2019年04月17日

明るくない未来を明るいと思う人たち

3面「日米、物品中心に交渉 初会合 農産物関税下げ幅『TPPの範囲内』」に、いかにも幸先のいい出だしであるような文言が並ぶ。茂木氏とライトハイザー米通商代表が話し合い、「まずは農産物や自動車などの物品を中心に交渉を進めることで合意した。日本の農産物の関税引き下げ幅は環太平洋経済連携協定(TPP)の範囲内とすることでも一致」「日本側の懸念がひとまず薄らぐスタートとなった」(本文引用)とあり、FTAではなくTAGの範囲に収まったようだが、実際はどうか。交渉は2段階で進め、第1段階が「日米物品交渉」。初日は「物品」の農業と自動車の議論が、「早期に結果を生じ得るもの」として続いた。第2段階「他の貿易・投資の事項」は、どうも日本側の独自解釈に基づくもののようで、先行きはどう転ぶかまだ不透明。ムニューシン財務長官は「為替条項」について言及しているが、茂木氏は協議するつもりはない、という、だが、そんな言い方で済むはずがない。記事の最後に観測が書いてあり、第1段階の限定的交渉で終わるか、第2段階を終えて包括的協定を結ぶか、まだよくわからないという見方を示す。「仮に対象を絞って早期に合意に至っても、『第2段階』をめぐって紛糾する可能性は残る」(本文引用)という。
トランプ氏は来年の大統領選挙で2期目を目指す。そのため早期に一定の成果を上げておくべき立場に追い込まれている。11面に「ロシア疑惑捜査 報告書18日公開 『内容 大統領に打撃』報道」がある。その他の情勢次第で交渉は千変万化する。「TAG」と限定的に捉える日本に都合のいいように交渉が進むとは考えにくい。最終的に「農産品」で大幅な譲歩をし、大量の「ポンコツ武器」を爆買いして自動車を守り、紛糾の様子を見せながら「第2段階」を引き延ばし、そのあとはまた「TAGかFTAか」の論議同様にお茶を濁し続けるくらいが関の山ではないか。そんな気がしてならない。
7面に「進まぬ財政再建『むなしい』 経済同友会・小林代表幹事」がある。氏は26日に4年の任期を終えて退任するという。最後の会見で「4年間の任期中に訴え続けた財政再建が進まぬ現状に、『むなしい。今さえよければ、自分さえ良ければという考え方が国をだめにする』と訴えた」「氏は、消費税引き上げなどによる財政健全化を提言し」「この間、国と地方の借金は増え続け1100兆円」「『財政出動や金融緩和をやっても、国民は誰も痛まない。だが、それは次の、次の次の世代に大きな負担をかける』と語った」(本文引用)その他モロモロ。経済人だから全体を見ると利益優先であることは確か。政府の通商政策を評価しつつ、「外国人労働者受け入れ」や「技能実習制度の廃止」などに触れる。先の中西経団連会長がコテコテの原発推進を提言する一方、国民目線に近い感覚が見て取れる。とはいえ中西氏の提言にも国の認識とズレが生じ始めていることを感じさせ、それと噛み合わせると、経済界が政権の思惑に丸ごと乗っかっていればいい現状ではないと思わざるを得ない。
同じ感覚は12面「追加緩和を唱える前に」にも色濃い。「日本銀行が掲げた『2年程度で物価上昇を2%に』という目標は、インフレターゲット政策の理論を踏まえたものだった」「この理屈に従えば、物価目標がいまだに達成されないのは、国民が日銀の約束に懐疑的だったからにほかならない。為替市場も異次元緩和の開始当初こそ大幅な円安で反応したが、その後は大きくは動かなくなった」「『2年、2%』の物価目標や巨額の国債購入がなくても、物価0%台、低失業率という現在の状況は実現していた可能性が十分にある。最近は海外景気の鈍化とともに、早くも追加緩和が取り沙汰されている」「異次元緩和はどこで何を間違えたのか」(本文引用)という。こんな状況下で、「TAG」と言い張る交渉が進む。このごろ思う。国会で乱雑に進む「規制緩和」ラッシュは、「改憲」後の国内政治経済状況の綿密な下準備なのではないか。だとしたら「改憲阻止」の試みは巧妙に向き合い方をズラされているのかもしれない。都市ではなく、地方を具体的に見据えた方策がいま必要ではないか、と思う次第。
posted by ガンコジージ at 11:43| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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