2019年04月15日

規制緩和は戦後民主主義の全成果を壊す試み

経団連会長が目一杯の焦りや苛立ちを表して政権よりさらに前のめりの提言を発表してから1週間。世間の反応はあまり芳しくない。経済情勢が急速に切羽詰まってきたとき、政治がそれを受け止めて速やかに動けるとは限らない。経済が切実でも、政治にはタイミングがある。そのタイミングが政権の運営者と国民とのあいだで大きくズレているとき、拙速に動けば、政権にとって望まない結果を招きかねない。そんなとき、いくら凶暴な独裁者のあの人でもすぐには対応できない・・・と思っていたら、いつもとんでもない奇策で突っ込んでくるあの人のこと。どんな強硬策を持ち出すかもわからないからご用心。以下の記事は、中西提言が出てきた事情を詳しく深掘りしている。政権の次の一手も、ここから見えてくるように思う。
「原発輸出」が全面頓挫したことのショックは経済界にとって大きなものだった。昨年10〜12月にかけて株の大幅下落があり、現在も10月以前の状態には回復しておらず、4月6日当ブログ「社会のシステム全体を大きく捻じ曲げる意図」で書いたように、様々な経済指標が「景気後退」を示し、政府や日銀の統計でさえ景気落ち込みを隠せなくなっている。各種論調はアベ批判の外でさえ経済の先行きを懸念するようになった。中西提言は「海外で原発をつくれなくなった以上は、原発事業は日本をベースにやるしかない。そんな原発メーカー側の思いを代表したもの」「ただ、そうだとしても、原発メーカーはそれほど焦る必要はないはずだ。原発事業は、新設の需要がないとはいえ、国内で安全規制の強化を受けた改良工事の受注があり、当面は安定した収益が見込めるからだ」「関係者は『むしろ中西氏のいら立ちは政府に対して向けられたものではないのか』と話す」「“国内回帰”を志向しながら、メーカー側が原発輸出からの『撤退』を明言しないのは(略)(ブログ主注:簡単に『原発輸出失敗』を認めるわけにはいかないという)政府の事情を考えてのことだ」「断念でも中止でもなく、『凍結』。会見でのこの表現について、日立は経済産業省や首相官邸と事前に調整していたフシがある」(本文引用)。英は30年までに14基の老朽原発を止める予定で、原発新設がないと電力供給に齟齬が生じる。その他事情が重なり、日本政府も原発輸出の失敗を認めて国内に問題解決の糸口を探る方が現実的だ、というのが中西発言の中身と記事の筆者は書き、「原発輸出はもはや、メーカーからすれば『疫病神』でしかない。暴れだす前に関係を断ち切りたいのが本音だ。これまで政府と呼吸をあわせて推進を掲げながら、もうからないとなればやめるというのもいささか手前勝手な理屈だが」「政府も『失敗』を認めず、現状からの打開策をさぐろうともしない。原発輸出の皮算用がはずれた中で、官民一体の『原子力ムラ』に亀裂が広がっている」(本文引用)と結論する。
☆「原発輸出『総崩れ』でも手じまいできない日立・三菱重工のいら立ち」ダイヤモンドオンライン4月11日
https://diamond.jp/articles/-/199433?display=b
そして今年はいよいよ政権にとって改憲の最終リミット。ジリ貧に陥りつつある現状を強行突破して道筋をつけ、「官民一体の『原子力ムラ』」の亀裂を修復して彼ら流の壮大な歴史逆転ちゃぶ台返しを成功させようと、破れかぶれの作戦に出ようとしている・・・という不穏な噂がちまたに流れ始める。以下の記事には、その一端が覗く。市民運動は、地域に根付いた緻密な政策を欠いたまま野党共闘に進む。このちゃぶ台返しが現実味を帯びたとき、決定的に必要なのは地域が納得できる具体的施策を準備することだが、その動きは鈍い。あらゆる暴政に彼らがかぶせる「規制緩和」の意味を、まず知る必要がある。戦前回帰の意図の芯はここにある。
☆「【特別寄稿】安倍官邸が狙う!?「消費減税」という壮大な「ちゃぶ台返し」!! 衆参W選圧勝!! そして緊急事態条項を含む改憲へ!! 〜永田町の闇の底からのディープレポート 」IWJ2019.4.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446899
posted by ガンコジージ at 10:52| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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