2019年05月26日

絶壁氷河期を予感しつつ首をすくめるか

1面「就職氷河期の不運挽回できぬまま 不安定雇用 社会全体のリスク」は、2面「非正規を転々『国策の犠牲者』 政府に支援の動きも『簡単ではない』」「『自分ごと』の問題 ルール刷新の時」につながる。書かれている事例を読むと胸が苦しくなる。非正規雇用の拡大。ロスジェネ世代。いま脱原発で一生懸命やっている小泉純一郎と経済界で先頭を切って竹中平蔵が推し進めた政策の結果と言えばそれまでだが、あまりにも過酷な運命を、就職氷河期を生きた人たちに背負わせてしまったという意味において、先行する我ら世代の無力さを思い知る。2面の年表に書かれた時代の節目が雄弁に物語る。1989年に日経平均株価が史上最高値を記録。1991年は大卒者求人倍率が2・86倍。同時にバブル崩壊が始まる。就職氷河期突入は1993年。わずかの間に時代が激変し1997年には消費税5%引き上げ、北海道拓殖銀行と山一証券破綻。大銀行が吸収合併の末に3メガバンクになっていく。そして2003年に大卒者就職率が過去最低の55・1%。2008年リーマンショック。どん底に至って庶民の危機感は遅く始動。民主党に政権運営が委ねられたが、庶民の危機感発動はあまりにも遅かった。そして東日本大震災を民主党政権の責任に帰すべきではなかった。我が国の民意はいつも遅く動く。そして不完全燃焼に終わり、後戻りして亀のように甲羅の奥に首を引っ込めてしまう。どこの誰が造語したか「自己責任」なんて言葉を平気で使って氷河期に喘ぐ人々を切り捨ててしまうこともあえて厭わない庶民的無神経。なんで「自己責任」なんて言葉が流行するのか、疑問にも思わないで使う。同じようなことは「ポピュリズム」の日本的用い方にも現れる。この語が日本に上陸する前すでに変形させられていることに気付かず、安易に悪しき意味で「ポピュリズム」を使う。「忖度」もしかり。本来の意味は遠くなり、したり顔で改ざんがまかり通る。我らはなんと時流に流されやすい民であることか。
そんな庶民の流れを必死に読んで、悲願の改憲を果たそうとしているのが、アベ政権だ。3面「日曜に想う」の「執念と誤算 アベ首相と改憲」は、民意を誘導して改憲を成功させる試みが、いま我々の目の前で必死に行われているのを鮮明にする。改憲は首相にとってどんな意味を持つか。「レガシー(略)を残したいのだという人」「いや現実にはほぼ無理なことは首相も分かっているという人」(本文引用)人それぞれ。記者が7年前に尋ねたとき、優先順位として改憲は三番目と即答したという。デフレ脱却と震災復興で実績を積み、「アベさん、やってくれたね」と民意が高まったときを狙って実行する。「勝負すれば良いと言ったものではない」「だからこそ首相は迷う。ためらい、時に前のめりになって誤算も生じた」(本文引用)。機会は2016年にあり得たという。このとき首相は「拙速が生む反発を恐れ(略)延長戦に転じた」「それでも首相は諦められない」(本文引用)と、いじましくも「改憲」にしがみつく。自公プラス維新で改憲多数派を形成させる試みが進んでいる。いまもまだ「数合わせ」の発想が最優先で、少し前には国民民主党を引き込む算段も持っていたようだが、小沢流の寝技に負けて断念した。と、この部分はブログ主の主観が入る。
世論喚起に躍起になっているが、よくみればかなり慌てている。昨年10月の株価暴落と重なるように、中西経団連会長がモギ氏に泣きついた。英原発建設が完全に頓挫し、進退極まったのが背景にある。その後12月の臨時国会で怒涛のように「規制緩和」の関連法を成立させていく。地銀の大量倒産が目前に迫り対策に追われる。米中貿易戦争にあわてふためき、日米貿易交渉に振り回され、6者協議から外されて条件抜きの日朝首脳会談を求めて振り返りもされず、対ロ領土交渉は暗礁に乗り上げ、日韓首脳会談もおぼつかない現状。イランへ飛んでもどんな成果があるのやら。こんな政治が続く中、我らは最も虐げられた氷河期世代の苦境を尻目に、有効な手立てを持てないままでいる。悲しいことに。
posted by ガンコジージ at 11:19| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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