2019年07月12日

戦争が身近になって嬉しいか

2面「有志連合 日本の選択肢は『海上警備行動発令か』『海賊対処法対象外』『有事なら安保法適用も』『特措法 制定に時間』」「包囲網強化・負担減 米は一石二鳥」の記事。「米国が中東ホルムズ海峡などの安全確保のため有志連合を検討していることについて、日本政府の対応が焦点となっている。自衛隊派遣を求められた場合、法的な根拠やリスクなど検討すべき課題は多い」「米軍への攻撃といった『有事』になれば、15年に成立した一連の安全保障関連法に基づく自衛隊派遣が検討される可能性も」「日本が攻撃されるか、日本と緊密な関係にある他国が攻撃され、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある『存立危機事態』が起きた場合、集団的自衛権を使った反撃を認めている」(本文引用)。ようするに米は安上がりに、かつ迅速にイラン包囲網を作ることを目指している。記事は、緊張を高めたのはトランプだと指摘。イランとの核合意から一方的に離脱したのは米。イラン産原油の禁輸を復活させたのは米。原子力空母を派遣して軍事的圧力を高めたのも米。そして米は、欧州や日本などにイラン包囲網の強化を呼びかけ、「自国の船は自国で守るべき」と主張する。
そして9面には「『英タンカー拿捕未遂』米報道 イランは全面否定」中見出し「英『航路妨害受けた』」「イラン包囲網 同調広がらず IAEA 米離脱にEUは『遺憾』」と「考/論」の「断定は時期尚早 情報戦の側面も」がある。CNNが「米当局者の話」として、「イスラム革命防衛隊」の5隻が英のタンカーを拿捕しようと接近し、護衛フリゲート艦に阻止されたと報じた。だが英政府は「3隻のイラン船が行路を妨害しようとした」(本文引用)と説明し、どうもCNN報道と食い違う。ブログ主的にはこの時点で「またアメリカはやっちょるね」という感想しか持てなくなる。最も有名なのはベトナム戦争時代の「トンキン湾事件」。最近の事例ではイラク戦争の時の「大量破壊兵器」。アフガニスタンとアルカイダとの関係などを強調したアフガン戦争。どれもデタラメを根拠に始められたことをうかがわせる事例で、ベネズエラ政権転覆を狙って経済混乱を誘発し、それを政治混乱にまで拡大して、同国沿岸に大規模な海軍兵力を展開し威嚇。大きな対立として対中貿易戦争も然り。せっかく世界に希望を抱かせた米朝接近も、けっきょくはこれらの起こすべくして起こした戦争の火種のひとつ、米にとってはまさかのお祭り騒ぎの駒のひとつなのか。
手玉に取られたといえば、「外交巧者」を自認する首相が、米とイランの仲介役として颯爽と出発したのに、まるでコケにされた近時の出来事を思い出す。首相のイラン訪問時、ハメネイ師との会談があった13日に日本のタンカーが攻撃されたタイミングの良さに疑念を持った人は多かったはず。そのときは「なんだかあやしい」的指摘は少なかったが、今回の「英タンカー拿捕未遂」では、さっそく9面「断定は時期尚早 情報戦の側面も」が紙面に出る。これを英タンカーに限定して読むのではなく、日本タンカーへの攻撃も含めて理解することが肝要ではないか。首相が国際的にどう受け止められているのかを客観的に判断すること、なかでもアメリカはどう受け止めているか、イランはどう受け止めているか。これらの関係を想定すると奇妙な構図ができあがる。ようするに、首相の国際政治における存在感は、ほとんど地に落ちていると言わざるを得ない。G20の議長国にも関わらず、ひな壇で全員が集合するとき、彼に挨拶したのがわずか1名だったことに典型的に現れているように、また、ハメネイ師の対応のすげなさに、さらに3回目の米朝首脳会談で蚊帳の外に置かれたうえに、安保条約見直しまで迫られ、北方領土が頓挫し、拉致問題もまったく歯牙にもかけてもらえないテイタラクも、すべて長年培ってきた「外交巧者」のなせるワザ。悲しい結末を認めないリーダーの哀れな末路というしかない。
☆「安倍首相、G20主役のはずが“蚊帳の外” 与党内で『オウンゴール』の声も」AERAdot.7月11日
https://dot.asahi.com/aera/2019071000015.html
posted by ガンコジージ at 11:12| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。