2019年04月16日

美しくないしょぼい国になったもんだ

3面に「3号機核燃料搬出開始 福島第一 不具合続き 不安の中」がある。使用済み核燃料プールからの取り出しで、長さは約4・5メートル、重さは約250キロ。水中で専用の金属容器に移し、7体を一組として30メートル下の地上へ降ろし、別の共用プールへ移動する。15日は4体を収容。所長は「『本日はゴールではなく、新たなスタート。2020年度の完了に向けて、責任を持って取り組みたい』と、完了時期を維持する方針を示した」(本文引用)という。まったくあたらしいことをやっているので初動ミスはつきものといっていい。昨年3月以降、細かなミスが続出して経産省幹部も「万全」という言葉は使わなかった。「作業開始がさらに先送りされれば、23年度に開始予定の1、2号機の燃料取り出し工程などにも影響しかねない。準備工事の関係者は『安全優先としながら、工程は死守しろというプレッシャーの中の作業だった』と話す」(本文引用)というから、かなりスケジュール的にきつかったことが感じられる。14日には首相が原発構内に入ったため、これにあわせて日程調整があり、14日夜の作業開始も模索されたらしい。なんだか、安全より忖度が優先されたように思うのは斜め見かな?
首相の原発事故現場視察は4面「首相、福島第一原発を視察 5年半ぶり、桜田氏に言及せず」でさらりと書かれている。「復興より議員がだいじ」で有名なあの失言居士の桜田氏が辞任した直後のこととて、「選挙がだいじ」な首相としては、「アンダーコントロール」宣言の手前もあり、少しアピールする必要を感じたらしい。3面には「輸入規制 解除求める 日本産食品 外相会談で中国に」がある。世界貿易機関(WTO)が日本産食品の輸入規制で韓国の規制を容認するとしたことを受け、中国も規制を強める可能性があるなかでの牽制である。こうなると、対中対韓で目くじら立てている場合ではないのに、大阪で開催される予定のG20首脳会議で文在寅大統領との首脳会談を見送るつもりでいる。外交では緩急自在の対応がとくに必要となってくると思うが、首相にそれを望むのは無理のようだ。記事からは、見事にすれ違った会話のお寒い空気しか感じられない。
3号機の問題に戻ると、使用済み核燃料の移動については各原子炉とも、4年から6年ほど作業工程が延期され最終は24年半ば。まずは20年の東京オリンピックまでに3号機が完了できるかどうか。できれば五輪開催中は作業をストップしていたいだろうな、と忖度するが、これが終わったところで、圧力容器を突き抜けて格納容器も突き抜けているかもしれない溶融核燃料の取り出しはこれ以上の困難を伴うし、半端でない放射線量が予測される以上、現在の使用済み燃料よりさらに慎重な対応が求められる。「スケジュールありき」なんて呑気なことでは済まされない困難さがある。「入れ物を復興させるが人間を復興させる気がない」政治にとって、これはまさに収束作業員を特攻作戦に駆り出す冷血しか感じさせない暴虐といえる。入れ物の復興を目指すために汚染水や除染土を含めて袋小路に陥っていくより、長期的に安全を確保しつつ、「鉄板遮水壁と粘土投入」で全体を「石棺化」するのがより望ましい方法だったのではないか。
沖縄に対して「地方には地方の民主主義があり、国には国の民主主義がある」と豪語したのはだれだったか。福島でも同じ構図が進んでいく。桜田発言でもそうだが、ゾロゾロでてきた他の暴言大臣も含めて、彼らの考え方は金太郎飴。拉致問題政治利用で、いまや日朝会談の可能性も目処が立たず、文在寅大統領と会談する機会も得られないまま、国際的な孤立の淵に立たされている。今日のテレビ報道では日米貿易交渉の推移が報じられているが、「日米物品協定」なんて言葉はどこにもでてこない。「為替条項」とか「自動車」とか「農産物」に言及するあたりに、国策よいしょの報道機関でさえ「TAGではなくてFTA」の構図を描き出す。そういえば「こんな時期に消費増税なんて考えられない」と論評していたのは、どこの国の報道機関だったか。いよいよ孤立し小さくなっていくこの国のしょぼい未来が浮かび上がる。
posted by ガンコジージ at 11:34| Comment(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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