資額が世界的に突出して多く、1位みずほ、2位三菱UFJ、4位三井住友FG。一方で政府は、昨年決定した新エネルギー基本計画で石炭火力を基幹電源として位置付けている。それゆえ、「今回のメガバンクの方針転換は今後、政府のエネルギー政策にも響く可能性がある」(本文引用)という。この動きに、ブログ主としては、中西提言と東芝救済に動く3メガバンク+日本政策投資銀行の1・3兆円にも注目する。さらに、地銀の危機を独禁法に穴を開けることで切り抜けようとする政府の動きに対する、経済界の警戒感も見逃せない。(4月4日当ブログ「地銀の危機でいよいよ独禁法をいじくる」参照)
☆「石炭火力への投融資、メガバンク見直し 環境配慮迫られ」朝日新聞18年7月25日
https://www.asahi.com/articles/ASL7R5VHZL7RULFA034.html
すべては新エネ基が設定する「2030年の電源構成」(3月23日当ブログ「呉越同舟からの脱出はなぜ難しいのか」参照)に向けての動きだ。「政府は30年度の電源構成に占める原発の割合を20〜22%に引き上げる目標を掲げており、特別扱いしてでも原発の競争力を維持する狙いがある」「30年度から、電力小売り事業者に原発や再生可能エネルギーなどの『非化石エネルギー源』の電気を販売量の44%にするよう義務付ける。小売り業者は、補助制度で原発の電気が割高になっても、一定程度は買わざるを得なくなる可能性がある」「再エネを名目的に含めた処置が多いが、九州電力がすでに実施しているように、再エネ出力制御はじわじわと拡大中で、最終的に再エネの首は完全に絞められる。細々生き残る設備はあるだろうが、勢いはなくなる」と書いた状況が近づく。3月12日当ブログ「まずステップの重要性を認識したい」では「2012年、当時の民主党政権は討論を通じて意見の変化をみる『討論型世論調査』を実施。それをもとに30年代に原発をゼロにする政策を掲げた』とあるが、あの当時は『即ゼロ』が大方の意見で『そんな先のことではダメだ』という声が、いかにも『30年代』の軟弱さを格好良く吹き飛ばすのに大きな役割を果たした」と書いたが、一蹴したはずの30年代が具体的に近づいている。軽々に蹴飛ばすのはやはり「近くを見て遠くが見えない」誤謬ではなかったか。直近の出来事に引きずられて根っこの原因を見過ごしてしまう運動は、悪しきポピュリズムの罠に落ちているということか。
時代が大きくうねっているときに、そのうねりに翻弄されて行き先を見失い次々に失敗を重ねていくとき、たしかに自問はするものの、根本原因を大衆の無理解にあると結論してしまい、大衆蔑視に向かうことがあるのは最悪のパターンと言わねばならない。地に足をつけて情報を集め、自らの力で詳しく吟味し、現状のなかに取り込んでいく。それが重要ではないかと改めて思う。7面「FRBへ露骨介入 トランプ氏 G20前、不安要素に」がある。トランプはFRB理事に人事介入しようとしているとある。FRBが世界経済の減速を懸念して利上げの一時停止に踏み切ったが、トランプはそれに不満で、利下げを求めているという。そんななかでG20の議長国になる日本は、日米通商交渉と向き合うことになる。これも経済界と政権との軋轢を増幅する可能性がある。たとえ弱小な市民運動だとしても、これらの要素を念頭に、戦略戦術を練る必要がある。激震を放置したらどうなるか。ツケがみんな自分へ回ってきたときに誰を恨むか。
posted by ガンコジージ at 11:48| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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